恋について

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恋について
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神18
  • 萌×222
  • 萌25
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
23
得点
258
評価数
71
平均
3.7 / 5
神率
25.4%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
大竹とも 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784883863006

あらすじ

ブライダルコーディネーターの朝霞武史は、初めてプロデュースしたお客様・笹川様に一年ぶりに再会した。
笹川夫妻は、朝霞が結婚式当日に起こしたドジを、笑って許してくれたとても優しいお二人だった。
朝霞は嬉しさと感謝の気持ちを込めて、笹川夫妻の結婚記念日に、お祝いの花束を贈るのだが…。
真面目でヘタレな笹川と、元気で明るい朝霞の、ほのぼのラブをどうぞ。

表題作恋について

29歳,会社員
26歳,ブライダルコーディネーター

レビュー投稿数23

ノンケ同士の恋

表紙のふんわり具合やあらすじに書かれたほのぼのラブ♡から平和で穏やかな甘い話なのか?と思いましたが、そうでもなかったです(笑)
でも痛くはないので、比較的読みやすい作品ですかね。

受けの朝霞のお仕事はブライダルコーディネーター。
木原先生の作品はお仕事の描きも細かいので、自分の触れたことない世界が知れていつも興味深いです。
その分、仕事一筋になれない私は努力もして仕事ができる男の言葉(今回ですと新人に向けたようなもの)が地味に突き刺さりダメージもおっているんですけど(苦笑)


ノンケ同士の恋なので手探り状態が多く、どうにもスッキリしません。
笹川のような愚痴でも何でもしっかり耳を傾け話を聞いてくれる相手が私も欲しいなー…なんて思ったりもしましたが。

付き合うことになってもすぐさまハピエンルートに突入しないのが、先生の作品の好きなところです。
ですが、後半の素っ気なくなった笹川の選んだ行動はどうにも受け入れ難く、正直嫌いになりかけました。
好きで好きで仕方ないくせに、どうしてそうしたんだ…と頭抱えましたが、不器用なヘタレ好きにはたまらない(?)のかも…。

0

少し物足りない

男性のブライダルプランナーの仕事話が新鮮で面白かったです。自己中心的な後輩へのガツンと正論を吐くシーンが良くて、身につまされ自分まで怒られているようでした。最後の最後まで結末を読ませない展開は流石なのですが、物足りなさや納得いかない点もあり、評価は萌にさせていただきました。

物足りなかった点
・笹川視点の描写が少なく、朝霞の肩をもってしまいがちだけれど、そうでなくてもキャラが弱い。何度もお酒に呑まれちゃう描写やゴミ屋敷暴露はリアルで良かったのですが。木原さんのお話には特徴のないおじさんも特徴のなさが逆に強い魅力になっているのだけど、笹川はその中でも薄いなぁと思ってしまいました。特に2回の引越しについての心情がないのでモヤモヤ。
・池上様
仕事と飲み屋での会話どちらも面白く読みました。朝霞との距離の変化も。彼と仲良くなって笹川が嫉妬する…とかの展開も少し欲しかったなとも思いました。同性婚するクライアントとプランナーの会話「マジな話さ、俺らのこと気持ち悪くないの?」も良い。
そして決して「池上」としない。心の内でも必ず敬称付けする朝霞の仕事の鏡っぷりに少し笑えました。

納得いかなかった点
・笹川が付き合った女性について
てっきり朝霞との生活の為に偽装結婚をするのかと思いきや、本当に付き合ったのにはビックリでした。しかもシャワー浴びてるし。本当に朝霞が好きなのか?と思ってしまう。10日位待て。
・それを許す朝霞
完全にその場の流れとしか思えない。まだ許すな。

0

恋とは

普通のノンケの男同士が恋に落ちたらきっとこんな風に悩むのだろうな、という等身大の恋のお話。
戸惑い、近づいて、すれ違って、結ばれる二人から、恋の切なさや喜びがシンプルに伝わってきました。二人の心の動きが丁寧に描かれていて、こんな恋ありそう、と頷きながら読みました。

ブライダルコーディネーターの朝霞は、一年前に初めて担当したお客様・笹川吉郎と偶然歯医者で再会する。その後も偶然が重なり、やがて二人は頻繁に食事や遊びに誘い合うようになる。ある日、ひどく酔った笹川を朝霞が家まで送るが、そこは夫婦の空間とは思えないほど荒れ果てていて。笹川の結婚は相手が実家を出るための偽装結婚で、「一度も一緒に暮らしたことはない」と笹川は妻への叶わない片恋を涙で話すのだった。そんな笹川を放っておけず外出に誘い続けるうち、朝霞は笹川を支えるというのは建前で自分こそが穏やかで聞き上手なこの男に話を聞いてもらいたかったのだと気づく。妻との関係を清算すると決め、笹川は少しずつ立ち直っていく。ある日、笹川のマンションで酔いつぶれた朝霞は、寝入りばなに笹川からキスされ抱きしめられる。恋のような感情に戸惑う朝霞。しばらくぶりに会う笹川はやつれ、朝霞への思いを告げて逃げ出してしまう。痛々しい男が愛おしくてたまらない…。はっきりと笹川への恋を自覚した朝霞は、自分も笹川が気になっていると告げるのだった。

ここまでが表題作「恋について」のあらすじですが、これは二人の恋のほんの入り口。

「恋について2」では、淡い雰囲気から一転、カップルの切実な問題が二人に立ちはだかります。
深い関係を求められた朝霞が、受け入れる行為が恐くて(痛みとか怪我とか)笹川を突き飛ばしてしまったことから、二人はすれ違ってしまいます。どうなってしまうのだろうとやきもきしましたが、最後は互いに好きな気持ちを確かめ合い、体を重ねます。最後まではしない触れ合いが笹川の優しさを表していて、温かい気持ちになります。(コミック版には、その後の二人のショートストーリーが掲載されていて、そちらもとても良いです。)

仲直りした後の二人の会話の甘いこと!普段は穏やかな笹川が、ほかの男と寝たという朝霞の嘘に、「最初の時に、嫌がられても全部奪ってしまえばよかった」と悔しがるセリフにグッときました。そして誤解が解けると、「誠心誠意尽くすので…ずっと笑っててくださいね」と言う。笹川に求められ甘やかされる朝霞は幸せ者ですね。
初めは気弱で泣き虫でさえなかった笹川が、最後には包容力ある魅力的な人物に見えてくるのは、やはり恋の力なのでしょうね。

この作品が書かれたのは10年以上前。その頃よりは社会の理解は進んできたように見えますが、当事者にならないと気づかない大変さはきっとまだ沢山あるのでしょう。
朝霞のお客様のゲイカップルが教会での挙式を断られたときに、朝霞が牧師を説得する言葉に胸を打たれます。
「(彼らは)性別に関係なく相手が愛しいと思っただけなんです。」恋とはなにか。この短い言葉が朝霞の出した答えであり、私もそうだと思いました。

1

ザ・すれ違い‼︎

木原先生というと痛い辛い痛いのような恋愛が多いですが、こちらは切なくほのぼの?としたすれ違いラズストーリーです。

受けである朝霞のブライダルコーディネーターという仕事を基盤に、初担当した特別思い入れのあるお客であった笹川との恋愛が描かれていきます。
ブライダルコーディネーターという設定は、男同士の恋愛を描いていくうえでとても面白味のある要素となっていると感じました。

この作品はとにかくすれ違う恋愛であり、誰しもが陥りやすい罠がそこかしこに散らばっていました。俯瞰して読むとなぜ気付かないのかとやきもきするような展開の目白押し。
特に笹川は優しいけれど、優しいだけの取り柄のないような男として描かれてます。読者によっては、全て自己完結してあらぬ方向へフラフラと迷走してしまう彼に、苛々して我慢ならない方もいるかもしれません。
一方、朝霞は仕事ぶりから誠実で明るく行動力のある好青年という風ですが、プライドがやや高く意地っ張りで、口にしなくとも分かるだろうといった傲慢さが透けて見えます。
二人とも相手を慮るばかりに思考が暴走し、最も大切な事をおざなりにしたまま進んでいってしまう。分別がつき、そこそこ良い大人になって経験もある、そんなノンケ同士が初めて陥る『男同士』の恋愛。という、なんとも定番の図式ですが、それがイイ‼︎男同士なんだから悩んで当たり前、不安で当たり前、それがそこそこ分別ついた大人なら、こうなってもおかしくないよね。という二人がここにいます。
相手を思いやっているようで、自己満足で終わってはいけない。伝える事。本当に大切な事は、やっぱりシンプルなのだと教えてくれます。

とても焦れったい場面が多いですが、そういったものが好みであれば、ぜひぜひオススメしたい一冊です。

1

少女漫画読んでいるみたい


ノンケ2人の少女漫画のようなもどかしい恋話。木原先生のお得意の特殊職業の設定で、相変わらず新鮮でおもしろかったです。
最初は笹川さんはぜったい受けだろうと思ってた…(笑)。年上のくせに臆病で軟弱な性格してるし、体格も繊細系かなぁ声は遊◯さんのようなのがいいなぁとか勝手にいろいろ妄想したりしてた(笑)。

正直、個人的には話自体はけっこう普通でした。誤解したり、疎遠したり、誤解を解けたり、ラブラブになったり…木原先生のや細かな心理描写や職場でのやりとりなどがなければ完全に勝ち目がないかもしれないですね。ストーリーは普通であっても、決してつまらないではありません。男同士の恋愛ならではの葛藤が丁寧に描かれていて、とても木原先生らしく、読み応えのある一冊だと思います。
というかあっさり終われられ、逆に「ん?これでいいの?こんなに幸せになって本当にいいの?」みたいに恐縮してしまうくらいです(笑)。木原先生の既刊作品をえぐい系のものばっかり漁ってきたわたしにとっては大変貴重な癒しになりました(笑)。
そして今作では最後に出たゲイカップルの存在がすごく良いと思います。彼らのために懸命に牧師に訴える朝霞さんの姿に少し泣いてしまいました…。「同性だからいろいろ大変なのに、彼らは勇気を出して神の前で愛を誓いたい、周りから祝福をもらいたい」と。
今までBL作品で同性の結婚式が書/描かれているシーンを拝読したことが何度かありますか、海外だったり、ユートピアの世界だったり、こんなにリアルにゲイカップルの結婚式の大変さ、ましてブライダルコーディネーターの角度から描く作品はこれ以外読んだことがない。 だからやっぱり木原先生の特殊職業ものは最高だ!と改めて思いました。
脇役のゲイカップルの話もすごく気になっていますが、いつか彼ら主役の話が読める日が来たらいいですね(笑)。

1

メンタルをどこまでも深く描いた話 (ღˇ◡ˇ)♡

この度も木原音瀬先生の作品の中から選びました。
スイートなタイトルと素敵な表紙イラストに惹かれて。


攻め:笹川吉郎、30歳、ノンケ、公務員
受け:朝霞武史、26歳、ノンケ、ブライダルコーディネーター


目次
・恋について(朝霞視点)
・恋について2(朝霞視点)
・マンガ
・あとがき


あらすじ
朝霞と笹川の最初の出会いは一年前に遡ります。
ブライダルコーディネーターとして、朝霞がプロデュースした最初のお客様が笹川夫妻。
結婚式当日、朝霞は大失敗をしました。
けれども笹川夫妻は一言も責めたりしません。
逆に気遣い、感謝してくれました。
式の後は後悔で涙が止まらない朝霞でした。
けれども一念発起、今ではベテランの域に成長。
朝霞はかの新郎・笹川と偶然再会を果たします。
これを機に、間もなく結婚記念日の二人に花を贈ります。
いつしか二人は飲み友達に…。


ノンケ同士のすれ違いLOVEストーリーです。
二人のぐるぐるした恋愛を中心に、物語が展開していきます。
中には主人公二人の進展しない恋愛にイライラする方もいらっしゃるかもしれません。
でも私はこのゆるゆるとした展開も結構好き。

それに本書の良いところは、朝霞の仕事について結構多くのページが割かれているところ。
上手くいかない恋愛を想って、主人公がうだうだ悩むだけだと流石に疲れると思うのです。
けれども巧みに朝霞の仕事を絡めているので、まったく退屈せず、楽しく読み通すことが出来ます。
ブライダルのこと、部下の高円寺のこと、教会での式を希望するゲイのお客様のことetc。
興味津々で読ませて頂きました。
さすが木原先生、うまいなぁと思いました (๑>◡<๑)

最初、笹川が偽装結婚をしていたと知った時は、驚くよりも納得の気持ちの方が強かったです。
やはりね、BLですからね、と。
でも笹川も奥様もどちらも同性愛者と思いきや、奥様だけがそうだと知り、そこは驚きでした。
しかも笹川は奥様を心から愛していたと言うではありませんか。
いつか自分の愛に気づいて欲しいと儚い望みを託しながらの偽装結婚。
上手く行くはずなどなかったのです。
また上手くいかなくて良かった (๑˃̵ᴗ˂̵)و ヨシ!

全て朝霞視点のため、笹川が何を考えているのか分からず、疑問に思うシーンも多々ありました。
ただそれすらもミステリー小説を読んでいるようで楽しかったです。
ラスト近くになっても、笹川の行動の意味や真意が分からず朝霞とともに悩みました。
とはいえ終盤の朝霞と同じ思いが私の中にもずっとあったのです。

良い雰囲気になった時に朝霞が笹川をはねのけたことがあります。
そこから全ての歯車が合わなくなりました。
また朝霞が泥酔した夜、同僚の部下の家に泊まったことがありました。
朝霞は、恋人の笹川に誤解されることを恐れ、敢えて本当のことを話しませんでした。
でも朝まで帰らなかったことを笹川は知っていたのでは?
そんな印象を私は受けました。
この時、仮に朝霞が同僚のところにいたことを正直に打ち明けていたら…。
また朝霞が笹川をはねのけた理由を素直に話していたら…。
「IFストーリー」が出来上がってしまいますね。

でも現実にもそんなことって沢山あります。
特に恋愛中で壊れがかっている二人には、こんなもしもが沢山付きまといます。
現実にこんな「もしも」があった場合、既に壊れている可能性が大です。
でも朝霞の性格と笹川の性格がうまく融合し、最後はバッチリ上手くいきました。
本当に素晴らしい恋愛小説。

途中まで読んでイラっときた方も、どうか最後まで読んで欲しい作品です。
「終わり良ければ総てよし」と言う言葉の通り、とにかくラストが良かったです。
ヘタレな攻めですが、長いこと一方的な片思いに苦しんでいたため、恋愛下手なのですね。
そこら辺、朝霞も大目に見てあげて欲しいなと思いました。

ラストもよかったのですが、何と言ってもクライマックスシーンが圧巻でした。
全ての言葉が胸に突き刺さり、それまでのトロトロが嘘のようにハイスピードでした。
全て胸に来る文章のため、そのうち一つを上げるのはとても無理です。
無理と言いながら「この箇所分かる~!」と思う文章があり、その部分を抜粋させて頂きました。

━━━平凡で、地味で、特別な才能もなくて、ただただ話を聞くことだけが上手い、気の弱い男。この男のどこがそんなに自分をとらえたのか、凶暴的に好きだと思わせるのかわからなかった。━━━

いやぁ~、これは朝霞の笹川への想いのわけですが、すごく共感できました!
恋愛においては、性格が良いから、顔が良いから、お金持ちだから、など好きな理由は沢山あります。
でも私は「その人の何を好きになったのか分からない」という「好き」もアリだと思うのです。

つまり、気づいたらいつの間にか好きになっていた、という感覚。
「好き」と言う気持ちがより本物のような気がするのです。
何かしてくれたからとか、何かしてくれそうだとか、何かしら理由がある方が打算的な気がします。
もっと言うなら「嫌いになりたいのに好きが止まらない」方が運命的でロマンティックで好き。
と勝手なことばかり持論を展開してしまいました (๑→ܫ←๑)ノ ハンセイ

本書では、最後まで二人の本番は拝めませんでしたが、それ以上の「想い」を堪能させて頂きました。
楽しかったです。
これまた宝物の本が1冊増えました。
長ったらしいだけの拙いレビュー、読んでいただき有難うございました (‾◡◝*)(* ◜◡‾)

7

木原先生原作のコミック

「ergo」という、丸々木原先生の雑誌(!)に掲載された作品のようです。腐歴が長くはないのでそれ以上がよく分からず、木原先生の小説もあるのかと少し調べてみましたが、大竹先生のコミックのみ、らしいですね。
今作の主人公はブライダルコーディネーターの朝霞武史。初めて結婚式を担当したお客さまの笹川と一年ぶりに再会して恋をしますが、木原先生らしくすんなりとはいかない恋です。以下ネタバレしますので改行します。

朝霞が理想の夫婦と思い込んでいた笹川たちは実は、奥さんがレズビアンの偽装結婚。
仕事でも熱意があるのかないのかよく分からない新人に振り回され、笹川と思いが通じ合ったと思いきや、ぐちゃぐちゃの思考の泥沼にはまり(特に笹川が)、すんなり一線は越せず。
コミックであっても、ああ・・やっぱり木原先生だな・・・と思いました。
それに、ゲイのカップルが結婚式を挙げる場面がありますが、式にこぎつけるまでが大変で見ていて切なかったです。ここをもっと読みたかったかな。私、木原先生が好きなのは登場人物が恋愛だけでなく、仕事に一生懸命だからなんです。
ラブラブ書下ろしの「台風一過」は、朝霞と笹川のエッチがありました。なんだかんだあっての末なので「よかったねえ」の一言でした♪

2

この表紙すごい好き

攻は何の取り柄もない地味でいけてなくて優柔不断な攻と、若干空回り気味で色んな意味で不憫な受。
何の変哲もない地味な設定なのに、最後まで一気読みしてしまう吸引力がありました。

とにかくね、すれ違うすれ違う。
もう何をどうやってどの辺のボタンを掛け違えたらこうなるのかって勢いで、見事なすれ違いっぷりでした。
そのすれ違いがまた切なくて、この冴えない攻を見てると、イライラしっぱなしなんですが、静かに淡々と微糖風味で進んでいくので安心して読めます。

仕事ネタもたくさんで、読んでて本当に面白かったです。
仕事に一生懸命になってるBLが好きな方にはオススメ。
あと表紙がとても綺麗で素敵です。

1

タイトルが素敵。

姉の結婚で知ったブライダルコーディネーターの仕事に憧れ、自らその職に就いた仕事熱心な朝霞武史と、彼が初めて担当した顧客で実直な公務員、笹川吉郎の物語。冒頭、結婚式の回想シーンでの、笹川が花嫁にとった行動にハッとさせられます。もう、この時点でグイっと引き込まれてしまうんです。

木原作品できゅーんとさせられるなんて初めてでした。作家さまはホントにリアルなフツーっぽいの男の人を描くのだけれど、その普通さの裏側に隠されたドロッとしたものを炙り出していく過程が魅力の一つ。ノンケ同士が同性であることを意識しながら、それでも相手に惹かれてしまう気持ちを抑えられない。女に対しては絶対見せない男の色気を感じます。そういうのが見たかった…!もちろんリアルな分、女性の登場は免れません。お互いに思い合っているはずなのに、気持ちはすれ違うばかり。強烈なお話ばっかりだったので、こういったコミックっぽい恋心が描かれるパターンは新鮮でした。(まるでキワモノ扱い…。ごめんなさい。)

男の抑制された恋情に萌えました。笹川さんがえらくツボで、そこはかとなく色っぽかったです。カップルを見守る楽しみというより、はしたないけれど覗き気分のコーフンというのでしょうか、なかなか共感を得にくいおばたん好みの作品でした。あー、しっとりしてて、でもザワザワさせてくれて、とてもよかったなぁ。

ちなみに、この作品には男性同士の結婚式が出てきます。以前、答姐でそのようなシーンが描かれた作品を探されていた方がいらっしゃったのですが、発見が遅すぎました。お役に立てず申し訳ありません(汗)。

3

堂々巡り

久々に合体しないBLを読んだ気がします。
受が受受しくないというか、リアルに人間臭い感じがして
個人的には読後はわりと気持ちよく読み終えたかなという感想。

ウェディングプランナーを務める受。
相手は、初めて結婚式をプロデュースした新郎。
思い入れのある相手との再会。幸せな結婚生活を送っているのかと
想いきやーというところですね。
はじめはその気なんかなくて、だんだん一緒にいるのが悪くないな。
そこから「好き」という感情に変わっていくわけで。
「男同士」の「性」についてちゃんと勉強して
触れられてうれしい、気持ちいいと思う反面の「恐怖」
「怖かった」が言えなかったがためのすれ違い。
もう堂々巡りがひたすらというのがメイン。

後半の攻の対応には受じゃないが「まじか・・」と思ってしまった。
まぁ木原作品ですし。。。。いつものことですし・・
言っている場合ではないんですが
この思考回路はどうやって生まれているんだろうな・・と思ってしまう。

怖いと思ったところから、考えて悩んで
隣町までそれなりの道具を持参して、抱かれる覚悟で臨んだ
受が可愛くもあり滑稽でもあり。
なんだかんだでハッピーエンドではあるものの。
やっぱりここまで来たら合体は見たかったかなー
もともと受って感じでもなかった受がどのよーにと想像すると
少々萌えました。そこはでも妄想で補うしかないのかな。

2

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