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kimi wa yasashi uso wo tsuku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
年の差カップルの設定は好物でしたのでとても萌えました。
序章では、舞台が終末ケアの病院、左遷同然でこの病院にやってきた柏木、親切すぎて何か裏がありそうな大森、入院中の母親になぜか違う名前で呼ばれて満足そうな榊、親切な担当医の三森を見た目で嫌う榊の母…。
なんともどんより薄暗く始まり禍々しい印象を受けましたが、登場人物がみんな榊に優しく温かいお話でした。
登場人物がみんな品行方正かつ親切である必要はないと思ってますので、どうしようもないくらい下劣な人物がいても構わないのですが、このお話は主人公の母親の迎え来る死が軸にありますので、この温かさはよかったなと思えました。
2人の心理描写が交互に語られるので、一つ一つの言動の裏まで描かれているのでとてもストーリーに没頭できて堪能しました。
由衣は下心あったのでしょう。榊に迫る描写などがあっても面白いのでは思いましたが、そうしてしまうと従兄弟である榊との人間関係がガラッと変わってしまい後々ぎこちなくなるでしょうからこれでよかったです。
由衣自身も榊に対して下心があるくせに、柏木を責めるくだりは何だか可愛く思えました。
イラストは重要ですね。
設定とあらすじは面白そうでも、イラストが好みでないと萎えそうで…。
この作品もイラストが決め手でした。
もちろんストーリーは最高でした。
愁堂さんは個人的にちょいちょいとツボに入らないこともあるので(いや、失礼)購入を迷いましたが、あらすじと八千代さんの描かれた麗しい表紙につられ購入。
愁堂作品は、刑事が主人公だったり割と硬派なものが多い気がしていますが、今作品は病院が舞台。あとがきで愁堂さんも書かれていますが、いつもの愁堂作品とちょっと趣が違うっていうのかな。なんとも切なく、そして温かな作品でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は外科医の柏木。
医師の父を持ち、裕福な家庭に育ち、そして優秀。医師としてのキャリアを着々と歩んできた。そんな彼はとあることをきっかけに緩和ケア病院に移動することに。
そこで彼は出会う。一人の少年に。
母の付き添いをし、美しいビジュアルを持ちながらも儚く笑う少年。母親から「こうちゃん」と呼ばれるその少年に。
柏木。
そして「こうちゃん」。
彼らには、内に秘めた孤独や葛藤があり―。
緩和ケア病棟に入院しているこうちゃんの母親は、その病棟に入院しているところからもうかがえるように余命が幾ばくも無い。けれど、こうちゃんが見せるその陰には、それ以上のものがあるように、柏木には見える。
柏木が感じたその謎を、読者が共に追いかける展開でストーリーは進みます。
一言で言ってしまうと、薄幸受けさんがスパダリに愛でられ幸せになるシンデレラストーリー。
なんですよ。今作品は。
けれど、スパダリであるはずの柏木にも、心に穴が開いていて。
そんな「何か」を抱えた二人が、少しずつ寄り添い、心を通わせ、愛情を育ていく。
こうちゃん、がとにかく健気です。
もうね、可愛いの。
そんなに頑張らなくっていいんだよ、といって抱きしめてあげたいです。
そんな読者の思いとリンクするかのように、柏木もまた、彼に心を寄せていく。
完璧に見える柏木。
こうちゃん。
そしてこうちゃんのお母さん。
完璧な人なんていなくて、それぞれ抱えるものがある。
けれど、それを誰かと分け合えることができたなら。哀しい、つらい、切ない、という気持ちを半分こにもできる。
しいて言うと、二人の「恋」が育っていく過程が若干甘かったかなーという気も。でも、彼らはお互いの存在を得たことで、自分の中にある苦しみを少しずつ昇華していけたんだな、と思いました。
こうちゃん、は紛れもなく薄幸青年なのですが、彼を取り巻く周囲の人たちは皆さん優しくって温かい。決して一人ぼっちではなかったんです。どこまで踏み込んでいいのか、その距離の取り方が、自分に置き換えてみても難しいよなー、なんて思ったりしました。
柏木は自身の失敗があったからこそ、こうちゃんに優しくできた。
まさに割れ鍋に綴じ蓋。
さらに、脇を固めるサブキャラの皆さんがとにかく魅力的で、彼らのスピンオフも書いてほしいなと思ったりしました。
で、この切なくも優しいストーリーに華を添えるのが八千代さんの描かれた挿絵です。
もう、めっちゃ良かった。
優しくて、綺麗で、温かくて。
このイラストで、萌え度は確実に上がりました。
タイトルの「君は優しい嘘をつく」。
「君」というのが誰のことで、優しい嘘、というのが何なのか、早々にわかってしまう面はあれど、読後はほのぼのと優しい気持ちになれる、そんなストーリーでした。
愁堂先生は沢山のシリーズを書き続けていて、その間にも新作を発表したりと割と筆が早い作家さんだと思っています。
でも中には内容が薄かったり刺さらない作品も多くあって、その度にこちらに不満をぶつける事もありました。すいません。
今回は八千代ハル先生のカバーイラストに惹かれながらも、また同じかと恐々と読み進めました。
緩和ケア病棟の担当医と患者の息子という関係なので、絶対的に糖度は少ないです。
それでも柏木の不器用ながらも真摯な思いやりや、頑なで健気で孤独な陽大との交流に一気に引き込まれてしまいました。
途中何度も陽大の境遇に涙が溢れていました。
ただもったいないと思ったのは、コミコミスタジオさんの小冊子の由衣視点の番外編が本編に入っていれば、陽大が柏木に惹かれた理由がもっと鮮明になったと思いました。
陽大には柏木のような存在こそが必要だったのだと読者に伝わった筈です。
それが入って無かった為に母親が亡くなった後に、陽大が唐突に柏木を意識し出したように感じてしまいました。従兄弟の由衣の存在ももっと生きたと思います。
でも欲を言えば止まったままのunisonシリーズ早く読みたいです。泣
タイトルとイラストに期待して読み始めたのですが、ガチガチに古典的なお話で逆に新鮮みを覚えてしまいました。2020年刊行ですよね、、
攻め(龍也)受け(陽大)交互視点で描かれていきます。龍也は大学附属病院から異動してきた外科医、陽大は緩和ケア病棟に入院中の母親を見舞う高校生くらいの男の子。この二人が惹かれあっていくお話ですが…。
ひたすら淡々としていて、嫌な人も出てこず、陽大と母親の関係も感動的に締めくくられて、よかったなぁ(ホッ)と読み終えました。身内が緩和ケアを受けていたので、陽大のキツさには妙にリアリティがありました。毎日死を受け入れる気持ちに向き合うのは辛すぎて、本能的に現実離れした感覚に持っていきたくなります。陽大はさらに生活のためにバイト漬けで肉体的にもかなり負荷がかかっていて、その方が何も考えなくてよかったのかもしれない…。龍也がそこに送られたというのも巡り合わせなのでしょう。
龍也がなぜ陽大のことが気になって、彼との同居にこだわるのか…、もし陽大が女の子だったら意識していたはずなのに、男の子だったから気付かなかった、ってところは基本ですよね。陽大の方もイケメン外科医にグイグイ世話焼きされてしまったら、す、好きになっちゃう!(シソンヌのコント的な笑)ってなりますわよね。そこはもう性別関係なくって…(様式美なので受け流す)
森岡先生のマンションみたいな好条件で借りられそうな物件ないかな〜って読んでいて羨ましくなりました笑。お話のキーパーソンは森岡先生と小山内先生、それと由衣。彼らがいなければ、攻めも受けも出会わず、恋にも気づかず成就することはなかったと思います。
タイトルどおり、優しい人たちの優しいお話でした。
表紙の白衣イケメンが好きだったので購入。やさしさせつなさ一直線で、糖分が圧倒的に足りないーーーー糖分補給できなかったので、申し訳ないです中立です。ラブ面以外で超絶健気な設定が大好きな方だったら、良いんじゃないかと思います。本編230P弱+後日談12Pほど+あとがき。最近近しい方の御不幸があった方にはツライかも。
大学病院外科で勤務していたのを、分院である緩和ケア病棟へ異動となった龍也。理由には心当たりがあるので、受け入れてはいたものの、いたってゆっくりしている上司、病棟スタッフにはやや戸惑い気味。そんな中、担当と決まった患者さんの息子が病院の中庭で雨にうたれているのを見かけて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
森岡部長、三森等(緩和ケア病棟の上司、同僚)、受け母(攻めの担当患者)、由衣(ゆい、受けの従兄弟)ぐらいかな。
++攻め受けについて
先生もあとがきで触れておられるのですが、受けが本当にキツイ状況でして。父は亡く、母が病気で倒れたもんですから、コンビニ、居酒屋、工事現場の誘導整理だのバイトかけもちに加えて、母見舞という過酷さ。いや勘弁してほしい。「こら誰かケースワーカーでも紹介せーへんのか!」と胸が痛かったです。
おまけに別事情で母もメンタルが少しおかしくなっていて、諸事情を分かち合う人がいない。無理。
そんな状況なので、攻めが受けを助けたくなるのは、すっごくよく分かりました。一目ぼれだったんだろうなあと思うのですが、そっから恋話になかなかいかないんですよね。恋どころじゃない状況なので、致し方ないかとは思うものの、全体的に糖分が少ない!なんと本編中ではベッドまで至らず、後日談でようやく!なのでした。まあ受けさんがティーンなので、しょがないか。
恋愛面というより、受けのしんどさ・つらさが沁みた一冊でした。そして思いのほかイイ奴だった由衣さんに救われた心地。これから頑張って幸せになろうね、陽大(はると)!
色々あって緩和ケア病棟に移動になったエリート外科医の柏木(攻め)。
彼が担当になった末期癌の女性の息子・陽大(受け)は何故か母親から「恒星」と呼ばれています。
事情を聞いても納得がいかない柏木ですが、周りからは患者さんと家族の思うようにと釘を刺され、無理しているように見える陽大を気にかける柏木ですが‥
なんともかわいそうな受け様で、母親は自分の罪悪感から双子に息子の片方である自分は忘れられているのに、余命ひと月という母親のために亡くなった兄のふりをしているのです。
金銭的にも厳しく高校も中退し働き詰めで、行政に頼るとかアドバイスしてくれる親戚はいないのかと陽大の状況が過酷すぎて、この状況に納得出来なさすぎて集中できませんでした。
仕事中の事故で働くこともままならない状況の受け様を攻め様が雇うことにして庇護下に入れるのですが、この状況もなんとなく無理な設定に感じて集中できず、読むのを断念してしてしまいました。
ファンタジーな世界なら許せたのですが、現代日本と思うとなんとも違和感を感じてしまって無理でした。
次の作品を楽しみにしたいと思います。