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shinkai no futari
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表紙やタイトルから切ない話なのかなと予想していたのですが、どちらかというとコミカルさが強く、主人公の涼平(受け)以外はポジティブな登場人物ばかりで楽しかったです。厳しそうな涼平のお父さんがチョビみたいなことするとか思わなんだ。
涼平が大倉(攻め)にプロポーズされ、実家に帰り、家族と過ごしつつ、中学からの過去をふりかえるというストーリー。同窓会で元カレに会ったり、大倉が実家に来たりと盛りだくさんの内容でした。
タイトルに直接関する内容はなかったです。前作「ぼくに溶けるアクアマリン」のスピンオフだからかな。前作では関係を微塵も感じさせなかったのに深海では実は…と思うと滾るものがありますね。
フェアで電子書籍が割引されていたので読んだのですが、発売当時とかもっと早く読みたかったと自分のチェック不足を悔いた作品でした。テンポが良いです。
一番のお気に入りは、大倉が家族に挨拶に来る場面。クッキー食べる妹と、ドン引きする両親がほっこりさを醸して面白かったです。元カレもすごく良い男です。
大人の恋愛は、若い頃の恋とは違う悩みがありますね。
ましてや男同士。
そんな大人の男2人が、人生の岐路で迷い、悩み、新たに未来への一歩を踏み出す物語です。
中学から友人の涼平と大谷。
9年付き合ったある日、涼平は大谷からプロポーズされて……
大谷が渋くて一途で、めっちゃいい男!
涼平は、少し優柔不断……だけど、それは優しさ故のこと。
ずーっと好きだった大谷にプロポーズされて、嬉しくないはずがない。
それでもすんなり受け入れられないのは、大谷の人生を巻き込んでしまった負い目があるから……
でも、誰も巻き込まれたなんて思ってないんですよ。
本来ならシビアでセンシティブな男同士の問題を、明るくコミカルに乗り越えていく家族がとても素敵でした。
コミカルといえば、涼平が元彼に再会する同窓会のエピソード。
これは吹いた。元カレ・石塚のアフターが(笑)
それでも、石塚の「やったじゃん!」にはグッときました!
この再会は、面白くて素敵な思い出になりそう。
この再会が涼平の意識をちょっと変えたのかも、
そして、実家にまで涼平を迎えにきた大谷が、着々と外堀を埋めていくのが良かったですね。
大谷なりのケジメと誠意が垣間見れて、嬉しくなりました。
『海流の記憶』は、大谷視点の話。
ここでやっと大谷の気持ちが伝わってきたし、ちゃんと涼平が好きなことが分かりました。
それに比例して、涼平の優しさが浮き彫になります。
決して人のせいにせず、全てを一人で背負う覚悟のある優しすぎる男。
うん、この人は裏切れないね。よく分かる。
Hは少なめですが、大谷をトロンとした目で見る涼平が可愛い♡
あー、大谷のこと大好きなんだなぁって。
大谷があの時結婚しなくて、本当に良かったね〜
1話から気になっていた涼平の似合わない髭は、後半スッキリ。
かっこよくなってキュンとした^^
良作!
試し読みで、むさ苦しいヒゲの男が…受け?
攻めも…中年?
ここで購入決定です!
試し読み部分でも出ていますが、なんと攻めは受けにプロポーズ。
だからカップルはすでにくっついていて、その後。
2人の愛の長い旅路のこれからを見据えるような筋立てです。
受けは小鹿涼平。
お父さんのぎっくり腰騒動で実家へと舞台は移り、涼平が家に寄り付かない事、カミングアウトしてない事、中学時代のエピソードまで自然と語られる。
攻めの大倉とは中学時代の同級生。2人のそもそもの出会いはもちろん友人として。
その頃は涼平にもゲイ自認はなく、大倉とも何もない。
続いて偶然の同窓会への出席エピソードがあり、涼平の過去回想という形でこの物語の基礎のようなものがすんなりと読み込める。
とにかく構成が上手い。
そしてまた現在に移るんだけど、プロポーズが全てバラ色にならないのが同性同士の難しいところ…
お相手の大倉は元ノンケ。なら何故2人は今恋人なのかのエピソードが続きます。
ここから涼平が大倉に対して抱えている罪悪感、また家族への引け目、などなど、古典的同性愛の負の面的なお悩みの描写。
しかし、もう時代は動いている!
家族は全面的サポート。ノンケでも女は選ばない。
涼平は好きな人の手を堂々と取れる。
BLのハッピーエンディングは、2人が両想いでHをする所まで、が今までだった。
だけど本作は一歩先のエンディング。
2人は周囲から祝福されてパートナーシップの制度を利用する流れ。
1人で抱え込まなくていいよ、相手の運命変えた、巻き込んでしまったなんて思わなくていいよ。
2人はこれからの先長い人生をずっと共に歩んでいく。そのリアルな情景が目に浮かんでグッときてしまいました。
オリジナル初読みの作家さんです。
崎谷はるひさんの原作で知ったので、オリジナルのも手に取ったのですが、、、
残念ながら、骨子は悪くないと思うんですが、なんか響かなかったというか、すっと流れてしまったというか。学生時代の彼らと、今の彼らの立ち位置や、涼平のマイノリティ故の悩み、大倉の思いの深さなんかがあんまり伝わらなかったかなー。
涼平の家族がいい人達で、涼平の気持ちは軽くなるんだけど、あの感じだったら、もっと早くに話をしててもおかしくないなぁとか思ってしまった。
(帰ったりはあんまりしてないけど、音信不通や絶縁してたとかでも無さそうで)
オヤジンスキーとしては、CPには魅力があるんですけど、深そうでいてそうでもない感じだったのが残念でした。