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unmei no kigen wa zatto jyuuyokka
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
アルファとオメガがセックスパートナーもシェアするシェアハウス「メゾンAtoZ」を舞台とした、笑えて少しほろ苦くて切ない、でもとびきり素敵なラブストーリーになります。
これな、最初は運命の番ってだけで「好き好き」言いまくる攻めにムカついて仕方なかったのに、終盤では不覚にも泣いてしまいましたよ。
序盤と終盤でこれだけ評価をひっくり返せるって、もうそれだけで単純に凄いと思う。
とりあえずめちゃくちゃいいお話ですので、オメガバースが苦手な姐さんにもぜひ読んでいただきたい。
や、個人的に、運命の番として出会った二人が、そこから如何に愛情を育ててゆくかに、オメガバースの醍醐味があると思っているので。
例え運命の番じゃなくても好きになったと言うのに、堪らなく萌えるので。
オメガバースって、実は素晴らしくロマンチックなんですよ。
で、内容ですが、オメガバースでシェアハウスを舞台としたラブストーリー+人間ドラマになります。
飛び級を使い20歳で理科大助教となったエリートアルファの公平。
恩師の紹介で入居する事になったシェアハウス「AtoZ」で、強く惹かれる運命の相手で変わり者の青年・善行と出会いますがー・・・と言うものです。
実はこちら、序盤ですが、攻めである公平にイラついて仕方なかったんですよね。
彼は血筋的にも優秀なアルファ中のアルファでして、属性としては大型ワンコ。
受けが好きで好きで仕方なくて、善行の一挙一動に「好きです!」と尻尾を降りまくるような、普段なら大好きなタイプなのです。
なのですが、こう彼は、わりと独り善がりだし悪気無く傲慢。
良くも悪くも、現実を知らない、育ちの良いアルファなんですよね。
えーと、このシェアハウスですけど、発情の症状が重いアルファやオメガが、安定した性交渉を確保する為の共同生活の場として存在するのです。
で、公平ですが、彼は特に発情の症状も重くない。
しかし、アルファが不足して困ってるのを知り、ここへの入居を決めたー。
いや、この時点で「えっ?」と。
困ってる人を助けてあげようってすごくいい事だけど、なんか上からに感じちゃってモヤモヤすると言うか。
また、善行と出会って即、彼に強烈に惹かれる。
で、早々に「好きです!」「運命だ!」「幸せにします!」みたいな。
いやなぁ、これ、善行が言うように、フェロモンと見た目とセックス以外で、彼のどこにいったい惹かれたの?と。
幸せにしたいってのも、実はすごく傲慢だよね?と。
だって、善行は、今の生活が別に不幸せじゃないし。
恋人以外とセックスをして発情期を乗り切ってるから不幸だって、それはお前の勝手な思い込みだよな?と。
まぁそんなワケで、最初こそ攻めにイラついてイラついて仕方なかったんですよ。
何だコイツ!?と。
私はちょっと潔癖な所があって、こうなるともう、絶対そのキャラを許せないんですよ。
が、今回、そんな欠点も含めて(許して)人を好きになるんだよと言う事が丁寧に書かれてまして。
もう、目から鱗と言うか、人に対するすごく優しい見方を知ったと言うか。
前述の通り、公平は結構欠点の多い男なのです。
が、同時に同じくらい、いい所もあって善良でもある。
これ素敵なのが、善行が公平のそんな全てを踏まえて、その上で恋愛感情を育てて行く所だと思うんですけど。
いやね、公平の悪い所にはちゃんと教育的指導を入れつつも、彼の真っ直ぐな愛情はちゃんと受け止めるんですよ。
また、オメガの体質を受け入れ、サバサバと生きているように見える善行。
実は彼には過去に辛い出来事があり、本当の所で発情期を慰めるだけのセックスを割り切れてなんてなかった。
この過去がかなり痛々しいもので、読んでて辛いんですよね。
だからこそ、公平の真っ直ぐな愛情が響くと言うか。
これね、今作でのキモとなるのが、フェロモンの有効期間なんですよね。
今作の小気味いい所ですが、運命の番と言うのは、ただ単に遺伝的に極端に相性がいいと言うだけでして。
そう、二人の間だけに運命的に特別な何かが存在するワケではない。
そんなワケで、公平ですが、自身の恋心がフェロモンに惑わされた脳のバグでしか無いのか、それとも本物なのか悩むんですよ。
えーと、フェロモンにある程度耐性が出来る14日が経つと、自ずと結果が分かると言う案配で。
で、ここに来て公平の出す答えに、めちゃくちゃ感動するしひたすら萌えてしまう。
運命だから(フェロモンに)惹かれたけど、今は彼の甘えてくれる可愛い仕草、いけない事を叱ってくれる厳しさ、撫でてくれる手の温かさ、少し寂しげな声ー。
全てが愛しいなんですよね。
彼を知れば知るほど、好きになるなんですよね。
そう、私が最も好きなオメガバースなんですよね!!
ちなみにこちら、ここからかなり切ない出来事が二人を襲います。
二人の気持ちが通じあい、幸せを掴んだと思えた直後。
これはあまりにも辛い。
そして切ない。
もうこの時点で完全に二人に感情移入してしまっている為、泣けましたよ。
序盤を読んでた私からは信じられないけど。
ただだからこそ、二人がたどり着いた所に、深く感動するし胸がいっぱいになってしまう。
良かった!
良かったねえ、二人共と!!
最後になっちゃいましたが、設定上、NTRありです。
苦手な方はご注意下さい。
私もこれはちょっとキツかった。
でも、それ以上に本当に素敵な作品だと思います。
あと独自のオメガバース設定も、素晴らしいと思う。
運命なんて関係無く、自分達の気持ちで恋をして幸せになる努力をするのです。
落とし所が痛快だし小気味良いよなぁ。
「あなたを幸せにします」というのはかなり胡散臭い科白だと思うのですよ、私は。
私を一番幸せにしてくれるのは、まず私だと思うんですね。だから、私は私の人生を手放すようなまねをしてはいけないと思うのです。恋をするにせよしないにせよ、それを決めるのは私であって『運命』なんかじゃない。なんでそう思いたいかと言えば、自分で決めた事ならその結果を人の所為にしなくても良いからです。能動的であるからこそ耐えられる事ってあると思うんですよ。
この物語の受けさま、善行学も私と同じ様に考えていることに大変共感しました。
何たって『オメガバースに生まれたからには、運命なんてものは中指立てて抗ってなんぼの存在である』なんて思っているんですもの。
理性的?
いやいやいやいや、これは『かなり乙女ちっく』だからだと思うんですね。
見た目やにおいや体の相性なんていうものじゃない要素で、恋におちたいのです。
目に見えないもの、多分『人間性』とか『ずーっと奥にある根っこみたいな部分』とかで惹かれ合いたいなんてことを考えちゃっているのです。
世界観が面白いオメガバースです。
でも、もしバース性というものが本当にあったとしたら、民主主義を国是とする所ではこの物語の様な世界観が一番現実的かもしれないと思っちゃいました。
伴侶がおらず、ヒートが重くいオメガの為のシェアハウスがあるのですよ。
そこにはオメガとアルファが一緒に暮らして、恋愛抜きの性行為が行われます。そこから恋愛に発展したらシェアハウスから転居しなければならない。あくまでも性行為はヒートを鎮めるためのボランティアなんです。
飛び級の結果、たった20歳で日本の大学助教になったため、英国育ちの安斎公平はこのシェアハウスに引っ越してきます。このシェアハウスを住居として選んだのは、小さい頃から祖父にノブレスオブリージュを徹底的に仕込まれたから。
……この祖父と言うのがアルファではなくオメガだっていうのが、なかなか意味深と言うか「なるほどねぇ」と思わせるんですよ。「公平のじいちゃん、貴方もきっと色々あったのね」って。
ところが公平はここの住人である学に一目ぼれをしてしまう。
どう考えても『運命の相手』なんですよ。
フェロモンにあてられて公平は学に向かっていきなり「好き」とか言ってしまう。
でもそれが、どれだけ失礼なことなのか公平は解っているんですね。
だから、そんな自分の『野生』を謝りつつ、なだめつつ、学と普通の恋愛をしようとするんです。必死で「あなたと心で抱き合いたい」とか言っちゃうの(笑)。
バース性による相性ですから、当然の如く、学だって公平に一目ぼれするんです。
伴侶になっちゃえば、ある意味楽ちんなんですよね、オメガって。
でもそれは嫌なんですね、学は。
何故ならオメガバースという自分の性が、彼の夢を奪い、可能性を縮小させ、彼の存在を軽んじさせてきたから。
それに屈したくないのですよ。
だから伴侶を求めることもしないで来た。
恋がなくても人生を楽しくすることは可能なのでね。
だけど、恋もあったら人生はもっと楽しい訳で。
2人が惹かれ合うのは本能なのか、恋なのか。
フェロモンの影響で惹かれ合うのは14日間と言われている中で、可愛らしいエピソードと、とぼけたユーモアをまぶして、あっちへゆらゆらこっちへゆらゆらする2人の気持ちが書かれて行きます。
ばきさん作品ですから、当然の如く、後半に大きな試練が学を襲います。
あたしゃまた、苦い結果になるんじゃないかとはらはらしましたが、ご安心ください。ハッピーエンドです。全体のトーンも明るく、登場人物の『ねじれっぷり』も割とマイルド。
くもはばきさんをまだお読みになったことのない姐さま方も「とっつきやすいのでは?」と思います。私が大好きなくもはばきワールド。是非ご一読を。
オメガバなんだけど、科学的な感じで描かれている。オメガやアルファの番関係やフェロモンについて科学的根拠をもとに説明されていて、なるほどという思いで読み進められた。
そして首を噛めば即番になれるわけではない、という設定や、フェロモンに対する抗体ができるという設定とかも、素晴らしい!
アルファとオメガのシェアハウスという設定もすごいなと思ったけど、読み進めると成る程と思ってしまう。
オメガバ世界の人々は住みやすくするために色んな元気するだろうし、ある意味現実的なオメガバ世界観で私は大好きです。
オメガバ世界でアルファとオメガの中で一目惚れが通じないのでは、というテーマ?もいいと思う。
話の内容には触れなかったけど、設定やテーマがすごく良くて、こういう世界観の話がもっと増えてほしいなと思いました。
人の良いちょいへタレα × 飄々美人Ωのオメガバシェアハウス
星の観察しながら恋が発展してくの良い!
フェロモン効いてる今だけって直球をハイハイ流すも、この心地良さを受け入れたら今までを否定することに…
ってなかなか受け入れられないのが苦しいもどかしい
心と体は矛盾するばかり~
Ωと蔑まれるとこはないと自分の手で場所を得た強さ、無神経さを叱れるお姉さんみにそりゃ惹かれちゃうわけだけど、公平は好きすぎて暴走するくせに「キスしていいですか?」触れるのには許可取りしてくるから堪らないです。
意志を尊重してるわけだけど、言わせてるわけで…
テンポの良さとしんどい可愛いそう来るか…のバランスが面白かった!!
凹んだとこにピッタリはまるのも運命と恋心の奮闘にキュンでした!!
そこまでオメガが理不尽な目にはあってないので「オメガバース」が苦手な人でも、多分読めると思います。
ただしアルファとオメガによる「シェアハウス」が舞台なんで、受けが不可抗力とはいえ他の人からやられちゃう展開はあるし、攻めも他の人とするので、そこが地雷な人は回れ右です。
私は先にレビューを読んで、そういう展開があると覚悟して読んだけど、知らずに読んだら、え‥?!マジで……?!!とショック受けてたと思う。
でもこんな展開になるなら読まなければ良かった……とは思わなかったし、読後感も良かったので萌萌評価です。
攻めは私の大好きなワンコでした。
受けの言動に一喜一憂して、大好きダダ漏れなワンコ。
運命の相手と思われる受けに一目惚れするんだけど、フェロモンの作用による「欲情」なのか、心を伴った「恋」なのか見極めようとするんですね。
というのも、タイトルの14日間は、フェロモンの有効期限を表してるんです。
初対面の相手のフェロモンに惑わされるのは14日間程度なので、それが過ぎると耐性ができてなんともなくなるはず……とお互いに心にブレーキをかけているんです。
なんだけど、どっからどう見ても、お互いにそれは「恋」でしょ!!なんですよ。
なのに、どちらもフェロモンによる「バグ」だと自制してる姿が焦れったくて。
オメガバースだけど、「運命」を理由にせず、お互いに自分の気持ちをじっくり見極める過程が描かれているところに、おぉ〜、そうきたかぁ!と。
攻めは「ノブレスオブリージュ」を叩き込まれて育ったアルファなので、非常に紳士的。
そしてアルファであることが、恋の足枷になっているというところも新鮮で。
発情しちゃった受けを前にして、懸命に自制してギリギリと耐える姿には萌えました。
「あなたを幸せにしたい!」と出会って早々、受けに言っちゃうようなアルファゆえの思い上がりもあるんだけど、受けに指摘されてすぐに反省できるいい子だし、本当にまっすぐなワンコなところが大変好みでした。
そしてサバサバしたように見える受けの過去や、気持ちの変化もじっくり書かれているところも良かったな。
これがもしオメガバースじゃなかったら「受けに一目惚れしちゃったワンワン物語」としても充分成り立つんですよ。
そして、ふつーのオメガバースなら「運命が〜」を理由にくっついて終わり……だと思うんですよ。
でも、この作品はその「運命」にあぐらをかいてないんですね。
そこがとても良かったし、読み応えがあったと思います。
ーーー
時折「アルファ」を「男性」に、「オメガ」を「女性」と置き換えて読んでも違和感ないように感じました。
そこが少し今の日本の現状に通じるところがあると思う。
差別はないとされてはいるけど、オメガにとって不利な点が多かったりというところが。
例えば医大で、オメガは減点という不正採点がされていたりとか、あるある!ですよね。
受けの部屋を見て「色気がない」「可愛げがない」と言うアルファの存在とか。
なんでオメガだからといって、可愛げがある部屋である必要があるんだ?と思ったんだけど、女性に可愛げとか色気を求める男性が多いように「オメガ」にも可愛げを求めるアルファが多いのかなぁ…とか。
あとは攻めが「オメガには優しく」と言ったのもそう。
周囲から「オメガ」に限定しない方がいいと指摘されて、「人には優しく」だなと攻めは反省するんですね。
私も息子には「女の子には優しく」ではなく「人には優しく」と教えているので、こういうところも共感できました。
今回は名家出の航空宇宙工学助教授と数か国語を操る翻訳家のお話です。
攻様が特殊なシェアハウスで出会った受様と番なるまで。
今の世では地域を問わず約100人に1人がバースファクターと
言われる副次的な内蔵機を持っているとされています。
男性ののものである人はアルファバース、
女性のものである人はオメガバースと呼ばれ、
女性のアルファバースと男性のオメガバースは
雌雄同体の身体を持ちます。
法の上では自認や外性器に基づく男女の区別を第一性別、
バースファクターの種類による区別を第二性別と定義し、
結婚についても性別を問わない場合が増えました。
攻様は13歳の時に飛び級制度でアメリカの工科大学入学、
フランスの航空宇宙大学院博士号を取得し、
日本の大学で助教に招かれて帰国の途につきます。
攻様は金鉱山の経営で財を成し
アルファ同士の婚姻で血脈を繋いできた名家の出で
「ノブレスオブリージュ・高貴な者には奉仕の義務」を
家訓としています。
今回、大学近くに住居を求めていた攻様は
NPOが運営管理するシェアハウスを紹介されます。
ここは発情の症状が重いオメガやアルファが
安定した性交渉やフェロモン甘受の機会確保を目的に
共同生活をしている住居です。
このシェアハウスには現在オメガ3人とアルファ1人が
住んでいますが、アルファが1人が春に退去したために
困っていると紹介されたのでした。
調度20歳の誕生日である今日が入居日となった攻様を
迎えてくれたのは1人だけとなったアルファでした。
彼はアルファから骨髄移植を受けた事でアルファ化した
元ベータのコックです。
アルファ化できつい事もいっぱいあるけれど
良かったこともあると笑う彼に攻様は好印象を持ちます。
その上今夜は歓迎会兼誕生日パーティだと言われて、
攻様は更に嬉しくなります。
食べ物の好き嫌いやシェアハウスについて説明されていると、
玄関から「ただいま」と別の男性の声が聞こえたと同時に
甘い香りが攻様の鼻先を掠めて思わず息を飲みます。
攻様を硬直させたフェロモンも先住者には慣れているらしく、
コックのアルファは涼しい顔で声の主を迎えます。
攻様が即効性はないものの心理的な負担を目的に抵抗剤を
口にして心構えしていると、
背後から「新しいアルファの人?」と声を掛けられます。
春らしく染めてきたというグレージュの髪に
ライムグリーンメッシュが入った髪と大小さ様々な
7つのピアスを付けたオメガの男性を見た攻様は
彼に美しさにぼおーとしてしまいます。
この彼こそが今回の受様です♪
受様は数か国語を操る翻訳家ですが、
17才の時から10年間ここに住んでいると知った攻様は
いろいろな意味でびっくりしてしまいます。
しかし、そんな攻様の言葉は受様の生き方を否定したように
捕えられた様です。
オメガにも、
恋愛や結婚より仕事や趣味に生きたい奴だっているんだよ。
覚えときな
果たして攻様のシェアハウス生活はいかなることに!?
そして受様は攻様の運命の相手となるのか!?
名家の家訓によりノブレスオブリージュの実践でシェアハウスに
入った攻様とパートナーができずにシェアハウスの最古参と
なっている受様のオメガバースとなります♪
基本はアルファである攻様がオメガである受様に一目惚れして、
シェアハウス生活の中でお互いを知っていって結ばれるまでを
描いたラブコメディなのですが、
オメガバースとしてはかなり変則的な設定&展開でした。
オメガバースってけっこう受様がいに染まないセックスを
強いられる系も多いですが、小説だとだいたいは
運命を感じた主役2人は結ばれるまでにライバルが居たり、
横やりが入ったりはしてもセックスはお互いだけというお話が
多いです。
しかしこのお話の世界は
オメガやアルファの発情時に安全にHできる事が大前提で、
気持ちは二の次というか無関係なのですよ (^-^A
そして受様は強烈なフェロモンの持ち主であり、
シェアハウスに入居してくるアルファ達にも熱烈なアプローチを
受け続けてきました。今いるコックのアルファにも入居当時は
グイグイ来られた模様です。
なので、
そんな場所だと分かっていて入居してきた攻様に
「好きだ」と言われても、自分が攻様を好ましいと思っていても
(思っていたからかも!?) バースファクター故の思い込みなのでは!?
と言う気持ちが消えません。
バースファクターである事は本人にもどうしようもなく、
植え付けられた本能は制御の使用の無いものである事が
2人の恋の行方に大きく関わっています。
こんな受様がどうやったら攻様の番になるのか、
攻様はどうやって受様に受け入れられて行くのか、
ハラハラ&ドキドキ楽しく読めました♪
私は好き作家さんの本は
基本的にあらすじ未読で読みだすのですが、
くもは先生の本はあらすじを読んで読みだしても
私の思った様な展開はしないので、ああなるのかな?
こうなるのかな?という予想が悉く当たりません。
今回もうまくいきかけた途端に
受様が他のアルファに組み敷かれてえぇぇぇぇぇ!?となり、
本当にハピエン!?とハラハラMAX、最後まで一気読みでしたよ。
亜紀良先生のイラストが色っぽくて良かったです ヾ(≧▽≦)ノ
オメガバ好きな読者の多くは、オメガであるが故に理不尽な目にあったり望まぬ暴力で苦労した受けが、最後にはアルファの攻めに守られて愛されるハッピーエンドを期待いるのではないでしょうか?
こちらの作品もハッピーエンドではあると思うのですが、王道とはかけ離れていると思います。
あらすじでシェアハウスの事は知っていましたが、公平視点から語られるシェアハウスの入居規則を知って早くも自分には合わないのでは無いかと後悔しました。
公平がシェアハウスを選んだ理由も書いてありましたが、少しだけ違和感を感じてしまい…。
そして善行の辛い過去は分かりましたが、入居したての公平(アルファ)に対する怒りがよく理解出来ませんでした。優秀といえど若干二十歳の若者の価値観や言動に、年長者としての寛容さが無いのが善行の魅力を損なっているように見えてしまって、最初は善行が好きになれなかったです。
出会ってすぐセックスしてるのに恋人になるまで時間が掛かってるから、公平はシェアハウスの規定通りに他のオメガのヒートに付き合って抱いてるので、地雷の人も居ると思いました。
公平は善行しか見えて無いワンコです。若くて暴走したり失敗しますが、善行を傷付けない、喜ばせたい一心で頑張ってました。
間違えたら素直に直している所に好感も持ちました。
あれだけ好意丸分かりで優しくされたり、好きだと言い続けられたら頑なだった善行も絆されるのは当たり前だと思いました。
2人がやっと前に進み出した時に、シェアハウスで住人のヒートに巻き込まれた事故が起きてしまいますが、善行が公平に拒否感を抱いて吐いていた理由が分かり難かったです。ミスリードに持って行ってハラハラさせた割には、原因がちょっと肩透かしだったというか…。
オメガバの設定も個性的で頸を噛んでも直ぐに番になるわけでは無くて、シェアハウスの中には単身赴任中のパートナーと何回もペアリングに挑戦してる住人がいました。
だから公平と善行も一度で成功していなくて、運命の番のようなドラマティックなオメガバを求めている人にはこれじゃ無い感が強い作品だと思います。
後書きに作者様がこの作品をドタバタコメディと書いてたので、感覚の違いを感じてしまいました。
初めましての作家さんになります。
登場人物達の丁寧な生き方、考え方に、自分を省みちゃいました。
オメガバース設定だけど、作家様によっていろんな世界観が楽しめますね。
受け様は、オメガである翻訳家の学善行。
攻め様は、エリートアルファである公平。
飛び級をして、二十歳にして理科大助教ってさすがなアルファ。
アルファとオメガが、安心安全なセックスをするため、住居だけでなくセックスパートナーもシェアしあうシェアハウスで出会う2人。
セックスが恋愛にからむものではなく、ただの体調管理のため、という扱い。
そうでも思わなきゃやってられない、という住人たちの思いも感じました。
善行のやることなすことに対して、脳内で繰り広げられている公平の妄想に苦笑です。
くもはばき先生のその表現力に、あっちこっちで笑わせてもらいました(*^-^*)
善行の一挙手一動に天にも昇る気持ちになったり、落ち込んだり。
まさに飼い主に気に入られたい大型犬がわっさわっさとしっぽを振ってるよう。
ダメなところがあっても、すぐに反省できる、とっても真面目で好印象な攻め様アルファでした。
オメガであることで、いろんなものをなくして、諦めてきた善行は、運命というものを認めたくない。
恋心をフェロモンのせいだと思っちゃってる。
アルファとオメガであるばかりに、相手への想いがフェロモンのせいにされてしまう。
一目惚れが認められない、認めてもらえないもどかしさ。
そんなじれじれを味わわせてもらいました。
シェアハウス在住なので、お互い以外の住人といたす朝ちゅんな描写もありました。
その為のシェアハウスだとわかっていても、なんだか割りきれないのは、もう好みの問題です。
善行が公平の大好きだった匂いにムカムカするって言ってた時は、私もドキドキだったんだからね。
なので、お互いへの好きだという気持ちを認めたからには、早いとこ二人暮らしをしてほしいと願っています。
登場人物の誰もが、相手の気持ちを慮っていて、反省したり許容したり、ととても優しくて真面目だわ〜なんだか丁寧に生きてるなぁ、としみじみ感じてしまいました。
発売1ヶ月にして読み放題で読めるとは……
嬉しい限りです。ありがたや。
読み終わると、タイトルの意味に納得できます。
〝運命の番〟的な話かなと思ったのですが、結果的には運命に翻弄されない愛の話だと思いました。
シェアハウスを舞台に繰り広げられるオメガバース。
私は正直、このシェアハウスには住みたくない;
全ての住人と肉体関係を共有するなんて絶対無理だし、条件が結構キツイなと感じました。
シェアハウスに住むαの公平とΩの学が主人公ですが、他の住人もそれぞれ絡んできます。
2人以外の住人が絡んでくる割に、背景描写が薄かったのが気になりました。
ケンと和馬が両片想いなのに最後の最後に学と……と、いう展開には愕然としてしまい、モヤモヤが止まらなかった。
しかも、ドキドキさせた割にオチが……
女性の存在もいらなかったと思います。
公平は紳士で愛が深く、とても素敵な男です。
学も意地っ張りだけど何だかんだ可愛い。
だけど、『生存放棄症候群』のこととか、曖昧すぎる点が多すぎたと感じました。
たった14日間の出来事の中で、少し風呂敷を広げすぎたかなぁー、という印象も。
読後の余韻も微妙だったかな。
とはいえ、素敵なオメガバースであった事に変わりありません。
ラストの公平のセリフにはキュンときました♡
スピンオフや続編も期待できる作品だと思います。
是非、ケン×和馬でお願いしたい。
このモヤモヤを解消して下さい!
オメガバース設定にそれらしい理屈付けをして世界観を構築したお話。※ただし動物的本能はないものとする、という条件を加えればツッコミどころはスルーできそうだと思ったら、最後まで尾を引く違和感の原点がここだった。
舞台はセックスパートナーを斡旋するシェアハウス。これがまかり通る倫理観と道徳観念は、最初に述べられた世界観とのバランスが妙な感じで、主人公のキャラ設定と合わせてとても不思議な読み心地だった。
問題は主人公の公平。あまりにも自身による抑制を効かせすぎているうえに、心理描写は正論ばかり。しかもストレートにそうした思考に辿り着くのでなく、一度考えたことを打ち消す形で修正しており、書き手による○×判定が見えてきそう。
男はこうあって欲しい、こうあるべきだと、キャラを押し退けて書き手の強い主張が伝わってきそうだと思った。
視点が善行に移り変わると、さらに特定の思想が見え隠れする。「Ω」を「女」に置き換えると非常に分かりやすい。現状に持つ不満や違和感を力強く書いていて、拗らせっぷりが酷いありさま。
男の性欲への嫌悪と性格差への不満を、オメガバース世界とキャラを借りて表明しているようだった。
あまりにも作中キャラのものでない強い意思を感じる作品で、BLに集中できなかった。
バース設定を使い、フェロモンや運命を隠れ蓑にして、性欲によらない恋愛を描こうとしたものに見える。たまに理想を追い過ぎたのか心理描写に現実離れとやりすぎ感があり、キャラの人間味が失われているように感じるところがあった。
あまり言いたくない単語だがボカさずに言うと、偏ったフェミを拗らせた人が小説を書くとこうなる見本のような作品。ゆえに現状に思うところのある読者の強い共感を生む点もあると思う。個人的には本能否定の度が過ぎて苦手。
公平と善行、キャラの名前がまたすごい。