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konna tsuki no yoru niwa
一貫して一つの物語で、丸っと表題作なのだが、小さくて可愛いエピソードを連ねた物語集の様でもあって。雰囲気的には散文詩の様でもある。月の夜に訪れたファンタジー。
五十嵐はどういうわけか、多分、気が緩むと、いや、嬉しくなると。犬の様な耳が生え、もふもふの尻尾が出てしまう。最初それは五十嵐自身には見えていない。
不思議な力を持つ雅にしか視えなかったのだ。何故か。
雅は幼ない頃から人には見えないものが視える。自分は他者とは違うのだ。それは霊魂であったり。動物のカタチをした物の怪の様でもある。祖父が大切にしていた店を守って来たある日、それは唐突に無くなってしまう。
このあたりは本当に説明らしきものが少なくて。私たちは少なく語られたそれらを個々に解釈するしか無い。それはまるで、詩の様で。一夜の夢の様でもあり。
優しいファンタジーなのだ。
五十嵐は、雅の事を「先輩は美人過ぎるから。」と、歯の浮く様な科白をさらりと言ってしまう。普通に語られて来た沢山の告白。愛の言葉。
長きにわたる五十嵐の片恋の成就と。それが信じられるものだと思えたから。
雅さんは、彼に甘える事を覚えるのだ。それは心地良くて。決して失いたく無い、大切な人。
何処からか来て。他の者たちの様に去って行かなかった、幼ない子供の姿をしたシロ。
高校生の頃の五十嵐との想い出。紡がれた時間の優しさ。
柔らかい絵で描かれたそれらにフワッと包まれる。
秋の夜長に少しずつ。ページの何処を開いても、きっと甘い。
カフェを営む美人で料理上手な雅と、雅に想いを寄せている素直で一途なコウ。
第0話からコウに犬のケモミミとしっぽが生えてしまい、コウの雅に対する想いが溢れてキスをして…がっつくコウに冷静に対処する雅のクールさが伝わってきました。
が、1話2話…、と進む中色々と説明が無くて、私の読解力の無さもあり、作品の空気感を読み取れずお話しについていけなくて…(涙)
以下疑問に感じた点。
雅が他の人には見えない何かを視える、ということはわかるのですが、雅のお祖父さんから継いだというお店と墨さんは一体何だったんでしょう…?
老いた大木が祀られていて、限界が来たので消えてしまった…?エピ不足で不完全燃焼…。
しろの明確な正体がわからなかった…かわいいけど。
そして、最後まで気になったのはコウの耳としっぽは何だったのか、なにかにとりつかれたということらしいのですが解決はせず…かわいいけど。
何か元のお話しがあったり、この設定が先生の中で当たり前のことだったりしたら情報・勉強不足で汲み取れなくて申し訳ないのですが、個人的疑問ポイントに戸惑ってしまいました。
が、あまり深追いしないでちょっと不思議なお話しとして楽しめば良いのかな。
可愛らしくて一コマ一コマで雰囲気のある絵は素敵でしたし、言葉ひとつひとつの表現が温かかったです。