初恋王子の甘くない新婚生活

hatsukoi ouji no amakunai shinkonseikatsu

初恋王子の甘くない新婚生活
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神34
  • 萌×238
  • 萌19
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
18
得点
380
評価数
94
平均
4.1 / 5
神率
36.2%
著者
名倉和希 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
尾賀トモ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
シリーズ
初恋王子の甘くない新婚生活
発売日
電子発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784778129743

あらすじ

町育ちの平凡な第十二王子フィンレイに、十歳以上も年上の地方領主フレデリックとの縁談が舞い込む。美貌と威厳を兼ね備えた彼に、実はフィンレイは子供の頃から憧れていた。喜んで嫁いだけれどフレデリックの態度はよそよそしく、夢見た初夜の営みもなくて、自分が望まれていないことを知る。だがそっけないフレデリックもかっこいいし、彼の幼い甥たちは可愛い。せめて役に立ちたくて、領地の勉強や甥の世話を頑張ってみたが失敗続きで……。

表題作初恋王子の甘くない新婚生活

31歳,ディンズデール地方領主
18歳,市井育ちの平凡な第12王子

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数18

ダメだっ! この王子、可愛すぎる・・・!

誤解から始まった、二人の結婚生活。
いつしか、本当の愛を育んでー・・・と言ったお話になります。

いやもう、めちゃくちゃ可愛いし萌えるし、最高でしたよ!
個人的に溺愛攻めが大好きでして、この場合は最初から最後まで溺愛してて欲しいんですよね。
が、序盤では受けを敵認識していた攻めが、受けの愛らしさや可愛さにどんどんメロメロになって行くと言うのも、またいいものですな!と。
てか、最初から溺愛してるバージョンより、更に萌えますな!と。

や、こうして次々と新たな萌えを開拓出来る。
本当、BLって素晴らしい!

内容です。
町育ちの平凡な第十二王子・フィンレイ。
幼い頃に出会ってから憧れの地方領主・フレデリックとの婚姻が決まるんですね。
この婚姻がフレデリック側からの希望だと聞き、喜びの中、嫁ぐ準備を進めます。

一方その頃ー。
微妙な関係である王太子から、第十二王子との婚姻を命じられたフレデリック。
王太子の回し者であろう第十二王子に、不快感を持ちますが・・・と言うものです。

と、こちら、あらすじからお分かりのように、もう最初が完全にスレ違い状態なんですよ。
まぁそんなワケで、意気揚々と嫁いだものの、よそよそしい態度の夫に自分が望まれてなかった事を知る主人公と、序盤はほんのちょっぴり切ないんですよ。
が、こちら、切ないのは本当にほんのちょっぴりだけ。
や、主人公であるフィンレイがですね、とにかく前向きで明るくて素直で健気でと、めちゃくちゃ可愛いのです!

えーと、フィンレイですが、母親が平民の為、町で育った超庶民派王子なんですよ。
どれほど高慢で身分を鼻にかけたイヤミな王子が嫁いでくる事かと身構えていたら、やって来たのは華奢で愛らしくて気さくなフィンレイ。

フレデリックですけど、頭が固くて若干疑い深いんですよね。
この無邪気な態度も、可愛すぎる言動も、演技では無いのか?みたいな。
こう、彼は領主として領民を守らねばと、王太子の回し者である(はずの)フィンレイに、気を許さないようにかなり身構えているんですよね。
それがそれが、自分を一途に慕うフィンレイの愛らしすぎる言動に、どんどん調子を崩されて行くー。

いや、フィンレイの行動って、完全に予想外なんですよ。
フレデリックにとって。
子供たち(甥っ子です)と遊んでいいと許可を出しただけで、小躍りした挙げ句階段の手すりを滑って降りて行くフィンレイ。
で、それをそっと見ていたフレデリック。
今のは現実にあった事か?と、呆然とする。

自分が見ていた事に気付いてわざと無邪気なふりをしたとは思えない。
どう考えても、王太子の密命を受けた悪意ある王子には見えないー。みたいな。
しつこいですが、どんどん調子を崩されてゆくのが面白いなら、惹かれる心に懸命ブレーキかけようとしてるのにも、ニヤニヤが止まらない。

そもそもさ、自分の何気ない一言に、喜びを全身で表すフィンレイ。
こんな事で、これほど喜ぶのか。と。
もっと喜ばせたい。と。
もうこんな事を思ってる時点で、完全に惚れてるじゃんね!
潤んだ瞳がまるで黒曜石だ・・・とか思ってる時点で、もうメロメロじゃんね!
ああああ、最初からの落差と言うのがあると、こんなにも、こんなにも萌えちゃうのかー!
と、もう鼻血が出んばかりに、読者もと言うか私が、萌え転がっちゃうんですよーーー!!

ちなみに、ここから、フレデリックと微妙な関係にある王太子の企みにより、二人は窮地に陥ります。
ここで、健気すぎる決意をするフィンレイには切なくて悶え、男前すぎる対応をするフレデリックには萌え転がり、更にオチでは興奮しまくりって感じでしょうか。
もうマジで、フィンレイ尊い・・・!
そして、男らしい!
そう、男なら、愛する人の為に身体を張らなくちゃね!

まぁそんな感じで、めっちゃ、めっちゃ良かったです。
フレデリックの甥っ子達も、ちょうどいい塩梅で活躍してくれて、ほのぼのさせてくれました。
ついでに、執事であるギルモアも、すごくいいキャラでした。
まだ身体の関係に進んでいない二人の為に、香油を箱買い。
主が自分でも気付いていない望みを、先回りして叶える。
優秀な執事だなぁ。

19

キュンキュンが止まらない

なんだこれなんだこれなんだこれええぇぇ!!!

どこのページ開いてもキュンキュンが止まらないし、萌の供給が過多!!少女漫画でもこんなキュンキュンさせられる話、なかなか無いと思う。
溺愛攻・フレデリックと健気受・フィンレイの恋の行方を応援しまくりたい一冊!

以下、ネタバレ含。
最初はフレデリックと仲の悪い第一王子からの差金で、フィンレイ(第十二王子)が嫁いできたと疑ってかかるフレデリック。
でも、フィンレイのほうは10歳の時から、国の行事で見かけたフレデリックに憧れを抱いている。だから、嫁ぐことができて嬉しいの極み!

でも、フレデリックはフィンレイが間者だと疑っているし、この二人いったいどうなっちゃうのかってページを捲る手が止まりませんでした!

半分くらいのところで、誤解が解けて、ラブラブになっていくのがほんともうキュンキュンする!
誤解が解けてからは、フレデリックにめちゃくちゃ溺愛属性がつきます。必見です。
お互いを大事に慈しみあって、敬愛していく関係にお顔がニッコリしちゃって、最後まで一気に読み進めました。

9

歳の差カップル

フィンレイは王子だけど市井育ちで全然王子らしくない王子。でも一途で賢くて愛情深くてとてもバランスの取れた良い子なんです。

そんなフィンレイを誰もが好きになる。私はフレデリックに歓迎されて無いと分かっても、一生懸命に頑張るフィンレイを応援してました。

子供たちとそして使用人たちを味方につけて、とうとう頑なだったフレデリックの心まで掴んでしまったフィンレイ。そしてフレデリックは今までの仕打ちを謝って、フィンレイの居室を自室の隣に移したのです。

フィンレイにとってフレデリックは10歳からずっと想い続けて来た初恋の人です。もちろん他に恋愛経験も無く純真無垢。13歳歳上のフレデリックが可愛く思わない筈が無いんです。

初めはキスからと徐々に関係を深めて行くフレデリックがとても辛抱強いのです。水遊びで濡れて肌が透けて見えると、他の男に見せなく無いと抱き抱えて浴室に連れて行くほど嫉妬深くなるほどでした。

もうそろそろと執事が香油を用意した頃に、兄の王太子の陰謀を知ったフィンレイがやつれて行きます。自分で何もかもを抱え込んで離婚を言い出したフィンレイにフレデリックは王太子に怒り、王太子への反撃を決意するのです。

まずは自分の腹心を王都に行かせて、王太子のフレデリックに対する態度を苦々しく思っている貴族や大臣たちに、現状を訴える手紙を渡します。やがて大臣から王の耳に入り、貴族と王族間では噂が流れました。そしてとうとう王からフレデリックに直接話を聞きたいと呼び出しがあったのです。

心配ながらもフレデリックの乗る馬車を見送った夜に、フィンレイの祖父に頼まれて諜報活動をしていた男と領地の灌漑工事をしていた男が、フレデリックの危機を知らせて来たのです。

フィンレイは猟銃を背負って馬でフレデリックの馬車を追いかけます。
そしてフレデリックを撃とうとしていた暗殺者を、馬を走らせながら鎧に立ち上がって猟銃で撃つという凄技で撃退したのでした。

亡くなった護衛兵の家族に慰労金、負傷した護衛兵と御者に見舞い金を出したり、直接見舞ったりと、後始末に追われたフレデリックが王都に到着するのに半月以上遅れました。

途中で暗殺者は毒殺されてしまいましたが、王太子がフィンレイに宛てた手紙だけで充分でした。

王は次期国王たる王太子が勝手な私怨の為に理不尽な攻撃を仕掛けた事、実の弟を道具のように使おうとした事が許せずに激怒しました。

王太子は位の剥奪と王都から遠い地に一生幽閉される事になったのです。フレデリックも王太子派の貴族や大臣から恨みを買わないようにと、1年間の謹慎になりました。

20日後にやっと帰郷したフレデリックはとフィンレイはようやく結ばれるのです。この時にフレデリックはフィンレイを抱き潰してしまったらしく、フィンレイの怒りを買ってしまったようです。
その後はフィンレイの怒りを買わないように、デロデロに甘やかしていました。
フレデリックは毎日何度もフィンレイに恋するようです。

ストーリー的に甘さは少ないですが、最後の最後にドロドロな砂糖水みたいな溺愛攻めが読めますよ❤︎

7

これからはあまーい甘い新婚生活。

先生買いです。
先生の書かれる、受け様を好きすぎて残念になる攻め様の姿が大好きなんです。


 受け様のフィンレイは、市井育ちの12番目の王子。
そのフィンレイの初恋の相手で、一地方領主のフレデリックが攻め様です。

 長兄である皇太子から、フレデリックの家へ嫁ぐよう言われ、しかもフレデリックからの申し出だと聞いて喜びが隠せないフィンレイ。

一方、王家からの結婚指示を受け、困惑するフレデリック。
亡くなった姉や弟の息子を引き取って育てているので、後継者問題がない自分に、嫌がらせとして皇太子の息のかかった王子を送り込んでくるものだと思い込んでいるんで、しょっぱなのフレデリックの対応はしょっぱい。

 一目会いたくて、城の中を探検したあげくフレデリックの部屋を見つけたフィンレイ。
そのフィンレイを見つけて「見取り図でもお持ちですか?」と嫌みを言ったフレデリックに「そんな便利なものがあるなら下さい」と詰め寄るフィンレイ。
毒気を抜かれるってこの事ですよね。
まるで警戒心のない素直で純粋なフィンレイが、かわいいわ〜

 挙式後に、自分への対応で望まれていなかった結婚だったことは理解したフィンレイだけど、現状を打開しようと、自分でできる努力をする姿は健気でありいい子なんだなぁ。

 小躍りしながら、階段の手すりを滑っていくシーンは、笑っちゃいました。
フレデリックが大好きで大好き、というフィンレイの気持ちがダダ漏れで、かわいいんですよね。
かわいいだけじゃなく、健やかで明るく、どんどんフィンレイに惹かれていくフレデリック。
自分からフィンレイの部屋へ訪ねて行く所はとっても好きです。

いつか必要になるから、と香油を箱買いしてる執事のギルモア、ナイスでした(笑)


 フレデリックや息子達、使用人達からも受け入れられ、幸せに過ごしていたフィンレイの元へ王都の皇太子から、間謀になるよう手紙がくる。

解決するために王都へ向かったフレデリックを助けに行ったフィンレイはかっこよかった〜。

 最後にやっと香油の出番が来ました( ☆∀☆)
これからはバンバン使っちゃいますよ、ギルモア、早めのチェックをね。

 作品中では、残念な姿を見せてくれなかったフレデリックだけど、なんてったって、家族にも領民にも公認カップルなんですもの、これからは溺愛しまくりで、暴走していくであろう姿が目に浮かびました(´∇`)


5

何度も読みたくなる

内容は他の方が書かれているので感想を。

主人公の王子がめっちゃいい!
前向きな健気いいですね~。しかも聡くて自分の立場を理解し頑張る可愛い子。
そりゃ最初はつれない攻め様も絆されるよなと。わりとすぐに溺愛になるのもよし。わかるよ、ニコニコ笑顔可愛いもんね。

攻め様がはじめ冷たい態度なのは理由があるのですが、認識を改めきちんと主人公に謝罪するんですね。それがまた良かった。そのときのやり取りがキュンとしました。

お子さまとの関わりもあざとすぎず良かったです。健気な年下受けに年上攻めが陥落してメロメロになるお話が好きな方は是非。

5

大好きな作品

名倉先生の作品は温かくて好きで、この作品も何度も読み返してる。拒否からの溺愛って話の流れにキュンキュンする。フレデリックに相手にされなくても自分らしく頑張るフィンレイが可愛いし、いざって時には猟銃を持ってフレデリックを守るのがかっこよすぎる。フレデリックを守るために身を引こうとする所も健気過ぎる。そりゃフレデリックも好きになるよ!
フィンレイはフレデリックが初恋で何もかも初体験。その初々しさも萌える。読んでて幸せになる作品
( 〃˘╰╯˘p♡q

3

心理描写が巧みで泣かされます

BLにここまで感情移入して泣くことがあるか…? っていうくらい泣きました。
もちろん悲しいお話ではないのでご安心を。とっても甘々で、温かいお話です。

受けのフィンレイがとにかく健気で逞しい。
中扉のカラーイラストがドレスを着た受けっぽかったため、このご時世にBL作品で受けがドレスを着るのか〜とも思いました。

しかし、ここで引き返すなかれ。これはフレデリックの亡き母が残したドレスを、時間と予算が無いために仕立て直した急拵えのものなんです。それを不満ひとつ漏らさず、幸せそうに着るフィンレイ。
そういう経緯があるイラストで、彼の良いところが一枚に詰められた素晴らしい挿絵です。

私がぼろぼろ泣けたのは、フィンレイがとある事情で愛する人と家族の間で板挟みになってしまったところです。悩み苦しむ姿はとてもリアルで、痩せて指輪が緩くなってしまうシーンには胸が痛みました。
それでも立ち向かうフィンレイの強さ、そして彼の苦悩ごと包み込んでくれたフレデリックの優しさを感じて、たまらなくなりました。溢れたのは辛い涙ではなく、温かい涙です。

繰り返しますが、基本は甘々なので安心して読んでもらって大丈夫です。

何度も改稿を重ねたというのも納得の名作です。

1

受けの男気と格好良さ、ピカイチです・:*+.

作者様買いです。

絆され攻めと一途受け。

いつもは名倉先生の書かれる「受けのことが好きすぎて様子のおかしくなる攻め(笑)」が大好きなのですが、今作は受けであるフィンレイのキャラがすごく良かった…!

初っ端から、野鳥狩りをしている場面で驚きました。
狩りが好きで得意な受け様って、けっこう珍しい気がします(攻めにはいそうだけど)。
しかも狩りができるだけじゃなくて、解体・組み立てまでできちゃうんです。
ワイルド! (゚∇゚ノノ"

以下、内容を軽く。↓

母親と共に街暮らしをしていた、第12王子のフィンレイ。
彼は10歳の時、行事のために赴いた王宮で年上地方領主フレデリックに一目惚れします。フィンレイの初恋(*´艸`*)

そして18歳になったある日、突然兄である王太子から王宮に呼び出され、結婚を命じられます。結婚相手はなんと一目惚れしたあの人、フレデリック!
驚きながらも弾む心を抑えきれずに嫁いでゆくのですが。

フィンレイが王太子の差し金で間諜として来たと思い込んでいるフレデリックは、フィンレイに対し冷たく接します。
大好きな人に冷たくされる悲しみを抱えながらも、フィンレイは一生懸命に領主と領地のために尽くしていきー

と続くお話。

序盤は、大好きな人に、邪険に思われ悲しむフィンレイの姿が痛ましくて可哀想で( ; ; )

でも、ただ落ち込むだけではないのが、このフィンレイのすごいところ!
健気に一途にフレデリックのことを思い、本を借りて領地のことを勉強しようとしたり、フレデリックが引き取った甥っ子たちと遊んだり、懸命にコミュニケーションを取ろうとするんですね。

なかなか懐いてくれなかった9歳のライアンが、思いがけず銃の手入れに興味を持ってくれ、フィンレイとの関係が変わり始めるところでは思わず「よかったねえ」と声が。

お下がりの衣装も喜んで着て、懸命に領地のことを勉強し、子供たちとも仲良くなろうとコミュニケーションを取る。フレデリックの方が一回り以上も(13歳差!)年上なのに、涙ぐましい努力をするフィンレイの方が精神的に大人に見えたりしました。

そんなフィンレイの姿を目の当たりにして、徐々に認識を変え、フィンレイを信頼し愛するようになっていく攻め様に、ニヤニヤが止まりませんでしたよ〜( ̄∀ ̄)

「嫁いできてくれて、ありがとう」のシーンでの二人の口づけのイラストを見た時は、不覚にも涙が…

そしてそして…!終盤のフレデリックの危機に駆けつけた時のフィンレイの格好良さといったら!!もう映画を見ているようにドキドキしちゃいました。
このシーンがあったからこその「神」評価といっても過言ではないかも。

普通なら危機に陥るのは受けで、それを颯爽と助けにくる攻めーという構図だと思うんですよ。
それがね、馬に乗って猟銃構えて、攻め様の危機を間一髪、救う受け様。
格好良すぎるよ…!

ラブシーンでの恥じらう姿とのギャップにも、もうめっためたに激萌えしました。

かっこ良く活躍する受け様を見たい方、ここに!ここにフィンレイがいますよ〜!( ̄∀ ̄)と叫びたい✨
もちろん、絆され攻めが好きな方にもぜひぜひ読んでいただきたい一作でした◎

1

やっぱりこっちが好き〜

こちらの作品の続編も読みましたが、やっぱり甘くない〜の方に戻ってしまいます。だって、続編の穏やかでない〜があまりにもフィンレイが可哀想で可哀想で…。


甘くない新婚生活は、フレデリックとフィンレイの結婚から物語が始まります。この結婚生活はタイトル通り甘くない。夫のフレデリックがフィンレイの兄と確執があってフィンレイを冷遇するんです。フィンレイにとってフレデリックは初恋の相手でウキウキしていたのに、それを知ったフィンレイの落ち込みようはこっちまで泣けてきました。

しかしフィンレイは王子とは言え市井育ちで、庶民に近い生活をしてきています。生活も明るくハツラツとしていて前向きで、それでいて健気。ハッキリ言って好感度高い嫁なのです^ ^
そんな性格のフィンレイなので、使用人たちやフレデリックの子どもたち(義理です)と仲良くなって、ついにはフレデリックとも心を通わせていきます。

フィンレイを毛嫌いしていたフレデリックも、フィンレイの人柄を知るうちにどんどん好きになっていくんですよーーー!この過程がニヤニヤ。フレデリックがフィンレイにハマっていく様がとても楽しいです。


フィンレイの兄がフレデリックに嫁がせたのは、フレデリックを陥れるためで、その片棒をフィンレイに担がそうとするんですが、フィンレイは兄と夫との間に挟まれて心身共に衰弱していきます。マジでクソな兄です。王都にいるときはフィンレイと全く関わりも無かったのに!(怒)
でも、フレデリックがフィンレイを兄の陰謀から守ってくれて嬉しいハッピーエンドです♪

フレデリックはフィンレイにメロメロ溺愛です。子どもたちもフィンレイにすごく懐いていて、完全に幸せ家族。この展開を待っていたので嬉しいです^ ^

フィンレイの頑張りを応援したくなる、そんな作品でした。フィンレイは見た目も性格もかわいいんです。最初こそ読むのが辛かったですが、フレデリックがフィンレイに惹かれていくにつれて、読むのが楽しくなっていきました。もっとラブラブとイチャイチャを見たかったです。物足りなかった!

元気なれる作品です。めっちゃおススメです^ ^

0

無邪気って最強のカードだと思う

『天然』ではなくて『無邪気』。
最強だと思うのですね。
このお話のフィンレイがまさしくそれで、本当に良い子なんですよ。
おまけに、普通に賢いのです。王族と言っても母は平民で第12王子の所為か人権意識も健全ですしね。
もう、何をやってもフィンレイは可愛い。
密かに憧れていたフレデリックの所に思いもよらぬお輿入れすることになったのを聞いて唖然としているのが可愛い。
望まれて呼ばれたわけではないことを知り、がっかりしつつも出来ることを探して努力するのも可愛い。
周りの人たちの心をあっという間に掴んじゃうのも良く解るの。
だって何一つ邪気がないのですよ!

お話の後半はうって変わって、フレデリックと王太子(フィンレイの長兄)の対立をめぐる陰謀が書かれます。
前半に主人公の魅力が最大限ふりまかれていますから、このパートの印象が『少年少女世界の文学』チックに感じちゃったんですよね。これがまた良い!いや、BLなんだけど。確かにちゃんと恋愛しているんだけれど。でも、牧歌的なんですよ。
名倉さんのお話ですから『溺愛暴走故の抱き潰し』的なお楽しみも用意していただいておりましたが、それを読んだ後もちっともアダルト気分にならなかったんですよね、良い意味で。
これって『神々しいまでの無邪気』がもたらした読後感だと思うのです。

6

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