ずっとそなたに恋をしてきた

黒妖精は聖騎士の愛をこいねがう チェンジリング

kuroyousei ha seikishi no ai wo koinegau changeling

黒妖精は聖騎士の愛をこいねがう チェンジリング
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神58
  • 萌×221
  • 萌10
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
16
得点
405
評価数
90
平均
4.5 / 5
神率
64.4%
著者
沙野風結子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
チェンジリング~妖精は禁断の実を冥王に捧げる~
発売日
電子発売日
価格
¥890(税抜)  
ISBN
9784773060454

あらすじ

8歳の生誕日に妖精王から力を授けられる、特別な取り替え子・アンリ皇子。
皇子に忠誠を誓う騎士オルトは、深まるアンリへの愛しさに苦悩していた。
そしてアンリもまたオルトへ強い想いを抱く。
だが敵の策略により、18歳目前でアンリは妖魔に堕とされてしまう。
自制を失ったアンリの欲望を自身の体で宥めるオルト。
皇子のためと言い訳しながら、愛しい相手との交わりに悦びを感じずにはいられなくて…。
二人は妖精王に会いにいくが、アンリの妖魔化は進行しーー!?

表題作黒妖精は聖騎士の愛をこいねがう チェンジリング

アンリ,18歳,ノーヴ帝国の皇子で取り替え子
オルト,27歳,皇子に忠誠を誓う騎士

同時収録作品黒妖精は聖騎士の愛をこいねがう チェンジリング

ゼイン,「海の冥王」と恐れられる海賊
ルカ,公爵家に生まれた取り替え子

レビュー投稿数16

とても好きな作品!

チェンジリングの2巻目。続きでありつつ、1巻目の主役だったふたりとは違うカップルが出てきます。
妖精の子供と人間の子供が取り替えられてしまうチェンジリングというヨーロッパの伝承がモチーフ。
2巻では運命を握る皇子と彼を護る修道騎士が主役です。

第三皇子のアンリは妖精王の計らいによって妖精と取り替えられる。黒髪の取り替え子は破滅をもたらすとされ、アンリ皇子は人目につかないよう育てられることに。人と関われないため、頼れる人は修道騎士のオルトだけだった。(以前は乳母とオルトの父がいたが亡くなる)
アンリは成長と共にオルトに恋心を抱くようになるが、同年代の子供達と交流をもたずに育てられたので性的な知識がまるでなく、オルトに対して興奮してしまう自身の体に躊躇いを感じる。
そしてオルトもまた守護すべき対象であるアンリ皇子に欲情している自分に罪深さを感じていた。
そんな時、アンリ皇子が狙われ、彼を護るためにオルトが敵兵に陵辱されてしまう。目の前で犯されるオルトを見て、アンリ皇子が激情を爆発させて半妖魔に変貌を遂げる。
強大な力をもつ完全な妖魔になる前にアンリを殺さねばならないが、オルトは懸命にアンリを護ろうと奮闘する。

という感じなのですが(この時、国で起こっている騒動などは語りきれないので大幅に端折りました)、伝えたいことは1つ!このふたりの関係性が最高なのです。
歳下攻め×歳上受け。そして皇子×騎士、しかも修道騎士!
清く高潔な修道騎士のオルトが、赤子の頃からお世話してきた歳下の皇子に穢されていく構図にグッときます。

半妖魔になって言葉を喋れなくなったアンリ皇子が、なんだか赤ちゃんみたいでそれも可愛いです。でも人外の姿になっているので体は大きいというところがギャップなのです。
半妖魔のアンリ皇子に抱かれて、この行為に劣情と至福を覚えてしまって悔いているオルトの葛藤も良かったです。

まだ続いているようですが、次巻以降はKindle配信のみなんですね。商業化ではないのかな? その辺は詳しくないのですがどのような形でも続いてくれて嬉しいです。

0

続きをください…!!!

作者様のTwitterによると、商業出版ではなく、Kindleにて続編が予定されているようなのですが。
私的には!奈良先生の挿絵と、あの紙の質感で!続編が欲しいのです!!出版社様…!
と、初っ端からまくし立ててしまいましたが、本編もとっても面白かったです。

チェンジリング2とのことで主カプは変わっていますが、1でやっとのことでくっついたゼインとルカも結構出てきてくれていて、もう、とっても嬉しかったです。
なにしろ、ゼインが大好きなので…

奈良先生の描かれるゼインが、文章にバッチリはまっていて、本当に格好いい。もう、懐広いにも程がある包容力…カラッとした明るさの中に生きる痛みを知っているしなやかさや強かさがちらちら垣間見れてたまりません。

いや〜ゼインは心配だよね。
ルカは自分を顧みない強さを持っているから、そこが良いところであればある以上、惚れた弱みで強くは出れない。
アンリとオルトの話なのに、ゼインとルカのイチャラブにいちいちキュンキュンしてしまいました。

ちなみにアンリとオルトも負けていませんでしたよ。
アンリのちょっと影のある見た目もすんごくいい。
獣姦シーンで、鉤爪でオルトに傷を付けないように抱き抱えながら自分の手のひらを繋いで耐えるシーン。
もーーなにそれーーーー
愛しかないじゃーーーん

はっきりいって私の中で年下攻めは別に掠らないんですが、アンリはとっても可愛かったし、いじらしかったし、男らしかった。
気を抜くと普通の、ファンタジー小説を読んでいる気になるんですけれども、やっぱりボーイズ達のラブもしっかりあるんですよね。
いずれにせよ、沙野先生の文章力が素晴らしかった。
次から次に展開が変わって読んでいてほんとに気持ちがいい。
2人のラブはほんとに最後の最後で、それまでに身体を繋げているんですけれども気持ちが全然ついてこないのもまた切なくて。

先生のTwitterで公開されているSSではその後のラブラブっぷりが読めてすごく癒されたんですけれども、もしかしたら、今回初登場の脇役が次の主人公になるのかな?
でもでもでも、ゼインとルカファンである私は、彼ら主役の3でもいいのでは!?と思ってしまったり…
先生、どうでしょうか…笑
ゼインとルカのお話、もっと書いてください〜〜〜

2

込み入った展開 

壮麗で美麗な挿絵は、筋書きのダイジェスト版。挿絵が、込み入った筋書きの補足をしてくれて、助かった。

前巻は、取り替え子のルカがゼインを巻き込んで、仕掛けを作っていく過程。
気の毒なゼインは、ルカの駒。ゼインの前で、大司教に蹂躙されるルカ。
取り替え子のルカは、妖精王から命を受けていた。


今巻は、アンリ王子の誕生日まであと1時間という時に、大司教とタッグした隣国の王子の襲撃を受ける場面から始まり、オルトがアンリ王子の護衛騎士になるまでの回想がそのあとに続く。

ルカより一つ年上のオルトは、アンリ王子を護る聖騎士。
ルカは、取り替え子の王子アンリが妖魔化しないよう 妖精王の命を受けずっと練っていた計画の実行日は、アンリ王子の18才の誕生日。

人食い怪獣の真名を持つ取り替え子;「アンリ王子を運命に勝たせる」、その為に、多くの者の命が消えていく。

そして完結していない終わり方。
ノーブ帝国の騒動は鎮圧、妖精塚の修復、取り替え子たちの保護もできつつある。
妖精界からエンリケ(妖精界に拉致された本物の王子)が伝言を伝えに来る。
「クシュナに穴が空いた。連れ去られた取り替え子の様子を探ってきて欲しい」
・・ルカ達が赴くことになるけれど、その後が描かれていないので、いつかまた続編に続くのかな??


後日談SS
「嫉妬深い恋人、たち」https://privatter.net/p/6260090

4

何者も立ち入ることができない絶対的な関係

前作『チェンジリング』が、運命を掴みとる話だとしたら、こちらは運命を掴み損ねた話…と言うとだいぶ悲劇的に聞こえるかもしれないけど、運命とは所詮一つの分岐でしかなく、道が逸れたからといって待ち受ける未来が嘆かわしいものとは限らない。人生の操作権が自分の手にある限り、逸れた道を再び繋げることもやはり自分次第。そんな読後感でした。

アンリは皇子でありながら不吉な取り替え子として生まれ、18年も隔離育成された純粋培養くん。育てたのはこれまた清廉潔白な聖騎士のオルトなもんだから、逆紫式部という美味しい設定にも関わらず、二人の関係性は色んな意味で超純粋です。

アンリにとってオルトは名前をつける必要がない相手だったんだよね。普通は大勢の人と関わって比較対象があるからこそ自分の中で相手が家族なのか友人なのかという関係性を無意識にカテゴライズしてる。
でもアンリにとってはオルトだけが深い人間関係を持てた唯一の相手だから、オルトはオルトでしかない。
親代わりであり、師であり、友であり、従者であり、恋する人であり、その感情全てがオルトただ一人に向けられていて、名前がないからこそ絶対的な関係性へと至らしめている。でも二人とも無自覚なんだよ。
その危うさと甘美さがまさにこの作品の屋台骨になってました。

客観的にみればルカとゼイン組の方がよほど悲惨な目にあってるんだけど、ルカは妖魔に堕ちない。でもアンリにとってはオルトが傷つけられただけで“魂が壊れるほどの苦痛”になってしまう。その書き分けがさすがだなと思った。
救世主的な役割を与えられているアンリとアンリに絶対の忠誠を誓うオルトという図が、真名によって全く異なる図になるのもぞくぞくしました。

もう一つ個人的に萌え滾ったのが、異形えち。隠れ異種姦好き隊としては、奈良さんの絵で拝めるなんてお布施したいくらいのご褒美でした。私前世でとんでもない人助けでもしたんかも。よくやった前世の私。
すごく面白かったのに神評価じゃないのは、ルカの預言の力とか設定止まりなもどかしさがあったのと、何年も前からハネスじじぃの正体と企みが判明してたんだから国難を前にもう少し策を立てておこうぜっと思ってしまったので…。

スッキリと決着ついてないので、続編超待ってます。
次の主役組はエンリケとグレイかな?いやいや沙野さんのことだからにっくきシベリウスという可能性もなきにしもあらず。私的にはルカとゼインが大好きなので、もっかい主役はってくれたら全私が号泣します。

5

秀作ですっっ‼︎

正直これまで沙野先生の作品は何冊も読んで萌え止まりだつたのかですが、神×1000な感想です…。神。
この作品も奈良千春先生が大好きで購入してあまり期待してなかったのですが、最初から最後まで、そしてTwitter感想でもらえるおまけストーリーまでスペシャルに萌えまくりでした。
なんだろ、受けが美人で優等生の騎士オルト、攻めが軟禁されてる不遇の王子アンリ(後に妖魔)、受けが年上の世話役っていうだけでいい設定なのに成長と共にいいエピソードが増えます。辛い…。
アンリが成長して男味が増してオルトに恋するようになり、オルトは庇護してきた小さい王子に大人の男を感じてドキドキし始めます…。辛い。
途中アンリが謀られてオルトを奪われ怒りのあまり妖魔になっていた間に2人は初めて性交するのですが、オルトは片思いだと思っているので妖魔の形をしたアンリにさえ抱いて欲しいと願い抱かれまくります。(妖魔化が抑えられると分かったという理由もあるのですが)
人間に戻ることができて王子として災厄から国を護るようになったアンリは、オルトを汚してしまった罪悪感から素っ気なくなりますが、夜に一緒のベットで眠ることだけは強要していじらしいのなんの。2人とも過去には激しく抱き合ってたのにお互い恋心を隠しているので、触りたくて触りたくて眠れない夜が続くのです。
オルトが耐えきれずベットから逃げ出すのをアンリが許さない!と覆いかぶって阻止するのもカッコよかった…。チビだったのに…。
いざ恋人になるとアンリはSで、でもオルトがイッちゃうと我慢できないのが情けなくてもちろんそれもいい。
お話のベースには怖いエグい自虐的なシーンもありますが、どのキャラも生き生きとしています。
アンリの半身のエンリケと騎士グレイのスピンオフも激しく希望!
こちらは可愛らしいカップルの予感です。
電子で購入したけど、紙でも買わなきゃー。
個人的に好きな設定ドンピシャでした。
チェンジリング二作目ですが一作目より断然好みでした。奈良千春先生の絵も秀逸。Twitterに寄せられた幼いアンリがオルトの膝に甘える絵も辛いほどいい。
おまけの話は永久保存です。

5

好き!早く続巻を‼︎

奈良先生のダークでありながらロマンティックなカバーイラストにウットリしてしまいます。
そしてこの作品の世界観が一枚に集約されていている事に気が付くのです。素敵過ぎる。


前巻でとても気になっていたアンリ皇子と修道騎士のオルトでしたが、彼等の主従関係に悶えまくりました!ゼインとルカCPより好きかも。

妖魔化したアンリを恐れながらも、身体を繋げられる悦びを感じるオルトの行き場の無い深い愛情を感じて切なくなりました。
そして必死に人としての意識を保とうとするアンリも切ないです。

自制を失ったアンリとオルトの交わりはあるものの、アンリが妖魔化を止めて貰って意識が戻ってからはすれ違いが続きます。

ようやく思いを告白し合って結ばれるのが、最後の最後なのですよ。

だから甘さは少ないです。 

でも2人の長きに渡る両片想いに萌えたし、主従関係の言葉使いに性癖を刺激される方も多いと思います。

クシュナ王国のシベリウスとカッツェの関係とその目的もハッキリしてないので、続巻がとても待ち遠しいです。

7

続編希望! 完結希望! のダークファンタジーシリーズ2作目

聖騎士オルトが命を懸けて守り抜くと誓った、ただひとりの主、取り替え子の王子アンリ

幼い日の純粋な忠誠と庇護欲がアンリの成長につれ形を変えて行くエピソードは、二人の体温が匂いたつようです

容赦ない運命が待ち受けていますが、前巻の主役ゼインとルカも活躍し、それぞれが全力で抗い、切り開き、互いを守り抜く!

王城、海賊船、妖精国と息もつかせぬドラマティックな展開は、ファンタジーでなければ味わえないスケールの大きさ

沙野先生の「この世に互いしかいらない」という凄まじい熱量の恋は、ファンタジーでこそ最大に生かされると思います

こちら、あとがきで「商業として難しかったら個人的に続編を書く」とあり、すぐさま版元さんに「続編熱烈希望します」とメールしました

今すぐにでも続きが読みたいくらいなのに、きちんと商業として大団円を見たいじゃないですか!

まだまだ回収されてないエピソードと気になる登場人物目白押しのシリーズ、次巻が待ち遠しい!!







9

主従の立場を越えてしまった恋の切なさ

電子版カラー口絵挿絵あり、あとがきあり。
このシリーズは奈良先生のイラストがぴったりですね。表紙から美しく、魅入ってしまいます。

シリーズ二冊目はノーヴ帝国のアンリ皇子とその騎士オルトの物語。アンリは取り替え子である身体的特徴を持って生まれたため、それからずっと人目を避けて私室のみで過ごし、常にベールを頭から被って姿を隠している。本当の姿を知っているのは王と乳母、そしてオルトだけ。そんなアンリ皇子にも、取り替え子として、妖精王に背負わされた運命があって…。

前作で登場した時は皇子受けかと予想していたんだけど、ハズレでした。
初っ端からオルトが敵の手からアンリを守るために凌辱されるという衝撃シーンから始まったので、騎士受けかー!と。
でも攻めを育てる受け、というのもいざ読んでみると全然アリで、自分だけを慕ってくれる皇子に恋してしまっていると気づいた時のオルトの心情を想うと、もう…。
この方が聖騎士という名に恥じない、高潔で清廉なキャラなので、そういう気持ちを邪な欲望として必死で胸に秘めておこうとするのが切なくて苦しく、そして萌えました。

アンリ皇子も、妖魔に堕ちても必死でオルトを傷つけまいとするところとか、エッチな場面でも終始受けを「そなた」呼びするのが、なんかもうキュンキュンしてたまらなかった…。一人称「僕」なのも可愛くてね…。

ストーリーは次から次へと展開が目まぐるしく、まさに波乱万丈。そして全体的にどこかダークで痛々しく、沙野先生らしいエロスも楽しめる作品で、読み応えがありました。前作での悪である大司教が今回きっちり制裁を受けたのはよかったが、まだ敵国に不穏な動きはあるし、何よりオルトに乱暴したシベリウス王子とやらが許せな〜い!

次回作はアンリと取り替えられたエンリケ皇子の活躍も見てみたいし、全キャラ総出でシベリウスにお仕置食らわすのが見たい! 是非早めに続きお願いします!
次巻こそスカッとしたエンディングを見たいです。

6

愛ゆえに苦しむのか…苦しいなぁ。

 前作に引き続き、とっても面白くて、ぐいぐい物語に引き込まれました。
前作の2人であるゼインとルカも一緒に活躍していて、とても頼もしかったです。

受け様は、修道騎士であるオルト。
攻め様が、第三王子であり取り替え子であるアンリ皇子。

 アンリが赤ん坊の時から守り慈しんできたオルト。
受け様が攻め様を育ててきた訳ですね。

 黒髪のアンリは妖精に取り替えられた取り替え子として、幽閉されているけれど、オルトの献身的な支えでもって、純粋で高潔な若者に育ってます。

オルトも修道騎士であるだけあって、とっても清廉で、アンリの為なら、の強い覚悟を持ってる。

 敵の謀略にかかって、オルトを目の前で凌辱されて、妖魔になってしまったアンリ。
半分妖魔の状態のアンリとオルトはゼインとルカの助けでカーリー号へ。

 半妖魔でアンリとしての意識がない状態のアンリだけど、分からないままオルトだけは求めていて。
オルトも王城ではずっと隠し続けていたアンリを求める恋情をぶつけて、身体を繋げる2人。

 妖精王に会って、妖魔化を止めてもらいアンリとして意識が戻ったけど、半妖魔だった時の記憶は残っていたから、オルトを凌辱してしまったとショックを受けるアンリ。
そしてまた、オルトはオルトで、アンリを穢してしまった、と思い込んでいて。
2人して、とても高潔で相手のことが大事で大事でたまらないからこそ、穢してしまったと苦しんでいる姿に私まで苦しかったです。
違うのよ〜あなたのことが大好きなのよ〜と教えてあげたくてたまりませんでした。
残り数ページになっても、苦しい両片思いのままで、えっ!ちゃんと想いは通じ会うのよね!?とハラハラし通しでしたよ。

 2人の真名、アンリは早い内に分かって、その意味にドキッとしましたが、最後に教えてもらったオルトはなるほどなぁ、です。
きっとアンリにとってはまさにそうなんでしょうね。

 今回は主役カップルを支える役だったけど、ゼインとルカの今の姿が見れて嬉しかったです。
もうルカの、自分の成すべき事をやろうとしている姿が本当に強くてかっこいい!
ゼインはルカを大事に溺愛してるし( ☆∀☆)
自分の気持ちよりルカの気持ちを尊重できる男でやっぱりかっこいい!
妖魔化を抑えたアンリを見て「人間らしいサイズに戻った」と何でもないように言ってのけるのも度量が大きさを感じてきゅんと笑いがにじみました。


 取り替え子なら、取り替えられた本当の王子がいるはずなんだよな、と思っていたら、あっけらかんとした感じで登場で、ずっこけそうになりました。
だって、敵方の回し者かと心配してたんだもの。

 王子だったはずのエンリケの登場で、アンリもルカも、取り替えられなければ、妖精国で幸せに暮らす人生だってあったかもしれないのに、と強く感じてしまいました。
それでも、アンリはオルトと、ルカはゼインと出会う運命を選んだって事なんだろうな。
今となっては、相手が隣にいない人生なんて考えられないだろうし。
「取り替えられてよかった」というアンリの言葉が胸に染みました。











13

未読の方は買って応援してください!

この仄暗さが「たまらんなぁ……」と思う訳ですよ。
沙野さんのご本の大概はスカッと明るいわけではないのですがね。その中でもこのシリーズは痛さが多い様な気がするんです。
取り替え子という設定が悲しいからでしょうかねぇ。
そう言えば私はピーターパン(ディズニー版に非ず)もなんか物悲しくてダメでした。

今回の主人公達は皇子とそれを守る聖騎士ですよ。
それも皇子が取り替え子ときた。おまけにこの物語世界で人の本質を示すとされる真名がとんでもない厄災を招くような名前なんですね。
だけどこれが良い子なんだなぁ……

沙野さんの物語の登場人物って『重くて辛い』運命を抱えている人が多いと思うんですよ。
まあ、BLってそういう登場人物がそれなりに多いですけれどもね。
ただ、沙野さんのお話の登場人物たちってそれを跳ね返したり、何かに完全勝利したりしないんですよ。
あとね、結構『理不尽』が書かれたりするような気も……例えば今回の物語世界での妖精王の立ち位置って『人間社会の理』とは全く違うので、理解不能です。
だからスカッとしたカタルシスがないの。

だけどね……っていうか『だからこそ』なのかもしれないけれど、主人公たちが想い合っていることが、じわ~って染み渡るように伝わってくるのです。
事件は次々と派手めに起きるのですけれど、人々の心のありようはゆっくり、しっとりなんですね。今作もこのギャップがたまりませんでした。

ところで。
私が一番ショックを受けたのは『あとがき』ですよ。
沙野さんほどの書き手でも、このシリーズの続きを商業ベースで発表できるかどうかって『売れ行き次第』なんだ!
私、3冊とか4冊単位でもう出版社と契約しているのかと思っていました。
厳しいんだなぁ……

そこで、私のこの駄文にお目を止めていただいた姐さまにお願いです。
まだこの本をご購入なさっていらっしゃらない姐さまが万が一いらっしゃいましたら、何卒ご購入いただけませんでしょうか。
前作の主人公であり、今作にも登場するルカという取り替え子がどうなっていくのか、私、ぜひ知りたいのです。
このシリーズ、読んで損はしませんので是非是非!

12

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