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人は皆、生まれながらに大切な役目を担っている
otoshigo to juusha no monogatari
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ちょっと童話的な主従BLファンタジーです。
領主の次男・ユリウスは妾腹の子であり、家族とは離れて暮らす身。
そのユリウスが護衛として雇ったのが、醜い元奴隷・クスターです。
クスターの素顔は兜で隠されていて分かりませんが、多分ものすごく醜いのだと思います。
どれだけ酷い扱いをされてきたのかと思うと、それだけで切なくなります。
そのクスターがとにかく献身的で健気で、身を挺してユリウスを守る姿に心打たれます。
唯一慕う兄を守るため、叔父に性的虐待をされてまでクーデターの証拠を集めるユリウスでしたが、裏切りがバレてしまい……という展開です。
「人は皆、生まれながらに大切な役目を担っている」と言うクスターですが、ラストは自分の意思でユリウスのそばにいる事を選びます。
私はここがとても良かったと思うのです。
使命感でも恩義でもなく、恐らくクスターが初めて自分自身で選んだ人生……ここに価値があると思う。
ユリウスが優しいクスターに癒されていく姿にほっこりし、そっとキスして寄り添う姿が素敵でした。
話としてはちょっと雑であっさりしているかなと思うのですが、クスターの見た目を気にしない優しい人たちと、ユリウスを愛しながらも寄り添うだけのクスターは尊い!
こういう愛の形があってもいいのかなと思わせてくれる、とても優しいお話でした。