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suigara no nedoko
うお、ひさびさにレビュー一番乗りだ。
とても面白い短編集でしたよー。
若干のほろ苦さがある大人の空気感漂うお話ばかりで、非常に私好みでした。(といっても別にバッドエンドというわけじゃないのでご安心を)
『吸殻の寝床』
それまで飄々としていた攻めがやけっぱちになって襲いかかった場面でめちゃくちゃ萌えました。こういう話の持っていき方、すごく好きです。
『しるやかなたの』
うひょー、攻めが色悪ですな!
最後でド淫乱になった受けに萌えました。
でも、先を考えたら少し怖い。
『燃える手』
この作品が一番好きです。
大好きだった恋人が死んで、その弟に口説かれる。
似たようなお話ならBLにたくさんありますが、この作品は話の構成が素晴らしいんです。時系列をバラバラにして過去のエピソードを挟みこんで、現代の二人の絶望や苦しみを少しずつあらわにしていく。
いったい誰が一番切ないんだろう。
『夏の果て』
これまた切ないなー。
結末のあやふやさがいいですね。
『Here and There』
エッチの最中に他の人の名前呼ぶって最悪だよ~。だからこそもっとたくさんこのエピソードが使われてほしいと思う鬼畜な私です。
短編集。
「吸殻の寝床」
会社を辞めた元同僚が家に押しかけてきて居候し続けている。
でも、なぜ?それはね……
絆され受けというか流され受けというか。
「しるやかなたの」
ヤクザ者になった幼馴染と大人しい高校教師。
乱暴で酷い男。でも知らない世界を見せてくれるのはいつも彼だった。だから…
「燃える手」
死んだ兄の恋人だった先生を犯す弟。
恋人が死んだ後自分も心が死んでしまったような教師だったが、生きて情熱をぶつけてくる少年に自分の生も思い出していく。
「夏の果て」
腹違いの兄は病弱。献身的に看病する弟だが、実は部屋から一歩も出さず監禁していたのだった。
ついに自分にも病気が伝染って兄を解放するが、兄は戻ってきてしまう。
これも一つの共依存?
「Here and There」
金曜の夜だけ。他になんの約束もしない部長と部下のセフレ関係。
部下は本当は朝まで一緒にいたいのに、自分だけが本気なのか⁇
では部長の本心は?
「冷たい繭」
孤児院から大きなお屋敷に引き取られたトマス。
健気にマナーを習得していくトマスだが、主人はある思惑を持っていた。
「残雪」
「冷たい繭」の続編。
大人になったらトマスは養父と距離を取っていた。それは、自分が彼を苦しめると思ったから。
全体に哀しみが漂うような作品多め。ハッピーエンドでも余韻が漂うような。
「しるやかなたの」が印象に残りました。