ボタンを押すと即立ち読みできます!
otokonoko junjou
おとこのこ同士の恋のかけらの詰め合わせみたいな。
始まったり終わったり、途中だったり。
「タカシとカナタ」「岡本と成田」の二本が特に好き。
「タカシとカナタ」
小学生のとき、中学生のときのエピソード。
カナタは無自覚にタカシのことが大好きなんだな~タカシはそれに気付いていて呆れつつも満更でもないんだな~というのがとても伝わってきてにやける。
タカシはカナタが自覚するまで待つつもりのようだけどどうなるかな?
カナタが自覚するのが先か、タカシがしびれを切らすのが先か…もっと未来のふたりを見てみたいな。
「岡本と成田」
イケメンな岡本とフツメンな成田。
岡本からのラブを成田が受け入れるまで。
成田がどこにも変な力の入っていない自然体な感じでよかった。
このキスシーンすごい好きだ。
同人誌の電子配信もの。
こういうのは練って練ってという商業の長編とは違って、短編ゆえの言葉足らずあり、設定の穴あり、だと思うんです。
だけど、だからこその作者様自身の本質/エッセンス、そういうものが出ると思ってる。
さて、本作。
「兄の友人」
連作的に2作。
兄はすでに亡くなっています。
お骨のある兄の部屋で、兄の「友人」が弔問にやってくる。
彼の事を兄の日記で知った弟は、彼を前にしてこの部屋でやったのかとか、どっちがどっちなんだろうとか考える。
「気持ち悪い?」と聞かれて「わるいです……」と口にしてしまい、気まずくなったり。
モヤモヤが止まぬ前に、今度は兄の幽霊が見える。話しかけてくる。
『柴田に会いたい会いたい お前柴田と暮らせよ』
おかしな話だが、弟は兄の恋人にこれを伝えるのです。
その後も兄の遺品整理などでまだ繋がっている2人。
ストーリーとしてはここで終わり。
このオチの無い感じが結構好きなんですよね…
「野津と須田」
野田→結婚10年目に離婚。
昔の友人・須田に15年来モヤモヤを抱えている。昔寝ているオレにキスしたよな…
思い切って聞いてみると…
寝たフリしたのを後悔するような心の微妙な流れ。
「野津と山野辺」
離婚もして、須田には今カレあり。自分はひとりぼっち。
…目覚めたら隣に男が寝ている。
後輩と飲んで、記憶無し。
この後輩くん、野津にロックオンしたみたいです。
「タカシとカナタ」
幼児の楽しい遊びのひとつ、「◯んちんのさわりっこ」。
カナタはなんも考えてない。タカシはちょっと意味ありげ。幼児ながら。
中坊になってからも、カナタはガキっぽくオンナノコやホテルに騒ぐ。タカシは…
「岡本と成田」
岡本→美形。成田→フツメン。
岡本は成田に一目惚れして、成田は魔女の呪いだと思って、でも岡本は諦めなかった…
やっとBLっぽいキュンなキスシーンきた。
「ジェラシー」
大好きな子の友達に嫉妬!
…してるのはペットのニャンコ、という擬人化もの2ページ。
(飼い主と友達はしっかりヤってるのよ)
「時間旅行」
ちょっと不思議なファンタジー。
時間を止める不思議な腕時計。それを使って親友にキス!
でも欲しかったのは心だから…
2人で辿る自分達の愛の時間。時間を旅する2人。
ふとした縁や成り行きの持つ不思議さのようなものが描かれていると感じた。
絵柄は思ったより幼いような、少年誌的なような。正に「おとこのこ」。