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shiro tsubaki
「密書でござる!」がとっても面白かった斑月先生。本作も時代劇BLとなっています。
電子限定の短編。
悪どい大店から金子(きんす)を盗み、貧しい人々に投げ配る…そんな義賊の「鼠」が今夜も現れた。
同心の九兵衛が放った小刀が腕に当たり、思わず近くの屋敷に忍び込んだ鼠。
だが、その白い椿が咲き乱れる広い屋敷には病気の幼い少年が1人っきりで住んでいて…
比較的はじめから鼠の正体は明かされています。名は喜久蔵。
鼠は九兵衛とは旧知の仲。
小料理屋で一緒に飲んで、喜久蔵に女がいるのか?と後をつけた九兵衛は、喜久蔵が「お化け屋敷」とも呼ばれている白椿屋敷に入っていく所を見てしまう。
喜久蔵を疑う九兵衛だが…
…と物語は進んでいきます。
白と黒のコントラストが美しい絵柄にかすかなホラー風味が混じって、これは私好みの作品。
BL的観点から言えば、本作にエロシーンといえるようなものはありません。
ただ風情というか、抑えて言えない恋情が底に沈んでいる。
江戸の空に掛かるスーパームーン、千両箱を担いで見得を切る「鼠」は一枚の浮世絵のよう。
義賊と同心というロミジュリと、江戸版幸福の王子、プラス怪談の令和浮世絵BL。
山本タカトさんやツバキアンナさんのファンにもおすすめです。
ギャグのない内容だった
前作「密書でござる」がとんでもないダメ忍者のギャグだったので、これはどうなのかな?と思ったのですが、真面目な時代劇ファンタジーだった。
画風が、韓国や中国人作家の作画プログラムで描いた劇画調なので、日本人が描いていると思えなかったけれど、ちゃんとした江戸時代の時代物だった。
絵が綺麗で、墨の香や、雪の香がしてきそうなしっとりした絵。
追手に追われた手負いの義賊が紛れ込んだ不思議な館。住んで居たのは人の子?のような魂魄の化身のような童子、その童子と交わした約束は「死んだら白椿の下に埋めて欲しい」というもの。
ミステリアスな内容で、エロ少な目。