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gokusai no ie
地味で全く性描写が無い、プラトニックな思慕をつづった寺院に預けられた子達の話。
昔、鎌倉の長谷寺近くに住んでいたので、どこか懐かしい庭園風景が多く書かれているので好きです。読後に脳内が四季に咲く花の彩が溢れてくるような絵本のような作品。
難を言えば、無害な大人しい恋愛にも至らない思慕物語である反面、清潔すぎて何を伝えたいのか、少しテーマのアピールが弱いじれる感を受けました、毒気が無さすぎる。
でも寝る前に読む安らぎ本に適しています。
応援したい作者の作品なので、もっと人気が上がらないかな、とつい願ってしまいます。
2巻から3巻に跨って、簪に纏わる、黒と赤と青の髪の子の追想。
紅を助けて水死してしまった黄色い髪の子の話。優しい紅は、昔は泣いてばかりいた子だった。紅は、貴族の妾腹の子、要らない子だと人から愛情を受けて育っていない寂しい子。本妻の子が亡くなり、その身代わりに親が決めた婚約者が出来てしまった。寺院を卒業したら、望まない結婚をすることになる予定・・という話。
黒い髪の子が、親代わりの画家からもらった簪の話。親代わりの画家に抱く気持ちは、恋慕であることに黒髪の子は気づく。初めての断髪式で出来る黒の顔料を画家に受け取ってほしいのに、恥かしくて、受け取ってほしいと言えない。
親代わりの画家を慕う黒髪の子の髪の毛が綺麗になっていた。想いや体調の具合で、髪の質が上下するらしいと言う話。
・・彩の子供達は、17才で髪の毛の色が変わるまで性別が分かれていないと言う設定なのに、何故かBLジャンルになっているのは、成人するまでは彩の子達が一応少年扱いになっているからかな。
13才まで母が隔離して育てた黒の子は、通常より遅い13才になってから寺院に預けられた。寺院の生活になじめない黒の子をお世話する優等生の青の子。青の子の家は母子家庭、とても貧しい。貧困層を蔑む父兄が居るため、引け目を感じていた青の子の心が、黒の子と関わることでほぐれていく。機微に疎い黒の子と聡い青の子は、仲良し。
日記のような地味な作品で、強い感情描写もなく性描写も無いので、子供が読んでも大丈夫なくらいです。四季の行事を盛り込んだ、花寺の生活の紹介本のよう。私は、電子書籍版で1-6巻まで揃えましたが、この本は紙版のほうが楽しめそうです。
綺麗な内容の御話なので、もっと人気が上がって沢山の人に読んでほしい。・・アニメ化を期待。
色が溢れるような描写の連続で、読後は脳内が「極彩」。四季に移ろう花のように美しいのは今しかない、を伝えるような内容の作品でした。