夕暮れブロッサム

yuugure blossom

夕暮れブロッサム
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神20
  • 萌×24
  • 萌1
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
5
得点
124
評価数
32
平均
4.1 / 5
神率
62.5%
著者
柄十はるか 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カキネ 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

物静かなエリート会社員×「みんなのお兄ちゃん」な喫茶店オ-ナー、優しく癒やされる年下攻トワイライト・ロマンス。幼い頃に事故で亡くなった両親が遺した喫茶店『デュオ』を夕が再びオープンさせてからおよそ十年。八つ年下の弟・愁は生涯の恋人を見つけてとうに自立したが、弟第一で生きてきた夕自身は、いまだに自分が幸せになる方法がわからない。そんな中、客足の途絶える夜の時間帯に訪れる青年・香ノ介とひょんなことから言葉を交わすようになり、客とオーナーの関係を超えて親しくなっていく。一回りも年下な香ノ介のそばは居心地がよく、だからこそ隠し事のある自分が心苦しくて…?

表題作夕暮れブロッサム

サラリーマン
喫茶店店長

レビュー投稿数5

ぜひ単行本化して欲しい!

切なくて胸がキュッとなるけど、温かくて素敵な作品です。
主人公が悩みながら自分の気持ちを整理し、
ゆっくり前に進んでいく過程が丁寧に描かれています。


喫茶『デュオ』の店長・夕は、亡くなった両親に代わって弟の面倒をみてきた〝良き兄〟です。
弟の愁が生涯のパートナーを見つける中、
自分の幸せが何かも分からない夕ーー
そんな時、4年前からデュオを訪れるようになった美しい青年・香ノ介と言葉を交わすようになりーー…


本作は夕の物語であり、香ノ介の物語であり、兄弟の物語です。
とにかく夕の心理描写や登場人物の表情が丁寧で豊か!
笑い方ひとつとっても全部違っていて、その時々の感情が表れています。
また表現が秀逸で、メールのやり取りでさえも短文なのに面白くてセンスを感じました。

で、肝心の夕ですが、ナチュラルボーン兄属性の夕は、
両親亡きあと弟を支える健気な努力家です。
高卒でホストをしながら弟の学費を稼ぎ、
泣き言ひとつ言わないーー
というか、泣けないし誰も頼れないんですよね。
不幸を日常に置き換えて、何でもないこととして生きている。
夕が自分の事を二の次にして生きてきたことが分かります。
悪夢のせいで不眠症なのも、夕の責任感の強さと、
実は不安の現れだったりするのかな?と思いました。

そんな夕の前に現れた香ノ介に心惹かれ、香ノ介の前ではありのままの自分ででいられるようになりーーという展開です。

夕は自分のためではなくて、誰かのために生きてます。
弟のため、香ノ介のため……
自分に自信がなくて、辛いとも苦しいとも言えない。
そんな夕を見ていると胸がキューっとなって、
とても切なくなります。
香ノ介が好きだと気付いても、当然一歩踏み出す勇気がない。

一見、香ノ介の一目惚れに思える流れなのですが、
実は過去に二人は出会っています。
香ノ介が夕を好きになる過程と理由が自然で、
そりゃ忘れられないよね……と、納得してしまいました。
ストーリー展開が素晴らしくて、全てが無理なく入ってきます。
香ノ介の兄とのエピソードも涙無くしては読めず、
完璧にみえた香ノ介の人間らしい葛藤に胸を打たれました。

香ノ介とすれ違ってしまい、夕がストレスから倒れてしまった時は、弟の愁がとっても心配してくれます。
それで、遠くへ行ってしまったと思った愁とは、
一生兄弟で離れていても家族だと気がつくんですよね。
そんな当たり前のことさえも気付かないほど自分の気持ちに鈍感になっていた夕を思うと、もう切なくて泣けちゃう(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

香ノ介と想いを通じ合わせたときは感無量で、
夕よかったね〜とハンカチ片手に心の中で拍手を送りました。
元々泣き虫だった夕が、やっと人前で泣けたことがとても嬉しかったです。

そのまま香ノ介とは初Hに雪崩れ込むのですが、
直腸の洗浄から始まり、アナル拡張、挿入と、
一通りの過程を踏んで結ばれます。
香ノ介が意外とSっ気があって、夕がグズグズにされちゃうのが可愛くて♡
ゆったりした雰囲気の作品からは想像もできないほどしっかりした描写には、良い意味で驚いちゃいました。

実は大企業の御曹司である香ノ介との行く末が心配ですが、
すでにスパダリの雰囲気漂う香ノ介が夕をしっかり守るのでしょう^^
全体を通して優しい雰囲気漂う素晴らしい作品でした。




7

ぷれぱーる

三日月ロック様
同じ作品を共有し、コメント頂けて嬉しいです!
漫画と小説の連作となっていたこと、私も気になっておりました。
愁の友人の一人は、デュオに来店していたあの子ですかね?
かなり存在感ありましたよね。
そちらの単行本化も楽しみですが、私もこちらの作品がとても素敵だと思ったので、ぜひコミカライズして欲しいです^^
情報頂けて嬉しかったです。
ありがとうございました( ´∀`)

三日月ロック

ぷれぱーる様

はじめまして、三日月ロックと申します。
私も「夕暮れブロッサム」神評価つけさせてもらいました。あとがきに作者さんが書かれていた『漫画・小説の連作』というのが気になって調べてみたら、愁の友人二人のお話(ネタバレになるので名前は伏せます)が
君恋 15、君恋 16に掲載されていました。
イラストはカキネ先生です。私もこの作品が紙書籍化かコミカライズされればいいなぁと思います。
ご存知の情報でしたらすみません。
突然のコメント失礼しました。

タイトルが秀逸

いつも小説を購入する際は大まかにレビューを確認してから買うか否か決めるのですが、今回初めてそれをしませんでした。だってこの神率でしたから。あと挿し絵を重視する派なので(イラストなしの本作で)人物の造形、触れ合う肌の質感や体温など自分の妄想だけで果たして補えるか、いささか不安を抱えつつ…

ああ良いなぁ。攻め(ひと回り年下!)の敬語が砕けた感じになる瞬間。
お話の随所に現れる、店長という武装をといた後の『松浦夕』としての闇みたいなもの。隠しきれない、ふいに溢れだしそうになる香ノ介の気持ちなど、ところどころに示される謎めいた描写に、夕という人物をもっと知りたい…と物語の世界に引きこまれていきます。
一人では抱えきれなくてとっくに限界がきているのに決して他人には晒せない部分、ここら辺の表現が繊細で本当に胸が苦しくなるんです。
終始、夕(受け)視点でのストーリー展開ですが、両視点だったかと思えるほど香ノ介の心情描写も細やかでした。

あとがきからの情報ですが、小説(本作)・漫画が連作となっていて【君恋 15】【君恋 16】に作者さん原作/カキネ先生のイラストで、夕に繋がりのある人物たちのコミカライズが掲載されています。
最初に危惧していたイラストなしの本作で云々・・は完全に取り越し苦労でしたが、イラスト付きでの紙書籍化を強く望んでいます!

3

読む時はティッシュのご用意をオススメします。

もう何度テッシュで涙を拭いて鼻をかんだか。
素敵なお話です!
描写もとても良かったです。

王子様香ノ介と儚げ喫茶店オーナー、夕(ゆう)。

伏線あったね!そう繋がるか!

まさかこんな展開になるとは!途中まではBLだってことを忘れて夢中で読んでました。

一周り年下の紳士くん香ノ介。
一人で亡くなった両親の形見の喫茶店を切り盛りする誰にでも優しくいつも笑顔な夕。

4年ほど前から通ってくれていつも奥のボックス席で文庫本を読んでる常連さんだった香ノ介が…。

二人の心温まる交流と、どこか緊張感をはらんだ文章。
だんだん夕が眠れない、悪夢を繰り返し見る、睡眠薬を飲んでいる、目眩がする…と夕の体調の描写が出てきて…。

夕の無理を見抜いてほぐそうとする香ノ介が本当に紳士で、華麗なエスコートで。デートに自然に誘う選手権1位なくらい。

夕は香ノ介といると自然体でくつろいでいられて。

悪夢の中で握った手。ぬくもり。

こんなに香ノ介が夕に良くしてくれるのは、まさか両親の事故の原因が香ノ介の家族と関係あったりして?とかBLらしくない予想などしてしまいました。

それほど後半までは年下紳士なのです。

そして夕の恩人辰巳との遭遇で香ノ介と気まずくなり。
無理がたたって胃潰瘍で倒れてしまう夕。

ここからが!
超展開で!ここまで静かに夕の内面の葛藤や孤独をひたひたと泣きながら読んできたのが…。

王子様君臨ですよ。
香ノ介の過去と想い。夕を甘やかしたい、役に立ちたい、頼って欲しい。穏やかだった香ノ介がたたみかけます。あなたが欲しいってくらい。

まさか一夜でいきなり!ですが甘いです〜。
ここでも香ノ介が華麗にエスコートですよ。

こんな攻めいいですね!自分の中のベスト・オブ年下攻めを更新しました。

なんだか全然作品の良さが伝わらないレビューになってしまいました。
もっともっと沢山の人に読んで欲しい!もっともっと評価されて欲しい!
読んだらきっとそう思うはずです!

2

喫茶店「デュオ」に行ってみたい

大好きな作品がまたひとつ増えました。
どうか紙媒体での発売を検討して頂きたいです。

たくさんの人に慕われる喫茶店デュオの店主・夕さん。
お店では笑顔の一方、夜は悪夢にうなされ眠れない日々を過ごしています。
ある日常連の物静かな青年・香ノ介くんが「少し瘦せられましたか?」と声をかけてきます。
それをきっかけに二人はよく言葉を交わすように。
一回りも年が離れているのに一緒にいると穏やかで楽しい時間が流れていき…
徐々にお互いの過去が明かされ、心の内が明かされていきます。

香ノ介くんのただ者ではない立ち振る舞いに序盤からすごく興味が湧きました。
夕さんの人との接し方が本当に素敵で、大好きになります。
それぞれの兄弟との関りに胸が締め付けられたり温められたり、愛がたっぷり。
そしてどうしても書いておきたい人が、辰巳さん!!
夕さんを「瑠璃」と呼ぶこの方が堪らなく格好良くて痺れました。
1シーンの登場なんですがもう大ファンです!

じわじわと全身が温まっていく感覚のとっても素敵なお話です。
Hシーンの特に準備の時の細やかな描写には顔が火照りました。
二人のその後も気になります、叶うならばぜひ続編を書いて頂きたいです。
柄十先生が書かれる食べ物と飲み物がどれも本当に美味しそうでお腹が空きました。
まずはエッグノッグとデュオ式クリームソーダを作ってみようと思います。

関連作(スピンオフ):コミックス「初恋ゲームセット」

1

話の軸が"恋"じゃないような

初読み作家さん。
試し読み部分での期待値はかなり高かった。いざ読むと、文章のクセは強いが話には起伏が無さ過ぎて、世界に入り込み辛い。雰囲気は富士見L文庫やオレンジ文庫を思い出し、BLでないライト文芸レーベルの方が馴染みそうだと思った。

ものすごく静かに地味にゆっくりじっくり時が流れる。受け攻めが絡まない日常描写が長く続くので、文章を読む楽しさが無いと厳しい。文体は独特で、ラノベに染まり過ぎている。表現は綺麗。

読んでいて思ったのは、本当にBLが書きたかったの?ということ。主人公の夕に関わる人を全員細かく描写していて、夕の人物像を描き出すことへの力の入れ具合はすごい。だが恋愛面はいまいち。
少しずつ気持ちが傾いていく様子は書かれているが、恋のドキドキ・ときめき・萌えが全然ない。話の中心もメイン二人の"恋愛"でなく、とにかくこの"人物"が描きたい!という作品のよう。BL小説として見ると何か違う気がした。
恋愛を軸に読むと余計な描写が多すぎて、人間ドラマとして読むと中途半端。特に脇カプの描写にそれると冷めた。

告白後は年齢にそぐわない未熟な反応を見せる夕と急展開で、作品の雰囲気がガラっと変わり、なんだかなあ……と。

極力言いたくない感想だが、シンプルにつまらなかった。ストーリーが展開せず、先を読みたい欲が生まれない。
文章に魅力を感じられたら素敵な表現に酔えただろうし、人物に魅力を感じられたら泣けるところもあったと思う。私はどちらも分からず読むのがキツかった。合わないだけで不快感はないので萌え評価。
夕視点で香ノ介の心情が分かりやすいのは良かった。


気になったのは喫茶店の下調べ不足が容易に露呈する作品を商業ベースに乗せている点。この作風でここだけファンタジーはナシ。語句の誤用もあり、コバルトレーベルへの信頼度が下がった。

1

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