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mashiro ni tsuzuru itoshisa wa
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
絵柄に惹かれて購入しました。
士郎は寡黙な人間なのですが、ある日元妻が士郎のもとにやってきて
自分の弟(凛)をしばらく預かって欲しいと言います。
断ろうとする士郎ですが色々あって引き取ることになります。
凛は過去のトラウマから言葉を話すことが出来ず
士郎と凛の生活はぎこちなく始まるのですがー…。
私の大好きな不憫攻めが幸せになるお話でした。
攻めの士郎もある意味では凛に救われるので
二人がこうして出会えてよかったなぁと思いました。
その元になる凛の過去はかなり痛々しいですが…。
最初はぎこちない二人なのですが、そんな二人の心の距離が
徐々に近づいていく様子の書き方がすごく上手くてお話しに引き込まれました。
凛に対する気持ちを自覚し、手放したくないけど
凛のことを考えて手放そうとする士郎に涙が出ました。
士郎の心の葛藤がとても切なくて…。
そこからの展開もとても感動的でした。
凛の義父以外みんな良い人ばかりだったのでほんとに良かった…!
読んだ後、心がほっこりとする作品でした。
読んでよかったなぁ。
伊勢原さんの作品では「きみがくれたぬくもり」も、トラウマにより話せなくなった少年のの傷をじっくりじっくり癒していくお話でした。
こちらは母の恋人から暴力を振るわれ表情と声を無くした少年と、エリート街道から離れ大自然に孤独に暮らす無口30代が、お互い得難いものと成長を獲得するお話。
コンプレックスと幼少期の貧乏生活から、自分に向かない一流商社の営業でがむしゃらに働き、男に惹かれると知りつつも結婚し、それらを全てを失いガラス工芸に転職する高槻。
人と馴れ合わないエリートなんて嫌な奴に感じますが、「気になる男がいても想いを黙殺し、その男を思い浮かべながら無理矢理女を抱いた。」という独白がいじらしくて(そういう設定大好き)、凛を半年預かれないかと元妻からの打診にタジタジなのも人間的な未熟さが良い。普通嫌だよね。
それからきのこ狩りや職場、湯たんぽや星空など生活エピソードが微笑ましく、二人のささやかな触れ合いが丁寧に書いてあるのが素敵でした。
それと「きみがくれたぬくもり」もそうでしたが、少年のトラウマのなかに性的虐待が入っているのも良い。最後までではないというのが都合良いと言えば良いし、その点のリカバリーは書かれないけど。
個人的にそこまで良いと感じられなかったのが革で加工したホワイトボード。確かに両手塞がるのは大変だし人嫌いな高槻らしさもあるけどもうちょっと何とかならんかったのか…
元妻の弟に手を出すなんてと高槻にはもっと悶えて欲しかったですが、彼にとって漸く自身の人間として求めるものを得たことや、沢山お喋りするようになった凛に余計無口になったりタジタジになってるのが面白かったです。
B-PRINCE文庫の新人大賞で、奨励賞を受賞した作品を改稿した作品。
伊勢原ささらさんは、「嫌われ魔物の大好きなひと」とか、喋れないものの切ない心情を描くことが上手。
高槻士郎:32歳,
信濃のガラス工芸作家。元商社マン 30代、ゲイ。
草薙理沙子:士郎が3年前に別れた妻。
冷たい美貌のせっかちな女性。凛にはとても優しい姉。
草薙凛:17歳,
理沙子の母と愛人の子。母の死後、母の愛人から様々な虐待を受けたことで、失語。
元妻が、離婚慰謝料の代わりに半年だけ預かってほしいと置いていった弟の凛。
凛は、理沙子の母が愛人との間に産んだ子。7年前に母が死亡、その後行方知れずになる。
母の愛人と暮らしていた凛を理沙子が見つけた時、凛は声を失っていた。
信州にいたいと望んで、凛は高槻と暮らしだす。
凛が声を取り戻すまでの物語。
★挿絵担当の六芦かえで さんについて、何もプロフや情報が無いのが残念。
初めて読む作家さんです。
内容は皆さんが書いてくださっている通りなので省きますが、読み終えて感じたのが、タイトルにある通り攻めの救済物語だったなぁ、という気持ちでした。
不幸で恵まれなくて健気な受けが、年上の攻めに救われて幸せになるシンデレラストーリーをよく読むんですが、結構な割合で、思うんですよね。
これは実際、攻めが救われてるん話なんじゃないかなぁと。
このお話も、一見受けと攻めのお互いの孤独が溶け合って少しずつ和らいでいく、というようなお話に思えたんですが、実際、しろうさんが深い孤独で長い間閉じていた人生を変えられたのは、凛ちゃんの存在があったからで。
そういう唯一無二、みたいな存在ってほんとに刺さるというか。
はっきりいって劇的に何か起こる訳では無いんですよ。
けれど飽きもせずただ淡々と紡がれる季節の移ろいと2人のやりとりが、とても穏やかで暖かくて、そして切なくて、とても素敵なお話でした。
お姉さんとこのあと気まずいな、とか、ちょっと上手く行きすぎだな、とか、もう少し色々な問題に対してじりじり長々したやりとりが読みたかった、みたいなのもあるので萌え2評価ですが、嫌われ魔物の〜の方もぜひ読んでみたくなりました。
エリートサラリーマンだった士郎は、仕事を辞め離婚をして山奥の工房で働いていた。1人でいるのにも慣れており、このまま静かに暮らすはずだったのに、元嫁から弟を預かって欲しいと言われ半年預かることに。
現れた凛は、過去のトラウマで声を出せなくなっており、ホワイトボードでの会話。
何をするにもビクビクして、人形のように表情もない。
そんな凛の心を溶かしたのは、士郎だった。
後半士郎が凛を手放す決意をした時の気持ちが、本当に泣けてきました。寂しい1人の未来も凛の幸せのためなら何でもないと思いながらも、心の奥底では凛と一緒にいる温かな未来を望んていて、胸が締め付けられました。
凛は実はしっかり考えていて、人形じゃなく感情があるんだと徐々に感じられる書き方をされています。
ゆっくりと進む展開に、2人の感情が伝わりやすく、読んでいてとても引き込まれました。
何度も読み返したくなる作品です。
高槻士郎(32歳)ガラス工房勤務の元商社マン x 草薙凛(17歳)心的外傷で話せない元妻の弟
士郎は相手を労わるどころか、子供時代の経験から、人が苦手。
エリートだったが会社で嵌められ、長野の田舎で一人生活している。
そんな彼の元妻が、ずっと離れて暮らしていたワケあり弟の凛を、
半年間だけでも見て欲しいと連絡をしてくる。
いやいやながら、断りきれず承諾。
声が出なく、人形のように感情が読めない凛だか、
時折見せる表情に、どんどん士郎は魅せられていく。
最後の士郎との別れの瞬間、凛とのやりとりに号泣してしまった。
切な過ぎる。
伊勢原ささら先生のこういう切ない話が好き。
もう少し細かな説明が、間延びせず、サクサク読めるとさらにいいし、
その分を話の展開や内容の流れにもっと使うとより作品に深みが出ると思う。
DVで声が出なくなった凛が、ガラス工房見習いの士郎と出会って変わっていく恋物語です。
でも、変わっていくのは凛だけではありません。凛との同居生活で士郎は少しずつ人間らしい情を知っていきます。
彼らが少しずつ心を通わせ合う心理描写は繊細で、丁寧で素晴らしいのですが…それ以上に、長野の山奥で暮らす彼らの生活や日々の天気の様子などが本当に美しいです。
しんしんと降りしきる雪、冷たく降り注ぐ雨、全てを飲み込んでしまいそうな真っ暗な夜の闇…そして、虹色にきらめくとんぼ玉たち。
まるで森の香り、雪の音が聞こえてきそうな丁寧な情景描写が、胸に染み入ります。
忙しい日々の中で、(深呼吸できる場所がほしい…)と息苦しさを感じている人に、ぜひ読んでほしい素敵な作品です。
今回は元商社マンのガラス工房職人と話せない元妻の弟のお話です。
攻様視点で元妻に押し付けられた弟がかけがえのない人になるまでと
受様視点で恋人同士になってからの後日談を収録。
攻様は10才の時に良心の経営していた町工場が不況の煽りで倒産し、
どん底の生活の果てに両親は心中を選び、残された攻様は貧乏な
生活には二度と戻りたくないと決意し、努力を重ねます。
一流の国立大出て総合商社に入社、堅実な仕事ぶりと着実な努力でめき
めきと頭角を現します。しかし、元来攻様は社交的なほうではなく、
仕事自体に面白味ややりがいを見出していた訳ではなく、悲惨な過去を
脱却して誰もがうらやむ生活をすることこそが原動力だったのです。
また本当は魅力を感じ心を動かされる相手はいつも同性でしたが、それ
を隠して上昇志向が強く美しいキャリアウーマンを妻とします。
しかし就職して6年、若手のホープと期待されていた攻様でしたが、それ
を面白く思わない者達の策略で手がけていたプロジェクトを横取りされて
初めての挫折を味わいます。その上、上辺だけの交流しかしてこなかった
同僚は誰も攻様の窮地に手を差し伸べてはくれませんでした。
そんな攻様の冷え切った心に光を差し込んだのは雑貨屋の店頭で見つけた
トンボ玉でした。子供の頃に集めたビー玉のように心惹かれ、それを作る
長野のガラス工房の体験教室に通い詰めます。
そして翌年の春の人事異動で左遷とも取れる子会社への出向を言い渡され
た攻様は翌日に辞表を出しました。退職報告を受けた妻は冷やかな眼差し
で5年間の慰謝料の支払いを条件とした離婚を要求しました。
打算で結婚した事に負い目のあった攻様は彼女と別れ、身一つで向かった
長野で平身低頭でがかす工房の下働きとして雇ってもらいます。
それから3年、東京での暮らしを思い出す事もなくなった攻様の元に元妻
がやってきて彼女の弟を預かって欲しいと嘆願されます。元妻の弟は離婚
した母に引き取られたその母の死後は居所が判らなくなっていました。
どうも母の死後は愛人だった男と共にいて、1年前にその男が死んでひと
りになった弟を元妻が引き取る事となりますが、当時の元妻は体調を崩し
て今も2人で食べていくのがやっとの暮らしだと言います。その元妻の弟
が今回の受様になります♪
受様は心因性の病で騒音や人混みを怖がって一歩も外に出られず、医師に
は転地療養を勧められたと言うのです。そんな状態の会った事もない他人
を預かることに難色を示しますが、元妻に必死な形相で迫られた攻様は、
今断ったとしても後味が悪く、負い目が多少は軽くなるかと思い直し、
半年だけならと同意します。
しかし、元妻が連れてきた受様は精神的なものから口がきけず、表情は凍
りついた美貌は精巧な蝋人形のようだったのです。それでも口述筆記用に
差し出されたボードに受様の細やかな"希望"を見出した攻様は受様を預か
る事にしますが・・・
出世のためと自分を鎧って生きてきた攻様が元妻への負い目から心に傷を
負って口がきけなくなった彼女の弟と預かる事で始まる再生の物語です♪
結婚していた時でさえそれぞれが勝手に過ごしていた攻様にとって、受様
の扱いは手探り状態で猫を飼うようなものかと試行錯誤です。
しかも受様は口が利けない以外は正常だと聞いていたのに、仮面のような
微笑みを浮かべ、少しの大声にも異常なほどに怯える姿に受様が虐待され
ていただろう事が見えてきます。
TVもない山奥では受様を楽しませるものなどなく、攻様は受様を職場であ
るガラス工房に連れていく事にします。受様は工房の面々に優しく受け入
れられ、攻様も受様との接し方を徐々に変えていくのです。
ゆっくりゆっくりと笑顔を取り戻していく受様と、そんな受様に惹かれて
いく攻様の様子が丁寧に描かれていきます。そして攻様と元妻が決めた期
限が近づいてきて、攻様が受様と手放すと決めて決行した方法とそれを
阻んだ受様が攻様の名前を呼ぶシーンはとても胸を打つものでした。
伊勢原先生には毎度泣かされるのですが、今回も表情のなかった受様が少
しづつ笑顔を取り戻し、それによって変わっていく攻様の関りに胸キュン、
うるうるさせられました♪
受様視点の短編が入っていたのも、攻様視点の本編だけでは想像でしかなか
った受様の思いが見えてより楽しませて頂きました (^o^)/
伊勢原先生の投稿作品を大幅改稿したお話とのこと。波長が合ったのかお話に入り込めて、良かったので萌2にしました。スカイラウンジのシーンは読み返して涙ぐんじゃったです。健気な子はそんなに好きではないはずだったのに。伊勢原先生の雰囲気ぴったりだなあと思う繊細なガラス細工のようなお話、攻め視点本編260P超+結ばれてから10日後の受け視点SS14P。
東京での商社勤めを辞め、長野のガラス工房に弟子入りして3年。離婚した元妻が訪ねてきて、切羽詰まった様子で「慰謝料はもういらない。頼むから、代わりに弟を預かってほしい」と言いだし・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
理沙子(攻めの元妻、受けの姉)、田丸(受けの主治医)、富永(ガラス工房の親方)、あとガラス工房の同僚たち。田丸がいい人で本当にうれしい。心療内科医は皆さんこういう方であってほしい・・
**好きだったところ
舞台がガラス職人工房、お話のキーアイテムとして様々な形でガラスアイテムが出てくるのと、受けの凛ちゃんの変わっていく過程や、攻めさんの厳しめクールな感じがとてもマッチしているように感じたのが、まず良かったです。
そして、訳あって無色透明のガラスのような状態だった凛ちゃんが、だんだん色んな色を見せるようになってくるのが、とても嬉しかったです。
ただ健気なだけではなく、最後は自分で殻を打ち破って、自分の欲しいものを欲しいとはっきり踏み出すところも良かったなあ。
凜ちゃんと暮らして、もう一人に戻れないと自覚する攻めさんも良かった・・・よくある話なのに、長野の田舎舞台で一人が身に沁みる様子が前振りとしてあったからか、すごく入り込めました。
サブキャラの田丸さんも凛の姉さんも本当に幸せになりそうで、読み終えた時に多幸感に包まれて、ほわーと溜息の出るお話でした!
思った事を上手く言葉に出来ない攻めと、幼少期からの虐待で言葉が話せなくなった受けが出会いゆっくりと愛を育てて行くお話でした。
都会でのエリートサラリーマンとして美しい妻も居た攻めは、他者と同調せず利己的な人間関係しか築かなかった為に上司の罠に落ちて失脚してしまいます。貧しい子ども時代から無理をして頑張っていましたが、付き物が落ちたように全てがどうでも良くなりました。
会社を辞め妻から離婚され田舎のガラス工房へ弟子入りするのです。
生活も落ち着いた所へ元妻から、弟を半年間預かって貰えないかとお願いされるのです。
初めは断ったものの、2人の尋常では無い様子に預かる事にします。
受けは母親が亡くなってから母親の愛人から虐待されて育ち、言葉が話せなくなっていたのです。それだけでなく表情も無く人形のようでした。
攻めはたまに現れる受けの本来の笑顔を大事にして、ゆっくり根気よく接して行きます。
そしてガラス工房の人々にも見守られて、受けは本来の明るさを取り戻して行きます。
攻めはいつしか愛しいと感じるようになりましたが、相変わらず口下手なのです。もうすぐ半年を迎えるにあたり姉の元妻は受けの主治医と結婚して受けと3人で暮らすつもりだと告げます。本当は受けと一生一緒に居たいと言い出せない攻めは、受けには内緒で2人の元に連れ出すのです。受けの変化に姉と婚約者はとても喜びます。
受けに嘘をついて別れようとした時に、攻めの変化を敏感に感じ取った受けは初めて声を出して攻めの名前を呼びました。
そこで受けは攻めと一緒にいたいと話し、攻めもこれからは自分が守って行くと姉と婚約者に誓うのです。
受けは本来は明るい性格なので話せるようになると、無口な攻めを補うかのように愛情を表現しています。
家族に恵まれなかった2人が決して派手では無い、人としての平凡な幸せを積み重ねて行こうとしているお話です。
派手な展開も事件も当て馬もなく、深々と積もる雪のような切なくてしっとりとしたお話しでした。