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前世で繰り返し不幸な結末を迎えた二人は、今世で幸せになれるのか──?
tesnsei bakari no oretachi ga tsui ni happy end wo mukaeru ken
何度巡り合っても、不幸な結末を迎える恋人達ー。
と、あらすじからは切ない系を想像してましたが、「今度こそ二人で幸せになってみせるぜ!」みたいな、明るく前向きな転生ものでした。
元々、転生ネタは大好きな為、楽しく読めたんですよね。
ただこれ、トーンが微妙なんですよ。
切ないなら切ない、ギャグならギャグに振り切ってもらえると、更に面白かったと思うんですけど。
なんか中途半端で、個人的には盛り上がりにくい。
あたたかくて優しい、素敵なお話なんですけど。
でも、甘え上手な年下ワンコ攻めと、包容力のある男前受けは、とてもいい味を出してました。
ザックリした内容です。
子供の頃から、何故か水に対して恐怖心を覚える階堂。
同じ職場の営業社員・桃山と出会った瞬間、二人は同時に前世の記憶を思い出すんですね。
実は、階堂と桃山は、何度も繰り返し出会って惹かれ合うものの、恋人として結ばれる(エッチする)度に命を落としていてー・・・と言うものです。
で、桃山が命を落とす事を恐れ、今生ではエッチをしないと決意する階堂。
やっと巡り合えたのだから、身も心も結ばれたいと願う桃山。
果たして二人はこの運命に打ち勝ち、無事エッチを出来るのかー?
と言った所でしょうか。
実はここにですね、もう一人キーパーソンなる人物ー。
なんと神様がおりまして。
この、超カジュアルでフランクな神様がおっしゃるには、二人の生涯を綴った本を池に落としてしまった。
で、水に浸かった本は、二人が結ばれた後からの文字が消えてしまった。
そう、二人が繰り返し繰り返し転生し、結ばれる度に不幸な終わりを迎える理由は、神様のこの失敗のせいだったのです!みたいな。
繰り返しになりますが、こちら、明るく前向きなのです。
これ、反省した神様の協力の下、2人(+1柱)で、この運命の輪を絶ち切るべく奮闘すると言う流れなんですね。
いやこれ、面白いのが、やっと巡り合えた愛し合う二人ー。
ずばり、彼等が肝心のエッチが出来なくて、モンモンとするって所ではないかと!
えーと、桃山ですけど、とにかく階堂が大好きなんですよ。
で、我慢しきれず階堂にねだっては、素股だのと言った挿入以外のエッチをしまくる。
そう、レーベルがレーベルなのでエロ多めなのです。
あと、階堂ですが、包容力があって男前なのです。
こう、やたらとくっついて好き好き言いまくる桃山をですね、おおらかに受け止めて甘やかす。
うむ。
彼は、神様より器がデカいんじゃないのか?
この後ですが、二人は歪んでしまった運命を正しいものにする為、最大の試練に望みます。
えーと、神様の力で正しいものに修正したのですが、その反動で、二人に訪れる災害と言う形の試練。
二人は無事試練を乗り越え、今度こそ幸せな一生を送れるのかー?
って感じで。
こちら、とりあえず、感動の大団円でした。
いや、頑張ったね、二人とも!って感じで。
また、二人の恋愛だけで無く、それぞれの家族の絆と言うのが語られるのも素敵で。
ところで、しつこいですが、こちらエロ濃厚。
実は初挿入時の階堂の言動に、一番萌えちゃいました。
えーと、階堂に、過去付き合った相手が居た事を知り、しょぼくれる桃山。
すると、「もう、こんな事になってるのに・・・可愛がってくれないのか、亨司」みたいな!(≧∀≦)
男前受け、最高ですな!
と、ちょい起伏が弱い気もするんですけど、全体的には好みの素敵な作品でした。
なぜか、最近転生モノを読む機会が多く、不思議な縁(!?)を感じた1冊でした。
転生モノと言えば、悲しい別れからの号泣を想像しますが、この作品では涙が流れることもなく、読後は良かったね~頑張ったね~と2人を祝福する気持ちになれました。言ってみれぱ、『愛は勝つ』の曲のような…。
とにかく、2人がパワフルで前向きなので、読んでるこちらもつられて元気になっちゃうんです。
おまけに、転生を繰り返した理由が神様のドジだったんだけど、これが面白いキャラで怒れないんですよね。
だから、頑張れ!頑張れ!とエールを送りながら楽しめました。
それに加えて、エッチがいっぱいイチャイチャいっぱいなので、何とも幸せそうなカップルで…。
たまにはこんな明るい転生モノもいいなぁと、新たな発見ができました。