お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
ringo to kedamono
極私的「レビューのない作品にレビューを書いてみよう」週間実施中です。
14年前の作品ですが、作画は少女漫画風です。
「初BL」と書いてあったのでAmazonで調べてみたら、もともと少女漫画というかTLを描かれている作家さんなんですね。
初BL短編集ということで、3つの話(5話分)が収録されていました。
【りんごとケダモノ】1、2話 萌2
小6でアメリカに行ってしまった幼馴染と高1になって再会する話です。
この話、かわいい!
帰国子女の亮一が「悠也だけいればいい。悠也はオレのものだ!」と突っ走る空気読めない系一途イケメンで、当の悠也は天然ぽやぽやくんなのがツボでした。
よくある設定よくあるキャラと言われてしまえばそれまでなのですが、亮一の行動がいちいちツボでした。
悠也の寝顔に両手を合わせて「いただきます」とか、教室でみんなの前で抱きしめて「好・き・だ♡」とか、残念イケメンすぎる。
それに対して天然悠也が「帰国子女だからか!」「おばあちゃんがいなくなって寂しいからだ!」と、すごく良心的な解釈をするのもツボ。
こんなにストレートに分かりやすく迫られて「おホモだちって勘違いされちゃう!」というレベルじゃないにも関わらず、何かちょっとズレてる。
根っからのいい子なんだろうなとほのぼのしました。
【恋する男は救われる】 中立
10代の頃に描かれたということで、ここから絵が少し違います。
顔がむちっとして、パーツも若干真ん中寄りの、「少女漫画でこういう絵が流行った頃があったなー」という作画になってます。
柔道部の五十嵐は、弓道部の石川の袴姿を見に行くのが日課。
あるとき友人から「柔道部ってホモが多いんだってな。お前も…」とからかわれて…、という話です。
出だしはほんのり恋心が香る感じなのですが、後半怒涛の追い上げというか、一気に駆け抜けます。
短編で決着をつけようとするとどうしてもこうなってしまうんだろうなというスピード勝負でした。
【こんな恋でもいいんじゃない】【恋した感情 キスして純情】 中立
売れっ子ロックバンドのボーカル兼ソングライターと演歌一筋の社会人の話。
最初の話で受けっぽい子は高校生だと思っていたのですが、続く話で社会人(22)と判明しました。
あまりに童顔なので、スーツが制服に見えてしまいました。
こちらも恋に落ちるまでがスピード感溢れています。
ただ社会人くんがとても奥手なので簡単には進みません。
恋するドキドキや戸惑いの描写よりもすれ違いや勘違いやトラブルの方の描写に重点が置かれているので、胸きゅんする間もなく「何かばたばたして、どうやら誤解は解けたようだ」と傍観してしまう感じでした。
表題作は単行本用の描き下ろしで、こちらは本当に可愛らしかったので、機会があったら読んでみるのもいいかと思います。