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yoakemae ni wa suki to itte
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
再生の物語かな、という作品。応急処置の再生から、本当の意味での精神的な生まれ変わりを遂げたような。黒石の一途さが素敵で、適度に待つ姿勢を見せながら白坂に関わっていくのも良かった。泣きのシーンは最高に萌えた。
大きな事故に遭い、別人として生きることにした白坂は、因縁の相手黒石に再会する。過去に付き合い騙された、と恨む理由を語っているが、白坂の心理描写から黒石への怒りはあまり伝わってこなかった。
学生時代、二人が付き合っていたころの回想シーンは結構多い。たくさんの良い想い出話をされているようで、黒石の全部が嘘にも見えないし、騙された相手だとしても、黒石を悪人とは思えない。
白坂の心理描写は、無理やり黒石を悪者にして、黒石を好きだと訴える自分の心を縛り付けているよう。黒石の転校後に始まったいじめに対し、直接の加害者でなく黒石を恨み続けているところからもそう思う。
問題を抱えたまま二人の距離は近づいていき、邪魔者の新二が登場。ここは大人しく脅される意味が分からなかった。
黒石と別れた白坂はもう何も持っていないし、逃げても新二に見つけ出されると考える根拠が不明だし、以前はホストを辞めると言っていたのにこの脅し内容で従う必要はない。黒石にバレる恐怖だとしても、いまいち腑に落ちなかった。
でもその後の展開はとても良い。新二に殴りかかる白坂を、もっとやれと応援したくなった。
最後のネタバラシはサクサク進んで気持ち良い。ツッコミどころもいろいろあるけど、まあファンタジーなので。黒石の長い長い片思いというか両片思いというか、拗れた二人が良い方向に進んで本当に良かった。
強く印象に残ったのは、“卑屈は人を醜くする”という言葉。言い方を変えながら、作中に何度も出てくる。まさに!その通り!と深く頷きたい。
後日談のような二人のその後の話もとても好き。温かく幸せな読後感の作品。
数回目の再読。
自己肯定感が低く性格難ありの受けが、七転八倒でボロボロになりながらようやく自分と向き合い、ずーーーーーーーーーーっと差し伸べ続けてきた攻めの手をようやく握る。
砂原作品でしか得られないカタルシスがありますが、これもその一つです。
受けの一葉は砂原さんの作品で時々見かける「めんどい受け」ってやつです。
継母から「気持ち悪い顔」と言われ続けたせいで、自己肯定感が皆無で、自分の顔や人の目もまともに見れずに育ってしまった人。
だけど事故をきっかけに顔を整形し名前も変え、ホストの面接を受けに行った先で中学時代の同級生・黒石と再会します。
黒石とはごく短い間に付き合っていたことがあるけど、ある理由で天国から地獄という経験を一葉はしているんですね。そして黒石がナンバーワンホストであることを知り復讐したい一心で、自分がナンバーワンになって見下ろしてやると決意します。
と、書くとホストクラブを舞台に男のプライドをかけたサクセスストーリーのようですが、違います。
整形前も整形後も顔に雁字搦めになっている一葉と、ナンバーワンホストなのにホスト風情が皆無の黒石とのすれ違いストーリーです。
中学生の頃の黒石は真面目で朴訥な田舎の少年で、ナンバーワンホストとなった今でもプライベートは古ぼけた一軒家に住んでてジャージなんか着ちゃってて、口下手で不器用というオラオラ感が皆無のお方。
おまけにあの頃と同じように目尻に優しげな皺が出来て…とか、一葉が黒石のことを憎みつつもまた好きになっちゃうのもわかるというか……。
一葉に拒絶されて雨に打たれながら涙を流す黒石のシーンが、好きです。
不動の岩を思わせるような泰然自若の男かと思いきや、こっそり一人で泣いちゃうとか、ぎゃああああってなる。
で、ふつーなら、あそこでくっついて終わりなのに、終わらないところがこの作品の手強いところ。
それにしても黒石がほんと忍耐強くてアッパレです。
色々問いただしたいこともあるだろうにじっと待ってるし、一葉にぶんぶん振り回されても愛想を尽かさない。
最後、絶倫発揮してて萌えるけど、ほんとよく今まであれこれ我慢出来てたねと感心する。
「めんどい受け」と書きましたが、でもそれが一葉にとって生き延びるための術であったとわかるから見放す気にはなれません。
彼の「あの言葉と、たった一度のキスが拙い自分のすべてだった」というところが、哀れを誘います。
本当に「すべて」だったんだよねと。
顔の問題じゃないってことに気づくまでの一葉の七転八倒と、マリアナ海溝のように深い黒石の包容力が光る作品だと思います。
ホスト×ホスト、それもNo.1×No.2という組み合わせ。
私自身はホストクラブに足を運んだことはないのですが、この華やかな男だらけの世界には興味津々で、ホストものが大好物です!
『優しいプライド』に続く砂原先生によるホストもの。
こちらもめっちゃ面白かった!
継母に「気持ち悪い顔」と暴言を吐かれ続け、容姿に対するコンプレックスを持つ一葉。
陰気で人の目を見られない一葉は、会社をリストラされ、自暴自棄のまま交通事故に遭います。
事故を機に、一葉は顔を整形して過去を捨ててやり直すことにするのですがーー…
この、整形して別人に成りすます……と、いう設定が面白い!
そして、ホストとしての第一歩を踏み出そうという時に出会ったのが、一葉の因縁の相手・黒石です。
罰ゲームで告白された黒石に本気になってしまった一葉は切ないのですが、黒石には黒石の本心があるのですよね。
この黒石は何ともホストらしくないホスト。
寡黙で誠実で一途で、一葉にだけ向けられるムッツリさにも萌え上がりました♡
個人的に、黒石かめっちゃツボでした〜!
中学の時に一葉を〝ホモ〟と言って虐めていた相手や、大学時代に〝20点〟と揶揄していた女子が出てきて、一葉の傷を抉り出すのが辛かった。
それでも、全て黒石の一途さに救われたなあ。
整形がバレてどうなっちゃうの……と、不安でいっぱいでしたが、まさかのオチ。
コンプレックスのせいで、あまり鏡を見てなかったかな?
まぁ、人は自信や身につけるもので雰囲気ガラッと変わりますもんね。まぁ、よかったよかった。
エロも描き方が上手いですねー。めちゃめちゃ官能的。
ずぶ濡れのスーツを脱がす描写にも萌えました♡
バーで黒字が出るようになったら犬森を雇ってあげて欲しいな。
この子がシリアスな雰囲気を中和させてくれて、すごく和みました。
ドラマCDを何回も聴いて大好きで原作を読んでみました。
音声が脳内で声優さんの声で聴こえてくるようでした。
とにかく辛い苦しいお話ですね。
黒石も一葉もずっと忘れられず。
金崎のクソ加減も相当で。
中学のあの短い間の付き合いで芽生えた気持ちを…。
何も言わず一葉を見守る黒石。ホストになっても中身は変わってなかったみたいで。
一葉に入れ込む黒石。まるであの当時を取り戻したいようで。戸惑う一葉。
復讐なんて一葉には無理なんだよ!本当は良い人なんだから。
呪いにかけられた一葉が気の毒で。継母の呪いがようやく解けて前を向けるようになって。
なぜそこでホストに?だけどあのお店に行かなかったら黒石と再会できなかったしなあ。
黒石が絶倫で良かったです。
ホストxホストBL。
ですが、きらびやかさは無く逆に泥臭ささえ感じる作品。
というのも、主人公のホスト・白坂がとにかく暗い。
子供の頃からの容姿コンプレックス。
自動車事故を契機に形成手術で顔を変え、名前も変え、都会に。
ところが、紹介されて行ってみたホストクラブに中学時代の同級生・黒石がいて…
中学時代、黒石が告白してきたので白坂も真面目に考えて少しの間付き合ったのだが、実は黒石は罰ゲームとして告白してきたのだった。白坂は深く傷ついて…
白坂は恨んでいた黒石に復讐を誓って、なりふり構わずナンバーワンホストを目指していく。
…で、実際黒石を抜いてナンバーワンになるのですが、これはサクセスストーリーではありません。
黒石も内面に暗いものを抱え、そんな2人が関係を通じて過去を越えていくというようなお話とでもいうのかな。
これはまさに小説としての効果を発揮してる作品で、というのも「顔」が重要な焦点なんですよね。「絵」で描いてしまうと展開の妙が失われる。まさに文字で書かれているものを想像力で補うことが大切なポイントになります。
呪縛から解放されて、心も解放させていく白坂。
重い枷を外して、白坂と向き合う黒石。
とにかくベースが暗い物語なので、2人の未来に幸あれ、と思うのですが、ホストクラブに黒石と白坂と、もう1人中学時代のイジメ野郎・金崎という男もいる。そこは偶然の重なりすぎ、と引っかかった。
そして、次作はその金崎のスピンオフです。
2005年刊。
自身の顔の醜さが原因で周囲に蔑まれていると思っていた一葉は、20代半ばにしてリストラに遭い、再就職に回った面接先全てで不採用となる。
どん底の気持ちが引き金となって死ぬ間際の事故を起こして大怪我を負った一葉は、九死に一生を得て吹っ切れたものもあったのか、顔を変えて過去を捨てたつもりで上京する。
一葉の顔に対するコンプレックスの根深さはネガティブながらも共感を汲み取れるものがあった。
冒頭にある一葉の”顔を治す為の手術”って整形とは違うんじゃない?って引っ掛かりは、クライマックスで「ああ、やっぱりね」となるが、でもまぁ生まれ変わったと思い込める強いきっかけが必要だった訳だ。
上京してホストクラブを紹介された一葉は、皮肉にも過去の苦い思い出となった黒石と再会する。
一葉の感情は彼への復讐というよりも『ざまぁ見ろ!!』を見せつけたいかのようだが、そんな痛々しさを包むような黒石のフォローに包容力を感じる。
既にトップホストである黒石は店から離れると普段着はTシャツにジャージ、住まいは昭和の面影が色濃い平屋と、センスとはかけ離れたギャップの持ち主だ。
一葉と離れていた間の黒石の境遇も切ないものがあるが、ホストに染まり切らない彼の素朴さ切実さにほっとできる。
実はこの話、メインは復讐ではなく黒石と一葉の過去の初恋の拗れの修復にある。黒石にとっては親の都合で転校しただけで、一葉への一途な想いは消える事がなかったので、一葉が絆されていく様子を待つ辛抱強さは健気なものだ。
しかし黒石だけでなく、金埼といい一葉の元知人といい偶然の再会率が半端ない。
この辺りは都合が良すぎる気もするが、一葉が顔のコンプレックスという呪縛を断ち切るには必要な過程として受け入れられる。
ぶち切れた一葉が金埼に向かって殴り掛かる場面は結構好きだな。
まぁ整形に対しての是非はともかく、一葉が自ら立ち直った事、長年の拗れを解消して黒石と無事に両想いになった事、ホストを引退して立ち上げた二人の店のオープンを祝して乾杯。
ホスト・整形というワードであらすじから購入。
筆者の作品は2作品目です。
主人公の性格は少し難あり。幼少期の継母からの態度と、それによって卑屈になった主人公への周囲からの評価は最悪。大学時代のあだ名は20点。リストラにあい、まだ若いからと色んな会社の面接にいくものの不採用通知は30社にも及び全てが嫌になり自暴自棄になった挙げ句の事故。そして整形し名前も変えて人生をやり直し、ひょんな事からホストになる事に……その店のナンバーワンは中学生の頃の同級生で……。
個人的には小説ならではの作品!というのが読み終えた後の印象です。読了すると、なるほどなと思いました。それにしては周囲の20点という評価どうなの?と思わない事も無いのですが……(笑)
ここは実際に読んで、そういう事だったのかと思ってもらいたいです!
ホストというとどうしてもチャラチャラしているイメージがありますが、そういう部分は無く実直さを感じますね。慣れてそうな相手が自分相手には真っ赤になるところも可愛いです。恋愛面はピュアで、純愛な感じなのでホストなのに純愛!みたいなのが好きな人におすすめですかね。
私は卑屈な受けが結構好きなんですが、BL作品て美形が出てくる作品が多くて、時々その卑屈さに違和感というか説得力が無い作品に当たってしまい、orzとなることもあるんですが、こちらの作品は大当たりでした。
主人公で受けの一葉の卑屈ぶりは中々リアリティがある気がしました。小さい頃から後妻さんに不細工だ何だって言われたらそりゃ暗くなりますし、暗いからいじめられてさらに自信が無くなって…。好きだって言ってくれた相手にも裏切られたとあってはもう決定打に加えダメ押しの一撃食らった感あります。
そんな一葉が顔が変わった(という思い込みをした)ことで、ホストという、ある意味自信もコミュ力も必要な職業で成功する様も下克上感あって面白かったです。
黒石との関係で、黒石が好きだって気持ちと、恨んでるって気持ちで、戸惑って苦悩する一葉の心理描写は中々リアルなんじゃないかなと思いました。好きだけど心の底からは信用できない。それが苦しい。という感じが伝わってきました。
徐々に距離が近くなっていく構成が面白く作品にとても合っていて、ドキドキしながらページをめくりました。
また黒石の純朴さ、一葉を想う懸命さが、一葉に対して事情や過去を問い詰めないことで伝わってきました。無理やり聞き出したりせず、一葉が本当に話したいと想う瞬間を待つのは一葉のことをわかっていて尚且つそれをじっくり待てるのはやっぱり愛かなと思いました。
蛇足ですが、毎度思うのですが私は砂原先生の濡れ場描写がとても好きです!!!!特に今回はとても好みでした笑
ねちねち攻め続ける黒石も可愛らしい一葉も読んでてものすごく萌えました笑
作者買い。
砂原先生のお話好きなんですけど、
今回は可もなく不可もなくだったかな…。
今まで読んだのは、必ずと言っていい程どこかで1シーンは読んでるこっちが泣いちゃうようなシーンがあったんですが、今回はなかったです。
設定も好きだし、攻めの黒石も好きだったんですけど、
全体的にさらーっと読めてしまったので、
再読したら、初読みよりも想像が広がって深読みして、
また印象が変わるのかな?と思いました。
一葉が抱えてきたトラウマからのひん曲がっちゃった性格っというのがある訳ですが、
実際にはひん曲がってなくて、難なくクリア、
ただ難なくクリア出来た(自分の気持ちを素直に認められた)からこそ黒石との関係のひん曲がりを直せなくて苦しむ訳ですが、
そこにあまり時間掛けられてないので、さらーっと読み流せちゃった。
前半の一葉の葛藤もそこまで掘り下げてないので、
爽やかなのでさらーっと読み流せちゃう。
なので前半もさらーっと、後半もさらーっとで、
爽やかに楽しく読めたけど、可もなく不可もなくだったなーというものでした。
黒石にしてみたら気分はジェットコースターだったと思うので、
黒石目線がちょっと読みたかったなーと思いました。
気付いてるのは最初から解ったので。
砂原先生の作品は、
泣けて泣けてしょうがない所まで我慢させられる所とか、
ふとした台詞のチョイスとか、
ふっとプチエピソード入れて通り過ぎるんだけど、それが妙に残ったりするのが好き。
今回、一葉の父の葬儀で父の知り合いから言われた事を思い出す所が好きだった。
ぶわっと継母の事が見えてきて、
あの頃こんなだったのかな、
今なにしてんのかな、なに考えてるかな、思い出す事はあるのかなとか思ったら、
何か急に世界が広がる感じがして
それに伴って一葉が置かれてる今が小さいやら広いやらよく解らないけど、
急に距離持って見られるような感じがして、
その感覚が好きだった。
イラスト、ちょっと気になりました。
好みじゃないのもあるけど、
お風呂上がりのはずなのに、なんでスーツ?というのが妙に気になってしまった。
イラストって、時々「あれ?」というのを思っちゃったりすると、妙に気になったり冷静になっちゃったりするんですよね。
「萌x2」か「萌」で迷って…色々あったけれど立ち直った一葉へのエールを込めて「萌x2」評価です。
砂原さんの手に掛かるとホストBLもこんな仕上がりになるんだなぁと感心しました。整形して名前を変え、別人として生きようとしたのはどちらかというとネガティブな理由からだった一葉が、過去とも黒石ともちゃんと向き合って、自分を取り戻す物語…だと思います。
朴訥な攻が好きなので、黒石がとても良かったです。過去についてはもうちょっと言葉を補ってあげれば良かったのに、と思わなくもなかったですが、このお話は一葉だけでなく黒石が過去と向き合う姿勢も描かれているので、二人にとっては辛くて切なくても、今に繋がるステップだったのかな。
「雨降って地固まる」という表現がぴったりなエンディングに、素直に良かったなぁと思いました。
もう少し整形の下りがうまくいかなかったかなぁと思いました。
もともと自分の顔を醜いと思っていた一葉ですが、整形して別人のようになったはじめの設定から、後半、雰囲気は変わったけどわからないほどではないという設定になってしまったのは残念。
また、黒石の寡黙だけど抜きん出た接客でNo. 1なのは良いとして、そんなキャラの黒石が一葉に振られて雨の中泣いたりするのはマンガチックではあるけど、どうもチグハグな印象を受けた。
幅広く色んな作品を書かれる作家さんなので、今後も楽しみに新刊を待ちたい。
好みの作品がないかなとちるちるでランダムに探していて、この作品のあらすじを読んだらどうも知っている話の気がする。でもちるちるの読了の本棚にも入っていないし、手元に本もないし、Kindleにもなし他の電子版にもなしと、うーんとずいぶん考えて思い出しました。以前CDを聴いたことがあったのです。
そっかそっかと、そうなるとどうしても読みたくなり、Kindle版を早速購入。
一葉は自分の顔にとてもコンプレックスを持っていた。継母には気持ち悪い顔で見るなと言われるくらいだった。
そんな一葉は24歳の若さでリストラされヤケになって車を走らせ大事故にあう。整形をしなければならないほど顔にひどいけがを負う。
新しい美しい顔を手に入れた一葉は一夜と言う新しい名でホストの職に就く。
そこで中学生時代の同級生で唯一心を通わせたと思っていた黒石に再会する。
一葉は後からその黒石が裏切っていたことを知り、整形で一葉とわからない黒石に復讐をしようとするが…
本当にこの作家さんは人の気持ちを表現するのが上手いなと作品を読むたびに思います。
一葉はコンプレックスをかかえ家族にも恵まれず学校生活も荒んだものでした。唯一希望だった黒岩との時間も裏切りと知り、リストラにあい事故にあい、散々なところから一葉が立ち直る物語。
黒岩との長い長いすれ違い。一葉の容赦ない言葉に黒岩も傷つきます。この辺りはお互いに辛いですね。切ないです。とても。
新しく手に入れた顔で自信を少しずつ取戻し、間違った方法ではあるけれど黒岩への復讐という目的があって前に進むことが出来た一葉。
そんな一葉を傷つきながらも支えやさしく接する黒岩に一葉は本当の意味で癒されていく様がとてもいいです。
外見ではなく心、気持ちの問題というのがよくわかる作品です。
お互いを求めているようで辛い状況が続くので最後に一葉がいろんなことから解放されて初めて黒岩を求めるところがたまりません!
ふたりが新たな生活を始めるシーンはとても爽快で嬉しい気分になりました。
BLCDと合わせてみると更に好きになった作品です。
砂原先生は個人的に好きな作家なんですが、数多く出されている作品の中でも
この小説は印象深い話で大好きです。
ホストという職業をしながら二人の距離が縮んでいくんですが、
復讐するというほのぐらい受けの目的があるわけで
途中はらはらする場面が幾度も訪れます。
受けのことをいじめてくる先輩ホストもいてむかむかするし、
寡黙な攻めの考えていることはさっぱりわからずにもやもやするし、
これいったいどうなるの!?と焦れるんですが、最後はハッピーエンドです!
受けの盛大な勘違いとそれによって引き起こされるすれ違いに大変萌えさせてもらいました!
この後はふたりで末永くおねがいしますー
最後まではらはらしながら見守っていたので
ふたりが幸せになってくれてとっても嬉しかったです。
勘違い、すれ違いネタが大好物の方は絶対に楽しめる作品です。ぜひぜひ。
よくあんなんでNo,1ホストになれるもんだな~と友達にメールしたら
「世の中そんなもんよ」と諭されてしまいました。もこデス。
今回はホストもの。
ちいさいころから顔がコンプレックスだった受。
せっかく入った会社ではリストラにあい、顔のコンプレックスがもとで人の顔がまともに直視できずうつむいてしまう。だから再就職もままならず。
そんなおり、突然の事故で顔をまったく変えてしまうほどの大手術、整形をうけるはめになった。それをきっかけに人生やり直そう
そうおもった矢先、再会したのは中学時代のトラウマをつくった相手。
復讐を近い、同じホストとして仕事を始めるのだが・・・!?
というところですかね。
あらすじをよんで、告白されて付き合った相手と~な流れの筋がかいてあったのですが、それも×ゲームとかね。うんうん。
でもさ、これけっこう読みながら思ったことは、攻もけっこう楽しくやってんじゃんってことですわ。
や、初々しくてかわいいというかさ。
こういうのいいな~と思わず思ってしまった回想シーンでした。
そこから話は流れ流れて、お付き合いを始める二人。
妙に甘やかす攻が可愛くも見えてしまう。
というか、不器用で、無口で~な性格と小さい頃のイメージがあまりかさならなかったのは私だけなのだろうか??ん~・・
はっ!!
ふだん、無口でクールで淡白に見えるのに
実は絶倫という設定に萌えました!!←ソコカヨ
ねちっこく、オヤジみたいな攻がちょっと可愛く見えてしまった瞬間。
受はといえば、コンプレックスがもとで~だったのが、少しずつ自分を出していくという流れがなかなか面白かったです。
最後のどんでんがえし。
ちょっと深く考えずに読むのが正解。
あれ?あれれ?と、まぁね。うん
いじめっこくんの話がまたあるようですね。
著しく読みたい病が発動中です。
でもあれですな、最後の最後。~な感じをみていると
そこまで悪い子にも見えなくなってしまったり・・なかったり
機会があればぜひ読もうと思います。
主人公の抱えているものが重くて、さらに彼が復讐しようと思った攻の抱えているものも重くて、それでも、重苦しくなりすぎない手前でロマンスが進行していく展開が絶妙。
ただ、イラストがもっとムードのある人だったらよかったのに。
金さんは嫌いじゃないけど、ちょっとあっけらかんとしすぎな印象。文章の描写と合っていない絵もあったのが残念。
うっかり「真夜中に降る光 」を先に読んでいて(聞いて)しまって、気にはなってたけど、ずっと積んであったのをようやく読んだ。
「真夜中~」も結構可哀想な話だったけど、こっちも相当、可哀想。
自分の思いこみに、雁字搦めになってるかわいそうな子・一葉が、愛されているうちに、相手の黒石の愛と一緒に、自分自身も受け入れられるようになるの話だった。
黒石にしても、一葉という愛情を注げる相手を得て、ようやく前向きに生きる事をはじめられたのね。
お互いに愛し合っている事を、お互いに受け入れた事で、二人はホストの世界とはきっぱり縁を切って、別の世界で新たに生き始める、
結末は前向きでロマンチックだけど、そこへたどり着くまでが結構痛いお話だった。
それにしても、
こんな二人のお話の、ほんのちょっとしか出てこない、あのイヤな奴、新二を主人公にして、よくぞ「真夜中~」みたいな作品が出てきたな
「夜明け前~」小説そのものはおもしろかった、でも、このCDを買う可能性は多分ない。
既にあるCDって、制作年が古いのもあるけど、あのキャスティング、、、
制作時にはアリだったろうけど、「現在の私」の脳内再生は、黒石・杉田、一葉・立花(or阿部)なんだもん。
コンプレックスだった顔を、事故をきっかけに整形して、別人になりすましホストになる一葉。
そこで偶然中学時代に好きだと言われ、少し付き合った黒石と一緒になります。
自分を裏切ったと思っていた黒石を貶めてやりたい。
そんな動機で、黒石に接近する一葉。
一見地味な黒石ですが、健気なんです。
一葉の意地悪にも、その深い懐で包み込む。
派手な世界のお話なのに、淡々とシビアにお話しは進んでいきます。
雨にぬれて、玄関先にたたずむ黒石の姿のシーンは感動させられました。
でもね、一葉の気持ちもわかるんです。
現在は一也と名乗っているが、本当は一葉だと打ち明けていないから。
彼のコンプレックスは、底なしに深く暗いものすぎて、周りの仕打ちもそれに拍車をかけるものだったからです。
優しくする黒石に、一葉はとても辛かったのですね。
物語の後半で一葉の大学の同期生が現れ、一葉であることを見破り、実は顔が変わっていないということがわかります。
一葉の移転先店のKの金崎も、中学の同級生だったのですが、すぐにわかったと言っています。
顔が変わったと思っていたのは、一葉の思い込みだったのです。
継母の「お前の顔は醜い」というひどい言葉に、ずっとずっととらわれていたのです。
そのせいで顔を上げて人を顔を見ることはおろか、自分の顔さえも見ることを否定していたのですね。
では、黒石はどうして一葉だと言ってくれなかったのか?
もう、それは黒石の後悔と優しさにつきます。
BLにおいて青春期の初恋をずっと引きずっているのはよくあるパターンなのではありますが、展開の意外性でそのありきたりなセオリーを壊してくれています。
ここに出てきた金崎が主人公の「真夜中に降る光」が痛いカラーだと思っておりましたが、リンク作だけあってトーンも統一性があり、これと併せて二作品お読みなることをお勧めします。
口数の少ない無骨な先輩ホスト黒石×整形で人生再出発・繊細な白坂
初恋相手とのすれ違い後の再会。
ホストモノを初めて読みましたが、危惧したようなぎらぎらした感じや煌びやかな雰囲気は控えめで、じんわりと温かくなるお話です。タイトル通り切なくて少し甘い、全体を包むそんな空気感がとてもすきです。
整形をしてその後付き合いだすという流れに、最初は躊躇しました。いつかは真実がばれてしまうし、人工的な美しさに惹かれて恋に落ちるというのも、どうなんだろう…と。黒石は顔が好きだと告白の理由を言うので。
しかし最後にその引っ掛かりがするんと解けます。咽喉の小骨が取れるようなすっきりとした無理のない理由が隠されていました。
中学時代に付き合っていた黒石と白坂。ひと夏の恋と言うには余りにプラトニックでしたが、付き合うきっかけになる黒石の言葉が白坂にとって存在価値を感じられた唯一でした。そしてその恋が黒石にとっても26年間の唯一。
一途だったのは黒石だったのでしょう。10年越しの想いが実って付き合いだし、つれない態度を取られても、白坂が心を開いてくれるのをずっとじっと待っています。
最後は2人でこれからを開いていくというような、ささやかな希望のあるハッピーエンドです。呪縛から解かれた白坂と、その隣にいて見守るような立ち位置の黒石。
本当に真面目というか、恋に対して真摯な内容なのですが、黒石はちゃんと?むっつりです。無論ツボ。
自分の顔がコンプレックスで、事故のあと整形し、名前も変えて別の人間として生きる。働き先としてホストクラブを紹介されるが、そこには中学時代に自分を好きだと嘘をついた男がいた…。
ミステリのような始まり。いくら整形しても、心のしこりがとれるわけではないので、ずっと暗いです。顔が好きだと言われても、性格も後ろ向きなので、相手のことを好きになれない。本当の自分を好きになってほしいという叶えられない望み。
整形もホストもマイナスキーワードだと思います。攻がホストのイメージを裏切る寡黙な男だったのでよかった。遊んでても最後には自分が好きと言ってくれる男もいいけど、簡単に客と寝ない男のほうがいい。夢見てます。
砂原さんの「ぐずぐずに蕩ける」という表現が好きです。心まで感じてないと、そうならないよね。田舎の中学生とか日本家屋とか、意外としっとりとしたお話で、いつのまにか甘くなってる。
初恋の再会愛。醜いアヒルの子です。
ホストクラブが舞台の再会ものです。トラウマを持つ受けの視点で話が進んで行きます。白坂一葉(受)は、顔に対するコンプレックスに苦しんできました。それは、幼い頃に、義母に「気持ち悪い顔」と言われたことに遡ります。たかが顔、とは言えないですよね。義母の言葉は、「器量が悪い」という意味で発せられたものではなく、生さぬ仲の子供に対する悪意(とその母への嫉妬)から出たものでした。顔とは、その人を代表するもの。相手の顔を否定するとは、相手の存在そのものを否定することなのではないか、と思います。義母が否定したかったのは、一葉の器量ではなく、一葉の存在そのものだったのでしょう。結果として、一葉は自分の顔へのコンプレックスを植えつけられ、自分の顔を直視することができなくなり、「自分は駄目な人間だ」と自己否定へと陥ってしまい、さらには、他人と顔を合わせることもできなくなり、対人関係を築くことができなくなります。一葉は、自分の存在そのものを否定的に捉えてしまうことによって、他人と対話することができないできたのです。
リストラされ、再就職にも失敗した一葉は、事故(自殺未遂のようにも見えます。未必の自殺といったところでしょうか。)で重症を負います。その後、整形して、「一夜」という別の人間として人生を再出発させ、ホストになります。そして、勤め先のホストクラブで中学時代の同級生である黒石篤成(攻)と再会するのです。一葉と黒石は、中学時代ひと夏だけ付き合っていましたが、行き違いがあって、一葉は黒石に裏切られたと思い、彼をずっと恨んできました。そして、再会した篤成に復讐の念を抱くのですが、そんな一葉に篤成は「好きだ」と告白します。一葉の「顔が好きだ」と。
「顔」、それは一葉がそのために人生が上手く行かないと思い、ずっと嫌悪してきたもの。昔の自分と今の自分で違うのは顔だけ。結局は全て「顔の美醜」で決まってしまうのだ…そう一葉の心はやりきれなさに包まれます。篤成の好意はしかし、決して一葉の「顔」の美しさにだけ向けられたものではありませんでした。彼にとって、一葉の「顔」というのは、一葉の存在そのものだったのだと思います。篤成は、今も昔も言葉が足りないんですね。一葉は、復讐心から篤成を弄ぼうとして彼と付き合い始めますが、やがて彼の不器用ですが真面目で真っ直ぐな在り方に惹かれて行きます。
オチは、なかなか意表を突かれますが、私はとても共感しました。一葉がコンプレックスから解放され、本当の意味で生まれ変わって、心から笑えるようになった姿には心を打たれました。大切なのは、自分の価値を認め、自分という存在を愛すること。そう思わせてくれた、とても真摯な作品でした。
主人公の一葉は自分の顔にコンプレックスを持っていて、いつも下ばかり見ていました。
なので社交性は皆無に等しく会社の面接に落ち続けます。
しかし会社の面性を受けたその日、一葉は事故にあってしまいます。
事故にあい、整形した一葉は名前も偽り別の人間として生きていこうとします。
友人に進められるがままホストの仕事に就きますが、そこには昔付き合っていた男・黒石がいました。
黒石とは付き合っていましたが、ある出来事があり一葉は黒石を憎んでいました。
なので黒石より売り上げをあげたいとか、黒石から好きだと告白されても上手く手玉でとってやろうとか、そんなことばかり考えてます。
でも段々、黒石を本気で好きになってしまいます。
ホストになって、黒石が一葉に告白した理由が「顔が好みだから」っていうのにちょっとショックを受けました。
結局は顔かあ…と思ってたんですが、最後にその理由がわかります。
最後はタネ明かしみたいなすっきりした終わり方ですごく好きです*
結局一葉は最後まで「顔」に囚われていたんでしょうね~
すれ違いがあって切ない部分もありましたが最後はハッピーエンドで読んだあと幸せな気分になれます(*^_^*)
本格的なホストものなのもよかったですね。やっぱり嫌な奴も良い奴もいるもんですね~
『優しいプライド』を読んだときに、「砂原糖子さん、ホストのシステムとかあんま分かってないんだなぁ」と思ったんですが、今作品を読んで、「おおっ」と思いました。さすがプロの作家さん、取材したんでしょうか、進化してましたw
ホストものですが、なぜかお水な空気感がなかった。砂原糖子ワールドは、どんな汚れた世界をもしっとり切なくて優しい空間へと変えてしまう、そんな気がします。もちろんいい意味で。
ふとしたきっかけで歌舞伎町のホストクラブに面接にいった主人公(受け)は、かつての恋人(攻め)に出会う。彼はその店のナンバーワンホストだった。
主人公は事故で顔を傷つけて、整形した過去があった。
半分は復讐のつもりで、主人公はその店で働きはじめる。ナンバーワンの座を、かつて自分を傷つけた元恋人から奪うために。
いいお話でした。
雨のなか、傘をさしかけるというベタベタなシーンで泣いちゃいました。ベタなシーンは効果的に使ってないと「またかよ」とゲンナリするんですが、さすが砂原糖子さんですねー。
イケメン二人のホモがやってるショットバー、私も行きたいもんだぜ。
苦手だと思っていたホスト物。いやー、面白かった。
小さい頃から顔にコンプレックスがある白坂が、事故をきっかけに整形し、別の人物として生きていこうと上京。ホストクラブで働き始めるわけですが・・・そこには中学の同級生黒石が。
偶然が重なりすぎている気もしなくは無いですが、歌舞伎町に集ると考えれば、そう広いところでもないですから幼馴染と遭遇するのはアリかもしれませんね。
また、ホストクラブですから、一癖も二癖もある男や女が登場してくれるので、そんじょそこらの男しか出てこないBLと比べたら、よっぽど奥が深い作りになっているなと感じました。
親から刷り込まれたトラウマのようなコンプレックスって、ずっと引きずっちゃうでしょうね。他人からみればそんなにたいしたことでなければ余計に「コイツなに?」って思っちゃうんだろうし。そして、皆一言足りないから誤解が誤解を生み、いじめられたり疑心暗鬼になったり、どんどん悪い方へ行っちゃう…紆余曲折は多すぎるほどあるものの、白黒コンビがまとまってよかったよかった。
この二人、根本的にどこも悪くないのに、周りに振り回されちゃってるので、とことん可哀想なんですが、やってることが男前なのでそこのところがまたいいんです。
特に好きなのは、白坂が雨の中黒石の家を出たものの、気になって戻っちゃうシーン。このあとハッピーエンドで終わりそうなのに、残りのページがやけに多い、これまでもヤキモキしてるのにまださせるのかー?って感じですが好きだな。
そして、これとリンクしているお話が、「真夜中に降る光」になりますので、是非読んでください。