真夜中に降る光

真夜中に降る光
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×217
  • 萌12
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
16
得点
201
評価数
50
平均
4.1 / 5
神率
38%
著者
砂原糖子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
夜明けには好きと言って
発売日
価格
¥552(税抜)  
ISBN
9784344807624

あらすじ

喧嘩したホストの金崎新二を介抱してくれた津久井康文は、穏やかな男だった。
ゲイだと聞き、なぜか強引に新二は津久井とセックスをした。
「金のためだ」と金を貰いながらも、すっきりはしない。
体の関係を重ねながら、時々痛いものを見るような眼差しで、津久井は新二を見つめる。
津久井への、胸の苦しくなるこの感情は一体何なのか…?苛立つ新二は。

表題作真夜中に降る光

空間デザイナー:津久井康
チンピラホスト:金崎新二

レビュー投稿数16

どうしょうもないチンピラホストなんだけど

今、砂原ブームが来ているので、既刊本を一気買いしちゃったわけですが、実はこれを真っ先に読もうと思い、ん?ホスト物?じゃ、「夜明け~」が先の方がいいんじゃない?って思ったので順番どおりに読んで正解!番外編でした。

あの金崎くん(前作では、もっとキツネ顔の、今時よくいる自分をイケメンだと勘違いしてる系のお顔だと思っていました)が、こんな展開をしてくれるとは!津久井さんアナタは奇特な人です。ここまで猛獣な金崎をよくもまあ見放さず、飼い馴らされましたね。拍手!体中のピアスといい、無鉄砲なケンカといい、痛いことだらけのお話ですが、そこに金崎の金崎である所以があるんだなとわかりました。

子供の頃の親や先生の態度で世の中を悲観的に見ることしかできなくなり、自分すら大切に思わなくなった分傍若無人に振舞っていた金崎が、愛され愛すことにより、自分を大切に思えるようになった分臆病になる・・・それっていいことですよね。

今作もホストクラブの内面が伺え、なかなかハードな内容ですが、ハリネズミのようだった金崎が少しずつ丸くなっていく様がうれしいです。
特に最後の黒石(前作:「夜明け前には好きと言って」の主役)が経営するバー(津久井さんが内装設計した)に行こうとし、ユーターンするところで、大人になったね新二って思っちゃいました。

5

君は臆病な人だ【ネタばれあり】

個人的には大好き!!
クソ真面目×愛に飢えてるホストって設定だけでも美味しいんだけど、不器用で不格好な恋愛って感じが素敵でした!ますます砂原糖子さんにハマっていきます。。。

受けの新二くんはどうしようもないクズなんです、でもそれは過去に受けた傷、虐待や避けられて苦しくて、でもそれを解消するすべさえ知らない子供、その子がそのまま大きくなった感じがしました。どこまで行っても孤独で、その孤独ゆえにだれにも頼ろうとしなくてって感じがめちゃくちゃ切なかったです。
基本攻めより受けが好きな人間なので、こういう切ない子は本気で幸せになってほしいなぁと思います。。。

ほろにがテイストの大人BL!
恋や愛に戸惑う受けがここにいますよ!!

4

僕を嫌いだと言っておかないと、君は怖いですか?

この作品、一言で言っちゃえば
傷だらけで、気の荒い野良猫ちゃんを拾っちゃって、その可愛さにメロメロになって、快楽で餌付けして、とうとう手懐けちゃうお話。
津久井って、相当「S」だよね。

ピアスだらけの新二、
津久井とのセックスで、ピアスをはずしたり、つけたりするシーンが切ないなぁ
体中のピアスや、透けるほどに色を抜いた金髪と、心のありようがストレートに外見に反映している新二。
ピアスをはずして、黒髪で現れた新二。
臆病でいて、飢えている新二。

かわいくって、かわいくって、しょうがない


これって確かCD化されてたと思ったら、新二はよっちんくん
脳内変換もそうだったから、アタリだったんだ。
津久井の方は上川隆也イメージで、声優さんだとゆうきゃんかなぁって思ってたら、十郎太様で予想外なアダルトボイス。
CD化の時期を考えると、納得。
十郎太様は好きだけど、祭り開催したことはなかったので、このCDはノーチェックだったよう。
今度、スピン元の「夜明けには好きと言って」の本と一緒に探してみようっと。


3

ツンデレ受けに萌える

 ツンデレな受けがかわいかったです。子猫というよりも、毛並みをたたせたトラみたいな新二でしたが、ちょっとずつ心を開いて行く様子、また反抗期に戻っちゃう様子がほほえましかったです。まっすぐとした心の美しいキャラクターよりも、ちょっと性格が歪んで不器用で、上手に生きられない感じのキャラクターの方が好きです。愛されずに育ったキャラは、応援したくなります。ただ別の小説でも悪役ポジションで登場していて、嫉妬で人を傷つけるようなこともするような人間なので、性格が悪いキャラが嫌いな人には、おすすめしません。
 受けを温かい心で包み込み、全てを許すような攻めは、イケメンだなあと素直に感じました。ちょっとドSなところにも、きゅんとしました。

3

ずっと両片思い

前作があることを知らずに読み始めたので、最初はなぜこの人たちが?と思うような人物が序盤に出てきて不思議だったのですが、気付かないくらい自然だったので、本作だけ読んでも問題ないと思います。私はこの後に前作も読んでみようと思いましたが、全く違和感なく順番通りに読みたい方は本作から先に読まないようにお気を付けください。

ちなみに、この作品は受の新二がすごく好みでした。捻くれてるし気性も荒いし、とチンピラ感満載なのですが、あまりにもチンピラに寄りすぎてレアな受けだと思います。ツンデレというにはデレが少なく、しっかり成人男性として描かれているのがすごく良かったです。こういう受がHの時にトロトロになるのが最高なんですよね。砂原先生、BLの醍醐味わかってらっしゃるなぁと思います。欲を言えば完全に両想い後の濡れ場が見たかったですが、全編通して完全な両片思いなので、読了後に不完全燃焼にはならなかったです。大量のピアスを外して津久井に再調教された新二がこの先どんな風になるのか妄想するのが楽しく、自分に余裕が生まれて、他人に対して優しくなれるようになった新二を象徴するようなラストがすごく叙情的で良かったです。なんか砂原先生の作品って全てにおいてラストが本当に綺麗なんですよね。めでたしめでたしのバリエーションが豊富というか、すべて解決じゃないけど未来は明るい、と言えるような描き方に毎回感動します。
また、本作の描写で他に好きだなぁと思ったのは、津久井の「君があんまり捻くれてるから、自分に都合の悪いことは全部君の嘘に思える」というセリフですね。好き以上の告白じゃん、と思いました。このセリフが一つあるだけで、津久井は新二の意地っ張りに騙されずに二人は上手くいくんだろうなと思える。事件も色々起きますが、それ以上に総じて描写が素敵な作品だと思いました。

3

クズ受けの成長が胸熱

『夜明け前には好きと言って』のスピンオフです。
前作で最悪な印象だった金崎が主人公でしたが、やっぱり本作でもクズでした。

俺様でオラオラな金崎。
どんなに辛い過去があったとしても、歪まない人間はいますよね。生い立ちとか過去とか、そんなもので金崎に同情はできなかった。
たた、金崎が求めているものは分かりやすくて悲しいなと。そして、シンプルだと思いました。

金崎がどんなに嫌な事をしても言っても、それを笑って許せる津久井の包容力が素晴らしかった。
金崎が津久井を好きになる過程が本当に丁寧に描かれていて、そこが何より良かったです。
津久井の人柄と相まって、すごく共感できた。

あのクソ生意気でムカつく金崎が、まさかあんなに素直になるとは驚きました。
それほど津久井を失いたくなかったということだし、津久井の愛が金崎を変えたということだと思います。

承認欲求の表れだったピアスを外し、コンプレックスを克服しようと勇気を持って一歩を踏み出した金崎が愛しく思えた。まさか金崎にこんな感情を抱こうとは……
きっと津久井は金崎を離さないと思うし、金崎も津久井を離さないはず。2人の幸せを願ってやみません。

ホスト三部作(違う?)のラストに見合う、素晴らしい作品でした。
クズ受け最高ですね!受けザマァに目覚めそう。

2

ピアスのシーンがとても良かったです。



砂原先生の作品、自分には合わないなぁとちょっと嫌煙していた節(すみませっ…!)があったのですが、この作品は面白くてスイスイ読めました。
「懐かない猫が絆されていく」という、BLには王道?的なお話が好きな人は、凄く楽しく読める作品だと思います。
前作未読でしたが、楽しく読めたので全然平気でした。

受けの新二くんが、ピアスを開けるシーンがとても印象的です。
セックスのときにも攻めがピアスを弄んで泣かせたりして、「可愛いな」って思いました。敬語で鬼畜、どこまでも王道!だけどみんなが好きだから王道なんだ!
殴ったり、女の子を脅したり、まぁ本当にどうしようもない奴なんですが、攻めのおかげでこれからは少しずつ悔いの無い時間を過ごしていくんだろうなと思ったら、続きも読みたいなって思えました。

オススメです。

1

『期待すること』が一番怖いから……

『夜明けには好きと言って』のスピンオフ作品です。
『夜明け~』は好きだったのですが、「チンピラ?ヤクザ?えっ、この嫌なヤツの番外編!?興味ねー…」というかんじで、ずっと敬遠してしまっていました。

……が。

読んでよかったです!
穏やかでキリンのようだと称されるが、実は男らしく粗野な一面も持つ男・津久井と、
寂しくて臆病者が故にツンデレな、チンピラホストの金崎のおはなしです。
この金崎が、全身にボディピアスを無数につけている設定なんですが…
これが切ない&エロい……!
金崎は幼いころから親から辛い仕打ちを受けています。…この仕打ちが、なんだかやりすぎておらず、なにか現実味を感じるのが砂原さんのすごいところ。
金崎にとって、『期待すること』が一番怖いのです。幸せな世界へちょっと誘われると、「パラレルワールドにでもいるみたいだ」と感じ始め、すぐにいつもの自分に戻ろうとします。ピアスを体中に貫通させ、自分を戒めはじめるのです…。
その戒めの行為を罰するかのように、津久井はセックスのたびにピアスをいじります。身体を触るたび、いちいちボディピアスも外し…この一連の描写が、えろいのですー!!
イラストは金ひかるさんで、時に情熱的で時に穏やかな、二人のイラストがとてもよかったです。個人的には、金崎が髪を黒く染めたあと津久井が髪を触っているイラストがもう…かわいくてかわいくて!

ラストシーンでは金崎につられ、号泣しました。
私は砂原さんの作品で実はほとんど泣いています…。
砂原さんの作品に毎度一番何に泣かされるのかって言うと、周囲の人間の描写なんですよね。
この金崎はチンピラホストで金のためなら客をも脅すわけですが、実は目の前でハンカチを落とした人を見ると拾ってやったりと…優しいのです。しかし人は金崎のちゃらちゃらしたいかにも危なそうな格好に脅え、金崎の純粋な善意の行為は上手く伝わらない…
この「おとしもの」に関わるエピソードが何回か繰り返され、一番の盛り上がりどころにも関係してくるのですが、それがすごく切ない。本当に…。
外見にとらわれず金先の優しさに気付き、大変扱いにくいであろう金崎を、見捨てなかった津久井が偉いです。
でもたしかに、助けた時にあんなセリフを言われたら…ほっとけないですね。
本当に救ってくれてありがとう津久井!と、涙ながらに褒め称えました。

こちら単品だけでも問題ないと思うのですが、『夜明け~』の方を知っていると、金崎の小さいころの様子を白坂視点で見れるのでまたおもしろいです。
ラストも、なんだかやけに感動しました。
『夜明け~』の二人のその後もちらっと垣間見えますよ。

5

正統派ツンデレ?

主人公である金崎はTVでよく特集をされるような華やかなホストというより、どちらかというとやさぐれている……
チンピラホストです(笑)しかもかなり、嫌な奴。

金崎は辛い少年時代の影響で、「人を信用しない・人に期待しない」人なのです。
しかしそれは、人を信じて裏切られたくない・捨てられたくないという気持ちの裏返し。

そんな金崎に真正面から誠意と真心で迫ってくるのが、津久井。
空間デザイナーという真っ当な、昼の世界の人間です。

全く違う人種である津久井と出会い、戸惑いながらも惹かれていく金崎ですが。どーしても素直になれません!!
惹かれれば惹かれるほど、津久井に酷い言葉と態度で接してしまう金崎は、正統派ツンデレではないでしょうか!?

金崎の強がりの結果である言葉に、傷つく津久井。
思いっきり擦れ違う二人の姿が、とても切ない

金崎の鎧であり、虚勢の象徴として、全身ピアスが登場します。
このピアスという小道具が、とてもエロく&上手く使われています。!

そして、濡れ場ではさりげなく鬼畜な津久井さん。
ただの真心で優しい人ではない「影」を感じるところに、萌えました。

4

愛を知らない猛獣が「人間」になるお話

「夜明けには好きと言って」が好きだったものの、金崎か~と思って敬遠していた続編。
読後感は「ああ、よかった…金崎が”人間”になった…」という安堵感が広がった。

砂原先生のツンデレや意地っ張り受けは嫌いじゃなくてむしろ好きなのだけど、金崎は「暴力をふるう」のがどうにもダメだった。
女の子にまでバイオレンス発揮してて、これは報いを受けても仕方ないよなというレベル。ホストの世界がそういうものなんだろうなとは思いますが。
でも、因果応報を理解して受け入れる度量の広さがあるのが良かったと思う。

最初の方は読むのが苦痛だったけど、途中からは金崎の幸福を見届けたいという気持ちで読み進めていた。
お金を理由にしないと安心できないというのは切なかったし、幸せになれよ~と思うくらいには金崎のことも理解(?)できるようになったけど、萌えたかと言われると萌えは感じなかったので中立と悩んだものの、良作だと思うので萌え評価に。
津久井さんは途中まではどういう人かよくわからず謎でしたが、後半から弟のことでなるほどと合点がいき、さらに最後のダークサイド降臨で好きになれました。
三木乃さんの言う「要領よく」「昔はそれなりに遊んでた」という過去を知りたくなりました。

金崎がなぜ白坂に絡んで来てたのか、これを読んでその理由がわかったのが良かった。
自分と同じく母親に疎まれているという境遇の白坂と話してみたかったんだな…と。白坂がちゃんと話せていたらどうなっただろうと思ったけど、考え方が180度違うからきっと相容れずに決裂して余計にひどいことになったかもしれないとも思う。
金崎も白坂と黒石へのわだかまりを昇華できて、自分もまた彼らと同じく幸せな光のもとへ進めてよかったなあとしみじみとした。両親への思いはそうそう簡単には昇華できない、一生続くものかもしれないけど津久井さんがいれば大丈夫だろうなと思える。
個人的な萌えはありませんでしたが、良作だと思います。

4

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う