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Castrato
カストラート養成学校を舞台に、オムニバス形式でいくつかのカップルのお話が収録されていました。
特に最初のカップルがせつない。一心に作曲を志す青年と、伝説のカストラート。お互いに惹かれあいながらも、運命に逆らえず二人の人生は交差することなく終わりを迎える。しかしずっとその想いは消えることがなかった。。
巻末には、エピローグ的な単話も収録されています。
他に、カストラート同士のお話などもありました。
印象に残ったのは、田舎でぶどうをつくる領主と、その妻の愛人であるカストラートの二人。
優しく実直な領主。しかしその結婚生活は偽りに満ちている。一方、愛人でありながら、中身はまるであどけない子供のようなカストラート。女性の愛人とは?という疑問が残りつつも、二人が田園生活を通して次第に絆を深めるお話はよかったです。
日野晶先生の「宦官シリーズ」や、
吾妻香夜先生の「ラムスプリンガの情景」など
史実を元に造られたお話。
上記作品などと同じで、
その作品に出逢った事によって歴史的出来事を知るのって面白いですね。
詳しい史実などの情報も書かれていて
描かれているシーンでその背景を想像できるのが好きです。
★ココから本編について★
18世紀イタリア
高い声質や音域を維持させるために子供の変声期前に去勢した歌手「カストラート」のお話が3作収録。
①未来を違えた二人のお話。
悲恋です。あ、メリバです。
美しい容姿に美しい歌声のカストラート。まだ少年なのに自分の未来を覚悟し受け入れてるのが逆につらかった。
②カストラートの二人。
実力のあるカストラートと一緒にいる為には自分も横に立てるほどの歌を歌わねばならない!
と怯えるカストラート。
後半のお話の返し方が素晴らしくて一気に共依存の世界へ落されました。
③とある出来事がトラウマとなり不能になった領主と、妻の愛人カストラートのお話。
お話の最初と最後で妻のイメージがガッツリ変わりました。
優しい領主に惹かれるカストラート。わかるわぁぁ♡
個人的には3作目が最高に好きでした。
カルロがレオを怒鳴ったシーンは無いけれど、きっと悲しそうな顔で怒ったんだろうなぁ
と切なくなりました!
中国では宦官。イタリアのカストラート。それぞれ目的は違えど、去勢した男たち。
彼らの悲哀がドラマティックに描かれる。美しい声と引き換えに運命を狂わされてしまった少年たちのダークロマネスク。史実に基づいたくだくだしい註釈がちょっぴり面倒くさいけれど、実際にこういった恋や物語が確かにそこにはあっただろうと思わせてくれる。
◆ 表題作「カストラート」
美しいカストラート、学院随一の才能と美しさを持つアルフレドと彼を慕い、ただ彼の為に美しい歌を書きたいと願う学院生のエミリオ。当時、美しいカストラートは王侯貴族の囲われ者になるのが常。 優秀なアルフレドはめでたく国王の元へ行く事になる。エミリオの書く歌はアルフレドへの壮大な愛の告白となり、10代の恋は淡く散る。それでも。それが二人にとって生涯の恋となる。
儚くも美しい愛の物語。悲恋。
◆ 「天使の鳥籠」
この世界観の設定を最も生かし切った作品だと思う。BL以前に、これは「天才とは何か」を問う物語。 前編は無邪気に美しいミケランジェロを慕うルチアーノ。ミケランジェロが歌の上手な子しか可愛がっていない様だと思い、懸命に練習に熱中するルチアーノ。彼は難しい楽曲の発表会に、ミケランジェロと出る筈だった子が不調になったというので、代役として選ばれる。嬉しさのあまり益々練習に励むルチアーノ。彼にはミケランジェロしか見えていない。
何不自由無く育った貴族の子であるルチアーノは、他人の苦しみなど微塵も慮る素地が無い。
不調のあまりに歌えなくなり、学院を去る生徒を憐れむ気持ちすら無い。
彼にとって、歌とミケランジェロ以外、何も無いのだ。心が何処かしら欠けている。
歌えなくなったらミケランジェロに捨てられるかもしれない。だからルチアーノは今日も練習に励む。その無垢な瞳には世俗の何物も映さない様でいて。空恐ろしくもあるのだ。
女王の様にその頂点に君臨している筈のミケランジェロですら、それを恐れている…。
ただし、描き下ろしではその後の二人は甘あまで描かれているので、ひとまずホッ。
◆ 「レオの結婚」
有名な戯曲「フィガロの結婚」をもじったのかな。そう言えば、せっかくだからカストラートの歌う歌曲や戯曲に擬えた作品も描いて欲しかったなぁ。『こういう歌を書いた』『こういう発表会で歌った』という描写はあるものの、肝心のシーンは省かれている。註釈よりもそっちを細やかに描いてみて欲しかったかも。
ややこしい事に、領主で貴族のカルロは心優しいので、妻がカストラートのレオを愛人にしているという事に目を瞑っている。妻の愛人である筈のレオは傍若無人に屋敷内を歩き回り、主人を前にしても悪びれることも無い。些か無邪気ですらある。懐かれたカルロはこの若者につい優しくしてしまうのだった。女を交えた三角関係になるかと思いきや…。妻には結婚を許されなかった想い人がおり、BL的にカルロとレオは結ばれる。エチは無いけども。とにかく想いは通じ合う。という、「フィガロの結婚」ほどにはややこしくも無いが、そのドタバタをちょこっとだけ匂わせる。「天使の鳥籠」がダークなので、緩和させる趣き。
カストラートというのが、素晴らしい設定の筈なので、それを思うとなんか勿体ない。
食い足りないかも。表題作はもっと泣かせて欲しい気もするし、中編はもっとゾッとさせて欲しいし。後半はもっと笑わせて欲しかったかも。
この題材でもっと突っ込んだアダルティな作品も描いてみて欲しいです。
子供や女性の様な声を保つために去勢された男、「カストラート」たちのお話が3作入ったコミックスです。エッチシーンはほぼ無いので、そのあたり期待されている方にはお勧めできません。
表題作の「カストラート」はカストラートの在り方に重点が置かれているので、メイン2人のエッチシーンは匂わすコマすらありません。終わり方もハッピーエンドとは言い難いですが、これはこういう終わり方でストンと納得できました。
「天使の鳥籠」はメイン2人の共依存関係をメインに描かれています。受けのルチアーノが攻めのミケランジェロの歌声に惚れて執着しているのかと思いきや、ミケランジェロの方がルチアーノに執着していて依存していました。ルチアーノの純真さ故の残酷っぷりがすごい。
「レオの結婚」は唯一ハッピーエンドっぽいんですが、ディアナが好きになれず萌えきれませんでした・・・