お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
yotogi no jouken
中学一年生の時に、母を交通事故で亡くし、それから二年後、酒に溺れるようになった父親が失踪してから、佳希は、父方の叔母の家に引き取られていた。
そして、高校一年生にのある日、父の残した借金をタテに、叔父から売られるようにしてベンチャー企業のオーナー・正見の家で暮らすことになった。
華やかな美貌の為、以前にも叔父に取引先の社長だという男に売られそうになったことのある佳希は、父親のように逃げ出すのもしゃくで、諦めとともに正見に抱かれることを承知で、引き取られることを選んだ。
正見の家での生活の慰めは、独特なテンポの持ち主で端正なハウスキーパーの加瀬。
昼間は、ハウスキーパーである加瀬と、のんきに会話をしながら家事をするのが、佳希の唯一の楽しみだった。
ところが、夜になると、佳希を買ったオーナーである正見が佳希を抱きにやってくる……。
仕方無くだったはずの正見との行為にカラダが溺れていく一方で、心はどんどん加瀬へと傾いて行って……。
結局、加瀬と正見は同一人物で、佳希の身体と心はどっちも正直だった、ということでよかったんですが、佳希が見た目、王子様系なのに、こういうことにあんまり抵抗がないのは、びっくりです。まぁ、それだけ佳希がつらい生い立ちをしてきたんだろうね……。
それにしても、佳希を襲いかけた一人目の男は、どうして佳希を抱きたいなんて思ったんだろう……? 175センチの男を抱くなんて、かなりだと思うよー。よっぽど男の背が高かったんだろうか……。
多分、175センチあったら、日本の企業の経営者のほとんどは見下ろせるような気がするけど……。
それにしても、佳希は二人が同一人物であることに、もうちょっと早く気付いてもよかったと思います。まぁ、それだけ佳希は怯えてて、それどころじゃなかったってことでいっぱいいっぱいだったことの証明なんだとも思いますが。
最後はハッピーエンドでよかったね。
これからは、佳希も幸せに、素直に生活できるといいね。
うーん・・・キライではないんですが、いろいろと思うことはありました。
加瀬(攻)のキャラクター自体はいいんですが、作品の設定そのものに無理があるというのか、あまりにも強引過ぎでした。
正見と加瀬が同一人物というのはもう初っ端から想像ついてたし、その点に意外性なんて求めてませんでしたから、(作家さんが)一生懸命『2人』を際立たせようというのが逆に陳腐にしか思えなくて冷めました。
そもそも、加瀬のキャラクター設定からして、『正見』としての行動はおかしいですよ。ネタばらしのあと、佳希(受)が自分に言い聞かせるという形で、読み手をも説得しようと努めてる(と思える)んですが、私は受け入れきれなかったですね。いっそ『二重人格』なら、それもわかりますが。あるいは、加瀬のキャラクターそのものを変えるとか。
加瀬の二面性そのものが問題なんじゃなくて、その内容が(この設定上では)説得力を感じなかったんです。作品のトーンや、加瀬と佳希のキャラクターはわりと好きだったので、ちょっと惜しいですね。