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kemonotsukai wa shugojyuu to ai wo chikau
哀しい運命を背負った皇子と、そんな彼が唯一心を許した流民との、切なくてとても優しい愛の物語です。
中華風ファンタジーになります。
月東先生と言うと、わりと痛い設定がブチ込んである事が多いと思うんですけど。
今回も、まさにそんな痛くてやりきれない運命を、攻めが背負っています。
ただ、その中でしっかり愛も描かれていて、すごく優しくてあたたかいお話でもあるんですよね。
ラストでは、思わずホロリと来ちゃったりして。
と、とても切ないのですが、その分感動も与えてくれる、とても素敵な物語。
月東作品が元々好きですが、今回は特に好みでした。
内容ですが、聖華国の末の皇子・青麟×流民で獣使いの琉央による、中華風ファンタジーで身分差もので主従ものです。
シリアス寄りですが、二人の恋愛部分はとても優しくて甘いです。
雑技団で獣使いをする琉央。
珍獣好きの変わり者の王妃の命令により、宮中に上がる事になります。
そこで、末の皇子が飼っている大きく美しい獣の世話を任され、その獣と心を通わせてゆく琉央。
そんな中、その獣が聖華国の守護獣であり、皇子との哀しい運命を知ってしまいー・・・と言うものです。
まずこちら、しっかり作り込まれた設定だったり、世界観が面白いと思うんですけど。
宮中に現れる謎の獣。
末の皇子に、満月になると訪れる変貌。
そして、守護獣と皇子の哀しい運命。
う~ん・・・。
この運命ですけど、かなり痛々しいものなんですよ。
えーと、代々皇族の一人が受け継ぐものなんですけど、人間には重すぎると言いますか。
要は国の為の犠牲と言いますか。
とまぁ、そんな過酷な運命を背負い、そのせいですっかり感情を無くしたかのような若き皇子・青麟(17才)。
ここに、獣使いである琉央が表れた事により、彼の毎日に変化が訪れ・・・って所でしょうか。
この聖華国ですが、身分が絶対です。
幼い頃に「一生を獣と共に過ごす」と予言された事と、不吉な双子だった事から、捨てられて雑技団で育てられた琉央。
身分としては流民が一番低いのですが、その中でも獣使いが最底辺なんですね。
その為、彼は一生獣の世話だけをして、生きて行くと思っていた。
いや、とても前向きで柔軟な心の持ち主なのです。
何故か獣から好かれ、彼自身も獣の世話をする事が大好きで。
と、その柔軟な心のありようで、自分より年下の皇子と心を通わせて行く琉央。
このパートがとても素敵でして。
最初は無表情で何を考えているかさっぱり分からなかった青麟。
それが、少しずつ少しずつ感情を表に出すようになり、不器用な好意をしめす。
こう、まさに野生の獣がなついていくようと言いますか。
いや、年下攻め可愛いな!と。
ここから、皇子の獣の世話係として穏やかな時間を過ごす琉央。
しかし、満月の夜、何故か発情した獣から無理矢理犯され・・・と続きます。
この獣の暴走がですね、皇子の哀しい運命とも密接に関わってるんですね。
これ、ネタバレを避けたいと思うんですけど、そうなると萌えどころが語れんがな・・・。
月東先生の作品ですが、設定がすごく複雑で面白いんですよ。
ただ、萌え処がそのネタバレと直結してて、自由に「ここが萌えた。あそこが萌えた」と語れない!
そこが一番語りたいのに・・・!
まぁとりあえず、すごく深くて優しい愛の物語でしょうか。
二人の恋愛部分だけでは無く、親の愛と言うのもまた、深く感じさせてくれて。
あとですね、主人公である琉央が、とても魅力的なのです。
こう、運命だと諦めている部分がある青麟をですね、叱咤激励して共に生きる未来を諦めないと言いますか。
そう、誰しも生きる為に足掻き続けるのです!!
と、めちゃくちゃ素敵な作品でした。
いや、ラスト1ページにホロリと来ちゃったりして。
えーと、この二人の物語が聖華国の歴史の1ページとして語られるんですね。
こういう終わり方って、なんだか胸に込み上げてくるものがあって、ホロリとしちゃうの私だけですかね?
中華風ファンタジー。
聖華国の皇帝には五人の子供がいて、末息子には秘密がありました。
身分制度が絶対な時代、城外にすら定住することを許されない流民達は、技芸で娯楽を提供することで国中を転々とするしかありませんでした。流民で天空雑技団の獣使いとして生きる琉央は、雑技団の見物に来た王妃にその才能を買われ、皇城に登ることとなります。
末の皇子の青麟は美しい青色の瞳をしていて、彼が飼っている猛獣も同じ瞳の色。琉央は名前のないその猛獣に綺羅と名付けて心通わせますが、寡黙な皇子はなかなか笑顔を見せてくれません。そのうちに、琉央が綺羅を可愛がる様子を青麟が密かに喜んでいたことがわかって…
榊空也先生の繊細なイラスト効果も相まって、まるで草食系な青麟と琉央の、すぐにラブには進まない慎ましさが好印象でした。(獣のお話なのに笑)獣と人間だからこそ、一線を引かなければならない。宿命を背負ってしまった青麟の葛藤がもどかしいです。
青麟が十七歳、琉央が十九歳で知り合い、青麟の方が琉央よりも少し小柄だったのが、三年後にはちゃんと逆転してくれてました。青麟の綺羅に対するジェラシー度が微妙に上がっているのも萌えプラス♡
青麟ファミリーがとってもステキです。それも、ストーリーを引っぱる珍獣ハンター王妃の存在感が特に!キャラは強いけれど影の女帝のような支配者的な暗さはなく、よく笑うお茶目なひとで、読んでいて何度も救われました。終盤、皇帝と互いに信頼し合っている絆がよく伝わってくるところにも。
彼女の母性愛と懐の深さがなければ、物語はハッピーエンドに至らなかったのではないかな。
久しぶりに歴史ファンタジーの世界に浸ることができて、大満足でした♡
今回は皇帝の末の皇子と雑技団の獣使いの流民のお話です。
珍獣好きな王妃の求めで皇城に上がった受様が
ある秘密から孤高の皇子だった攻様と心を寄せ合うまでと
3年後の仲睦まじい後日談SSを収録。
この国は厳格なる身分制度があります。皇族、豪族、平民、奴婢と
階級が定めれています。階級外の流民には国の庇護はなく、流民は
自らの体を元手にして生き延びる術として雑技団に集います。
受様は「獣とともに生きる」と予言された双子の片割れとして
捨てられるところを天空雑技団の女将に拾われ獣使いとなります。
獣使いの仕事は獣や爬虫類の世話が主なため、下手をすると獣より
獣使いの地位は低いのですが、受様には明るく朗らかに育った上に
どんな獰猛な獣も懐く雑技団一の獣使いとなっていました。
新緑の風が吹く頃、雑技団は小国ながらも裕福で平穏な聖華国の
都に近い森で興行をする事とします。
初日の興行は大入りでしたが、なんと王妃がお忍びで見学に現れ、
興行は大成功、王妃も満足したようですが、珍獣好きだという
王妃は珍しい獣を所望します。
いま最も新しく珍しい獣は金と翡翠の双頭の蛇でしたが、受様し
かまだ扱えず、受様が舞台に登ります。王妃は蛇を縁起が良い
から皇帝や息子達に披露したいと受様に皇城を求めるのです。
翌日、受様は精一杯の衣装で皇城にあがりますが、王妃は多忙と
替えの官服を渡され、獣舎での待機を言い渡されます。真夜中に
ふと目が覚めて受様は厠へと向かい、獣舎へと戻る途中かすかに
聞こえた女性の悲鳴と獣の唸り声に受様は思わず走りだします。
そこには若い娘が大きな黒い獣と対峙していたのです!!
受様は娘を庇うように部屋にあがり獣を牽制しますが、宝石の様な
獣の瞳には知性があるようで獣は受様の言葉に去っていきます。
翌日の昼、受様はやっと王妃に呼び出されるのですが、王妃と共に
5人の皇子も揃っていました。言われるままに彼らに蛇を披露すると、
蛇が王妃に懐くまで雑技団に戻るなと言われてしまうのです。
しかも会見で受様は藍色の瞳の皇子になぜか注視され、受様は緊張が
いやが上にも高まってしまいます。この鮮やかな瞳の皇子こそが今回
の攻様になります♪
翌日から王妃が受様を呼ぶ時は必ず攻様もいて、いつも蛇ではなく
受様をじっと見ているのです。攻様の視線は受様を落着かなくさせ
ますが、なぜか王妃はそんな様子を満足げな顔で見ているのです。
皇城に上がって5日目、受様は攻様から獣の世話をして欲しいと言わ
れます。現れた獣とは先日の夜に見た黒い獣で、黒い獣は受様の言葉
が判るようで毛を梳いている間も大人しくしていました。
攻様が誰かに興味を持つことも自分の獣に会わせた事も珍しい事らし
く王妃にもびっくりされますが、獣に名前もないと知ると「綺羅」と
名付けて可愛がりますが、攻様は獣を嫌っているようなのです。
受様は獣の世話を通じて攻様といろいろと話をする様になりますが、
皇帝の皇子と流民で獣使いの受様は全く境遇も考え方も違い、攻様
が何を考えて受様に綺羅の世話をさせるのか判りません。
そんなある日、受様は綺羅が聖華国の守護獣である事を知ります。
皇帝とともに戦う守護獣の使命を思うと複雑な気持ちになる受様に、
王妃は攻様の側仕えにならないかと言い出すのです。
流民である身でそんなことは出来るわけがないと受様は固辞しますが、
王妃にはどうしても攻様の側仕えを必要とする事情があったのです。
陛下の御前で受様の命を盾に取ってまで受様を側仕えに任命します。
攻様の側仕えとは花嫁と同義の意味を持っていて!?
予言のために流民となった受様が皇族の宿命を負う攻様の心を融かし
皇国の危機を救う中華風ファンタジーになります。
受様は流民でも最下層の獣使いとして育ちながらも境遇を明るく受け
入れ、雑技団の仲間の中で皆のために獣達のためにと生きてきます。
攻様は叔父から皇族が連綿と受け継いできた宿命を引継いだ事により、
様々な軋轢を受けるようになるのです。
攻様が継承した皇族の宿命で傷つきながらも、誰にも弱音を吐けなか
った攻様を受様は優しく包み込むように癒していくのです。
攻様と受様、受様と綺羅、綺羅と攻様というそれぞれの関係性が、
境遇や身分、思考や性格などに見事に映されていてどうなるのかと
ハラハラ&ドキドキしながら読み進めました。
いつもながら月東先生の世界観も主役に関わる脇役達もが秀逸です♪
王妃や女官長、雑技団の女将等もとても魅力あふれる人物で、彼らの
言動には納得の過去があり、自らの道を矜持を持って歩いています。
だからこそ受様にかける言葉に重みがあるのですよね。
2人の恋愛だけに終わらず、宿命を受け入れた攻様の見せ場もちゃんと
あって厚さ分の読み応えは十二分にある1冊だと思います。
今回は月東さんの既刊『獣魔王と幸福の白い翼』をおススメ作とします。
受様が追う秘密が真相を解き明かしていく展開が見事です。
じわじわと懐いていく攻のツンデレ年下皇子が可愛いです。
受より背が低いことを気にして受の頭をぐいと引き下げて自分は背伸びしてキスするとか最高。
ひたすら大人な年上受も良かったです。主従ものなので年上が従なのも萌えました。
再読して追記。
イラストもすごくいいです。
一見、どっちが攻なのか分からないくらいの受×受っぽい表紙ですが、最後まで読むとあれで正解だったのだとよくわかります。皇子は攻ですが、ガチムチや高身長で男っぽい姿だとだめなんです。あの可愛らしい姿だから成り立つんです。さすがです。
このイラストレーターの方の絵を最初に見たのは、偶然にも同じ作者の『極悪人のバラード』でそれがすごく素敵で注目していたのですが、今回もすごく良かったです。この作家との相性がいいのかな。
特に、可愛い攻と優し気な受の主役二人、最後の正装の二人の挿絵が丁寧で優し気で温かくてとても好きです。最初の二枚のお妃候補や王妃の飾り立てた姿もとてもきれいで満足でした。
私は中華ドラマが好きでよく見ているので、BL中華のなんちゃって衣装や背景は冷めた目で見ていたのですが、今回の挿絵は私でも満足できるくらいにちゃんと中華で、文章にない家具や壁もしっかりと適切に描いてあって、きっとすごく調べたのだろうと感嘆しました。とても満足です。
ときどき思うのですが、ちるちるさんに「小説」「漫画」以外に「挿絵」の評価をできる場所があったらいいのにと思います。今回のイラストは私の中では☆5です。
大作ですね!
中華風ファンタジーなのかな?
お妃様も女官長も雑技団の女将もみんな魅力的でした。
あれ?みんな女性ですね。
長いお話で、レビューも他にもあるので感想を。
絶望の皇子と獣使い。
誰とも交わらないと思っていたのが…。
徐々に皇子が琉央に心を開いて、二人が愛し合うようになり。
皇子の宿命と父陛下の本心や母お妃様の親心。
お妃様がどんどん人間味の溢れる過保護な良いお母さんなのがわかっていくのがとっても良かったです。
琉央のことも大事にしてくれて。
獣人ものとも中華風ファンタジーものとも一味違う重厚で、二人の成長と、親子のすれ違いの修復と、国の為に二人で生きていくのと。
最後の短編が皇子視点なんですが、んもう!悶えます。
鍛錬と成長期なのか皇子がすっかり逞しくなり、琉央よりも肩幅や背も高くなり。
琉央が可愛くて愛しくてたまらない皇子。
皇子視点の琉央の描写がまた良くて。
すっかり琉央を知り尽くして味わう皇子ったら!
本当に立派になって。琉央を守ると強くなったんですね。儚げな年下攻めから余裕のある大人な年下攻めになって。
主人公は琉央なのですが、皇子の描写がとてもわかりやすくて、二人がとっても大好きです。
「獣とともに生きる」そう予言された獣使い・琉央と守護獣の運命を背負った皇子・青麟の物語。
月東湊先生の作品は個人的にとても読みやすく、かつ、ストーリー展開も素敵だといつも感じています。
今回もとっても素敵な物語でした。
さて、彼らの出会いは皇子の花嫁候補がやって来ていた、ある夜のことでした。
はじめは素直に心の内を明かすことができず、度々琉央を困らせてしまう青麟。
しかし、彼がそのような接し方をするのには深いわけがありました。
悲しい過去がこんな彼を作り上げてしまったのです。
そしてそんな過去を作り上げたのが、守護獣という彼のもう一つの素顔。
青麟は琉央が王宮にやって来てからというもの、毎日のように獣の世話をしてくれ、琉央を呼びます。
そうして、彼は獣の姿として琉央とふれ合います。
その時点では琉王はその獣の正体を知らないので、青麟は獣の姿で結構やりたい放題。笑
そして、獣の姿を借りて琉央に甘えてもいました。
かわいいです。
人の姿ではできないことも、正体のばれていない獣の姿でならできてしまう・・・
青麟にとってその獣の姿は琉央に近づくための手段でもあったのでしょう。
なんて愛らしい!!!
ここで好きが溢れました。
この後、作中で何度かトラブルが発生します。
満月の夜に青麟の獣性が抑えきれなくなって暴れてしまったり・・・、青麟が戦によって傷ついたり・・・
二人の幸せな様子を見て心が和んだかと思うと、次の瞬間にはドキドキする展開が待っています。
しかし、互いを助け合い、心を寄せ合い、絶対的な信頼を互いの間に置いている彼らはどんなことがあってもずっと共に生きると誓います。
特に二人の思いが通い合った後、彼らが二人きりになったときはもう言葉の端々から愛が溢れています。
そんな微笑ましい彼らのお話。
二人の会話を読んでいると心の底から幸せになれてにやにやしてしまいます笑
最初から最後まで最高の物語でした。
満場一致のハッピーエンドです!
表紙と挿絵を担当された榊空也先生のイラストは本当に美しく、青麟と琉央が今にも動き出しそうなほど素敵でした。
特に最後のイラストは一番のお気に入りです!
共に困難を乗り越えた二人が微笑みを交わし合う姿・・・美しい・・・
読み終わったとき、この本を読んで良かったと心から思いました。
獣使いの琉央は、知らずに守護獣と意思疎通をする。
良くなついた守護獣の正体が鍵だった。
余り世界観に入り込めなかったのは、何故だろう?
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●琉央 :天空雑技団の流民の獣使い、19才、どんな獣にも懐かれる。
金持ちの家の双子の片割れ。
「一生を獣と過ごす」と予言され、処分される前に母親が雑技団へ預けた、捨て子。
●王妃:獣好き。
雑技団に双頭の蛇を見学に訪れ、城に琉央を招く。
蛇が王妃に懐いて、雑技団に琉央を帰す前に、皇子の側仕えにならないか?と尋ねる。
・・人の気持ちを察する、優しい人柄。
●皇帝:
父として、末の皇子を愛している。でも青麟は、両親の愛に気付いていない。
●青麟:聖華国の末の皇子、17才
青い宝石のような瞳。
黒の長毛、青い瞳の大きな守護獣を伴うが、皇子は聖獣を嫌っている。
満月が近づくと、皇子の瞳の青が深くなる。
●聖獣:
背中に大きな傷がある。青い目、黒毛の獅子の様な獣。
気が荒く、滅多に人に懐かない。
聖華国の皇帝は、代々守護獣を伴い、聖獣は、皇帝と共に戦場に行き、国を守護する。
守護獣を王妃が説明するくだり。
「守護獣は 強い。 守護獣が吠えると 地面が割れる。
守護獣が歩くと、 その足跡に草が生えて花が咲く。
茨のような棘のある草が生える。
風に乗って流れた毛は 蝶になって舞うこともあれば、 毒針となって 敵を苦しめる ことも ある。・・」
・・前半の皇子の様子で、結末と謎が分かってしまうのでつまらないなー、と思ったら、
中盤に大波乱が起きた。
続編を出して欲しい。伏線回収全部できていない。
あらすじ見てなかったので年下皇子と知らずに先生買い。私は年下に萌える人ではないですが、「あ、これはいいかも!」と思いましたので、萌2。もうちょっとぎゅって詰めてもいいのでは・・と少し長く感じたので神には到達しませんでした。「本編330P+本編から3年後の幸せ話11P+あとがき」です。
聖華国の首都に着いた天空雑技団。そこで働く琉央(るおう)は、生まれて間もない頃に捨てられたのを雑技団の女将に拾われ育ててもらった獣使いです。ある日興行に王妃様がお越しになり、興行後に「珍しい獣が好きじゃ、溜息がでるような獣はおらぬか?」と仰せに。まだ毒牙を抜いていなかった双頭の蛇を琉央がお見せすると、お気に召したようで「城に連れてまいれ」と仰せになり・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
王・王妃、王妃付きの女官長、雑技団の女将、綺羅(きら、黒いもふもふ守護獣)。王妃様のキャラが好きでした。
**好きだったところ
最初、攻めさんが受けさんよりちっこいんです。背伸びして受けさんの顔をぐいっと引き下げて、ちゅってするんですけど、「背中しか抱けない。肩も頭も抱きしめたいのに」等言ってぷんすか怒るんです!そこが猛烈に可愛くて、あー年下萌えってこれのことかー?!と思い当たりまして。ここ、たまらんかったです。
10歳から自らの運命と闘い受け入れてきた皇子。攻めの方が健気だった気がする、私にしては割合レアなパターンです。受けさんも健気ではありますが、性格が飄々とした、風の吹くままに生きる~という様に感じましたので、健気度でいったら攻めの方が上に思いました。
もう一人コメントしたいのが王妃。この方、良かったです。月東湊先生の別作品で王の対応に「えええええええーーーーーー」となったことがあったので、当作の王・王妃ではめちゃくちゃ救われた心地です。
ゆっくり色々盛り込んでくださっているからか、ちょっと長いなと思いましたが、最後のSSで3年後の成長した皇子様(おっきくなった!!!!)と、幸せしっぽ布団を読めたので、とても嬉しかったです!傷ついた年下の成長期ものがお好きな方でしたらぜひぜひ。もふもふも、かなりもっふもふです!
ああ、追加ですいません!榊先生の挿絵が、今まで読んできた先生の作品の中では最も美しいと感じました!!!キラキラ王妃様も是非ご覧くださいませ。