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dare ga omae wo sukidato itta
味わい深い短編集。
山田ユギさんは、絵も抜群に美麗だけど、言葉の使い方も独特で素敵ですよね。なんていうか、粋。
タイトルなんかもいつも、すごくいい所をついてくる感じで。
それぞれにキュンとしたり、かわいい〜!となるいろんな愛のカタチが楽しめるのですが、「我が家は楽し」なんかは、山田ユギさんにしか描けない感じの傑作なんじゃないかなと思います。バツイチとバツ3のくたびれたオッサン同士が同窓会で再会して、寄り添い合うようにして愛が産まれるとかねぇ! ちょっとした会話のやりとりとかたまらないものがありますね。
あとは「おねがいちょっとだまってて」の同じビルに入っている別の会社で働くサラリーマン同士の組み合わせもいいなぁ。外階段の上下でやりとしてるコマを縦にぶち抜いた絵なんて、あれだけでグッときます。
他もいろんなタイプのカップルのお話がハズレ無し。楽しめる一冊です。
※個人的ユギさん読み返しキャンペーン中です(笑)
ユギさんの短編集はどれも素晴らしいですが、その中でも本作はかなりのお気に入り。
収録作の5作中3作が音声化されていたり、ユギさんワールドの名物・ピーチパイママの貴重な過去の姿が出てきたりで、何かと印象的な一冊です。
■表題作の受けはピーチパイママ(本名:兼太郎)の幼馴染。
そして攻めはママの弟ということで、ママの出番が多いのが嬉しい一篇です。
幼い頃から受けに惚れている攻め(年下)。
彼の生意気な少年→ハイスペックな敬語攻めへの成長の過程に萌が詰まっています。
攻めの求愛をのらりくらりと躱す受けの意固地さも憎めない感じで◎
「好き」と言えないまま終わるラストが洒脱で、タイトルとリンクしているところにもセンスの良さを感じます。
■「さすらい」は、数あるユギさんの短編の中でも一、二を争うくらい好きなお話。
攻めとセフレ関係にありながら他の可愛い子を口説き続ける受け(タチ志向)と、
そんな受けを冗談みたいに口説きながら見守り続ける攻めの関係性が何とも良く、
タイトル通り愛を求めさすらう大人たちの哀愁やカッコよさが余韻として残ります。
■「我が家は楽し」もかなり好きなお話。
高校時代の同級生(バツイチ同士)が同窓会で再会→勢いで同居を始めるという展開で、
離婚や転職など、それなりに色んなことを経験してきた中年男性同士の微妙にくたびれた雰囲気に非常に味があります。
受けと攻めがベランダでタバコを吹かすシーンだったり、受けが同居生活の中でふと別れた妻のことを思い出すシーンだったり、そこここで何となく文学的な情緒が感じられるところも好き。
『死ぬほど好き』収録の攻めの息子のスピンオフにもこの二人が登場しており、そちらもオススメです。
■「照る日曇る日」「暗いトンネルの向こう」は、童貞×オヤジで、受けの行く末にちょっと希望が見えるところで終わるラストが絶妙。
タチ同士という組み合わせも好みでした。
■「靴下の穴 」「苺の染み」は、攻めの靴下の穴や苺のエピソードが、受けの攻めへの想いや、攻めの人間的魅力を表すのに効果的に使われたお話。
攻めの「おいで」は破壊力大。良い年上×年下カプで、この話も大好きです。
■「おねがいちょっとだまってて」は、群像劇風でどんでん返しっぽい展開もあり、かなり楽しめた一篇。
既婚者と関係を持つ受けと、その隣に住む得体のしれない男。彼の正体は…
と、複数の人物が影でそれぞれ動いており、最終的には大団円に終わるラストもお見事でした。
全体として、やはりタイトルのセンスが秀逸。
そして何気ない日常を描く短編が多いのに一つとして似通った話がなく、どれも面白いのが素晴らしいなと思います。
ユギさんの他の作品同様、オススメの一冊です☆
リーマンに萌えない私としてはこんな感じです。
でも、山田さんの美人さんは本当に綺麗。話のなかでバイト先の店長さんが無人島にブスな女と石川どちらか連れていくとしたら、石川と選んでいましたが、そう言わせちゃうくらいの男の人ってどんなの?現実で見たい!
最初のお話にちらっとだけ出てくる宗次郎のお兄ちゃん、これが後にあんなコーンヘッドみたいな頭したピーチパイのママになるわけね、と思いながら楽しみました。
やっかいな男達の、もどかしい恋愛模様が詰まった短編集です。一番好きなのは、『おねがいちょっとだまってて』です。
同じオフィスビルで見かけていた、カッコイイ人。偶然2丁目で出会って、そのままエッチまでして相性も抜群で。でも、その人(勝)は結婚していて。それでも、別れようと思えばいつでも別れられると思いながら、ずるずるときてしまった栄司。
最近誰かにつけられているのに気付いて、奥さんが依頼した探偵だと思います。だから、引き際だと思うけど、なかなか決心できなくて。
そんな栄司の切ない想いにキュンキュンします。
栄司の隣りに引っ越した、優しくて惚れっぽい探偵のお友達もイイ人で、良かったです。
そして、臆病になって本心を伝えられなかった勝にも萌えます。
山田ユギさんの描かれる、サラリーマンが大好きです。
一途さが余って、エリートイケメンに成長しました。
表題作、幼馴染みの生意気な弟に小学生の頃から好きだと言われ続ける受け。「○○になったら付き合ってやる」と条件をつけて躱すうちに攻めがエリートイケメンに成長する話。
そして言われ続けることにいつの間にか心地よさを覚えて、実はずっと特別な存在だったという。何年越しの恋、いいですね。
同窓会での再会同居ラブも、攻め課長がネコになる話も、男臭さと男の色気とがふんだんに盛られてて美味しかったです。
至る所に出てくるバーのゴツイママですが、その弟さんの話が今作なんですね。ということでママもたっぷり拝めます!笑
久しぶりに読み返してみて、また切なくなりました。
短編集なんですが、それぞれのお話がしっかり内容詰まっているので、余り短編集を読んだ感じがしません。
どのお話も切なさがあるんだけど、登場人物は情が深い人が多くて、暖かさを感じます。
真性ゲイの受け様が一途に一人を想うお話は大好きなので、特に表題作や「靴下の穴」「苺の染み」のシリーズのお話がとっても好きです。
「おねがいちょっとだまってて」も結婚している攻め様を好きな受け様が切なくてよかったです。
それぞれのカプのシチュエーションが違っているし、恋愛の形も違うので飽きさせません。
内容も充実しているので安心して読める作品だと思います。
『誰がおまえを好きだと言った』
長年健気に昌幸(受け)を想い続けてる宗次郎(攻め)が可哀想でしかたなかった!
昌幸の為だけの人生だったんだろうなぁ……
ほんと昌幸悪いヤツです。でもイケメソだから怒れないorz
ずっと下手に出ていた宗次郎がキレた時の口汚さに思わずきゅんとしてしまいました(笑)
宗ちゃん、報われて良かったね。
『我が家は楽し』
内藤(受け)の、普段はサエないおっさんなのに、夜になると急に色っぽくなるギャップがたまらんです。
枯れたオヤジ受けの良さが分かってしまいそう(笑)
『照る日曇る日』『暗いトンネルの向こう』
私的には、課長にはバリタチでいてほしかった。
またしてもオヤジ受けです。
落ちぶれた課長がどんどん明るいところへ抜け出していく描写に感動。
『靴下の穴』『苺の染み』
これ好きーーー!
真性受けの石川くんが色気漂わせすぎです。
真性だけど、島田さんには一途で健気で……
なんとも可愛らしい。
『おねがいちょっとだまってて』
不倫の関係に不安を感じる栄司(受け)と、楽天的な勝(攻め)のお話。
結局は栄司の杞憂で終わるのですが、好きなのに感情のまま付き合うことができない関係が焦れったくてせつなかったです。
どのお話もそれぞれよかったです。
その中でも「照る日曇る日」と「暗いトンネルの向こう」が印象に残りました。
受けの元上司の失恋からくる壊れっぷりが半端ないです。
とても痛々しくて、同情するというより言葉を無くす感じなのですが、立花のおかげで少しずつ立ち直っていく様子がよかったです。
このカップルはまだまだラブラブには程遠い感じですが、喧嘩しながらも幸せになってほしいです。
ちょっと精神がやられた受けが好きな方(?)にもおススメです(笑)
……というのが私の率直な感想。
いや、私が山田ユギ症候群にかかってるんでしょう。キッパリ言える。
短編や描き下ろし等含めて9作掲載。
どれもドキドキするわー…何でユギさんの描く男性には色気があるの。
中でも好きなのは【我が家は楽し】。
モテモテでバツ3の円と、離婚したての文博。中学時代の同窓会で再会します。
もーーー!!ヤバイ!!ダメオヤジ同士がくっつくとか最高です…萌とはこういう事なのですね…(トオイメ)
元々文博は憧れの念を込めた意味で円を好きで、中学サッカー部時代はよく一緒に居た。
そしてお互い独り身になって寂しいから一緒に暮らそうか、という軽いノリで同居がスタート。
文博はまだ元妻に未練タラタラだったのだけれど、まぁ色々と変わっていくんですね。
そこで登場、円の最初の妻との間に生まれていた息子・晃太。
流石円の息子と言わんばかりに、節操ナイんだろうなーと見て取れる(笑)
でも晃太の悪態のお蔭で、円と文博の距離が近付いて、文博の自分の気持ちに気付きます。
そうか、憧れの気持ちは憧れだけじゃなく、文博は円に恋をしていたのですね、中学時代。
そう考えると、行く気もなかった同窓会に足が向いた理由に納得いきます〃
いやー、オヤジ両想いとか最高過ぎてのた打ち回りそうになりました(笑)
(元々子供居る男が、男とくっつくとか苦手だった筈なのに…ユギさんによって又何か違う自分の萌えポイント開花された気がする)
そして【おまけマンガ】。
やっぱりゲイバーのママスター(勝手に命名・笑)は面白い。
細かく分かれてはいけるけれど、
全部で4つのストーリーになるかな。
最初の物語に惹かれてこの1冊を手にしたのですが
やっぱり「山田ユギ」さん!
全部面白かった。
どのお話も、ちゃんとストーリーが成り立っているんですよね。
短編なのに、ストーリーがキチンと成り立っているなぁと
感じる本は、なかなか遭遇しないんだけど
今回のは全部楽しめました。
表題作のおまけが最後のページに載っているんですが
その短いページにも面白さがギュッと詰まっていて
楽しめる一冊でした。