心優しき黒獅子の村長×召喚された青年の異世界ケモ耳ファミリーラブ!

黒獅子パパの恋つがい

kurojishi papa no koitsugai

黒獅子パパの恋つがい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×214
  • 萌14
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
9
得点
130
評価数
40
平均
3.4 / 5
神率
15%
著者
成瀬かの 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
黒獅子パパの恋つがい
発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784041079782

あらすじ

出来の良い双子の兄と常に比較され、居場所のなさを感じていた楓は、ある日突然、獣人のいる異世界へ飛ばされてしまう。そこで母親を失った獅子の子・イアを助けた楓は、迎えにきた黒獅子・ヴァルトに連れられ、獅子の村に滞在することに。彼は人族との闘いで親を失った孤児を育てる村長(むらおさ)で、彼らの世話をするうちに、楓は意外な料理の才能を発揮し、自分の居場所を見出す。しかし、村の中には人族への反感があり、その牽制として、ヴァルトから自分のつがいになるよう求められ…!?

表題作黒獅子パパの恋つがい

黒獅子・「夜の彼方」の民で村長
双子の兄にコンプレックスを持つ青年

その他の収録作品

  • あとがき
  • 黒獅子パパが恋つがいを得てから

レビュー投稿数9

心踊る異世界体験譚

私はタレントさんとかが、スイスの山奥の村とか中国の少数民族の村なんかを訪れて、ホームステイする番組が大好きだったりします。
そう、言葉も分からず、文化も違うー。
そんな中で、タレントさんが苦労しながらも、ホームステイ先の人達と交流を深め、温かい関係を築いて行ったりするのが、やたらツボなのです。

で、今回は、まさにそんな感じの異世界トリップもの。
言葉が通じなくて、主人公が一生懸命言葉を覚えたりするのが、なんだかとても新鮮なんですよ。
また、成瀬先生と言うと、作り込まれた世界観が魅力だと思うんですけど。
そこで、主人公が暮らす事になる村が、斬新で面白いと言うか。
岩肌に貼り付いてる形で、家と家の間は階段で行き来する、みたいな。

いやもう、大好きな異文化ホームステイな上に、BLが加わるワケですから!!
大変、楽しく読めました。


内容ですが、黒獅子の村「夜の彼方」の村長・ヴァルト×出来の良い双子の兄にコンプレックスを持つ青年・楓による、異世界トリップものになります。

身体が弱く、周囲からも双子の兄・響のオマケのような扱いをされている楓。
彼がある日突然、異世界にトリップしてしまった所からお話はスタート。
ヒト族に浚われる途中の獅子の子供・イアを助けた事から、「夜の彼方」に滞在を許された楓が、彼等の村で自分の居場所を作って行く様。
そして、村長である黒獅子・ヴァルトと心を通わせ、ヒト族との争いなんかも乗り越えて、二人が結ばれるまでになります。

で、面白いのが異文化体験の部分。
ヴァルト達ですが、獅子族の獣人で、獅子の姿になったり人間の姿になったり自由自在です。
そして、長い間、ヒト族と争って来たー。

そんな中、ヒトでありながら夜の彼方に滞在する事となった楓。
当然、彼等の楓に対する心証は穏やかでは無いんですね。
ヒト族に、家族を殺されてる民もたくさん居て。

で、異世界トリップものと言うと、大抵言葉が通じていたりするイメージですが、今回は完全に意思の疎通が出来なかったりします。
村長であるヴァルトの一言で、村に滞在を許された楓。
周囲からの、自分に対するどこかピリピリした意識を感じながらも、言葉が通じない為に状況がサッパリ分からない・・・。
と、言うのが楓の境遇になるんですね。

ここから、いかに楓が、言葉が通じないながらも真摯な行動で、村人達に受け入れられて行くか。
そして、自分を保護し、おおらかに受け入れてくれるヴァルトと、互いに惹かれ合い結ばれるまで・・・、が見所になると思うんですけど。

ヴァルトですが、統率力を持つリーダーであり、更に楓に対して、基本的に甘いと言いますか。
本人達は言葉が通じてないのですが、読者には両者の言ってる事が分かる形で書かれているのです。
だから、ヴァルトが、やたら楓を小さくて可愛いとか言い、それにキョトンとしてる楓みたいなシーンに萌えちゃうんですよ。
いや、ほのぼのするなぁ~と。

また、楓が言葉を覚え始めると、カタコトで一生懸命ヴァルト達に話してるのが可愛いのなんのって。
獅子族ですが、男も女もゴツいんですよ。
そんな中で華奢な楓が、女と勘違いされてたりするのもまた楽しい。
いや、言葉の壁が上手い事使われていて、最後にプッとさせてくれるオチになってるんですよね。
こういうの、大好きでして。

あと、作品中でヒト族との争いが語られます。
双子の兄といつも比べられ、自分は誰からも見てもらえない存在だと思い込んでいる楓。
この戦いで、そんな彼のコンプレックスが解消されるのも素敵でした。
楓、自己評価がとても低いのですが、頭も良くて機転も効くし、かなりデキる子だと思うんですよ。
ヴァルトが惹かれてゆくのもよく分かるみたいな。
そう、言葉があまり通じないにも関わらず、二人が惹かれ合うのが自然に感じられるのも素敵な所で。
それと、楓が異世界トリップした理由ー。
成瀬先生らしい、一捻りあるオチで面白かったです。
「そっちかーーーい!」みたいな。
ヒト族もさぞかし悔しい思いをしたんじゃないでしょうか。

ところで、これほど楓を萎縮させてる家族の存在。
ここの背景が書かれて無い為、今一モヤモヤしちゃうんですけど。
楓を異常に囲い込もうとする兄も、その兄ばかり可愛がる両親も、一体何を考えてるんでしょうね?

と、若干モヤモヤが残る部分はありつつも、全体的にはとても好みで素敵な作品でした。

15

孤独な青年が居場所を見つけるまで

成瀬さんの新刊は異世界トリップもの。

異世界トリップものって数多くありますが、トリップした時点で会話が出来る(=言葉が通じる)ものがほとんどな気が。

ところが、今作品は言葉が通じません。身振り手振りで、時に推測を交えながらの会話がメイン。それゆえにすれ違ったり勘違いしたり、のモダモダが続くのです。このモダモダが良い…!

そして表紙の素晴らしさがなんとも言えない。
みずかねさんの描かれた麗しい絵柄、そしてもふもふ。
もう、たまらん!

ということでレビューを。

主人公は大学生の楓。
彼には双子の兄・響がいる。
同じ顔を持つ彼らですが、中身は正反対。

明るく、なんでも完ぺきにこなす響。
そして、響とは対照的に地味な楓。

響は事あるごとに楓に構ってくるけれど、響の影のような立場にいる楓にとってそれはある種苦痛でしかない。

そんなある日、楓は畳に沈む感覚を覚え、気づいたときには知らない世界へトリップしていて―。

というお話。

なんで畳か。

というと、楓と響は弓道をやっているから。道着に着替えるための部屋にいたときにトリップしてしまう。この「弓道」というのが後々大きな意味を持つ。

で、トリップしてしまった楓は、そこでヒト族によって攫われてきた獅子の子を助けてしまう。その獅子の子・イアを助けたことで、獅子の住む村、「夜の彼方」で保護されることになります。が、獅子の子を襲ったのがヒト族、という事で、つまりヒト族と獅子族とは対立する関係。そこに人間の楓が滞在することになり、様々な悪感情を向けられるけれど―。

そもそも楓を「夜の彼方」に連れてきたのは獅子族の長であるヴァルト。

ヴァルトはなぜ楓を「夜の彼方」に連れてきたのか。
もともとの世界で「いないもの」として扱われてきた楓の孤独と哀しみ。

その辺りを軸にストーリーは展開していきます。

が、さすが成瀬さんと言うべきか。

様々にまかれた伏線を上手に回収しつつ進むストーリー展開で、ぐっとストーリーに引き付けられます。
特に「伏線」がとにかく秀逸。

楓がたしなんでいた弓道。
楓の孤独。
ヒト族と獅子族の対立。

読み進めるうちに点が点となり少しずつ繋がっていく。そして最後にぱちりとピースが嵌まるようにすっきり話がまとまるさまはまさに圧巻です。

そしてもう一つの大きなキモは、モフモフ。

獅子族ですから。
もっふもふなんですよ。
すんごい可愛いの。獅子族のお子達が。

そして、「夜の彼方」ではヒト族によって親を奪われた子どもたちをみんなで育てるという習慣があるのですが、

これがめっちゃ萌えた…。
村の「これから」を担う子どもたちを、皆で愛でてかわいがる。
最高か。

で、最高といえばヴァルトも良い。
強く、たくましく、そして優しい。締めるべきところは締め、優しくすべきところでは思いっきり愛でる。まさにスパダリの鑑です。

が、しいて言えば、楓の家族についてもう少し触れてほしかったな、という気も。
楓の感じていた孤独は、楓視点でしか描かれていないのでなんとなく消化不良みたいな感じ。もう少し、家族視点でのエピソードがあれば、あるいはもっと萌えた気がしました。

言葉が分からず、でも、自分の居場所を作るために奮闘する楓の健気さも可愛かったし、そんな楓を愛でまくるヴァルトも素敵。

そして、ちびっこの獅子のお子達も、「夜の彼方」に住む獅子族の皆さんも、みんな等しく魅力的で非常に面白かった。楓が異世界トリップしてしまった理由もきちんと解明しているので読後はすっきり。

みずかねさんの挿絵は言うに及ばず。
綺麗で、萌え度は確実に上がりました。

8

前を向いて進むことの大切さ

今回は獣人達の街の長である黒獅子と
異界に迷い込んだ日本の学生のお話です。

双子の兄の影に隠れていた受様が
攻様との出会いで自分に自信を持つまでと
2人のラブラブな後日談を収録。

受様には
常に受様と一緒に行動したがる
優秀で綺麗な双子の兄がいます。

元々は受様が興味を示した弓道すら
受様はイマイチという評価なのに
兄は群を抜く力を発揮していたのです。

弓道に限らず兄は常に注目され
両親すら兄だけが自慢の息子であり
受様は影の薄い存在でした。

そんな受様に思いがけない出来事が
襲い掛かったのは弓道場の更衣室でした。

突然受様の足元に現れた光の文様が
受様を足元から飲み込み…

次に受様が正気付いた場所は
雨の降る緑深い森の中だったのです。

受様は光の文様に共に飲まれた
弓袋と大きな鞄を手に雨宿りの場所を
探し始めますが

獅子に似た獣が5人の男達を
襲っている場に遭遇してしまいます。

しかし、目を凝らすと
獅子の子を抱えた男に気づき
男達が襲われた理由がわかります。

受様は子を抱く男に声をかけますが
近くで見た男は日本人らしくなく
言葉も通じません。

その上剣で襲い掛かられとしまい
とっさに受様は弓袋で男の腕を打つと
雷の様な青い閃光が走り
男は吹き飛ばされてしまいます。

偶然の落雷を好機と
受様は子獅子を救出しますが
親獅子の命は尽きてしまいます。

その子獅子を探しに来たのが
漆黒の毛並みの立派な獅子でした。

この黒獅子こそ今回の攻様です♪

攻様は獅子の獣人で
獅子が住む街を治める長で
子獅子を助けた受様をもてなす為に
街へと連れて帰るのです。

獣人達は人族と折り合いが悪く
獅子達から反対の声もあがりますが
攻様は古きしきたりにより
2日のもてなしを宣言します。

言葉の通じない受様は戸惑いながらも
攻様の世話になる事にします。

受様は無事に元の世界に戻れるのか!?

コンプレックス持ちの受様が
言葉も通じない世界で仲間を得て
信頼される関係を築いていく
異世界トリップファンシーです♪

そもそも、
もふもふファンタジーが大好きなので
設定からしてMYツボなお話で
ワクワク読み始めました (^-^)

異世界トリップって
何かの目的で力のある異世界人が
召喚される設定が多いので

何らかの条件付けがされつつも
わりと言葉が通じたりするのですが
本作は全く言葉が通じません。

受様は身振り手振りからで
獅子達の言葉を学び、誤解も受けますが
自分に出来る事をしようとします。

また獣人は人間にもなれるのですが
獅子なので男女ともに立派な体格なので
受様は女性と勘違いされて
攻様は健気な受様に惹かれていきます。

受様は1度は人族の街へと送られながら
再び獅子達の街に戻る事を許され
攻様達の役に立ちたいと頑張るのです。

そんな受様に反発する獅子達もいますが
攻様はじめ子獅子達、女達は
受様の頑張りを認められていくのです。

そんな中、
人族達が獅子のもつ銀鉱脈を狙って
街を急襲するのです!!

その戦いの最中、
受様は魔術師の助力を受けて
獅子の街に迫る人族を一掃するまで

時に笑わされ、
時にシンミリさせられつつ、
たいへん楽しく読めました♪

冒頭から巧妙に張られた伏線が
クライマックスに向けて
徐々に明らかにされていく様は
とても見事でした。

言葉が通じないために
微妙にすれ違っている会話に
アワアワ、ジリジリさせられて
とても面白かったです。

もふもふな子獅子達も
とっても可愛かったです (^○^)v

受様視点だし
受様は攻様の隣で幸せになったけど
弟が目を離した隙に突然消えた
受様兄はちと可哀想だったかな。

両親はそうでも無くても
受様とはまた違った思いが有った
と思うのですよね。

今回は異世界トリップファンタジーで
月東湊さん『親愛なる僕の妖精王に捧ぐ』
をおススメしたいと思います。
こちらも受様が頑張る姿が胸を打ちます♪

3

飯テロ‼︎

異世界モフモフ物でした。
異世界に飛ばされた途端に血生臭いシーンでしたが、それ以降は無かったです。
苦手な人は安心して下さい。
双子の兄に劣等感を持って自分というものが無かった楓が、異世界でヴァルトに愛され皆に必要とされて自己を確立して行くお話でした。
楓が作る人族の食べ物に皆が夢中になって行く過程が面白くて、読んでいてお腹が空いて困りました。
料理を教えながら言葉を学んで行く過程も良かったです。
ヴァルトとのエッチシーンもなかなか色っぽくて、子どもたちに邪魔される展開も良かった。
楓を召喚した人物が登場しないまま終わったのと、楓に固執する双子の兄がこのままではいないような気がしてます。
続編あるんでしょうか?
期待を込めて神にはしませんでした。

1

No Title

成瀬かの先生のもふもふはほんと癒される~♡

みずかねりょう先生のイラストがまたまたぴったりで。優しい雰囲気でエロい。攻めの筋肉美と細っこい受けの対比。今回は弓をひくカエデが凛々しくてそこも良かったです。

獅子獣人と人間族が対立する世界に転生した楓が
獅子族リーダーのヴァルトと番になるストーリー。
元の世界での確執や転生の理由など色々設定が盛り込まれていますが、サラッと絡んでいて難しくも痛くもない、あったかい気持ちになれるもふもふBLです♡

0

異世界難度高

先生買い。ちびもふがころころ+みずかね先生の描かれる黒獅子さんがめっちゃカッコよい→色々楽しく萌え萌えだったのですが、あれは?と引っかかってしまったので萌にしました。言語通じない世界への異世界トリップもの、本編200Pほど+あとがき+後日談SS14P。

弓道を嗜む楓。その練習場の更衣室からある日突然、全く見知らぬ場所にほうり出されてしまいます。人に攫われていたライオンの子を助けたら、訳の分からない言葉のようなものを喋るでっかいライオンまで出てきて・・と続きます。言葉が通じないのはとにかく厳しい(笑)体液交換したら言葉が分かるようになるとかじゃないんです!ひたすら学習!!!すごい!

攻め受け以外の登場人物は
イア(ライオンの子)やその他ライオンっ子多数、ムガーリだのリールーだの男女色々のライオンさん多数、魔術師ぐらい。イアが頑張ったかな。

**好きだったところと気になったところ

ちびのライオンがころんころん出てきて、猛烈に可愛い箇所が2か所はありました。一緒に寝るなんて最高じゃんー!!!!もふもふころころの中に埋まって眠ってみたい・・・

もふもふ記載は可愛いし、攻めの王者たる様子はカッコいいし、受けが異世界で生きていこうと思うくだりは好きだったんですけど。
召喚されたんなら、なんで召喚されたのか知りたいーーーっってどうしても思ってしまって。
それから、あんだけこだわっていた響は、なんであんな状態で、二人の親はほんとに楓に興味が無かったのか?といったあたりの真相が知りたくて。その辺り、実は異世界に行ってしまった原因に関係あるんじゃないの 等と思っていたがために、さくっと終わってしまって肩透かしを食らった気分でした。
ヒトとの争いに決着つくわけでもないし。

可愛いです!ひたすら可愛いちび獅子たちを愛でる、もしくは大きな獅子のもっふり加減を楽しむ!という点では大好きな1作でした。ディアブロがお好きだった方は、これもお好きなんじゃないかと思いますがどうだろうか。

2

盛りだくさんなのに配分が…

ちびっ子モフモフズに癒やされました。

すごく盛りだくさんな内容です。
なのですが描写の配分が、なぜこんな大事なことに触れないの?なぜ?ばかり気になってしまって。

異世界トリップで言葉が通じない世界版です。

とにかく最初は主人公楓が可哀想で。双子の兄、響がなぜそんなに楓にくっつくのか?執着するのか?
その理由は書いてません。

異世界にトリップして響の劣化版ではない、楓自身で切り拓いて信頼を勝ち取って成し遂げて。
やっと響の呪縛から解放されましたね。

異世界まで来たのにいつまでも、響響、響なら響じゃないから…と可哀想を通り越して、そろそろいい加減にしたら?と。根深いコンプレックスで気の毒です。

そして実は楓は人族に召喚された勇者だったと!
ええ!最後の最後に?魔力を有効活用しなくていいの?

街の皆に丸聞こえでエッチして、大丈夫なの?楓ったら逞しくなったね!

ヴァルトだけがいつも味方でいてくれて。
あっさり抱かれたちゃったけど…。でも楓自身を見てくれる、必要としてくれる、愛してくれる、良かったね!

私も透明人間状態はよく経験があるので、共感して辛かったです。

楓に自分にあるもの、出来ることを自信に変えられて良かった。

電子書籍で読んでて本の厚みがわからないので、最後は突然、え?終わり!?とびっくりしました。

0

魂の片割れとの別離



作者様買いです。
ふもふなお話の多い作者様で、今作は特に仔獅子がたくさん出てきて、さながら保育園のよう。
もふもふな仔獅子がわらわらしているシーンは心が和むし癒されます。
ただ、話としては突然異世界召喚されてしまった受けが敵意むき出しの獣人の村で苦労して仲間になる話でした。

<あらすじ>
双子の兄に何一つ勝てず、兄の影のように生きてきた楓(受け)は突然異世界召喚されてしまいます。気が付けばそこは深い山の中でした。
戸惑う楓が見たのは仔獅子を誘拐した屈強な男たちと親獅子の戦いでした。獅子の味方をした楓は村長ヴァルト(攻め)の厚意で獅子の村へ招かれることになるのですが、彼らは獅子の獣人で人族に何人もの仲間を殺されていることから、村の獅子たちからは敵意を向けられひどく居心地の悪いものでした。それでも、ここがどこかわからず行くところもなく言葉も通じない楓はなんとか受け入れても
らおうと決意するのです。


楓は双子の兄・響の劣化版だと思っています。同じ顔をしていますが、全てにおいて響の方が優れており、両親でさえ響しか見ておらず、自分を響の影のように感じています。
常に楓と同じ行動をとろうとする響から離れることができず、誰も自分を見てくれない状況に諦めの境地です。
そのため、異世界に飛ばされたという衝撃よりも響が傍にいないという状況が嬉しく、敵意を向けられてさえ自分のことを見てくれているから嬉しいと思う楓が気の毒でした。

大味な獣人に様々な料理を教えることで自分の居場所を作ろうとする楓ですが、獣人たちの人族嫌いは激しく、一部の人からはなかなか受け入れてもらえません。
そんな時、ヴァルトが自分のものになれば皆が文句を言ってこないだろうと言い出し・・


結局、本当に周りの人は楓のことをいないかのように扱っていたのでしょうか。
楓視点だけだった上、元の世界への接点は持てずじまいだったので、彼らの真意はわからないままです。
その辺り、何かわかったらよかったと思いました。


異世界召喚では補正がかかっていて言葉がわかるようになっていることが多いのですが、今作はそれがないため楓はとても苦労していました。
言葉も通じない異世界人を大がかりであったであろう魔術を行使してでも召喚したのはなぜだったのでしょう。
その割には放ったらかしというのも解せない。

そして、獣人の味方をしてくれる魔術師の存在には驚きでした。
人族を嫌っている獣人もいるからおおっぴらにできなくとも交流はあるのだから、もう少し早く楓に紹介してあげてもよかったと思うのです。
楓のことを異世界人だと察し、人族の味方をされると困るからという理由で自分の村に連れ帰ったヴァルドに行動は理解できますが、もう少し楓のことも考えてあげてもよかったんじゃないかな。


疑問に思うことが残ったままだったことや、今回の脅威が去ったとはいえ人族との争いが終わったわけではないこと、獣人の話というと番に対して甘々な話が多い中、自分の居場所を作ろうと一生懸命の受けに対してもう少し甘くてもよかったんじゃないかと思ってしまってヴァルドのほうに共感できないままだったのもあって、スッキリしない読了感
でした。

1

なんとも言えない感じ

受けが卑屈すぎなのか?双子の兄が本当に嫌なヤツなのか?
そこが気になりモヤモヤ。

ま、この獣人達の元に来たのが、控えめな子だから受け入れられたのかもしれないよね?

えらく酷い人族の描かれ方に笑った。魔術師さんだけがまともな人なの?
イアちゃんを攫ってどうしたかったのかな?
いきなりお父さんが…って展開にショックだったわ。
楓は人族の国に着地しなくて良かった。

エロ獅子さんの周囲に聞かせる作戦なのか?そういう趣味なのか?
割といきなり突っ込んだもんだから、楓さんの体を心配しました。

響バージョンを読んでみようと思います。

0

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