砂原糖子さんのレビュー一覧

小説家先生の犬と春 小説

砂原糖子  笠井あゆみ 

大型犬と仔猫が縁を取り持つ物語

笠井さんの表紙がイメージする通りの物語。
表紙絵から面白そうだと思い、「猫屋敷先生と縁側の編集者 」を読まずに、この本を購入。読み始めて、前作があることに気付きました。
前作は、猫好き。
この作品は、犬も猫も好きな作家。
犬明の心の変化と、ゲイを隠して静かに生きたい春のやり取りが、面白い作品。
---
春は、マイノリティの生き辛さをずーっと、高校生の頃から感じていて、とうとう大学を中退…

1

心を半分残したままでいる 電子限定単行本未収録短篇集 ~未来を半分残したままでいる~ 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

お元気ですか?

時々「元気かなぁ」と思い出す登場人物が私にはいます。
いや、フィクションだってちゃんと解っていますよ。
でも、彼らがこの世のどこかで生活している様に思っちゃうんですよ。

このシリーズの静良井はまさしくそういう『思い出しちゃう彼』のひとりで、それもかなり度々「元気かなぁ……元気であって欲しい」と考えちゃう人です。
だからこのss(最後の一作『未来を半分残したままでいる』のみ、いわゆる短編…

10

心を半分残したままでいる 電子限定単行本未収録短篇集 ~未来を半分残したままでいる~ 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

神×無限大

たくさんの「嬉しい」が詰まってました。

読めなかったお話があれこれ読めて嬉しい。
大好きな二人に再び会えて嬉しい。
SSはどれもこれも良くて嬉しい。
そして読んでて、あぁ衛と真文は確かに生きている!!湘南のあの辺でいまもいるんだろうなぁという実感が得られて嬉しい。
けして安泰とはいえる状況ではないけれど(記憶喪失は一生繰り返されるので)この二人なら大丈夫だと思えて嬉しい。

好き…

11

恋はドーナツの穴のように 小説

砂原糖子  宝井理人 

いい年下攻めだった

感情の起伏が大きくない年下攻めが、受けの一挙一動に振り回されるのもかわいかったし、受けの年齢差などから気弱になって葛藤するのもよかったです。
あらすじで12歳差の年下攻め、バイトの店員と店長という情報からどう展開していくんだろうと思っていたのですが、丁寧に気持ちの移ろいや出来事が描写されていて、心配したような強引な印象もなく、ストーリーがするっと読めたので展開の波がちょうどよく感じました。
宝…

0

真夜中に降る光 小説

砂原糖子  金ひかる 

野良猫も愛を浴びて

「夜明けには好きと言って」のスピンオフ作。
本作の主人公は、あの意地悪ホスト・金崎新二。
時間軸は、「夜明け〜」の後半くらい。

新二はいつも何かに苛立っていて、すぐキレる暴力的な男。
冒頭、酔っ払いと喧嘩して雪のちらつく路上で伸びていたところを一人の男に助けられる場面。
この男性は物静かで、礼儀正しくて、まるで聖人のように新二に接してくる。
新二ははじめ戸惑い、いつものようにイラつ…

3

夜明けには好きと言って 小説

砂原糖子  金ひかる 

呪縛、再会、そして解放

ホストxホストBL。
ですが、きらびやかさは無く逆に泥臭ささえ感じる作品。
というのも、主人公のホスト・白坂がとにかく暗い。

子供の頃からの容姿コンプレックス。
自動車事故を契機に形成手術で顔を変え、名前も変え、都会に。
ところが、紹介されて行ってみたホストクラブに中学時代の同級生・黒石がいて…
中学時代、黒石が告白してきたので白坂も真面目に考えて少しの間付き合ったのだが、実は黒石…

1

恋はドーナツの穴のように 小説

砂原糖子  宝井理人 

ドーナツを見る度に思い出しそう

とても面白かったです!
砂原先生は、なんでドーナツにしたのか忘れてしまった──と、あとがきで仰っていましたが、作中ではドーナツの穴に〝過去の恋への未練〟みたいなものを当てはめていて、なるほどなと思いました。
ちゃんとタイトルに意味を持たせているという所は、流石です。

何もないはずなのに、目には存在しているように見えるドーナツの穴。
過去の男との思い出を美化して、あたかも気持ちが残ってい…

0

アンダーエール! 小説

砂原糖子  小椋ムク 

親友同士の甘酸っぱい恋

真面目でちょっと強面な剣道部のエースの桝木と、誰もが認める爽やかイケメンの折川。
タイプが正反対な2人は親友同士。
仲のいい2人がどのタイミングで、どちらから想いを伝えるのかドキドキしながら読みました。

折川が桝木を「昇ちゃん」と呼んで、桝木がちょっと戸惑う表情をするも、怒らずに受け入れてくれたり。
折川のピンチには助けてくれたり…。
桝木は、なんとも格好良くて、それだけ折川のことを…

1

心を半分残したままでいる(3) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

1-3巻の感想 合本にしてほしい

ジリジリと苦しみながら読みました。
1巻から読んで2巻までは、過去の真文の説明です。
出口が見えない構成なので、まどろっこしくなって、もう読むのを止めようかと積読に。想い直して続きの2巻の半分からやっと3巻まで読了。
・・・この作品は1-3の三冊で一つの作品、1-2は3巻の為の説明。3巻で謎が解き明かされる。
だから3巻一緒に全部読まないと意味がつながらない構成になっている作品です。
や…

1

言ノ葉ノ花(上) コミック

三池ろむこ  砂原糖子 

「心の声」で「好き」がダダ漏れな攻が可愛い

攻のギャップが本当に最高な作品で……!
表ではスン、とした武骨な不器用男性が、心の中では「受さん好き」「好きだ」「受さんと一緒にいられて嬉しい」「もっと受さんと…」などなど、物凄く素直な年下わんこになるギャップに心臓を仕留められます。
もともと原作小説があるのもあって、ストーリーが一寸の隙もなく濃密で、受が攻のまっすぐな「心の声」で浄化されていく姿が感動的に&怒濤の胸キュンとともに描か…

4
PAGE TOP