ミドリノエバさんのレビュー一覧

見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

心理描写が丁寧、二人の共通点は「寂しさ」

だいぶ以前の作品は、誰かが突然凌辱されたり、みんな殺されて独りだけ生きのこったり、悲しくて痛い結末を書く作家だと思っていたんですけど、最近、円熟したというか、痛くない作品が増えてます。

この作品は、心理描写が丁寧。
頑張っている人には、ジョッシュの言葉が、自分に言われているように響くかも。

●ジョッシュ・ブライス:25才
表紙の座っている黒髪、留学準備で来日したアメリカの大企業の御…

1

愛を乞い、恋を奏でる 小説

葵居ゆゆ  ミドリノエバ 

紬希が「生きる意味」を取り戻す物語

衣服の皺まで丁寧に書かれている挿絵。硬い線の絵が、紬希の脆さを表している。

満和紬季:
実母に育児放棄され、7才で満和家に養子になる。
沙凪江が喜ぶのでピアノを演奏、沙凪江の希望で留学。
帰国後、沙凪江が紬季を庇って事故死。紬季は、後追い自殺を図る。
沙凪江を失い、ピアノを弾く意味を失って弾けない。
誰かに必要とされなければ生きていけないトラウマ持ち。

銀城真絋:
ピアノ調…

2

運命の向こう側 小説

安西リカ  ミドリノエバ 

オメガバースだった

全くそうだと知らずに読んだのですが、普通のオメガバースじゃ無かったので面白かったです。
オメガ性の世界からそうじゃ無い世界へ移動してしまった二人。

オメガ性の世界なら、番、伴侶という絶対的なつながりがあるのですが、普通の世界にはそれが無い。すぐに別れることだって出来る。
そんな不安定な関係に不安を感じながら、戻るべきか悩む受け。
オメガ性の世界では、オメガであることに引け目を感じ、妊娠…

0

愛を乞い、恋を奏でる 小説

葵居ゆゆ  ミドリノエバ 

執着溺愛ハーモニー

攻による執着と言う名のトリートメントが受の傷と喪失を癒すラブストーリーで、”愛傷コレクション”が好みの作品だった読者(私)には当然のようにハマりました!

葵居先生によって、”敬語でえげつなくせめる”という性癖の扉が開いてしまいました。丁寧にとんでもねーことをいたしてしまう攻、そんなとんでもねー要求に従順な受、このパターンに萌えがあることに今まで気づきませんでした。というか、たぶん他の作品でこ…

1

百五十年ロマンス 小説

遠野春日  ミドリノエバ 

ロマンチック♡

タイムスリップして祖先の隠されたロマンスを知り、自分も愛しい人に出会う。夢があってロマンチックでした。夢を見失いかけていた楡崎が、希望を見出して前向きになっていくのも良かったです。
タイムスリップしても落ち着いている楡崎が頼もしく、ケネスとの出会いにドキドキ。アンとロイドの秘めた恋は切なかったけど、真相を知れて良かったです。途中ケネスとの別れは悲しかったけど、まさかの再会にときめきました。アンと…

3

百五十年ロマンス 小説

遠野春日  ミドリノエバ 

タイムスリップもの

作家とプロデューサーの二人がタイムスリップしながらちょっとした謎を解きながら愛を深める…というようなお話。

が、私には入り込みにくく、なんで二人が結ばれたのかの意味づけがうまく出来ず、ちょっと消化不良。さらに、謎?疑問!を解決するというところもちょっと浅い感じでもの足りませんでした。
タイムスリップ自体、現実味が無いので仕方ないんですが、どう惹かれあったのかが読めなかったのが一番かも。

4

百五十年ロマンス 小説

遠野春日  ミドリノエバ 

タイムスリップ探偵?

雑誌掲載分に書き下ろしを合わせた二部構成。主人公が第一部で19世紀イギリス、第二部で日本の80年代にタイムスリップし、過去に叶わなかった恋の真相を探るという主旨。

かなりトントン拍子にお話が進むので、受けと攻めが運命的に引き合わされたインパクトがちょっと薄まってしまったような…。個人的には前半、ケネスの正体が繋がったところでクライマックスを迎えました。

続編にいたっては、まるで連続ドラ…

2

バーテンダーはマティーニがお嫌い? 小説

砂原糖子  ミドリノエバ 

拗らせ受けが苦悩から解放されて…

お酒は好きですが、あまりカクテルは詳しくありません。
カクテルが氷の削り具合や、混ぜるタイミング、シェイクの方法で味が変わるなんて知らなくて、新しい発見がありました。

偶然にもこの作品を読むまえに読んだコミックも自分がゲイだと受け入れられない主人公だったので驚きました。
こちらの作品の拗らせ受けくん戸原は長年のゲイへの拒否感からホモフォビアのノンケもどきになってしまった子。
だからとい…

1

百五十年ロマンス 小説

遠野春日  ミドリノエバ 

シリーズ化して欲しい

大好きな遠野春日先生の新作という事で楽しみにしてました。先生の抑制の効いた文章が大好きなんです。

今回はタイムスリップものだという事ということで、いつもの遠野先生とはちょっと違う魅力がありました。

雑誌掲載分の「百五十年ロマンス」は淡々と進んで行って、正直言って後半までケネスの正体と目的が分からずにこのお話の決着点は何処にあるのだろうと心配になったほどでした。

でも楡崎が元の世界…

6

百五十年ロマンス 小説

遠野春日  ミドリノエバ 

人の想い

先生買い。ミドリノエバ先生の挿絵がぴったりな、しっとり大人の恋話でした。最後の最後が「わあ♡」と嬉しかったので萌にしました。ファンタジー要素大丈夫で、しっとり系がスキな方でしたらオススメです。雑誌掲載分130Pほど+その続き120P弱+あとがき。

一作目で賞を受賞したものの二作目は売れず、三作目も書けずにいる小説家の楡崎。江戸時代から続く旧家に生まれ、働かなくてもよい身分で容姿端麗なせいか、…

4
PAGE TOP