牧さんのレビュー一覧

彩雲の城 小説

尾上与一   

最後まで読んでこみあげてくるものが・・・

太平洋戦争の若き将兵達のはかなくも美しき青春を描く1945シリーズ3作目。
前巻の「蒼のかたみ」と同じ最前線の南太平洋のラバウル基地が舞台に展開されています。
前巻が「動」とすると今巻は「静」の印象を受けましたが、後半はサバイバルな展開で息もつけなかったです。最後のページまで読んでホッとし、藤十郎と伊魚のペアに肩入れしていた自分に気づきました。

尾上先生の小説は、エンタメ小説とい…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

切ない、、だけど優しくてあたたかい。

1945シリーズは中々怖くて手が出せませんでした。シチュエーションは好ましいけど、時代だけに悲しい結末ならいやだなと。気持ち落ちたら中々立ち直れないので。しかし読んでみると前3作は安心な結末でした。
が、しかし、ついに今回は死ネタでした。
他とは違い表紙が1人だからおかしいなと。レビューで確認していたのでなかなか読む迄覚悟がいりました。手元にはあるし読みたかったし、不思議と皆様納得の様子だった…

2

天球儀の海 小説

尾上与一   

戦時下に募る想い

初恋の人を守るために特攻に行くことを決意した、航空兵、希(ゆき)の物語です。
尾上先生の1945シリーズ第1作目の舞台は唯一の日本国内で、そのためかシリーズの中でも独特の雰囲気があります。
5歳の時に助けられてから、ずっと忘れることのなかった名家の坊ちゃん、資紀(もとのり)。
資紀の身代わりになるために、成重家の養子となる、その道中を描いた冒頭は日本の童話のような趣きがあり、引き込まれていき…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

死ネタちょっと...って思ってた

『死ネタはちょっとなぁ〜...苦手なんだよ...』と大好きな尾上与一先生の作品にも関わらず買ったわいいものの読む勇気が出なかったこの作品...。私と同じことえお思う人もいるのではないでしょうか。

だがしかし!!!!!!!

思い切って読んでみて下さい。
正直、私はシリーズで一番と言っていいほど泣きました。
死ネタではあるものの不思議とハッピーエンドではないか
と思えてくるのです..…

5

碧のかたみ 小説

尾上与一   

語彙力返せ!!

この本を読んだのは2年くらい前ですがティッシュ箱片手にガチ泣した記憶が...( ;∀;)
読後はどうしたらいいかわからずとりあえずウロウロ....。
そしてまた開いて泣く。
2年経った今でも、青い大きな花火を見るとこの作品を思い出して泣く始末...。
いい意味でトラウマ!!!

2

謹製ヘルブック 小説

尾上与一   

エロいけどそれだけじゃない

尾上さんの「1945シリーズ」の番外編集第2弾。第一弾の『郵便飛行機より愛を込めて』に続く第2弾の今作は『彩雲の城』の藤十郎×伊魚がメインです。同人誌『謹製ヘルブック』『続・謹製ヘルブック』にプラスして、書店用特典ペーパーも収録されている読み応えのある1冊でした。

同人誌を追いかけていない身としてはとてもありがたい1冊。でも同人誌のすべてが収録されているわけではないようで、そのあたりは同人誌…

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彩雲の城 小説

尾上与一   

「生きててよかったって言わせてやる」

「蒼穹のローレライ」で感涙し、(しばらく立ち直れず他の小説を読む気にならならないほどでした)続けて「碧のかたみ」→そして今作、「彩雲の城」という順で読みました。
前作、碧のかたみの月光ペアが随所で登場したりして、月光ペア好きの私としてはラッキー。
しかし前作を読んでいなくとも全く問題ありません。

今作は、婚約者に逃げられた谷藤十郎(攻)と、ある理由からラバウル基地へ(左遷)されてきた緒方…

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彩雲の城 小説

尾上与一   

期待をはるかに上回る!!

蒼穹→碧→天球儀、そしてこの彩雲の城の順で読みました。「蒼穹の。。。」が余りにも悲痛で心に深く残ってしまい、しかも一番に読んでしまったもので、この作品は特に期待をせず読んだのですが、想像していたより全然良かったです。伊魚の過去(藤十郎のはそんなに酷くないと判断)はありますが、全体的に二人の会話などが微笑ましい場面が多く、背景には戦争がありますが、4作の中では一番ハラハラせず読み進めるのではないかと…

3

天球儀の海 小説

尾上与一   

失ったものはあるけれど

シリーズ第一弾という事で読み始めたものの、冒頭の"誰かの身代わりに特攻に行く、そして笑みがこぼれるほど嬉しい"、そして"恋の始まりがとても幼い"という点が私の心を開かず、読み切らずに放置していました。。。その後、「蒼穹のローレライ」「碧のかたみ」を読んでハマり、この「天球儀」に戻りました。私的には、希の兄が出てくる「碧のかたみ」を先に読んでこちらという順番が…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

「孤独から、三上へ。」

ああ、塁。。。やっと孤独の闇から抜け出せたのに。。。
そして三上には、塁の戦う意味が変わったことにもっと早く気づいて欲しかったなあ。。。
でもそのもどかしさがこの小説の味わい深さなのだと思います。
話の展開のわからない冒頭から、三上の号泣とともに涙し、クライマックスの場面では涙が止まりませんでした。

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