一穂ミチさんのレビュー一覧

2013 Autumn 小説

一穂ミチ 

奪われた幸せ 与えられた幸せ

「おとぎ話のゆくえ」の若様と来杉。
実家の100倍くらい都会の京都で続く学生生活……
湊(=若様)、家庭教師しているんだ!と思いながら読み始める。

どうも最近目が悪くなったようだ(以前は2.0w)という湊は
眼鏡屋に行くのに来杉につきあって欲しいと頼む。
いつもながら適当で口が悪く、でもなんだかんだ言って湊が大事な来杉と
真っ正直な湊。
「やりたくなったか」と訊かれて、こくこく頷…

5

朝から朝まで 小説

一穂ミチ  山本小鉄子 

大人の垣根はもっと高い?

一穂さんの作品なので購入したのですが、うーん、はまれませんでした。
真面目さん同士だから、勢いや花がないのでしょうか?


受けの結は、早朝番組『サニーデイ・モーニング』でアルバイトをしている大学生。
ディレクターの悦巳に可愛がられている。

テレビ局の報道記者が、攻めの京平。
堅物で真面目、自分の信念を持ってドキュメンタリーを作り上げようとしています。
悦巳の友人。

この…

1

秋雨前線 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

come rain or shine

生々しくも切なく美しい傑作「ふったらどしゃぶり」の番外同人誌。
竹美家先生の描いた本編の表紙も素晴らしかったが、
画像では伝えきれないこの黒い表紙の何と魅力的なことか!

裏表紙とつなげて見ると二人が手をつないでいるデザイン自体は
9月に行われた初サイン会でのお土産配布本と同じだが、
そちらがクラフト紙の素朴な味わいの印刷だったのと対照的に
こちらは鮮やかな黒の地に、濡れたように水滴…

10

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

必要な時間

『ステノグラフィカ』『off you go 』と世界観が同じ作品。
時系列にいっても、最初の作品です。
攻め、受けの両方の視点が楽しめます。

受けの一束は香港からの帰国子女。
高校時代はクラスに馴染めず、旧校舎の空き教室が唯一息抜き出来る場所でした。
現在は29歳。
堪能な中国語を使い、香港で仕事をしている。

攻めの圭輔は高校時代は水泳部。
世話好きで気さくな性格。
旧校…

7

秋雨前線 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

雨が上がれば、至って普通の日々。

セックスレスのカップルというテーマや
全体に漂う緊張感、畳み掛けるような展開が
とても鮮烈な印象を残した『ふったらどしゃぶり』。


こちらの同人誌では
本編にあった激しさや緊迫感はなりを潜め、
恋人となった二人の、甘く穏やかな日常が描かれます。

時には喧嘩もするし、びっくりな出来事もあるけど
どしゃ降りのような衝撃はありません。
あんな奇特なドラマを経て、結ばれた二人にし…

8

2013 Autumn 小説

一穂ミチ 

"湊だけの、黒い瞳。"

『おとぎ話のゆくえ』より、隼人と湊。

今秋のJ庭にて無料配布された
「黒い瞳」というタイトルの、6ページの小冊子です。



「結婚する前は両目しっかり開いて、
 結婚した後は片方つむるんや」

家庭教師先の夫婦から、そんな話を聞かされ、帰る道々。
そういえば最近、視力が落ちたと気がつく湊。
今までは2.0あったのが、都会(?)に出てきて
目を酷使した結果、見えが悪くな…

3

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

オセロみたいに人の関係も白黒ハッキリしてればね

ネタバレなしで書きます。

大学生のお話です。
派手派手しさはないですが、日常系がお好きでゆったりとしたストーリーがお好きならばハマるかもしれませんよ。


槇志は離島出身で、一人暮らしの大学生。
オセロが趣味で、サークルにも入っています。
真面目であまり外で自己主張しないですが、確固たる信念のありそうなタイプ。

塁も槇志と同級生ですが、性格は正反対。
女の子にはちょっと奥…

3

ふったらどしゃぶり When it rains, it pours 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

愛とセックスの関係

一穂ミチさん初読みです。
恋人(同居人)とのセックスレスに苦しむ二人が、悩みを共有するうちに恋に落ちる物語。
最初は、顔も名前も知らないメル友として、お互いの傷を舐め合う関係。
お互いのメールが心の拠り所になってきたところで、実は相手が会社の同僚であったことに気づき、さらに距離を縮めていく二人。
そしてそれが、現在進行形の恋人との間の小さな亀裂(と思い込もうとしていたもの)をより大きく、致…

26

藍より甘く 小説

一穂ミチ  雪広うたこ 

遙の存在に神評価

攻め目線が読めるのは嬉しいのですが、ひじょうに攻めの入江が苦手!
一穂さんでなかったらこの作品は好きになれなかったかもしれませんが、入江が嫌いな分、遙が健気で可愛すぎです!
今まで読んだ中で、わたしにとって一番可愛かった受けさんでした。
そういう意味でも忘れられない作品となりました。

受けの遙は、実家が藍染めに使う藍という植物を育てる農家。
大学へ通うために実家を離れ、一人暮らしをし…

7

シュガーギルド 小説

一穂ミチ  小椋ムク 

雪と砂糖

読書をする時間帯は基本的に決めていて、一番集中できる時間にしか読まないんですが、どうしても途中でやめることができなくて読み切ってしまいました。
夢中になるくらいスピード感があるようなお話ではなく、むしろその逆で、ゆっくりと読み進めるけれど途中でやめることはできないという、あまりほかの作家さんでは感じられない空気感があって、読後感はとても良いです。
和のツンデレな性格がよかったかな。なよっとした…

3
PAGE TOP