凪良ゆうさんのレビュー一覧

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

重い話のわりにあっさり読めてしまう

ゲイ相手の恋愛詐欺師と、カモられるお医者さんのお話。いいお話でまとまっているのだけど、話自体が短くて、本の半ばで本編が終わってしまうのが物足りない。特に、じっくり読みたい後半の、恋愛の自覚→葛藤→逮捕→服役の流れが急ぎ足に感じられてしまった。

恋愛詐欺師としていろんな男を手玉に取っていたはずの蓮が、加賀谷に惚れたきっかけが、お金を渡した後にセックスをしなかったから、というのはちょっとピュアす…

5

積木の恋 小説

凪良ゆう  朝南かつみ 

積み上げる恋

凪良ゆうさんの作品は評判の高いものを何作か読んだけど、この作品が一番気に入りました。
あとがきに、凪良さんの積木のイメージは「すぐ崩れるもの」だけど、担当さんは「ひとつひとつ積み上げていく感じ」と返事したとあり、私のこの作品の積木は積み上げていく方の印象だった。
出所後、同棲するまでが一段、クリスマスにケンカし仲直りしてもう一段、この先は、加賀谷の実家と戦って一段、蓮が無事就職して一段と、積み…

0
非BL作品

わたしの美しい庭 非BL 小説

凪良ゆう 

何かを振り切って行く

先生買い。そんなに落ち込まずに済んだので萌にしました。人生色々考えてしんどいわ、という方に少し楽になるためのヒントがあるかもと思うお話で、全5編260ページほど、です。

登場人物は
統理(とうり、♂、百音の保護者)、百音(もね、♀、10歳)、路有(ろう、♂、ゲイ、統理のマンションに住む)、桃子(♀、39、医療事務している)、坂口(桃子の高校時代の彼氏)、基(坂口の弟)、忠志(路有の元カレ、…

5
非BL作品

わたしの美しい庭 非BL 小説

凪良ゆう 

肩の力が抜けてゆく

※ゲイの青年は登場しますが、物語のメインテーマはBLではありません。

マンションの屋上庭園の奥には朱塗りの祠がある。
悪いご縁を切るための「縁切り神社」で、地元の人たちからは「縁切りマンション」なんて呼ばれている。
そこに住むのは神社の神主を務めながら血の繋がらない娘を育てる統理とその娘の百音、親子の隣人兼親友で同性を愛する青年・路有、昔亡くした恋人を想い続ける桃子、とみんなそれぞれが失…

4

雨降りvega 小説

凪良ゆう  麻々原絵里依 

これほど悲しくて痛いのに、それでも求め合っちゃうって何なんだろうなぁ

マイノリティ故の孤独を抱える主人公が出会った、優しく穏やかな年上の男性。
ネットで知り合った二人は、互いの事を何も知らないまま惹かれ合う。
そして、別離を選びますが、残酷な再会が待っていてー・・・と言うお話。

凪良先生の切ない系のお話ですが、ガチで心を抉られる為、避けてたりします。
心情描写が上手すぎて、痛みがリアルなんですよ。
自分が実際に体験してるが如く、ズタズタになる。
しか…

6

愛しのニコール 小説

凪良ゆう  yoco 

賞味期限切れの恋の行方

間違いなく神作品。本当に素晴らしい作品でした。
小さな田舎の町で暮らしゲイである事がバレていじめられているニコは絶望して夜のプールで自殺をしようとする。そこで偶然会った同い年の榮。
ゲイである自分を気持ち悪いという事もなくただただ普通に受け入れてくれた。むしろ少し面白がっているくらいだ。今まで異質だと排除されてきたニコにとって榮との出会いがどれだけの希望だったのか計り知れない。こんなの絶対好き…

3

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

読みやすい。ただそれだけ。

そんな世間は狭くないんじゃないかなぁ?
過去関係があった人とその後一生会う事ないのが普通だと思うんだよ。
で、微妙な時期にそういう再会みたいなご都合主義なストーリー展開。くだらない展開だなあ。
過去は回収する必要ないんじゃない?

読みやすいとは思うんですけど、根底にある思想とか思惑みたいなものが透けて見える感じがする。
そこが合わないんだろうな。

いつもながら受けが不幸な過去設…

2

悩ましい彼 美しい彼 3 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

苦しみながら成長していく二人の物語に萌えと感動

今作も相変わらずの平良節は絶好調で、そんな隠れオレ様に翻弄される清居でした。

まじめに本気で崇め奉る神のごとき清居への賛美とそこから導き出される思考の斜め上な発想に笑い最後はホロリとさせられました。
平良視点でそこにいき着くまでの段階を知っている読者と、結論だけ語られた清居が「なぜそんな言動に」と理解不能となる不条理に可笑しいやら焦ったいやら…

普通の恋人同士のように甘えたり頼られた…

3

ニアリーイコール 小説

凪良ゆう  二宮悦巳 

好きとしかいいようがない作品

「たくさん愛して、愛されて、幸せに生きてって」と言い遺して身を投げた母親。
「おまえの愛は重い」と言って去っていったかつての恋人。

多感な時期のそれらによって心に枷をはめられ「愛してほしいなら愛しすぎないように」と自制する仁居。

背景は重い。
重いけれど、感情に溺れることなく物語は淡々と、そして丁寧に紡がれていく。

ふつーだったら、こういう不憫受けには完璧なスパダリを当てがっ…

5
非BL作品

流浪の月 非BL 小説

凪良ゆう 

読後感

先生買い、非BL本。どんなお話だろう?と全く予備知識なく読んだのですが「せっかくの善意を私は捨てていく。そんなものでは私はかけらも救われない」という帯のまんまでした。すごかった。ブルっとすると言えばいいのかな。ただ読後、どうしてもやるせない気持ちになるので萌どまりにしました。女子が主人公でも大丈夫、かつ正解のない、シリアスよりのお話が好きな方限定で超絶おススメです。凪良先生だもの、心情描写がすごい…

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