戸ヶ谷新さんのレビュー一覧

2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

いろんな愛がある

永真はカルト宗教の教祖として、春一はアロマンティックであることを知られていないと「恋愛するのが普通でしょ」の圧にさらされ、2人ともそれぞれ違う形ではあるが尊厳を踏みにじられている。
この2人とは形は違っても現実に尊厳を尊重されないことってよくあると思うんです。それを痛切に感じました。
カルト宗教についてはステレオタイプの域を出ていない印象ですが、本作ではそれよりアロマンティックな春一を通して普…

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CURE BLOOD コミック

戸ヶ谷新 

普遍的な愛情を描いた物語

初読み作家さまです。この後もう1作読みます。
流れるように気持ちよく読めました。
とてもいいお話。
各話のタイトルが「LIFE」なのがいいですね。
吸血鬼のようになった忠雪を守る人の名前が十字なのは逆説的な意味なんでしょうか。
忠雪がなぜそんな体になったのかは明かされない。描かれたいのはそこではないからなんでしょうね。
そしてBLでありながら恋愛に発展しないのが大胆で思い切った作品だな…

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2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

カテゴライズする事で楽になる事もあるかもだけど決めるには早くない?

毒親持ちで大変な2人の高校生のお話……
なんて括りでは済まされないのですが、こんな境遇地獄だわ。
主人公は、母親が新興宗教にハマってる宗教2世の東 春一。
その新興宗教の生き神に仕立て上げられた賽原 永真。この2人が同じクラスに存在してる。

春一の母は、宗教にのめり込む事で救いを求めて精神の安定を得てるんだけど、息子にも強要。勝手に息子の名前も加入させてたり騙して教団の集会に連れて行っ…

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CURE BLOOD コミック

戸ヶ谷新 

No Title

あらすじを読んで気になって購入しました。
どうして吸血体質になったのかは不明のまま、他人を吸血行動に走らせるウィルスとかでもなく、その治癒力も培養できないとか。
(おそらく導入部分の盲腸の手術がきっかけっぽいのですがそこら辺は曖昧なまま)
主人公二人がお互いを必要としている暮らしを見続けるような感じで物語が進みます。
激しい激情や日陰暮らしとか暗すぎる展開はなく、でも見た目が変わらないから…

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2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

No Title

ちょっと重めの題材を扱っているので、好みは分かれるかも。
宗教とアセクシャルが主軸にあるので。
ものすごく今っぽい(令和)感じです。
連載を追ってるときすごく面白く読みました。
文芸にカテゴライズされるような内容だなと思います。なので軽く読めたり、明るい気分になりたい時には読めないかも。
思ったより評価がついてないのですね。
やっぱり性愛が全面に出てる方がしっくりくるというか、受け入れ…

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2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

宗教とセクシャリティがテーマの異色作

なんか変わったテーマのBLないかなと思って手に取ったのがこちらの作品でした。
なんだかとても深い考えさせられるお話です。
宗教にハマる母を持つ春一なんだけど結局宗教って今問題になってるけど、本性はお金をあつめることでしょう
春一の母がどれだけ献金していたかは描かれてないので、そこはどうなんだろうと思ったけど、でも母に騙されて連れて行かれた施設が、まるで推しを愛でる会みたいで、ちょっと笑えた

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2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

母親の描写が気になる

本作はマイノリティの可視化・偏見からくる差別を描いていますが、読者側がフィクションに頻出する偏見まみれのカルトにハマるヤバい母親像を共有していなければ、まるで作品に共感できない点に疑問を覚えました。
春一の母親がハマっている宗教が結果として教祖(永真)への虐待を容認する教団だったという点だけで、母親自体そこまで糾弾すべき人間だったのか正直疑問です。
息子の春一にも同じように敬虔な信者であること…

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CURE BLOOD コミック

戸ヶ谷新 

謎は多いけれど

戸ヶ谷先生の2作目がすごく良かったので、デビュー作も遡って読んでみました。
結果、なんとも言えない独特の世界観があって最高に良かったです。

突然変異によって普通の人間ではなくなってしまって、血を求める衝動に忠雪自身さえも驚き戸惑ったというのに。
それをいとも簡単に受け入れてしまった十字の"なんでもない"優しさがすごく沁みました。

忠雪を支え続けたその生涯、表向き…

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2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

あらゆる場面で自分と違う人を許容することの難しさ

 タイトルから宗教絡みなのは予想できると思いますが、BLでは扱いにくいであろうアロマンティックなキャラを描いていて、二重にも三重にも現代を反映させた作品でした。宗教2世の春市と、その宗教で崇拝されている永真。永真の生活は何もかも自由を縛られていて、食事も遊びも人との触れ合いも同年代の子供とはかけ離れたもの。自慰すら部屋でできず、春市に教えてもらって初めてできた時に涙した彼を見て、萌えも興奮もなく純…

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2世と器 コミック

戸ヶ谷新 

悪い意味の☆2つではないです

題材が題材なだけに評価が難しいです。
教団というものがどういうものかよく知らないので、話の設定がどこまで事実に近いのか違和感の有無すらわかりません。そういう意味では疑問を持たずにすんなり読みました。実際に何かしらの宗教に入っている人は案外多いと思っています。そうした人がこれを読んだときにどう感じるんだろうという目線で読みました。

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