イケメンでめちゃくちゃモテるけれども、恋愛に関する考え方がかなりクズな逢見。
そんな彼が初めて付き合った同性の楓によって変えられていくまでが描かれたお話。
冒頭から独特な恋愛観を繰り広げる逢見ですが、そこにグイッと食い込んでいく楓もかなりの変わり者。
どこまでもテンポの合わないふたりだけど、それによってどんどん逢見がペースを乱されていって知らなかった自分の中の一面を見つけていく様子がすごく面白かったです。
追われる恋愛ばかりだった逢見にとって、追ってこない楓は未知なる存在だったことでしょう。
恋をしていることにすら気が付いていなくて、頭の中がハテナだらけになっている逢見はちょっぴり可愛かったです(笑)
クズだと言われたくさんの女の子を泣かせてきたであろう逢見の、ウブい反応も見れて大満足でした。
ぜひともふたりのその後は見てみたいところ。
いつか続きが出ないかなーとずっと密かに願っています。
晴れて幸せカップルとなったふたりの続編。
今作も期待を裏切らない甘さとエロさを堪能させてもらいました…!
ふたりはめちゃくちゃラブラブで、お互い相手のことが本当に大好きなんだなぁということが色々な場面から伝わってきます。
紫苑の愛情表現の真っ直ぐさは相変わらずですが、それにしっかり応える蒼汰が可愛くグッときました。
親への紹介だったり友達に付き合っていることを明かすかどうか?というエピソードでちょっぴりハラハラするようなところもあるけれど、すれ違ってしまうようなふたりではないのであまり心配なく見守れます。
この安心感もふたりを推せるポイントだなと思いました。
そして濃厚な絡みがこれまたイイ…!でもエロいだけではなくて、どの場面でも愛を感じるのが最高でした。
愛しているからすべてが欲しいし、どんなことでも受け入れたいと思えるんだろうな。
そんな素敵な関係に思わずニンマリしてしまいました。
そして、数年先の未来まで見ることができて大満足!ふたりの眩しい笑顔にものすごくほっこりして、幸せをおすそ分けしてもらったような気持ちになる続編でした。
アンドロイドを生み出した天才工学者の涼と、彼がつくったアンドロイド・椿とのお話。
心を持たないアンドロイドに感情を持たせるために自身と椿を実験的に繋いだところ、実験は失敗したものの椿に人間のような変化が生まれていくところから始まります。
「機械」として主である涼の側で淡々とデータを取り、常に忠実にでも無機質に存在してきた椿が突然心を持ったかのような言動をするので涼は戸惑ってしまうわけです。
自分が望んでいた事だったはずなのに、いざそれを目の当たりにするとどうしたらいいかわからなくなり、椿の気持ちを考えることができず…
そのすれ違いには涼の身勝手さが表れてしまっていた気もしますが。
すぐに自分を見つめ直して椿と向き合ったことでそれほど拗れることはなく、アンドロイドと主という関係をこえたモノになってくれて嬉しかったです。
変化を受け入れることは人間だってアンドロイドだって等しく難しくて、そこにドロドロした感情が伴えばぶつかってしまったりもする。
でもお互いの真ん中に"愛"があったからこそふたりはわかり合えたのだなと感じて、すべてを受け入れた後のふたりの幸せそうな空気感が本当に素敵でした。
どんなに愛し合っていても寿命には抗えない結末はものすごく悲しかったけれど、最期の時まできっと涼は幸せだったんだろうな。
ふたりの別れを引きずってしまいそうな終わり方ではありますが、それでも愛に満ちた日々だったのはしっかりと伝わってきて。
切なくも美しいお話だったなと思いました。
獣人と人間が共存する世界でのお話。
設定はファンタジーだけどもそれぞれの心情がしっかりと描かれているので、その設定に飲み込まれることなく楽しめました。
怪我をして行き倒れていたヴェルクをリュカが助け、そこから一緒に暮らすようになったふたり。
帰る家がないと言うヴェルクを追い出したりせず、好きなだけ居たらいいと言ったものの…
真っ直ぐに求愛してくるところにだけ困っているリュカ。
でもリュカがヴェルクに恋愛感情がないから困っているのではなくて、リュカの抱える過去が大切な人を作ることにブレーキをかけさせているだけなのです…。
それがめちゃくちゃ切なくて、胸が締め付けられました。
本当はヴェルクを受け入れたいし、同じように愛を返したい。
でもそのぬくもりをもしまた失う時がきたら…
そんなリュカの悲しい胸の内がものすごく痛くて、どうにか心が解れてほしいと願わずにはいられませんでした。
その後危険な目に遭ってしまうリュカですが、結果的にはそれが良いキッカケとなって。
愛し愛される喜びを改めて知り、幸せな結末に繋がっていったことが本当に嬉しかったです。
リュカの暮らす村の人々は獣人のヴェルクを優しく迎え入れていたので、その世界すべてがそういうモノなのかと思いきや。
ヴェルクもリュカに出会うまでは苦しみを抱えながら生きてきたので、彼もまたリュカに救われていたというのも感動ポイントでした。
お互いがお互いの存在に支えられ、共に生きていくことを選んだふたり。
ツラい部分もありましたが、最後にはじんわりあたたかい気持ちにしてくれるようなお話でした。
表紙の色っぽい表情から、しっとりした感じの人なのかなー?なんて思っていましたが、読んでみるとそんなところは1ミリもなく(笑)
常に直感で動いて周りもその流れに巻き込んでいくので、なんだかいつも慌ただしい天馬。
でも元気いっぱいで前向きな姿を見ていると、わちゃわちゃで空気を読まない言動も許してしまいたくなる不思議。
そんな天馬のペースに飲まれて、最初は嫌がっていた龍之介がすっかり絆されていく様子が微笑ましかったです。
出会い方はあまり良いものではなかったけれど、ズレているのか素直なのかよくわからない天馬のおかげで、なんとなくすべてが上手くいくのも面白いところ。
快楽に弱いしおバカなんだけれどもすっごく優しくて真っ直ぐな人なので、そんなところに龍之介も救われてしっかりケジメをつけることができたのだなと思います。
自身がヤクザの息子ということで全方向敵しかいないと考えていた龍之介ですが、きちんとその辺も解決するので苦しい結末にはなりません。
これまでたくさんツラい思いをしてきた龍之介の顔も最後には少し晴れて、無邪気に笑ってくれたのがすごく嬉しかった!
天馬のテンションに引っ張られてずっと楽しい気持ちのまま読めた作品でした。
オメガバース×記憶喪失というのは見たことがなかったので、ふたつが合わさるとどんな化学反応が起こるのだろう…?と楽しみに読み進めました。
記憶喪失といっても有間のソレは事故や病気がキッカケではなく、お話が進んでいくまでは何が原因なのかもわからなくて。
佐久と過ごした時間だけを忘れていくというミステリアスな展開にものすごく引き込まれました。
どれだけ愛し合っていても、忘れることなんかあり得ないと思っていても。
新月になるとその強い想いはすっかりリセットされてしまい、そしてまたループし続けていくという…
どちらの気持ちを思っても切なさしかなくて、ギュッと胸が締め付けられます。
佐久が有間に記憶喪失のことを伝えればそんな苦しい思いなんかしないですむのに…なんて思ったりもしたけれど。
佐久があえてそうしなかったのは本当に彼のことが大事だから、なんですよね。
ふたりが想いあっているのもすごく伝わってきたので、その切なさごと受け入れたい気持ちになりました。
佐久が有間の前から姿を消し再会するまでには少し時間はかかってしまうけれど、いくら離れてもまた出会えたのはやっぱり運命だったのでしょうね。
最後までなぜ記憶が失くなるのか?という部分はハッキリと描かれていませんが、有間が記憶を失くしたことこそが愛の証だったのかなと感じました。
切ないところはたくさんありましたが、ふたりの美しい愛に感動できたお話でした。
親の再婚で義兄弟になったふたりのお話。
義兄弟同士の恋というと罪悪感が付きまとったり気持ちを伝えてはいけないと妙にぎこちなくなったり…みたいな展開が多い気がしますが。
雄飛と夏芽はそういう焦れったいやり取りはほとんどなく、身体の関係に進んでいくのは早いです。
それは帯に書いてある通り、倫理観ゼロな雄飛の言動がなせる技だったのかもしれませんが(笑)
夏芽はその後悩んだりもするけれどなんとなく悪い結果にはならないのはわかるし、倫理観ゼロとは言っても雄飛は快楽のためにセックスしているわけではないのが伝わるので、背徳感はありつつも微笑ましくその関係を見守ることができました。
miso先生というとわりと重ためなお話が多いイメージなのですが、両親もそこまで反対することはなくすんなり良いところに落ち着くし今作は思ったよりもライトめだったなーという感じで読み終わり…かと思いきや。
最後の最後、描き下ろしで雄飛のゾクっとするような執着が見えたのがめちゃくちゃ良かったです。
閻魔大王と書記官という、なかなかないカップリングが面白いこちらの作品。
地獄での仕事とその合間の逢瀬。
閻魔様と司録の背徳感あふれる日々を存分に楽しむことができるお話でした。
なんと言っても、鬼畜な閻魔様の言葉に司録への愛が満ちているのがめちゃくちゃ良いんですよね。
司録に対して甘い顔はあまり見せないけれど、精神的にはものすごく甘やかしているところが本当にツボで。
司録もそれをしっかり受け取って、良いバランスでお互いを支え合っている様子がものすごく素敵でした。
そしてふたりの絡みはがっつりエロいのですが、司録の色っぽさによってさらにエロ度が増すのがたまらなかったです。
ファンタジーだし地獄の中で起こることは非現実でしかないけれど、ストーリー展開に無理矢理感がないので地獄での出来事がスッと入ってくるのがすごく読みやすかったです。
こだわりを持って描かれているのが伝わるので、読み手としてもとても嬉しくなりました。
お互い同じ気持ちでいるものの、なかなか噛み合わないままだった上巻。
そんなふたりがどうやったら同じ方向を向くことができるのか?ちょっぴり心配しながら読み進めたのだけど。
思ったよりも拗れることはなく、幸せたっぷりな下巻となっていました。
そもそもの始まりが「酔っ払いと介抱者」みたいな感じだったので、お酒の入っていない状態で話し合いが進まない時点で大丈夫なのかな?と感じていました。
でもすれ違っているふたりの間にあったのはマイナスな感情ではなく、相手のことを考える優しさがぶつかっていただけだったのがわかると、もだもだのやり取りすら愛おしくてめちゃくちゃキュンとしました。
言葉にして伝え合ったらすぐに柔らかな空気感になり、これからも一緒にいるために変わろうとする慧人の努力を心から応援したい気持ちになったのでした。
これまで酒に溺れていた慧人がしてきた行動はやっぱり「悪い大人」のソレだったかもしれませんが、陽葵にとってはだめなことばかりでもなくて。
未来を考える大事な時期に出会ったけれどそこに悪影響を及ぼしたわけでもないし、むしろ色んなことに目を向けられるようになった部分もあったのではないかな、と。
高校生に迷いなく手を出す倫理観のゆるさはいただけなかったですが(笑)
慧人も自分自身を見つめ直すことができたし、結果的には良いことばかりな出会いだったように思いました。
さくっと両想いにはなっても簡単に一緒にいることを選ばず、お互い変わるために時間を置いたところに愛を感じられて良かったです。
1話以降の展開は想像以上に重たいなと感じる部分もありましたが、シラフの時の慧人とのギャップも併せて色んな表情を楽しめた作品でした。
わが先生がXで1話目を乗せていたのを読んで、まだ恋にはなっていない慧人と陽葵の距離感にものすごくドキドキして。
1話以降ふたりがどんな風に関係を変えていくのか知りたくて即購入!しました。
出会いの場面から深酒をしてふにゃふにゃになり、ダメなところが目立っている慧人。
そんな酔っ払いな彼と会うのを楽しみにしている陽葵を見て、緩やかに恋が始まっていくのかな?と思っていました。
でも。酔った勢いで慧人は気持ちを伝え、そのまま身体の関係を持つ…という具合に、わりと唐突にふたりの関係は進んでしまいます。
そうなってしまったことに慧人自身も戸惑い、そして酔っている時は無敵でグイグイいけてもシラフの時はそうはいかないので、微妙に距離が開いてしまって。そのすれ違いがなんとも切なかったです。
慧人は酔っている自分とシラフの自分を切り離して考えているので、陽葵への想いを自覚してからもどう向き合っていいかわからなかったのだろうな、と。
考えていることをお互いにしっかり明かすことができれば、それほど苦しい思いをしないで両想いになれそうな気もするのですが…
そもそも話し合うことすらできていないので、今後どうなるかは下巻に期待!というところ。
彼らがどんな道を選択するのか?楽しみに下巻を読みたいと思います。