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女性腹黒子さん

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攻めのキャラが掴みどころがない

 世話焼きな後輩×プライベートではずぼらな先輩で受けはゲイ。
 もともとは大学の写真サークルの先輩後輩。先輩である受けが攻めの彼女と二人でいるところを浮気を疑われて写真に撮られ、嫉妬した攻めが受けに詰め寄り、写真の撮り方がよかったから攻めを写真サークルに勧誘した、という出会いでした。
 受けが30歳のときに大学の友人の結婚式で再会し、攻めは見た目が受け好みに変わっていました。二次会が終わった後、受けが攻めに声をかけ、ワーホリしていた攻めが帰る家がなく、ホテルに泊まって家を探すと聞き、家に居候させます。
 攻めは料理をしたり掃除をしたりと甲斐甲斐しく受けの世話を焼き、ときにお風呂にも入れてくれます。

 ゲイの受けは絆されてワンちゃんあるかもと考えはじめますが、誕生日に元カレと飲みに行き、元カレに送られて家に帰って来たことで、攻めは「俺がいたら誰も連れ込めないし迷惑ですよね」と家を出て行きます。受けが仮病を使って在宅勤務していたところ、攻めが掃除のために戻って来て鉢合わせします。元カレと会っていたのはヨリを戻すためではないと聞き、攻めのほうから告白し、つきあうことになりました。

 攻めが、彼女が他の男と一緒にいただけで浮気を疑って先輩に詰め寄るような執着キャラなのに、その彼女とはあっさり別れて先輩のほうを好きになってるし、先輩好みの男になるために筋トレして見た目を変えたのに、結婚式で再会したあとも自分からは何のアプローチもなく、受けが声をかけなければそのままずっと会わない流れになっていた感じで、話の都合で執着キャラだったりそうじゃなかったりしているように思えました。

 せっかく両思いになって盛り上がったところで、仕事のことを思い出して仕事に行ったり、帰って来てからも、いよいよと期待したら元カレの忘れものを探して断捨離し始めたりと、付き合いたてのカップルの性急さを感じられなかったのも物足りなかったです。

 攻めが掴みどころがなかったり、受けも、自分とワンチャンと思ってる元カレの前で酔い潰れるところは好きではありませんでしたが、二人とも困っている人をほっとけないところは好感が持てました。

みんな帰ってきてほしい


 超人的な力で人を呪い殺してきた双子の兄弟が、警察官の橘紀人とその双子の弟によって村から連れ出された話の続編。
 紀人と卜部兄弟の兄である慶臣、紀人の双子の弟である慎仁と卜部兄弟の弟、美輪の二組でそれぞれ共同生活しています。慶臣の心の傷に触れ、紀人は彼のことを大切に思うようになり、一線を越えます。
 ただ、その後、村人が迎えに来て、帰らなければまた誰かが代わりに犠牲になると脅され、慶臣は村に帰り、彼を追って三輪も帰ってきました。
 三輪が言われるがままに呪い殺していた理由は、100人呪い殺したら母が帰ってくると言われていたからでした。
 100人目に紀人を殺すよう言われ、三輪は自分自身に呪いをかけて意識を失います。
 その後、警察が踏み込んできて、首謀者の女性と村人たちは、卜部兄弟の父親を殺した罪で連行されました。三輪は意識を失ったままです。

 二人が背負わされてきたものはかなり重いし、慶臣が紀人に愛されて救われるのは、ストーリーとしては涙してもおかしくないのですが、ストーリーもキャラの描き方もすごくあっさりしている気がして、あまり感情を揺さぶられませんでした。
 続きがあるようなので、三輪も、彼が呪い殺したとされる99人の人たちも、無事に帰って来てほしいなと思います。

どうケリをつけるのかは気になる

 新刊が出ていて気になったので購入。
 双子×双子な感じです。今のところBL未満ですが、兄同士、弟同士が惹かれ合っている感じ。

 警察官(警視総監の息子)の橘紀人は殺人事件の捜査のために、双子の弟で民俗学者の慎仁を連れ立って、閉鎖的な村に出かけます。被害者が全員、村に足を運んでいたという共通点がありました。
 ホテルや旅館がないため、神職である卜部慶臣の家に泊りますが、そこには戸籍に載っていない慶臣の双子の弟が座敷牢に幽閉されていて、何やら怪しい儀式が行われていました。
 儀式というのは、慶臣の双子の弟である三輪が依頼を受けて依頼者が殺したい相手を呪い殺し、その呪いが呪った者に返らないように、慶臣が信者に抱かれて汚れを払うというものでした。
 それはおそらく双子の母親が担わされていたもので、母親が亡くなり、慶臣は子供のころから担わされてきたようです。双子の父親は双子を助けに来て、殺されています。

 橘兄弟が卜部兄弟を村から連れ出しますが、慶臣は村に帰りたがっていて、村に帰って誰かを殺したがっている感じで終わっていました。
 慶臣を自宅に連れて来たあと、紀人は慶臣を手淫しますが、今のところ恋愛感情よりも宥めているような印象を受けました。

 恋愛が話の主軸ではないし、卜部兄弟の境遇についてはかなりしんどいですが、どうケリをつけるのかは気になります。

縦読みコミックで初めて泣いた。

 第二部まで読了した時点での感想です。
 縦読みコミックで初めて泣きました。
 元軍人の受けが別れた恋人に生まれたばかりの赤ん坊を押し付けれられ、子供を育てるために故郷である韓国に帰ってきます。仕事はないけど田舎に家を買い働かなくてもしばらく暮らせるだけの貯金はあるようです。
 その移り住んだ田舎で出会ったのが村長である攻めでした。
 最寄りのスーパーの店長でもあり、最初こそ愛想のない店長にいい印象を抱きませんが、面倒見のよい彼に助けてもらい、どうにか子育てをしていく中で、徐々に彼に惹かれていきます。

 村長は、資産家だった母親が困った人に手助けをしていたら、その人に裏切られて母親を殺されたという辛い過去があり、受けも、孤児院の出身で両親がいません。それ以外に村に住む子供たちも、親を亡くして祖母に育てられていたりと辛い家庭環境の子が多く、寂しさを抱えながらも周りの人たちを愛し、強く生きようとする人たちの姿に何度もほろりとさせられました。
 時々、じんとくる場面はありますが、全体的にはほのぼのやキュンとくるターンが多く、BLとしても十分満足できる作品でした。

 第二部は外国人である攻めのお父さんが会いに来たっぽいところで終わっていました。第三部も楽しみにしています。

いい方向に予想を裏切られた

 試し読みを読んで、家出少年を拾った感じの話かと思っていたら、予想とは少し違っていました。

 攻めは足の爪先をヒールの踵や傘の先で踏まれても文句を言わないお人好し(タイトルの『紫陽花』は、踏まれた爪先が内出血して色が変わっていることを紫陽花に例えたようです)。受けは両親を亡くし祖父と二人暮らしをしていて、その祖父が亡くなったため、家に帰るのが寂しくて、身を寄せる場所を探していました。叔父さんが様子を見に来ていますが、遺産相続を放棄しようとしているところをみると、他の親戚とは折り合いが悪そうです。

 冒頭では二人が攻めの家で一緒に暮らしていて、エチエチなシーンで始まります。都心からは離れた古い一軒家で、穏やかで丁寧な暮らしをしているようです。

 そこから二人の出会いのシーンへと話が戻ります。
 受けが攻めの職場の近くの花屋で働いていて、酔った攻めを家まで送っていき、家に泊まります。
 受けの働く花屋で再会し、その後、受けがDMのハガキにメッセージを添えて送ったことから、攻めが受けの店に行き、恋の予感を匂わせる感じで終わっていました。

 冒頭の同棲生活に至るまでにまだ色々波乱があるのかもしれませんが、二人とも最初からお互いのことを快く思っていて、穏やかに恋が進んでいきそうな予感はあります。
 キャラとしても誠実で男前な攻めと少し危うげだけど素直で可愛げのある受けで、好感の持てるキャラでした。
 二巻も楽しみにしています。

感情がジェットコースター



 互いに傷つけあった後に結ばれる話で切なさは十分に感じましたが、心情の変化が急すぎてついていけない部分もありました。

 受けの小塚は同期の溝呂木(攻め)のことが好きでしたが、社員旅行で彼が寝ている後輩男性の桜庭にキスしているところを目撃し、失恋します。「お前、ゲイなのか」という質問を偏見と捉えた溝呂木は開き直って、「俺にも好みってもんがあるんだ。お前みたいな男とは、たとえ土下座されてもやりたくないね」という言葉で小塚を傷つけます。それに腹を立てた小塚は目撃したことを盾に溝呂木に対して嫌がらせをするようになりました。
 食事を奢らせたり資料を作らせたりといったものでしたが、桜庭が溝呂木に秘かに恋心を抱いていることに気づき、桜木に対して自分と溝呂木が特別な仲だと匂わせたりします。

 そんな中、小塚がセフレとラブホテルに入るところを溝呂木に見られていて、今度は溝呂木に写真を撮られてそれを盾にホテルに連れ込まれ無理やり抱かれます(暴力はないですが、強制性交と言えるものです)。そのときの写真も撮られていて、翌日、それを盾に「仕事に関係のないことではもう俺をわずらわせるな」と釘を差されます。桜庭と一度ちゃんと話し合うよう伝えたところ、気を悪くした溝呂木が「今夜も俺に付き合え」と言って小塚を家に連れ帰り、二度目のセッをします。一度目のときよりは優しい感じでした。

 少し関係が修復された感じでしたが、その後、仕事でトラブルが発生します。溝呂木のPCを借りて小塚が取引先に送ったメールがCcで他社にも送られてしまっていたというもので、取引先の部長が立腹しているため、溝呂木がプロジェクトから外されることになります(溝呂木の名前でメールが送られていたので)。
 これに対して溝呂木は、小塚の意趣返しではないかと疑い、二人の間に再び溝ができます。
 その日、小塚が居酒屋で飲んで泣きながら帰っているところを通りがかった溝呂木に呼び止められ、家に連れ帰られて、好きだと告白されます。実は、一時期、桜庭に心変わりしていましたが、出会った当時は小塚のことが好きだったという話でした。桜庭からも告白されたけど、断ったそうです。

 ここまでこじれさせてちゃんとハピエンに持っていく流れは読みごたえがありましたが、キスを見られていた溝呂木が小塚にぶつけた暴言は、かつては小塚のことが好きだったとは到底思えないものだったし、あそこまで言っておいて体を重ねたらあっけなく心変わりして、心変わりしていたのに仕事のトラブルでは彼のことを疑ったり、舌の根も乾かないうちに告白したりと、感情の変化がジェットコースターすぎてついていけなかったです。
 

年齢がもっと近ければ

 人気俳優×俳優を目指す東大生で親子ほど年の離れた二人の話でした。
 東大生の受けは高校の頃、芸能事務所に所属する同じ学校の後輩の家庭教師をしたことがあり、そのときに後輩のマネージャーを通じて俳優である攻めから映画のDVDを借り、感想を添えて返す、という交流がありました。
 受けは舞台のオーディションを受けますが、父親から芸能活動を反対され、家出をします。ちょうどその頃、攻めの家政婦が退職し、新たな家政婦が来るのが一か月先だったため、家出中の受けが住み込みで家政婦の仕事をすることになりました。攻めのマネージャーを通して受けの実家には了承を得ています。

 二人は映画の好みが似ていて、一緒に映画を見たり、受けの演技練習に攻めが付き合ってあげたりして距離を縮めていきます。
 元々、受けにとって攻めは憧れの俳優でしたがが、攻めも真面目で一生懸命な受けに自然と惹かれていき、約束の一か月が終わる頃には互いに恋愛感情を自覚するまでになりました。
 結果的に受けは最終選考でオーディションに落ちますが、受けが家を出ていく前日に攻めのほうから告白し、その日のうちに一夜を共にします。受けは誰ともつき合ったことがなかったので、一晩のうちにファーストキスから挿入まで一気に大人の階段を昇った形です。

 つきあうまでは特に障壁もなく順調にいきましたが、その後、攻めが舞台の共演者である俳優(受けが家庭教師していた後輩)との写真を週刊誌に載せられます。それを見た受けの親友の彼女が、攻めのファンだったために後輩君の売名行為を疑ったり、攻めのマネージャーである実姉に交際のことを話さざるをえなかったり、そのマネージャーから別れるように言われたりとハードルが続きました。
 二人とも気持ちが揺らぐことはなく、それを見越したマネージャーから、マスコミ対策として受けが攻めの付き人になる案を提示され、それで丸く収まりました。

 子役の頃から芸能界にいるせいでどこか浮世離れしている攻めも、真面目でしっかり者の受けも好感のもてるキャラでしたが、やはり親子ほど年が離れていて、40歳になる人気俳優が高校を卒業したばかりの18歳の子とお付き合いをするというのは、リアルで考えたら引いてしまうなと思い、話に入り込めない感じがありました。悪いことをしているわけではないことは重々承知ですが、受けの親友の彼女のように、世間の人達から好意的に受け止められないだろうことをわかっていて、芸能カメラマンに狙われているかもしれない状況で観覧車デートをするのは、長年応援してきたファンの気持ちを全く考えていない行動に思えます。
 個人的には、もう少し年齢差が近いほうが楽しめました。

一途なαがよき

 オメガバースで第二性が変異する設定の話。
 音楽バンドの一員であるα×薬剤師のΩ。抑制剤の効きにくいαが運命の相手であるβに出会ったことをきっかけにβ→Ωに変異し、フェロモンが誘発されて関係を持ちます。
 攻めはΩを抱くのは初めてだったらしく、運命の相手と知りその後もぐいぐい受けに迫りますが、受けは運命の相手と番になって不幸になる人を見てきたため、抑制剤でなんとかしたい派です。ただ、変異してすぐだからか抑制剤が効きにくく、その後もフェロモンを撒き散らし、それが原因で攻めの所属するバンドのメンバーから目をつけられます。

 受けにフラれた攻めが生放送の歌番組で他の人の曲を聴きながら泣いていて、その理由を失恋したからだと語ります。そのことで怒ったバンドのメンバーが受けを訪ねてきて暴言を吐きます。雨の中、受けが泣いて歩いているところを攻めに保護され、部屋に連れて行かれます。受けは攻めに会えて嬉しいと思ったことで、「運命だから」ではなく、人として彼に惹かれていることに気づき、攻めを受け入れます。

 フラれてもめげない一途な攻めがすごくよかったです。真面目でフラットな性格の受けは人として好感が持てますが、華やかな世界にいるαが惚れ込むには、運命によるところが大きいのかなと思いました。

番にならなくても

 男性音楽バンドのα×薬剤師のΩ(βからの変異)の続編。
 今巻では二人とも運命の相手としてお互いを受け入れていて、特に当て馬なども出て来ず、終始関係性は安定していました。

 1巻で受けに暴言を吐いたバンドのメンバーが受けに謝罪して和解。他のバンドメンバーも受けの勤める薬局に来るようになりますが、攻めが現れた途端にヒートが誘発されて、受けは拉致されます。メンバーが言うように、確かに深夜に薬局を一人で店番するのは危険だし、Ωなら猶更なので、対策は必要と思われます。
 ちゃんとしたヒートは初めてで、ヒート中、攻めが仕事に出かける日に攻めの服を握りしめて離さない受けは可愛かったです。

 攻めは番になりたい気持ちはあるようですが、受けは運命を拒絶していたときと同様に、番に対しても、番になったことで不幸になった人を見てきたという理由で、消極的なようです。
 その不幸になった一人である、運命の相手に出会って受けをフッたΩの女性が会いに来て、そのせいで、受けはその番の相手であるDV男に襲われ、暴行を受けます。攻めが助けに来て、性的暴行は免れました。
 そういった経緯もあり、攻めが受けに一緒に住むことを提案し、それは特に拒絶されることなくあっさり受け入れられました。
 同棲生活がはじまり、受けが初めて「好き」とちゃんと言葉にできたところでエンディングでした。

 攻めは相変わらず一途だし、受けもΩの自分を受け入れられつつあり、気持ちを伝えようという意思も見られるようになっていて、この二人は番にならなくても大丈夫そうだなーという安心感がありました。

7年は長い。

 スタイリスト×カメラマンの再会ラブ。
 高校生の頃に攻めの志田が受けの五十嵐の撮った写真に興味を持ち、仲良くなります。その頃から五十嵐は志田のことが好きで寝ている彼にキスをしたこともありましたが、卒業後は連絡先を変えて彼との縁を切ります。
 8年後に仕事で再会し、志田への気持ちを断ち切れていなかった五十嵐は、酔った勢いで自分から誘って彼に抱かれます。志田は「好き」と口にしていましたが、誰にでも好きというタイプだからと本気にしていませんでした。
 志田は志田で、高校の頃から五十嵐への好意はあって、再会してそれを自覚したけど、本気で付き合おうと言えばまた逃げられるかもしれないと思って、付き合おうとは言えなかったようです。

 そこからは酔ったときだけ五十嵐が素直になって抱かれる、というセフレのような関係になり、更に7年。
 五十嵐にアシスタントができ、自分に正直なその子と自分を比べることで、五十嵐も自分たちの関係を言葉にしたくなります。「何なんだろうな俺たちは」という問いに志田が「友達だろ?」と返したため、五十嵐は再び志田を避けるようになります。焦った志田が告白して、酔って夢だと思っていた五十嵐もようやく素直に気持ちを伝えることができました。

 五十嵐が臆病で志田も自分からぐいぐい行くほうではないからすれ違うのはわかりますが、それでも、両思いなのに再会して7年セフレでようやく、というのはあまりに長すぎるように思いました。
 そこだけ気になりましたが、一巻で綺麗にお話がまとまっていて、切なさも萌えも十分に感じられて、読後感はよかったです。