指先がすれ違う

yubisaki ga surechigau

指先がすれ違う
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神22
  • 萌×236
  • 萌15
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
13
得点
301
評価数
77
平均
4 / 5
神率
28.6%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
陵クミコ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
価格
¥562(税抜)  
ISBN
9784592876632

あらすじ

営業マンの小塚は入社以来、密かに同期のライバル・溝呂木を想い続けてきた。社員旅行の夜、溝呂木が後輩の桜庭にキスしたのを目撃してしまう。嫉妬にとらわれた小塚は、溝呂木を脅迫するが…!?
(出版社より)

表題作指先がすれ違う

溝呂木紘一,受様の同期で後輩のを好きらしい営業マン
小塚武士,入社時から攻様に長く片思い中の営業マン

その他の収録作品

  • 優しくできない

レビュー投稿数13

どうなるかと思った…意地っ張りもほどほどに!

こじらせ~の!超絶切ない~の!

不器用で臆病で意地っ張りで負けず嫌いがてんこ盛りのすれ違いリーマンラブ。

小塚(受)は入社以来、同期の溝呂木(攻)に淡い気持ちを抱いています。
その溝呂木が社員旅行の夜、寝ている後輩:桜庭にキスをする姿を見てしまう小塚。
己の目で確認してしまった失恋に呆然とする小塚を誤解した溝呂木は追い討ちをかけるようにキツい言葉でなじります。

切ないエピからもつれた展開を迎えるこの話は小塚視点で進むのでツラい(泣)

健気に耐えるだけじゃなくて悔しさと切なさが混ざる気持ちから溝呂木に想いとは裏腹な嫌がらせを仕掛けたり、嫉妬から桜庭に意地悪を言ってしまう小塚が自己嫌悪で身動きがとれなくなる姿がリアル。

そんな日々に疲弊してセフレに手を伸ばした姿をラブホの前で見咎められ溝呂木に乱暴に抱かれた挙げ句、立場が逆になったことを宣言される小塚。
明らかな陵辱ですら好きな相手との『初めて』に喜んでしまう甘い痛み。

小塚が不憫で胸がギュッと締めつけられて私の心臓ヤバかった!

皮肉にも小塚の嫌がらせがキッカケで同じプロジェクトに参加することになった2人は共にする時間に比例するように心を通い合わせます。
少しずつ素直な姿を見せる小塚ですが仕事上のミスを溝呂木に故意と疑われ拒絶されてしまいます。
相棒として生まれかけた信頼はあっけなく暗転…指先どころか全身スレ違ってる!

不遇な時間を重ねた上に結ばれる展開の根底にはゲイであるゆえに恋と同じだけの悲しみを味わった彼らの諦めが横たわっているからこその互いへの肯定感を感じます。

過去の苦い恋愛でのトラウマで告白できないへタレ同士。
仕事が出来て、それなりのステイタスを持つ彼らがマイノリティな性癖に慎重かつ臆病、というのが私にはかなり高ポイントでした。
簡単にゲイって公言できないですよね。

後半に収録されている【優しくできない】は溝呂木視点。
甘い日々を過ごしていても自分が関わらなければ桜庭とうまくいってたんじゃないかと不安をチラつかせる小塚に嫉妬から毒舌を放つ溝呂木。

小塚への愛情を自覚した溝呂木が自分の行き過ぎた言動を悔やんでアタフタ慌てて許しを乞う姿に満足!
小塚は今まで辛かった分、いっぱい愛されて欲しいという私の願いは叶いました!

タイミングのズレから悲しい当て馬となった桜庭が救済されているらしい同人誌を読んでみたくなりました。


4

すれ違ぅぅぅぅっっ♡

小中先生のめちゃファンになり、ただ今必死で探して読み漁り中です。
こちらがデビュー本だったのですね!
初めて読んだのが《ないものねだりの…》でしたから、小中先生はめっちゃコミカルが土台で、少し〈切ない〉のも入るんだと思い込んだのですが、色々読む内に、最初に読んだのが例外で、めっちゃ切なくて苦しくて…ってのが普遍なのだとわかりました。いやぁ驚いちゃった。
この本も本当にハピエンになるの?
ずっと「すれ違う」ままならどうしよう!
だって受けの好きな攻めは違う人に惚れてて、しかも寝込みにキスまでしてるんだよぉぉーーっ。
キャーっ誰か助けてーーー!
いやいや、ここまでは筋書き通りなんだけど、なんだけどぉ!、何処かで間違いじゃなかったのか、なんて淡い期待で読み始めたもので、もう本当に心臓に悪い。受けの切ない心に涙がちょちょぎれる。
はぁ~~~もぉどんだけ~~~~~~なくらいに私を振り回してくれましたね!お陰で何回も何回も読んでしまっているではありませんかっ!
この幸せをありがとうございます♡♡
イラストの陵クミコ先生の描かれる二人もカッコ良かったぁ。
これからも、読み漁ります∠( ̄^ ̄)

0

初めて読みました

双方がサラリーマンで実はゲイ同士。お互いに相手がノンケだと思っていたり当て馬君に嫉妬したり、と面白かったです。

仕事がメインってわけでもなく、単に「すれ違い」が高じて絡まっていっちゃうモダモダが描かれます。読みながら「あーーーっ、ー何でそうなる」「そこで本心言っちゃいなよ〜」とか独りごちてました。
受けの小塚が鬱陶しいほど女々しかったりするんで、ちょっと辟易する部分もありましたが、攻めの溝呂木が小塚の思いに気が付いて二人で話をするところは、やっと収まるところにおさまったかぁ、と感慨深かったです。
実際、こういうことってありそうよねと思ったり。

特に溝呂木が二度目に脅して小塚を抱く時には、無理矢理、愛はないはず、なのに(実際は溝呂木はこの時点ではもう小塚への思いを再認識していたからだろうけど)優しく、愛情を持って抱くんですね、だから小塚が???になりつつも抱かれることが実は嬉しくて。
ずっと使ってなかったローションを使えるか試すのに溝呂木が手の甲に塗って「大丈夫、パッチテスト完了」って!優しすぎるやろう〜。(そんなすぐにパッチテスト出来んやろ、というツッコミはしちゃいますが)

ちょっと作者さんの他の作品も読んでみようかなと思いました!

0

後半のキュン返しがスゴい!

変態チックなエロコメの印象の強い小中大豆さん、
過去にはこんなシリアステイストな
作品も手掛けていたとは!
切ないすれ違いにどうなることかと
ハラハラしながら読み進めました。


営業の小塚(受け)は、同期の溝呂木(攻め)に
入社以来ずっと片想い。
しかし気持ちとは裏腹に、
本人を前にすると
意地悪な態度をとってしまう。

ある日、溝呂木が後輩社員にキスするのを
目撃した小塚は、嫉妬にとらわれ
ゲイだとバラされたくなければ言うことを聞けと
溝呂木を脅迫。

しかしセフレとの現場を目撃され
自身もゲイであるとバレてしまう。
立場は逆転し、
小塚を軽蔑した様子の溝呂木は
手酷く小塚を抱き…。


脅迫してでも溝呂木と一緒にいたい、
でも溝呂木と後輩の仲を知れば知るほど苦しい…。
そんな小塚の、どうしようもなく
一途で不器用で愚かな人間性が
切なく愛おしい。
脅迫といっても食事や飲みに誘うくらいで、
本当に酷いことはできないところが
また泣かせます。

一緒に食事したり、同じプロジェクトを担当したり。
心が通い合うシーンは何度もあるのに
誤解からすれ違い続ける二人。
まさに指先が触れそうで触れない感じが
もどかしく、互いの言動に傷つく二人が
不憫でなりません。


だからこそ、誤解が解けてのラブラブ描写は格別。
今までの誤解を一つ一つ解いていく説明シーンや、
後日談「優しくできない」のバカップルぶりなどは
最近の小中さんの作品にも通じるものがあり、
この後半に行くにつれ萌えが押し寄せてくる感じはやはり良いな~と大満足でした♪

ブロッコリーが嫌いな小塚が
溝呂木にオムライスにブロッコリーを入れられ
悲しそうな顔をするシーンが好きです。
ブロッコリーをよけるでもなく、ただ悲しそうな顔w
どんだけショックを受けているんだと思うと
そんな小塚がすごく可愛いく思えてきますv

当て馬の後輩くんも、小塚のセフレも
後日談ではバカップルな二人を冷やかす良い奴として登場しており、湿っぽくならないところが素敵。

小中さんのシリアス作品は初めて読みましたが
大変に面白かったです。

4

後、もう一押し!!

新人作家様です!挿絵とあらすじに飛びつきました。
こういう設定は大好物なので迷わず購入しました。
後一押し二押しあればもっと切なかったのに!!という思いは残りますが、読みやすく気に入りました。受けが攻めの性癖を知った後からのやりとりがあまり好きじゃなかったのですが、ラストの方の甘~いやり取りと、ツンツンなんだけれど、後半はデレも多かったので相殺された感じです。

当て馬の二人のお話も読んでみたい気がしますね♪

次が出たら購入するぞ!!と思うくらいには気に入りました!!

小塚と溝呂木は同期入社です。
小塚は研修の時から溝呂木の事が気になっていました。でも溝呂木はノンケみたいだから、学生時代にノンケだった恋人に酷い振られ方をし小塚は二度と、ノンケとは付き合わないと誓っているし、それ以来本気で誰かと付き合う事はを避けています。
そんな感じで憧れ?的な存在に彼を置き同じ営業部署で4年が経ちました。

今は溝呂木は後輩の指導をしているのですが、その後輩・桜庭とは異様に仲がいいです。
そして社員旅行の時に偶然溝呂木が酔った桜庭にキスをしているところを目撃してしまいます。
ノンケだと思っていた溝呂木が実は自分と同じ性癖だったことに驚きつつ、その現場を見つかって焦っている溝呂木にちょっと酷いことを言われて反対に喧嘩を売る形になってしまいました。

そこからはこじれる一方なんだけれど、彼が同じ性癖だとわかったと同時に失恋が確定してしまった小塚・・・。軽くいじめ?ではないですが、下僕扱いとまでは行かないもののちょっとした小間使いのように溝呂木を使います。そして二人の距離が縮まっていったことで不安に感じた桜庭が小塚に二人の関係を聞きに来たところをきついことをいって泣かせてしまいます。
そう!!桜庭も溝呂木のことを好きだったんですね。そんな自分は二人の邪魔でしかない!と気づいて、小塚はセフレの飯村と会います。その場面を溝呂木に見られてしまうんです。

いじめられていた反動なのかその後溝呂木は、小塚と無理やり体の関係をもって脅し始めます。

それでも小塚は彼のことが好きだから嬉しいんだけれども、桜庭と彼の関係も気になるし・・・。
二人は自分のせいで上手くいくものが行かなくなってしまったことに罪悪感を抱いています。
と結構ドロドロっぽく聞こえますけど、読んでいたもそんな感じはしませんでした。
もともと二人とも同期で仕事も出来るので今までお互いが避けていただけで、距離が縮まりいい感じになっているんですけどね♪

CPになってからは甘~いお話ですし、ヤキモチなんかも焼いちゃって結構楽しく読めました。
ツンツンもすくなくて可愛らしい小塚にもうメロメロの溝呂木です。
それなのに元セフレに嫉妬してしまって、言わなくてもいい事ややらなくていい事までしてしまって小塚を傷つけてしまって焦ってるところも良かったです♪
当て馬だった二人も最後はちょっと接近してたので、あの二人が幸せになったらいいなぁって思います。
特に桜庭視点のお話はこのお話よりもさらに切ないお話になるような気がするし、是非読んでみたいです!!

2

もうちょっと早く素直になれていたら

最初読み始めた時はこれどうなるんだろう??と思ったけどうまく丸まってたと思う。
入社当初から同期の溝呂木が好きな小塚。
後輩が好きな溝呂木。
社員旅行で寝てる後輩にキスしてる所を見てしまい、口止めとして嫌がらせする。
ある日セフレとホテルを出た所を溝呂木に見られ、そのままホテルに連れ込まれて犯される。
そして逆に脅されるようになるが…。
小塚が性格悪いとは思わなかったです。
実は後輩は溝呂木が好きで、小塚は結果的に溝呂木と後輩の可能性を潰しちゃいましたが、
あれは溝呂木が感じ悪いから挑発に乗っちゃっただけで、普通に「言わないでくれ」だけなら嫌がらせなんてしなかったんじゃないかなー
ずっと好きだった溝呂木が自分と同じゲイだと知って驚く小塚に、
「お前みたいなヤツは絶対に抱きたくない」なんて言われたら腹立つし悲しいし邪魔もしたくなるわ…。
どっちかっていうと溝呂木が撒いた種だと思うなあ。
途中で溝呂木は小塚が好きになってくっつくんですが、
溝呂木がただ後輩から心変わりしただけだったら小塚も後輩も可哀想だから嫌だなと思ってたら、溝呂木も小塚が入社当初から好きだったんですね。
でも小塚は彼女がいるって周りに嘘ついてたから諦めた。
どっちかがアプローチしていたらこんなに遠回りする事もなかったのにずいぶんすれ違いましたね。
後半に溝呂木視点の後日談が入ってます。
これはすれ違いあり甘いのありで良かったです。面白かった。

2

万人受けはしないかもしれない

一枚岩ではない、という言い回しがあります。これは組織とか党内とか集団(2人以上)に対して使う言葉でしょうが、今作をよんでいて自分一人の心の中ですら一枚岩ではないよね、そういえば…とぼんやり思いました。

人間100%良い人なんて、そうそうありえないので、そうはなりたくないのに嫌な言動をとってしまったり、自分の気持ちすらままならず、どうしてそうなるのか分からない事だってあるでしょう。
ちょっとそれはどうかと思うという状態に主人公達が陥る。下手したらこいつら好きになれない、という人もいると思います(実際、そういうレビューありますね)。
自分も、それはどうなのかな、という部分もありました。しかし後々きちんとフォローが入るというのもありますが、そもそもの「読ませる力」が文章にあるんですよね。そうだったのかと納得させる説得力や、内容に引き込む魅力があります。これが筆力ってやつなんでしょうか?

小中大豆さんは2冊目なのですが、作家買いリストに入りそうな気がします。
既刊のあらすじなどチェックすると、好みでない設定も意外と多いのですが、それでも読ませてくれるのではないか、という期待をしてしまう程です。楽しみにしようと思います。

2

すべて仮定のはなし

勿論メインの2人が結ばれるのですが、色んなエンディングが想定されるお話です。もしもこうしていたら…がいっぱいでとても構成がおもしろい!

ドロドロした心理が交差しまくるお話なので、途中ですごくもやもやしたりイライラしたりするのですが、ストーリーはとても楽しめました。
でもメインの2人が費やすエネルギーがあまりに負に傾いているので、かわいいと思う箇所もあるんだけど、正直に書くとこの人嫌だなあって思う場面も多かったです、すみません。

主人公の小塚はゲイで、同僚の溝呂木に淡い片思いをしていますが、ノンケなので実りはないと思い込み早4年。
ですが溝呂木が後輩の桜庭の寝顔にキスしている所を見てしまい、ついて出た言葉が「マジかよ」。
これは、溝呂木がゲイだと知らずに手が届かないと4年も何もしなかったことに対する言葉だったのですが、それをゲイへの中傷ととった溝呂木は、俺にも好みがあるしお前なんかとは絶対したくないと言い返します。
これで小塚はカチンときてもうドロドロ。
キスしたことを黙っている代わりに舎弟のような要求を続け、溝呂木と桜庭の仲を邪魔します。

あああ、そんなことしたら嫌われるよ…と思うのですが、そのうち小塚は桜庭も溝呂木が好きだということに気がつきます。
小塚のしていることは小憎らしいけど、どこか悪者には徹しきれていなくて、おまけに小塚の過去の悲惨な恋を知るとそこまで嫌なやつ、とは思わなかったです。

小塚は溝呂木に嫌がらせをしている罪悪感をセフレの飯村に聞いてもらうのですが、一緒にホテルに入る現場を溝呂木に見られてしまい、今度は逆に小塚が脅され溝呂木にレイプされます。
何度も何度も、小塚は溝呂木と桜庭に話し合えというのですが(そうすれば互いに両思いだとわかるから)溝呂木は聞く耳もたず、今までの鬱憤が溜まっていたのか何度も小塚を犯します。

小塚にとっては嬉しいことかもしれないけど、余計な事かも知れませんが、こんな脅しにエネルギーを使うなら早く桜庭に告白したらいいのに!と思いました。
次第に2人の仲は緩和していき、良い関係へと向かっていきはするのですが・・・
本当に最後の最後、小塚のメールの送り間違いで会社で溝呂木が窮地に立たされるシーンがあります。小塚は懸命に謝りますが、溝呂木はわざとやったんだろ?と小塚を疑い…。え~ここまで来てまだ相手に疑心暗鬼で、この2人、ほんとに大丈夫なの?という感じでした。

悪かったのは小塚も溝呂木も同じで、互いに負の感情を以って相手に接し、結局も溝呂木も小塚も桜庭もたくさん傷つきます。
何をやってんの!といいたくなるお話なのですが、お話自体は面白くて最後まで引き込まれました。
ですが個人的にはこの2人がどっちも身勝手で後ろ向きだと思ってしまった印象が最後までぬぐえなくて、この2人好き!萌える!とはなりませんでした^^;

ここから先はネタばれになりますが・・・
溝呂木は桜庭に出会うまえは小塚が好きだったというオチです。
桜庭のことで小塚に脅され、一緒にいるうちに昔の気持ちがぶり返して来たと言いますが、それもちょっと都合のいい気がしました。
1番最後の、気持ちが通じあってからのベッドシーンはあまあまでよかったと思います。
小塚の、「一回出して…」て言って中を広げるシーンがすごくかわいい。
小塚は会社ではきっちりツンツンしてるけど、それとベッドの上でのギャップがもの凄く、そこは萌えられました。
それともう1つよかったと思えたのは、後輩の桜庭とセフレの飯村ががすごくいい子で、この2人に発展の兆しがあったこと。

もし溝呂木がキスしたとき桜庭が目を覚ましたら、小塚が話し合えと言ったときに桜庭と溝呂木が話し合ってたら、それよりもっと前に小塚が溝呂木にアタックしていたら…
全部仮定のお話ですが、結末は1つの行動が変わっただけでガラリと違っていたはず。でもここに行き着いたのだから今後はこじれることなく幸せになって欲しいですね。

1

思い込みが過ぎて誤解に

今回は受様の同期で部下の後輩を好きな営業マンと
入社時から攻様に長く片思い中の営業マンのお話です。

受様視点で2人の出会いからまとまるまでと、
攻様視点で回想まじりの後日談を収録。

受様は大手食品メーカーの営業マンです。

仕事を趣味にして4年目の今では
営業部の若手の中でも
一、二を争うホープと言われ

くっきりとした目鼻立ちで
綺麗と言われる事も多い受様は
それなりにモテてはいましたが

ゲイである受様が恋をしているのは
同期の攻様だったのです(笑)

攻様はキリリとした眼力のある男前で
ともすれば不遜な奴と思われますが
爽やかな顔で愛想も言える男で

営業部で受様が一番になりきれない
成績を上げている相手でもあります。

しかし
周りが思うほど受様には
絶対に攻様に勝ちたいという意識はなく

攻様は
ライバル視さえもしていない感じで
社交辞令的な会話しかしてくれません。

せめて同期の同僚として
もう少し歩み寄ってくれたらと思いますが

攻様が素直で人懐こい後輩社員の
トレーナーをするようになってからは
2人の親しげな様子を見かける度に
モヤモヤな日々を過ごしていました(苦笑)

そんな時
2人の関係を変える事件が勃発します!!

それは会社の恒例行事ある
一泊二日の社内旅行の宴会での事。

日中の行動で相変わらずの攻様と
後輩社員の仲の良さを見せつけられて
受様はちょっと腐れ気味。

その上、若手社員の常で
課長達につぶされた後輩社員を
お姫様だっこまでして退室までさせる姿に
羨ましさもピークに達してしまいます。

攻様の去った宴会は楽しくも無く
攻様を呼ぶ課長の催促に便乗して
2人の様子を見に行く事にします。

ところが運悪く(?!)
向かった後輩社員の部屋で
攻様が眠る彼にキスしている現場を
目撃してしまうのです!!

聞けば攻様もゲイだったらしく
自分と同類とびっくりした受様ですが

攻様はその態度を非難と受取り
お前は土下座されても手を出さないと
侮蔑さえ混めて言われてしまいます。

片恋相手にソコまで言われた受様は
攻様の一方的な態度に怒りが爆発、
黙っていて欲しければ
何でも言う事を聞けと詰め寄ります。

選択肢のない攻様は
悔しそうな態度で頷くしか有りません。

その日から受様は
攻様に地味な命令と嫌がらせを繰り返し
攻様と後輩の約束を邪魔したりしますが
攻様との仲が好転する事は有りません。

その上
受様が攻様との仲を相談していた
セフレと会っている現場を
攻様に目撃されてしまい

激高した攻様に
強姦されてしまうのです!!

これからは
俺の言う事をきいてもらうからな

何をしても攻様に誤解される受様に
攻様の誤解を解くすべはあるのか?!

小豆さんの文庫デビュー作は
ヘタレで頑固な攻様と
意地っ張りな受様の恋物語になります♪

最初はツンツンな受様が
素直になれないだけかと思われましたが

お相手の攻様が
なんか必要以上に受様に冷た~い(笑)

受様視点なので言葉の足りない受様が
攻様の誤解が解けなくて
グルグルというのは鉄板なのでしょうが
攻様の思い込みが激し過ぎる!!

途中で後輩社員も
攻様が好きな事が判って
受様は素直に身を引こうとするのですが
ソレをまた攻様が誤解して泥沼化(笑)

2人の折り合いのつきどころが
ドコになるのまとまるまで
先が読めずにハラハラなお話でした♪

攻様が受様にこんな態度だったのも
攻様なりの理由はあったのですが

それぞれがもうちょっと素直に
相手に接していればもっと早くに
両想いになれたのに~って展開なので

ヘタレな攻様が苦手な方には
楽しくないかも知れないです(苦笑)

短編は攻様視点の
回想まじりの後日談です。

本編ではかなりヘタレな攻様ですが
一応彼なりの理由があったのねって
救済編的な度合も高し♪

蜜月な2人は
すっかりバカップルですよ。

受様の元カレと後輩君の今後も
ちょっと気になる感じです。

今回は本作同様、
ライバルの同期に恋をしている受様のお話で
洸さん『好みじゃない恋人』をお奨めです。

1

不器用で臆病な男たち

受の片想いものということで購入いたしました。

小塚(受)は入社当時から営業部で同期のライバル・溝呂木(攻)に想いを寄せていた。しかしながら、小塚は過去に恋愛に失敗しトラウマを持っている。溝呂木に対する想いは“恋”ではなく“憧れ”であり、ノンケやゲイには手を出すこともないし、本気で人を好きにならないと線引きをしています。とはいいながら、社内での溝呂木の彼女の噂や、後輩の桜庭の存在に嫉妬心を抱いたりしているのでおもいっきり恋してます(笑)

入社して4年、2人の距離が縮まる出来事が起きた。社員旅行中、溝呂木が以前から可愛がっていた桜庭が酔って寝ているところにキスをしているところを目撃してしまう。目撃されたことに気付いた溝呂木は気が動転して場所を変えて小塚にひどい言葉を投げかける。溝呂木に想いを寄せる小塚にとっては気持ちを傷つけられ、存在をも侮辱されたようなものだった。

それに傷つき、憤慨した小塚は溝呂木の性癖を秘密にする代わりに「俺の下僕になれ」と条件を付けその日以降、小塚はちょっとした仕事を溝呂木に押しつけたり、桜庭と仲良くしているところを邪魔したりと嫌がらせを加えます。

そこから妙に小塚と溝呂木の距離は近づきますが関係は最悪。しかも、あることがきっかけで今度は逆に溝呂木が小塚を下僕扱いしてしまいます。小塚も実はゲイであると知った溝呂木は小塚を無理矢理犯し、またもや傷つけます。

良好な雰囲気になったと思ったら、2人の距離は離れたりとじれったかったです。なかなか、2人が不器用で臆病なものだからうまくいかないんですよ。特に溝呂木の勘違いっぷりは甚だしくてイライラしました。

全体的にはよかったんですがちょこちょこ不満も。2人の関係がすごくいい感じになり、信頼しあえるようになった時に小塚のミスで溝呂木が仕事から外されるシーンがあるんですが、普通あそこは小塚の嫌がらせとは疑わないでしょう!!あそこは萎えたな。
その後のせっかくの告白シーンも疑ったこともさらっと処理されてたのが一番の不満でしょうか。。。どうせなら最後の最後までドロッドロでよかったんじゃないかな。中途半端な感じがしました。

「優しくできない」はあまあまで2人のバカップルっぷりが堪能できますよ。子供じみた嫉妬や喧嘩にニヤニヤが止まりませんでした。小塚のブロッコリー嫌いっぷりはとても可愛らしかったです。

1

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