ラブデリカテッセン

love delicatessen

ラブデリカテッセン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×28
  • 萌11
  • 中立5
  • しゅみじゃない14

--

レビュー数
9
得点
80
評価数
40
平均
2.5 / 5
神率
5%
著者
栗城偲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784403524783

あらすじ

嗣巳は高校の同級生だった山江と仕事先で再会する。
大好きだったのに大嫌いになった相手からは思いもよらない言葉を聞かされて……?

表題作ラブデリカテッセン

大食いタレントとして活躍する元同級生
テレビ番組にも出る料理研究家26

その他の収録作品

  • ラブグロッサリー
  • あとがき

レビュー投稿数9

ストーリーは悪くないんだけど…

表紙の可愛いさに惹かれて購入しました。
本当に可愛いイラストで、さぞかしスイーツのような甘々ストーリーかと思いきや?


料理研究家の嗣巳(受)は高校の同級生・大食いタレントの山江(攻)と仕事先で偶然再会する。嗣巳は高校時代、山江の事が好きだった。けれど山江の心無い言動に傷つけられ、逃げるように海外へ留学。それを機会に料理研究家となり活躍していた。
山江は「友達になれるチャンスをください」と、過去の言動を謝罪。実は嗣巳の事が好きだったと告白してくる。
過去の事を引きずりながらも、仕事を介して少しづつ2人の距離は縮まっていき…ー。


再会ものBL、さらに拗らせもの!…と聞くと、基本萌しかないのですが、こちらは少し違いました。

なぜなら嗣巳が、拗らせ過ぎてるから(泣)

いくら何でも拗らせ過ぎてて、読んでてイライラしてしまう。そんなに山江を疑うのは、無理やり話を延ばそうとしてるだけなんじゃ?とストーリー以外の事や設定にまで口を出してしまいそうになり、残念ながら楽しく読む事が出来ませんでした。

ただ、気に入らなかったのは嗣巳の性格だけで、他はキャラクターなども本当に良かったです。
時々入る挿絵もとても可愛くて、ビジュアルだけなら嗣巳も最高でした!

変に勘ぐらなければ、可愛らしいイラストと相まって楽しく読む事も可能かと思います。

1

可愛いのですが、

嗣巳は高校時代までぽっちゃり体型。自分で作ったお弁当に興味を持った山江が話しかけてきた事がきっかけで、仲良くなり嗣巳は恋心を寄せる。2年生でクラスが変わると疎遠になってしまい、それが理由だとおもっていたのに、体型のことで山江から悲しいことを言われ、意図的に避けられていると思った嗣巳は卒業式の日、自ら拒絶をし離れた。。。

嗣巳は留学し、ダイエットをして痩せ、料理研究家になって日本で活躍。TVにも出るほどの知名度になるが、撮影の時に大食いタレントをしている山江と再開。
過去に傷つけられている嗣巳だが、そこまで根に持つものか?と思うほど、傷は深いようで、その感覚が読んでいて違和感でした。
山江の過去のことを、収録現場にいる人にまで話して拒絶したり、山江が好意から引き起こしてしまった過ちだと明かしても、踏み込めないでいるなど、少し過剰な気がしてしまいました。挿絵の嗣巳が可愛くて好みなだけに残念でした。
想い伝わった後の2人はとても良かったです。
山江が嗣巳のことを、可愛すぎて仕方がないと言うのが伝わりました。甘々なのもいい!

嗣巳の性格だけが、どうても私には合わなかったのかなぁ。。。

2

同級生、再会、両片想い拗らせもの


お互い好きだったのに、攻めが素直になれず酷い言葉を投げつけたせいで決定的に仲が拗れ、数年後仕事先で再会した後は攻めが誠心誠意謝罪してやっと恋人になる話。

<あらすじ>
カナダ留学中に料理動画投稿で活躍していた由良嗣巳(受け)は帰国後は動画投稿に加え、料理研究家としてテレビに出演するようになりました。
出演した番組で残った料理が廃棄されることにストレスを感じていた嗣巳でしたが、ある番組で大食いタレントとの共演でたくさんの料理をすごい勢いで全てを味わって食べてくれたことに感激します。
が、忘れたと思っていた人物と再会してしまいます。
その大食いタレントの一人が過去自分を傷つけた高校の同級生・山江(攻め)だったのでした。
山江は嗣巳が好きだった人であり、嗣巳にカナダ留学を決意させたトラウマ相手です。
その時のことをなかったかのように話しかけてくる山江。
嗣巳は拒絶しますが、何度も謝られ連絡先を教えて欲しいと頼まれ、嗣巳は仕方なく連絡先を交換するのです。
それからは、何度も食事に誘われたりと以前とは人が変わったような態度に嗣巳は戸惑ってしまいます。



嗣巳は実家が農家であったこともあり、周りに食べ物が溢れていて、高校までは3桁の体重を保持するほど太っていました。
小さい時はそのことでいじめられたこともありましたが、高校になってからは虐められることもなくマスコット的な扱いを受けていたのですが、その中で特に親しくしていたのが山江でした。
嗣巳が作る料理をおいしいとたくさん食べてくれる山江を次第に恋愛の意味で好きになっていったのですが、クラスが変わってから付き合いもなくなり、3年で再び選択クラスが同じになったときには無視されるようになっていました。
何故そんな態度を取られるのかわからず戸惑っていたのですが、友人と進路の話をしていた時に、進路のことや太っていることを馬鹿にするような言葉で否定されたことで、1年の時は太っていることを好意的に思っているような話をしていただけに酷く傷つき、逃げるようにカナダへと留学したのでした。
留学先のホストファミリーの協力で現在ではすっかり痩せることができたのでした。
料理動画に加え料理研究家タレントとしてテレビに出演することも増えてきたことで山江と再会し、昔の傷が疼くとともに、まだ山江に気持ちを残していたことを思い知るのです。

山江は4人兄弟の末っ子という立場から常にお腹を空かせていて、嗣巳が作る料理が大好きでした。
嗣巳への想いが恋愛に変わったことに驚き、それを嗣巳に知られないようにすることに頭がいっぱいで自分の行動に嗣巳がどれほど傷つけるかということに考えが及びませんでした。
進学に対して酷い言葉を言ったのも、自分と同じ進路に誘導したかっただけだったのに、それは嗣巳を決定的に傷つけただけでした。
卒業式でそのことを思い知らされ、後悔と自己嫌悪で泣き崩れることになるのでした。


嗣巳視点の表題作に加え、山江視点の短編「ラブグロッサリー」の2編になります。
嗣巳視点を読んでいた時は、山江のやったことをなかなか許せなくて、好きだという言葉が信用できない気持ちがよくわかりましたが、山江視点を読むと自業自得だとは思いながら、若かったし苦しんだんだな(いまだにその時の夢をみてうなされるくらい)とちょっと可哀そうな気もしました。


何度謝られても許せないというのはすごく理解できるし(これは虐められた経験のある人にしかわからないかも)、謝罪され続けて許さない自分が悪い気分になるのが嫌だという嗣巳の気持ちはとてもよくわかる。
嗣巳がこの時点で山江が自分のことを好きだとは知らないので、自分の気持ちを軽くしたいためだけに謝罪を受け入れてほしいと思っているようにも受け取れるから余計に受け入れたくないのではないかと思いました。
ただ、他の大食いタレントの女性二人やディレクターがいる前で告発みたいにしてしまうのは山江のイメージが悪くなるのでちょっとやりすぎかなとは思いますが、この二人の援護がなかったら性格的に嗣巳の方が不利なので、仕方ないかな思いました。
こういう話の主人公って謝罪をすぐに受け入れたり、罪を許したりするのでいつももやもやするので、私個人としてはこれくらいのほうが人間味があると思いました。


「虐めた方は忘れてても虐められたほうは覚えてるもの」
「昔のことを水に流していいのは被害を受けたほうだけ」
と大食いタレント女性がいうことは真理だと思いました。

結局、山江は許されましたが、嗣巳には小舅として守ってくれる兄貴分が二人もいるので(幼馴染でオネエタレントの鈴子・ホストブラザーのダスティン)、この二人が再度山江がやったことを非難していましたが、これからもきっとちくちく山江をいじってくれることでしょう。
オネエのときは美人で男性の時は美形という鈴子さん。
がっしりした人を組み敷くのが好きという彼の恋愛が気になります。
条件的にダスティンがぴったりのような・・・


評価に「中立」が多ですが、私は良かったと思います。
片方が原因があるとはいえ二人ともが傷ついてしまった過去があるので、楽しく読めたとはいえませんが、ちゃんと二人とも前を向いて進もうとしていた姿が好感がもてました。
でも、カナダに留学している間に一人くらい恋人作っていてもよかったのではと思いました。あんなに傷つけた嗣巳の「はじめて」を全部山江にあげるのはちょっともったいない。
自分のせいで嗣巳の「はじめて」が貰えなかったことを後悔して相手に嫉妬して教訓にしてほしいというのはちょっといじわるすぎますかね。
まぁ、今でも十分いろんな人(犬にまで)していますが・・・

イラストもカワイチハルさんの素敵な絵が話にとてもよくあっていました。
太っていたころのマスコットな嗣巳もかわいいです。
できれば、鈴子さんとダスティンも描いてほしかったな。

4

受けに魅了が無い

栗城先生の作品ということ、同級生再会ものということでかなり期待して読み始めました。
けれどもあまりの受けのウジウジさに、受けが好きになれませんでした。
プロデューサーにセクハラを受けて攻めに助けてもらった後に、注意されてその言葉に過剰に反応して喧嘩になります。
攻めが無神経ってよりは、受けがたんにしつこく面倒くさいだけで読んでて疲れて来ました。
どこに魅了があるのかが分かりません。
受けの方が酷いという印象です。
幼馴染のりんちゃんが魅力的だったので、彼が主役のスピンオフが読みたいです。

3

おちない

カワイチハル先生の挿絵狙いで購入。こんな可愛い表紙、激アマでろ甘に違いないと思っていたのに、思った以上に受けがおちない頑固者(訳ありで当然の仕打ち)だった上に、色々ツライ部分もあってなかなか甘く感じられず、萌より中立でした。本編160Pほど+攻め視点の後日談50P超+あとがきです。

小さい頃からの色々な積み重ねでテレビにも出る料理研究家になった嗣巳(つぐみ)。テレビ用に料理を作るのはいいものの、出番が終われば捨てられてしまうのを知っていて、「ご飯は全部美味しくいただいてほしいーーーー」とどうにもこうにもツライ日々。そんな中ある番組で大食いタレントさんと一緒になったのですが、その一人が突然嗣巳の名前を呼び・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
鈴子(受けの幼馴染、オネエタレント)、テレビのプロデューサー、テレビ共演者、後日談の方でカナダでお世話になっていたホストブラザー等。鈴ちゃん、良い方です♡

**萌え萌えになれなかったところ

高校時代に仲良くなった攻め受けが、すれ違って仲たがいしたという過去経緯がありまして。
そこには3桁の体重だったという受けさんの容姿のエピが絡むんですが・・・

初めて同性に恋してしまったという攻めの動揺はめっちゃ分かるし、高校生ならではの余裕の無さもよく分かるんだけど、やっぱり好きな人に「嵩高い」と言われるのはキツイよな・・・とかなり落ち込み。
すっきりダイエット(カナダ留学時代に1回2時間の犬散歩を2回/日)し、めちゃんこ可愛くなっていて、容姿としては完璧になっている今でも、その過去の傷ついたという受けの気持ちにとてもシンクロしてしまって、受けさん同様に、攻めさんを全面的に受け入れる気持ちになかなかなれなかったです。

大人となった今では、攻めさんはすっかりカッコいい良い男になっているので、「水に流せ!」と思うんですけどねえ。。。
後日談の方でダメ出しみたいに高校時代のその別れ部分を振り返るので、もう一回心に血を流す気分でした。

すれ違いで傷つきたい気分の時には良いかも、と思う一冊でした。ああチハル先生の絵はめちゃくちゃ可愛いくて癒されるのに(涙)お話が個人的にはキツかった。

7

「大嫌い」の裏事情

今回はユーチューブで活躍する大食いタレントと
テレビ番組で活躍中の料理研究家のお話です。

受視点で
過去回想から攻様と両想いになるまでと
攻視点で
過去回想から恋人になっての後日談を収録。

受様は実家が代々続く富裕農家で
食べ物に溢れた環境で育ち
小さいころからぷにぷにで
ぽよぽよのコロコロ体型でした。

受様自身も3桁を超えた時には
さすがにまずいと思いつつも
ストレスを受けても食に出るタイプで
受様の体重はなかなか減らなかったのです。

表向きは明るい性格だったので
受様のストレスに気付いたのは
隣家の幼馴染くらいでした。

1年生の時に社交的で
皆の中心になっている同級生に
淡い恋心を抱くのですが

クラスが分かれると疎遠になり
3年の時には受様が
料理人を目指す夢をひどい言葉で
否定されてしまうのです。

そのショックから受様は
カナダへの留学を選ぶのですが
ホストファミリーの協力もあり
ダイエットに成功し

カナダで始めた趣味ブログと
料理動画の配信が色々な縁を呼び込み、
日本のテレビ番組にも顔を出す
料理研究家となります。

ただテレビ番組の仕事は
ゲストの要望の料理を作っても
1口2口食べただけでその残りは
当たり前のように廃棄される事が
かなりのストレスでした。

それなのにある芸人の番組内での
「大食い企画」でアメリカ料理を
と依頼されてしまうのです。

受様は大食いの人は
味わっていない印象が強く
苦手意識があったのですが

当日のスタジオに現れた
大食いタレント3人のうちの1人が
なんとかつて恋した同級生だったのです。

この元同級生が今回の攻様になります♪

攻様は受様との再開をとても喜びますが
受様は攻様の言葉でついた傷を
忘れられずにいたので
能天気な攻様に過去の言動を
トゲトゲしく暴露してしまうのです。

そんな中始まった収録でしたが
大食いタレント達は各自で受け持った
大皿料理を美味しいと完食、

収録後に残っていた料理も
味見と称して次々と食べきった上に
レシピを知りたいと
連絡先の交換を望んできます。

攻様も高校の時の事を誤りつつ
連絡先を知りたいと言われますが
攻様を許せる自信はありません。

そんな受様に対しても
それなら謝るチャンスをくれと言う
攻様を拒み通す事は出来ず

受様は連絡先を知らせはしますが
今後会う気はありませんでした。

個人的な連絡を断り続けられた攻様は
事務所を通したオファーで
受様との時間を取り付けるのです。

しかも攻様が受様を避けたり
酷い言葉を口にしてしまったのは
受様が好きだった反動だったと言われ
びっくりしてしまいます。

子供過ぎて嫌な事を沢山したし
謝って許してもらえるとは思ってない
許してくれとも言わない
でも友達になれるところから
チャンスをください

2人は友達に戻れるのか!?
それとも…

雑誌掲載作に加筆修正したタイトル作に
攻視点の続編を書き下ろして文庫化です。

高校で出会った2人が
お互いを意識しつつも誤解ですれ違い
再会をきっかけに再び心を寄せ合うまで
を描いたラブコメディです。

再会モノとしても
両片思いモノとしても
王道な誤解によるすれ違いなので
2人のズレズレを楽しみつつ
安心してハラハラできました♪

高校生の攻様は
クラスの中心人物でもあり
誰からも好かれる人気者で
あまりコンプレックスって
なかったのかなと思うのです。

そして受様も体型を揶揄されても
明るく流す事で傷つかないないように
周りに気取られないように
装っていたと思うのです。

傷をつけた人は忘れても
傷をつけられた人には忘れられない。

傷ついた分、酷い言葉で返しても
やがては発した人へと返るのに
そうすることが止められない。

本当は許したくても、信じたくても
また傷つきたくない、嫌われたくない。

そんな受様の思いが
とても切ないのですよ (>_<)

そんな受様に
攻様も過去の失敗を挽回すべく
誠実にまっすぐに対するのですが

言葉選びがちょっと悪いと言うか
言葉が足らなくて
受様の傷を蒸し返したりして
不安を煽ってしまうのです。

こんな2人がしっかり向き合い
恋人になるまでハラハラしながら
楽しく読めました♪

2人の職業柄、
美味だろう料理のオンパレードなので
空腹時の読書には向かないです。
ご注意有れ (^_-)v

今回は両片思いの再会モノで
野原滋さん『大好き同士』は
いかがでしょうか。
こじらせ具合も本作と似てるかな(笑)

5

職業のアップデート

再会物です。
高校の同級生どうしが、幼さから自分の恋心を認められずにすれ違ったけど、再会して赦してもらうお話。
お話の大枠は、両片想いのすれ違いが、くっつくべくしてくっつくまでのお話だと早い段階でわかるのし、特に波乱はありません。
それよりも、この作品の見どころといったら、メインキャラクターの職業設定。
主人公の由良は、レシピブログから人に知られるようになって、今は料理動画の〇―チューバ―兼顔出しするフードコーディネーター。
対する山江は大食いタレント。
こういう、適度に時代を反映するキャラクターや舞台設定を考えだして、それをうまくBLに落とし込んでまとめるあたりが流石だなと感心しました。

3

受けさんが好きになれず残念。

作家買い。

作家買いですが、カワイチハルさんの描かれた表紙がとんでもなくキュート。
栗城さん作品に、この可愛らしいカワイチハルさんの描かれた表紙、という事で、甘々な作品かなと思いつつ手に取りました。




主人公は料理研究家の嗣巳。
You Tubeで動画を配信したことから人気が出た彼は、現在はテレビにも時々出演する人気料理家でもある。

現在は可愛らしいビジュアルを持つ彼だが、実は子ども時代から体重三桁もあるというぽっちゃりさんだったという過去がある。現在は標準体重だけれど、痩せた理由はカナダに料理を学びに行き、そこでホームステイさせてもらっていた家族に筋トレをさせてもらったから。

が、それだけではない。
高校時代好きだった同級生に酷い言葉を投げつけられたことにも起因している。

ところがある日、そのトラウマの原因となった友人でも初恋の相手でもあった山江と仕事で再会し…。

というお話。

良くある話というか、王道の両片想いものでもあり、再会ものでもある。

栗城作品なので、健気薄幸受けさん、のお話かと思いつつ読み進めましたが、この作品の受けくん・嗣巳はなかなか豪胆な男の子です。

高校時代、自分でも気にしていた体型を山江に酷い言葉で傷つけられた。
山江のことが好きだったからこそ、その彼の言葉により深く傷つけられた、というのはよくわかる。

でも、仕事場で、他のメンバーもいる中で、山江のことをあんな風に酷い言葉で責める必要はあったのかな、とちょっと疑問に思いました。

後半、山江視点で描かれているので、何故山江が仲良くしていた嗣巳に酷い言葉を投げつけたのか、というのはきちんと理解できます。が、この部分を読まなくても、山江が嗣巳を手放したくなくてああいうことをいったのだろうというのは前半の部分からでも読み取れる。

山江が嗣巳に酷い言葉をぶつけたのは高校生。
言うなれば、まだ子どもなんだよね。

でも、職場で再会した時は二人とも分別もある良い大人なわけで、それを周囲の人たちに吹聴するように山江のかつての行動を話す必要はなかったんじゃないのかな。

もちろん、嗣巳が傷ついた想いは理解できるし、その言葉がずっと嗣巳にとってトラウマだったというのはわかるのだけれど、ちょっと萎え萎えな気分になりました。

一方の山江という青年は、ガッツのあるナイスガイでした。

どんなに素気無くされても、避けられても諦めない。
彼の行動を「しつこい」と思うか「一途」と思うか、それは人それぞれかなと思います。

基本的にシリアスな展開になることはないし、カワイさんの挿絵は可愛らしいし、ほのぼのな展開で終始ストーリーは展開していきます。甘くて、可愛らしいお話がお好きな方にはお勧めな作品かと思います。

が、個人的に、主要CPの2人がいまいちツボに入らず、どうしてもストーリーに入り込めなかった。

むしろ、嗣巳の幼馴染であり、オネエタレントの鈴子ちゃんがドツボなキャラでした。
すっぴんは男前。
中身は優しく懐が広い彼。
そして、鈴ちゃんはガタイの良い男性を組み敷くのがお好きだという。

彼メインのスピンオフを、激しく所望しています。

10

王道の拗らせ再会ものです

若さ故のあやまちでスレ違ってしまった二人の、拗らせ再会ものです。
ちょっぴりほろ苦くはあるものの、甘くてキュンキュンなんですよね。
いやもう、こういうお話って大好きでして。
拗らせてれば拗らせてる程、萌えて萌えて仕方ない!!(* ´ ▽ ` *)

まぁ、表紙やタイトルから受ける印象通りの可愛い作品だと思うので、拗らせ再会ものがお好きな方にぜひおすすめしたいです。


内容ですが、元同級生の大食いタレント・山江×元ポッチャリの料理研究家・嗣巳による、拗らせ再会ものです。
帯にセミスイートラブとなっている通り、甘さ抑え目でちょっぴりほろ苦いです。

料理研究家として、そこそこ活躍している嗣巳。
現在は大食いタレントの高校の同級生・山江と、仕事先で偶然再会します。
かつては親友でほのかな好意を抱いていたのに、突然酷い態度を取られて大嫌いになってしまった山江。
彼から過去の謝罪と実は好きだった事を告げられ、わだかまりを残しつつも友達として再び付き合い始めますが・・・と言うものです。

まずこちら、受けである嗣巳ですが、実は過去に太っていたんですね。
そんな彼は、皆の人気者で明るく、嗣巳の料理をいつも美味しそうに食べる同級生・山江に、友情以上の思いを抱くようになる・・。
しかし、何故か急に冷たい態度をとられるようになり、傷心から高校卒業と同時にカナダに留学。
ホストファミリーの協力もあってダイエットに成功します。
ついでに、趣味で始めた料理動画の配信が受けて、現在は料理研究家として活躍・・と言うのが彼のこれまでになるんですけど。

で、そんな嗣巳が再会した、複雑な思いを抱く相手・山江。
彼が突然、嗣巳に冷たくなった理由ですが、実は好意の裏返しだったりします。
彼もまた、嗣巳に友情以上の想いを抱いてしまった。
しかし、自分の気持ちを知られる事を恐れ、酷い態度をとるようになってしまったんですね。

そんな二人が大人になって再会。
過去を深く後悔している攻めが、誠心誠意謝って自分の正直な気持ちを告げ、一から口説きにかかる・・・と、要は王道の拗らせ再会ものになります。

う~ん・・・。
こちらですね、この背景があるため、印象としてはちょっぴりほろ苦かったりもするんですよね。
過去の正直な気持ちを打ち明けられ、真摯な愛情を向けられる嗣巳。
しかし、当時の傷付いた心を未だに忘れられない彼は、なかなか山江を許してわだかまりを無くす事が出来ない。
その為、山江を傷付ける事ばかり言ってしまう・・・。

個人的にですね、こういう拗らせ系が大好きなんですよね。
互いに好き同士でありながら、どうにも過去の傷が邪魔して、上手く行かない・・・。
もう、素直になりなよ~!!と、ジレったくてジレったくて悶えてしまう。

また、過去に相当なアホだった山江。
私は受け贔屓でして、もう弁解の余地は無しなのです。
ただ、再会してからの彼は超誠実。
そして、超真っ直ぐで健気なワンコ系。
何だろうな~。
主人の許しを得ようと、懸命にまとわりつくワンコを連想しちゃうんですよ。
また、ヤキモチ焼きな所も、主人大好きなワンコを連想しちゃって。
もう、これだけしょぼくれてると、これ以上は鞭打てない・・・。
早く許してあげてーーー!!と。

ところで、こう書いてるとひたすら痛々しく切ない作品みたいですが、実際は甘酸っぱくてキュンキュンと言った印象も大きいです。
なんせ、過去を取り戻せとばかり、ひたすら一途に真っ直ぐ口説きまくる山江。
この二人、料理研究家と大食いタレントなんですよ。
最初は仕事絡みでしか相手にされないのですが、それでも嗣巳の料理を、心底嬉しそうに食べる山江。
そんな山江の姿に、だんだん嗣巳がほだされてくのも楽しいのです。

あとですね、こちら雑誌掲載作なのですが、(エロシーンとかも)加筆修正されてるそうです。
それと、山江視点の短編が書き下ろされてて。
で、そのせいかエロ多め。
エロになると意外と挑発系な嗣巳にも、萌えさせてもらえました。

主役二人がグルグルやってるのが苦手な方は、避けた方が無難かもしれませんが、個人的にはその部分こそ、めちゃくちゃ楽しく読めました。

13

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