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ちょっともやもやする話でした。
何分、どう考えても「風子」と呼ばれる二人の間にいる彼女の存在が、なんていうか、すごく都合のいい女というか、実は、したたかな気がして、「んー」ってなってしまいました。
まぁ、物語が始まってすぐに亡くなってしまったせいで、彼女自身についての描写が一切ないのと、二人の男の間で、見せてる一面が、全然違った、ということが大きいのだと思いますが……。
もう少し、彼女自身についての描写があって、彼女だって複雑な過程で育ってたのだから、彼女がどういうところで、淋しく感じていたのか、具体的な描写があればいいな……と思いました。
そしたら、もう少し、感情移入しやすかったのかなー……と。
で、この本は2作入ってて。
主人公の尚隆は、兄の菜月に抱いてはいけない想いを抱いていることに悩む……。
しかし、菜月はそんな尚隆の気持ちも知らず、尚隆との距離を近付けてくる……。
というような話だったんですが。
もう、最後の最後の菜月がもう、お見事で! 僕は、完敗しました(苦笑)
全てをなぎ倒してしまうような、菜月の力が素晴らしかったです。
1つ目がうーんで、個人的には2つ目が好きなので、このくらいの評価になりました。
珍しい設定なだけに、地雷が多いです。
亡くなった彼女に思いを残す攻めと受けが出てきます。
女性が密に話に絡むのが苦手な方は、要注意。
コンビニ店員・筒井将人 クセモノ攻め×翻訳家・奥友創平 トラウマ真面目受け
自転車に乗ったまま犬を散歩させていたら、急に駆けだした犬に引っ張られて風子は交通事故に。
恋人である風子のお葬式で、風子の幼馴染だという筒井に声をかけられる。
話を聞くと、いつも風子が話していたショートだとわかって、互いに恋人を亡くした同士として慰め合う仲に。
いつも亡くなったは風子を間に通していたのに、急に筒井の事だけが気になり出して。
BLに、女性を重要人物として出す場合、好感を抱けるかが大事だと思います。
孤独な二人をそれぞれに癒す聖女的キャラとして描かれていますが、あざとさや気持ち悪さを強く感じてしまいました。
ソーヤは孤独な子供で、ショートは孤独に襲われる度にかみつく獣みたいと風子が表現しているのですが、よくある上っ面を撫でた表現のようでぞぞっとします。
奥友とつきあっているのにも関わらず、元彼だった筒井と復縁して、平気で二股交際が出来る女。
それは、つまり親がお金持ちな奥友と幼馴染の筒井とどちらも決めかねて、ただキープしているようでした。
その事は筒井にも奥友にも話していてこの二股の状況で、二人は同じ心を持っているから、きっと上手くいくわって、いくら天然でも発言に無理があるというか、どこまで上から目線なのかなと。
とことん聖女を極めているのならいいですが、似非聖女っぽいのでタチが悪かったです。
そんな薄っぺらさが漂う風子にこだわっている二人は……と思うと、最後まで乗りきれなかったです。
大事だと思っていた相手が急にすり替わって、亡くなった彼女よりも筒井の事が気になって、それなのに筒井はまだ風子を忘れていない。
慰めあいからスタートした仲だけに、言いだせない想い。
がらっと気持ちが切り替わる状況の逆転は、切なくてよかったです。
悪いモノ
カメラマン・永橋尚隆(実の弟)ヘタレ攻め×ビデオカメラマン・永橋菜月(実の兄)悪女クセモノ受け
占い師に、悪いモノにつかまるから気をつけなと言われながら、日本に帰国する。
昔から兄を好きだったが、婚約者も出来たし、兄とは距離を置こうとするのに、無邪気に接近される日々。
兄にちょっかいをかけるミュージシャンから、兄を奪還して。
最後のどんでん返しに、してやられました。
私は苦手なタイプだったんですが、火崎勇さんが書く話の中でかなり珍しいタイプの受けです。
ホラーより、こういうオチの方が怖いです。
婚約者がいながら罪悪感も全くないという背徳感の無さが、個人的に受け入れがたかったです。
エロ:★3 普通
総合:★1 色々と地雷ネタが多過ぎて、ダメでした。