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harouou no kisaki
『覇狼王の后』の下巻。上巻が面白かったので、下巻の発売を心待ちにしていました。続き物なので上巻が未読だと理解できません。未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
上巻は、自分の意に反してヴォルフに拉致される形で彼のもとに連れてこられたアリーシェ、のお話でした。
両性具有という身体を持ち、そのため母親からも愛されず捨てられたアリーシェ。そんなアリーシェに、愛情を注ぎ、愛の言葉を伝え、そして快楽を教えたのがヴォルフ。
上巻ではそんなヴォルフを拒絶し、けれどヴォルフはそんなアリーシェの気持ちを意に介することなく手元に置き続けている。そんなヴォルフを暴君のように感じる方も多かったのではないでしょうか。
が、下巻はそういった空気感は一変し甘々です。
理由はアリーシェがヴォルフを受け入れたから。
ヴォルフの愛情を受け入れ始めたアリーシェに、ヴォルフもアリーシェへの対応が優しくなっていきます。
上巻はアリーシェに執着するヴォルフ、でも、ヴォルフを拒絶するアリーシェ、という構図だったため、回数の多い濡れ場もまるでレイプのよう、と言って良いような描写もありましたが、下巻は本当に甘々です。
自分を拒絶しないアリーシェに戸惑い、まるで壊れ物のようにアリーシェに触れるヴォルフ。そしてそんな優しく可愛い一面を見せるヴォルフに、さらに惹かれていくアリーシェ。
おいおい。
上巻のあのドシリアスな雰囲気はどこへ行ったんだい?
と突っ込みたくなる豹変ぶりです。
その雰囲気の変化にちょっと戸惑いつつ、でもこの甘い雰囲気がめっちゃツボでした。反対に、上巻のシリアス感がツボだった方にはちょっと肩透かしを食らう展開かもです。
もともとヴォルフは一匹狼的な立ち位置にいましたが、世界を統べる王になることを決意する。それは、すべてアリーシェのため。アリーシェを「王の后」にしたかったから。
そうして国をまとめ始めたヴォルフに、今まで逃げ回っていた貴族たちがすり寄り、そして、当然のようにヴォルフと戦おうとする人物も現れる。
ヴォルフ×アリーシェ、の二人の関係は好転していきますが、それに相反するように二人を次々と試練が襲います。
ヴォルフに取り入ろうとする貴族の娘・ウルリーケ。
打倒ヴォルフを掲げ、あわよくば女神の様と言われるアリーシェを奪おうとする隣国の王子・メルヒオールの存在。
そして、アリーシェが何者かによって連れ去られるという事件が起こり―。
そして、アリーシェは連れていかれた場所で母のカサンドラと再会もします。
さすが宮緒さんというべき二転三転するストーリー展開が素晴らしいです。いたるところにまかれた伏線一つ一つに意味があり、無駄がない。さらわれたアリーシェがヴォルフによって救い出されるまでの怒涛の展開が非常に面白かったです。
アリーシェを愛するあまり、彼に害をなそうとする輩へのヴォルフの制裁がかなり凄惨です。細かい描写はないですが、人を殺めるといった展開が苦手な方は注意が必要かもです。
アリーシェに気持ちを受け入れてもらえたヴォルフは、さながら忠実なわんこちゃんです。上巻ではわんこを通り越してオオカミ、というかケダモノだったので、そんなヴォルフの変化も可愛らしくて萌えました。
最後は大団円。
yoshiさんの描かれた、甘~い空気感満載の表紙のイメージを違うことのない、そんな作品です。
上巻で痛い展開にちょっと腰が引けていた腐姐さまにもきっと満足していただける、甘く、そして優しいストーリーでした。
アリーシェの腹違いの兄であるエアハルト。
そして、エアハルトが仕える、ヴォルフの義弟のリヒャルト。
この二人もめっちゃナイスガイです。この二人のスピンオフを描いてほしいな、と切望しています。
下巻で、全てが納まりハッピーエンド。
上下巻の感想。
マイノリティを取り扱うBLは、ジェンダー問題に貢献している。存在を周知する媒体として存在意義あるカテゴリだと思った。興味半分やエロでもいい、知る切っ掛けを作っている。
この小説のヒロイン、アリーシェは両性具有。
そのために、生母が「化物だ」と毎日暴力と言葉で虐待。
死の寸前で、使用人が寺院に預ける。アリーシェは記憶を失い、トラウマが残る。
そして下巻では、妊娠中にまた鬼母に刺殺されそうになりました。
でも、后に強引にするほど愛している王子は、アリーシェの才能と気性を理解して深く溺愛。
「自分は化物」と思い込むアリーシェに、王子は何度も何度も「愛と賛辞」を繰り返し伝えます。
王子に深く溺愛されることで、アリーシェのトラウマの呪縛が解けて、心とホルモンの調和がとれていく。
愛されることで変化して、自分で生き方を選ぶ展開は、凄く大事で素晴らしいと思います。
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両性具有は、英語で、「Intersex」ギリシャ語で「androgynos」=「あいまいな存在」 医学的な名称は性分化疾患 (DSD) 。
日本語の呼称は、半陰陽、ふたなり、ドリームチャイルド・・色々あっても「差別用語」。
両性具有で生まれる人は、2015年に米国の学会で発表された統計だと、アメリカで1.7%。:How Common is Intersex? An Explanation of the Stats.
でもこの数字は、表に出た数で、殆どは、妊娠中の検査で闇のうちに堕胎されています。オリンピック選手の性別問題は毎開催ごとに出ていますから、実際はもっと多そう。
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有名なトップモデルが両性具有をカミングアウトした時、過去にvogueで記事になりました。
「ジェンダーに対する5つの認識、誤解していない?」
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医師は、幼児期の早期手術で性別決定を推奨しますが、それは苦痛を伴うと検討要望をする意見も出しています。
「手術されるインターセックスの子供たち トップモデルが壮絶な告白」
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両性具有を個性と捉えるか、忌むものと捉えるのか、どう応じたらいいのか、
戸籍についても、これからもっと話題になっていくだろうと思います。
特に天災が増えているので、避難場所のトイレや入浴の際に理解が要ると思う。
両性具有は、昔から存在する第三の性で、多様性の一つであり個性。
「性別モナリザの君へ」のコミックで取り上げているように、
それと、この小説のアリーシェのように、
本人の「心と体」が自然に選ぶに任せる・・で良いと思います。
ココでこんな事を書いても、変な人と思われるだけで意味がないと思うけど、備忘録としてメモ。
上下巻まとめての感想として。
半分もBLとして読めなかったというのが正直な感想です。
受けのアリーシャという名前からはじまり、女神と言われるその容貌、神官だから仕方ないところですが話し方、最初は男に拘っていましたが、下巻では女として行動してましたね。みんながアリーシャを女性として見ているので、アリーシャが男だと言わない限り、文面では男と認識できないレベルでした。
HシーンはもうTLを読んでる感覚。貧乳の女の子相手にヴォルフがいたしてるような…ふと男性の描写があると「あ、そういえばついてるんだった」と時々思い出させる感じでした。
ふたなりさん設定なので仕方ないのでしょうが、月のものとか妊娠、出産とか続くと、これ地雷な人多そうだな、と心配しながら読み進めるほど。
それでも神評価!
タイトルにも書きましたが、大スペクタクルファンタジーラブロマン!3時間の洋画でしょうかというほどの壮大なお話でした。
登場人物も多く、余計な人は誰一人としていません(あ。唯一グンターは拍子抜け。アリーシャを果敢に助けに来るとおもってました…)
凌辱、殺戮、妬み、虐待…言葉を並べると引きますが、その分お話に引き込まれました。
ヴォルフの武骨な溺愛に簡単に絆されることのないアリーシャ。畏怖の念を抱き、恨みながらも不器用なヴォルフの気持ちをゆっくり理解していきます。
アリーシャが単なるツンデレの甘々バカップル展開ではなかったので好印象でした。
アリーシャの母親や公爵令嬢のウルリーケは辟易しましたが、ヴォルフが剣を突き出しウルリーケを嘲笑う場面では、ザマァ好きなので拍手喝采。それでも諦めないウルリーケには「まだ二転三転するのか」とお話をおもしろくしてくれる要素に期待しました。
アリーシャの母親に対して、今までの女神の面影はなく、悪魔なヴォルフに影響を受けたかのようなアリーシャに少し違和感を覚えつつも、幼少の虐待を考えると「アリーシャもただの人間だよね」と納得。
メルヒオールは本当はいい人だったはずで、生かしておくか、それができなくで最期の言葉を聞いてあげるかすれば良かったのではと、少し残虐なヴォルフを恨みました。それでも生きていれば戦いは再発したかもしれないと思うと複雑です。幸せにしてあげたかった素敵な当て馬でした。
そして、最後のページでふたりのその後が綴られていて、幸せでよかったと本を閉じるとこができました。
実はyoshi先生のイラストに惹かれて購入しました。
もう美しい。下巻の狂気のヴォルフにはゾクゾクしました。前述の公爵に剣先を突きつけるヴォルフも美しい…。リヒャルトのあどけなさも可愛らしくて。満足です。
蛇足ですが、ヴォルフの異母弟のリヒャルトとアリーシャの異母兄のエアハルトのスピンオフを希望!
リヒャルトもエアハルトを傍においたり、エアハルトも生涯独身と公言したり…もう期待しかないです。
10年後のヴォルフに似た美丈夫な青年リヒャルトと見目麗しい年上のエアハルト。
ぜひ!
下巻は面白くて面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
母親に両性である為に酷い言葉を浴びせられ続けたアリーシェに、ヴォルフは根気よく愛の言葉を捧げ続けます。アリーシェは心を開き始めヴォルフに掛ける言葉も違って来るのですが、それに悶絶せんばかりに喜ぶヴォルフが犬化して行きます。さすが宮緒先生です。
貴族の娘のウルリーケに媚びられてもスルーなヴォルフにスカッとすること間違い無しです。彼女は懲りないので最後には悲惨な死を遂げます。
アリーシェが拐われた事により、物語は一気に進みます。ヴォルフの異母弟や敵国の王子メルヒオールが登場します。
アリーシェに魅了されて求婚までしてしまうメルヒオール、拐ったのが彼では無かったので出会わなければ非業の死を遂げる事も無かったはず。
アリーシェも拐われた事でヴォルフを愛している事を確信し、他人を犠牲にしてもお腹の子を守りヴォルフの元に帰ろうと画策します。神官である事を辞めた瞬間でした。
無事に2人の間に子どもが産まれて幸せそうな様子。アリーシェの実父との再会。ヴォルフの異母弟とアリーシェの異母兄のその後。他国とのその後。
ヴォルフとアリーシェが沢山の子どもに恵まれた事が最後に書かれていて、長編映画でも観ていた気持ちになりました。
宮緒先生、初読みでした。
ただ『攻め』『受け』の容姿が私のどツボストレートで、表紙買いといったところでしょうか。
しかも『長編』も大好きなので♡♡
前編はモダモダしましたねぇ~~~!
『執着攻め』に押して押して押しまくられる『受け』は大大大好きなのですが、前編後編の為か、『受け』がまぁ靡かないわ、後ろ向きだわ、トラウマ抱え過ぎだわ……で。
でも母親からの虐待に加え、自分の他の人とは明らかに違う肉体だと、こうならなくては仕方ない気も…。あまりあっさり克服すると、「へ、あなたのトラウマってそんなに簡単だったの?」と薄っぺらさに内容までガックリだったかもですね。
内容はもう皆さんガッツリ押さえられているでしょうが、中世ヨーロッパ辺りを模した戦国のお話です。
『王様』や『お后様』、そこに貴族・しもべ・王宮・剣、いやぁこーゆーフレーズが好きな者にはたまらん話しであります。
しかも主人公が誰より偉い『王様』に『お后様』ならばよけいに!!
『攻め』後に《覇浪王》と呼ばれる事になる王様
『受け』覇浪王に無理やり后にされる清浄なる神官
攻めは《黒 黒狼》受けは《黄金 女神》
この二人の織り成す愛を軸に、隣国に攻め落とされた祖国を再び奪い返し、繁栄に導く………書いちゃったら薄くてごめんなさい。
これを堂々たる二冊で、ダレさも隙もなく、グイグイと惹き付け圧巻のラストまで息もつかせぬ物語です( ⸝⸝⸝ʚ̴̶̷̆ωʚ̴̶̷̆⸝⸝)
『受け』は確かにモダモダと自分の心情に苦しみますが(前編)、いざ本当の気持ちを悟ったら、まぁ男前!(後編)、さすが覇浪王の后であり、その輝ける星!気持ち良い程の潔よさです♡。
帯にも有りますが「ここが私の帰るべき場所」、うんうん、本当に良かったわ♡♡。
そしてその『攻め』のまぁ《執着愛》これは美味しいっ!!
「言葉少なく誤解を受け易い」と有りますが、いやいや、めっちゃ愛を囁いてますやんかっ!これで判らないのは『受け』くらいどす!と蹴りを入れたい位の、『受け』への愛まっしぐらな、まぁチョーかっこいい王様(王になるのはラスト辺りで王の義母兄なのですが)。
その強さ、カリスマ性、《鮮血 プルート》と渾名させる程の剣と知性の達人の《傭兵》だったのですが。
誰もが恐ろしく平伏する『攻め』も、『受け』の前ではひたすら恋する少年!『受け』からは全く受け容れて貰える事は無いだろうと思っていた所に、『受け』からの……♡♡。
この落差が可愛くて可愛い!思わず『受け』が羨ましくなってしまいましたー!!
何度読んでも、又途中で読むのを止められず(前編&後編)時間がヤバいのですが、最初読んだ時には気付かなかった、僅かな心の機微など、読み手の心を打ちます。
宮緒先生、素晴らしい!
流石に沢山のご本を世に出しておられている筈ですよね。
こんな作家さんに出逢わせて頂けた幸運♡♡ありがたいことです✧*。٩(´ヮ`*)و✧*。
そして又素晴らしいイラスト!
頭の中でこの美しい二人が縦横無尽に動き、話し、パラダイスでございました。
特に後編の最初のカラーイラストと、ラストのイラスト♡♡
これだけでご飯何杯も頂けると言うものでございます。
沢山のご本、これから追っ掛けまする。
愛読書に恵まれるありがたさ♡♡
ひたすら五体投地です+.(≧∀≦)゜+.゜
すぐに下巻が読めて本当によかった(*^_^*)
受け様は、金髪碧眼の身も心も美しい神官だったアリーシェ。
そんなアリーシェを『俺の女神』と呼んで執着しまくっている受け様のヴォルフ。
上巻では、アリーシェを無理やり神殿から蒸れさって手篭めにしたヴォルフ、だったので、アリーシェはヴォルフを悪魔だと嫌ってましたが。
全てにおいてアリーシェファースト。
アリーシェが全てで唯一だと、全身全霊で愛してくるヴォルフを、アリーシェは少しづつ受け入れてました。
アリーシェから貰える言葉や態度に、時に子供のように、時にはオス全開で喜ぶヴォルフ。
誘拐された上、敵方の執政官メルヒオールの目に止まって、寵姫として後宮に連れていかれたアリーシェ。
もちろんヴォルフが覇狼の勢いで助けにきてますけど、どうなるのかなぁ、とドキドキでした。
メルヒオールもいい人ではあったけど、覚悟が中途半端だったな!
物語の最初と最後の方で、ヴォルフの印象がだいぶ変わりました。
これもアリーシェの愛の賜物ですかね(*´∀`*)
ヴォルフは腹黒策士ではなく、ただただ好きだっていう気持ちだけの攻め様で、めっちゃ萌えました。
イラストはYoshi先生。
イラストでも、ヴォルフは変わりましたねぇ。
幸せいっぱいな2人に癒されました(*^^*)
二巻で最終巻です。
もう二巻は萌えのオンパレード回。
一巻では攻めが俺様だけど二巻から受けのこと大切にする頻度と密度が上がって、受けに少しでも感謝されようものなら童貞のような反応をしてしまうギャップがとにかくエグかったです。
そんな姿に受けもだんだんと絆されていくし、これはもう両片想いっすわ!!
そして一番良かったのが、中だるみしそうな中盤で敵国の王子が受けに惚れてしまうところ。
強者に好かれてしまう可哀想な受けなんて何回読んでも素晴らしい!!
何でこんなに面白いんだ!!
頼む!ページよ減らないでくれ…!!
…と、面白くて止まってくれない手と読み進めると終わってしまう感情が競いながら読んだ私です。
やっぱりプラチナ文庫さま×宮緒葵先生の相性は最高だなぁの一言です。
どうなるかと思った上巻でしたが、読んでよかった!上巻でどうしようと思っておられたお姉さま方、下巻も是非!女神が忠犬を従えるお話、本編310P超。個人的に納得いく最後になったし犬出てきたし、満足ですー先生、有難うございます!!
アリーシェの生まれ故郷であるソルグランツ王国は、隣国アヴァルナにせめこまれ、アリーシェの神殿もアヴァルナ兵に襲われたところ、ソルグランツの第一王子ヴォルフに助けられ・・と始まった上巻。ヴォルフの進撃途中に、ある貴族の領地に入りそこの領主の娘ウルリーケに出会ったところで終わっていました。
下巻はウルリーケのじったんばったんから始まり、犬が犬らしく尻尾をちぎれんばかりに振っている最中に事件は起こり・・といった感じで続きます。もう読みだしたら止まんなかったです。二日連続夜更かしツライ。
新たな登場人物は
メルヒオール(アヴァルナ王国の第二王子、優秀)、リヒャルト(ソルグランツの幼き傀儡王、ヴォルフの弟)、アリーシェの母ぐらいかな。ローザやベルトラム、エアハルトは変わらずご活躍です。
以下良かったところ
上巻であんなにむかついた攻めさんでしたが、アリーシェの心境の変化と共に、どんどん可愛く見えるようになってしまって。アリーシェからちょっとでもアクションしようものなら、赤くなり青くなり、口ははくはく、手はブルブル、しっぽがあったならば間違いなくぶんぶん状態。そんなに愛情に飢えてたんかい、あんちゃん拾われて良かったね・・・と深く同情。
かたやアリーシェ。敵陣に囚われながらも頑張って脱出し、ヴォルフが考え無しに(としか思えん)突っ込んできた時には「でかした!」と拍手喝采。
宮緒先生のこのような国の攻防戦を読んだのは初めてでしたが、ドキドキワクワクで、犬は可愛く、女神はひたすら清らかで、大変面白かったです。
途中色々、ぐっちゃんぐっちゃん絡んでおられるお二人ですが、最後の最後はほんとに甘-いです。是非お楽しみになさってください。
先生、ローザ視点か、エアハルト視点の薄い本って出てこないですかね・・?
上巻で「ヴォルフ酷い!攻めの風上にもおけないっ!」と憤った姐さま方は、是非お読みになった方が宜しいかと思いましたですよ。流石『犬BL(笑)』の大家、宮尾さんだ。
思い起こしてみれば、狼って伴侶を大切にする動物ですものねぇ。ロボだってビアンカのために命を落とした訳ですもの。あ、今気づいたんですけれど、どっちも『狼王』なのね。
全くの孤独という訳ではなかったのですけれど、自分の価値(自己肯定感とでも言うか)を形成するはずの幼少期に親から邪険に扱われた2人が『惹かれ合っていく』というのは、お話としては定番です。
でもこのお話、当初はヴォルフ→アリーシェの気持ちが強すぎて(だって、上巻はかなりむちゃくちゃやってましたよね?ヴォルフ)アリーシェ的には応えられなくて当たり前だと思うのですよ。
また、神官という立場からも両性具有故に母に虐げられてきた過去からも、性行為に対する嫌悪感は大きかったと思いますし。
それがねー、下巻では解けてくるんですよ。
その過程が実に丁寧に書かれているものですから、ニヤニヤしながら読んじゃった。
LOVE以外の部分も面白かったんですよ。
祖国奪還のために破竹の勢い(愛国心からではなく「アリーシャのために」なんですけれどもね)のヴォルフの周りで取り入ろうとする人達や、ある理由で(ここは書かないでおきますね。お話の1つのキモの部分でもあるので)拉致されたアリーシャが囲われてしまった侵略国の王子、メルヒオールの後宮内での人間関係、そこで再会したアリーシャの実母、カサンドラ等々「宮尾さん、人間の汚さを書くのが上手いなぁ」と甚く感心してしまいました。
そんな汚い人間関係の中だからこそ、犬と飼い主(笑)の結びつきの美しさが際立つんですよ。
ほんと、犬って飼い主の所に真っ直ぐ走ってくるからなぁ……いや、狼だけど。
始まりがなかなか『無理矢理感膨大』だったんで「タイトルが狼だけど、今回は蛇?蛇なの?」と心配していたのですけれども、中世的な世界観の、それも大戦記ドラマの中を真っ直ぐに駆け抜ける一途な、でも、血塗られた狼を堪能出来て幸せです。
「上下巻を一気読みすると、もっと面白いだろうなぁ」と思ったりして。
良かった!
受けが攻めに心開いてラブラブな感じで終わった。
それまでに、波乱万丈があったけど。
受が囚われのお姫様のままでいないのが健気で可愛い。
トラウマも克服できたし。
しかし、トラウマの元凶もしぶといw
攻めの原動力が全て受けの為って言うのはとても美味しい。