まりぽん812
aki no hanashi
4組のカップル、それぞれの秋の週末が、描かれています。
「江南と篤臣の秋」
昨夜、熱く抱き合いすぎて、体のあちこちが痛む篤臣のために、江南は風呂を用意します。一緒に風呂に入りながら、今日はどうやって過ごそうかと話す二人。おうちごはんで秋の味覚を楽しもう、弁当持って出かけよう。話しながら、江南の人となりにあらためて思いを巡らせる篤臣。篤臣の江南への愛おしさが伝わってくるお話です。
「茨木と京橋の秋」
論文を書くために薬理学を勉強しなおしたいという京橋に、週末までに自分が京橋専用の教材を作ります!と張り切る茨木。週末限定の教師と生徒の関係にロマンチックな妄想を膨らませる茨木に引きつつも、腹をくくる京橋。知的な会話のはずなのに、どこかおかしみが漂う二人のお話です。
「九条と甫の秋」
週末、風邪をひいて寝込んだ甫のために、九条は祖母から教わった『ご馳走芋粥』を作ります。美味しいと素直に気持ちを伝える甫に、嬉しそうに笑む九条。来週末のお出かけは体を動かしたいなと、甫は九条の思いもよらなかったある提案をするのですが、九条はスマホでササっとそれをかなえる方法を調べます。風邪でキスできなくて寂しい、なんて、互いへの想いを穏やかに伝えあう二人にキュンとするお話です。
「知彦と遙の秋」
寝坊した土曜日。天気がいいからと、二人は弁当を作って河川敷にピクニックに出かけます。お弁当は出来立ての料理とはまた違った美味しさがあるね、なんて話しから、やがて二人は小学校の遠足のおやつは自由?支給?と盛り上がります。一緒に暮らして、一緒に秋を楽しめるのっていいね、二人で毎年遠足しよう、そんな二人の仲の良さにほっこりするお話です。
深まりゆく秋のように、カップルたちの関係もますます深まっていくのでしょうね。秋にぴったりの、心温まる作品でした。