彩度ゼロの奇跡

彩度ゼロの奇跡
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×20
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
28
評価数
6
平均
4.7 / 5
神率
83.3%
著者
麻生玲子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
片岡ケイコ 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫
シリーズ
一万年+3日
発売日
価格
¥457(税抜)  
ISBN
9784086005784

あらすじ

モノトーンな世界で、きみだけが色づく。
家庭教師の生徒・優美が、高校合格のごほうびにデートをねだってきた。白川とふたり、微笑ましく見守る西野。だが突然、西野が行方不明に!? いつもと逆の事態にとまどう白川だが…。純情放浪ボーイズラブ。

表題作彩度ゼロの奇跡

大学2年生,20歳
大学2年生,20歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

とうとう...

3作目にして、やっと結ばれました。
シリーズ4冊まとめ買いしてイラストチェックだけは先にしてたので、
この3作目で結ばれることはわかっていたのですが、
それでもやっぱり感激ひとしおですww
最近のBLは最低1冊1エチが当たり前の風潮になってるので、
こんなにゆっくりゆっくり心情を重視して物語が進むのは新鮮で、
とうの昔に捨て去った乙女心を揺さぶられキュンキュンなります。
お互い手探り状態の初々しさがかわいくて、激しい描写があるものよりも
ずっとドキドキしながら読み進められました。

巻を追うごとに、西野は白川を守るため強くなろうと思う一方、
『かわいい』連発でデレデレなとこは大学生らしくてかわいい♪
白川の方はと言えば、場の空気を読み、気配りできるまでに成長していて
案外西野より精神年齢は上じゃないかなぁ~と思えます。
初エチの時に、根性すわって余裕があったのも白川の方です。
西野は守っているようでいて、守ってもらってるのかも??

今作の見所は、もちろんうれし恥ずかし初エチです。
天然なのかわざとなのか、白川にうまくかわされつつも
やっとチャンスが巡ってきます。
と言っても、西野が自分の誕生日プレゼントとしてセッティング
したわけですが...

この巻では西野の教え子に2人の関係をバラしたことで、
なぜか3人でデートすることになったり(案外白川は楽しんでる)、
いつもとは逆のパターンで音信普通の西野に焦る白川がいたり、
白川家に西野をお披露目したり、2人以外の人物が比較的多く絡んできて、
話の展開が速かったように思います。
でも、やっぱり初エチはすんなりいかなくて...

この期に及んで『白川を汚しそうで...』と躊躇する西野。
それに対する白川のセリフはヘタレな西野に比べてホントに男らしくて、
1作目の時のボーっとした面影もないぐらいww
ゆっくりと進んできた2人の恋も次巻でラストになります。
怪しいネタ振りを残して終わったラストに少々不安を感じながらも、
はやる気持ちは4巻へ...

2

不思議美人の変化に激萌えです

ずっと自分の思うままに行動してきた白川が、
初めて他者の気持ちを慮り、不安に震えます。
今までの白川からは考えられないくらい、
色々な感情を表面に出してきて驚かされました。
変わり者・白川をここまで変えたのが西野だと思うと、胸が熱くなります。

そして白川だけではなく、西野も一回り大きくなったような気がしました。
お互いの成長を促す二人の恋がキラキラで、目がつぶれそうです(笑)

綺麗で子供のような白川が、人並みに性欲を持っていたのにも萌えました。
あの涼しい顔の下で……と思うと、胸がドキドキです。
これもギャップ萌えなのでしょうか?
「俺は真っ白じゃないよ」と告げる白川は、誘い受けの素質もありそうで素敵。

不思議美人・白川の劇的な変化と、
とうとう訪れた二人の夜に萌えが大暴走です。

1

1歩ずつの恋

再読し始めたシリーズも3作目。
タイトルの意味するところは最後まで読めば分かるのですが、これがまたシリーズを追って来た読み手からすればにやりとしてしまうもので…あとがきを読んで私もにやりとした口です。

手を繋いで1歩1歩、お互いの歩幅に合わせながらゆっくり進む2人の恋愛模様が素敵なこちらのシリーズ。
恋愛における心理描写の丁寧さと、雛鳥がよちよち歩きをしているような不思議系美人・白川の成長の記録を楽しみながら読み進めていくのが楽しいです。
無意識に西野とその周辺の人々を変な気持ちにさせる、純粋美人な白川が愛おしくてたまりません。
周囲の人々も相変わらず賑やかで、なんやかんやと酒の席をもうけては各々好き勝手に過ごす彼らが愛おしいです。
本当に嫌な人が1人もいなくて、全方向にやさしい世界。
人に恵まれているのか、西野たちがそうさせるのか…すごく良い関係性だと思います。

今作では、日頃の西野の甲斐甲斐しさが報われてなのか、もっと西野のことを知りたいと言い出したり、西野を心配していても経ってもいられなくなったりと、白川の成長が際立っていた印象が大きい1冊でした。
あの白川が…と思うと感慨深いです。
かと思えば真っさらな赤ちゃんっぽさが残っているのもずるいところ。

西野と白川という人は、どこからどう見ても相思相愛で、相手のことを愛しく思っていることも特に隠してはいないんです。
麻生先生の透明感のある文章で流れるように読んでしまいそうになるけれど、よくよく読めばずっと惚気ている上に非常に甘ったるい空気が広がっている。
でもですね、もう何度もキスを交わしているのに、まだ片手で足りる程度にしか抱きしめ合っていないんですよ。
そう、まだ服を着て抱きしめ合うことすら数回なんです。
こんなにピュアなBL、昨今のBL小説ではあまり見かけないのではないでしょうか。
その辺りは人によっては焦ったさや物足りなさを感じるかもしれません。
ただこの2人の恋愛は、初めての感情と関係をどうしたら良いのかなとじっくり考えながら、手探りで少しずつ互いの心と身体に触れていくのがものすごく良いんだなあ。

そんな2人が今回はついに…なわけです。
これが萌えか〜〜!と、じわじわ謎の達成感がわいて来る、サクッと上手くはいかない良さがある初夜。良かったです。
あれだけ日頃白川に対して悶々としていた西野が、白川のことを大切に思いすぎるがゆえにヘタレそうになっていたり、ぽやっとしていた白川の方が手綱を握るのが上手そうだったりして、意外性におっ!となりました。
西野はずっと白川には勝てないのではないかなあ。

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