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ウェアウルフって知ってます?
fujitsu no jusha to ookami no hana
こちら、60~70年ぐらいのイギリスをイメージして書かれた、人狼&主従ものになります。
こちらですね~、もうお見事と言うしか無い、巧妙な仕掛けが面白い作品なんですよ。
思いもよらないどんでん返しに驚かされ、あまりに強烈過ぎる攻めの真実に心を揺り動かされる・・・。
ホント、とんでもないヤツが居たもんだよと、鳥肌が立ちました。
内容ですが、侍従×人狼によるイギリスが舞台の再会ものになります。
12才で実家を出てから、気ままに暮らしてきた大学生の千里。
実家からやってきた使いで、双子の兄・皇翔の侍従であるアキルに連れられ、10年ぶりに故郷に帰る事に。
そこで自身が人狼(ウェアウルフ)である事を思い出し-・・・と言うものです。
ウェアウルフの家系で貴族であるキングスレーに、そんな彼等に人間でありながら代々仕えてきたヘイワード家。
一族が暮らす孤島に、家督を継いでいる双子の兄。
そして、何やら強い決意を持ち、千里の元に忍んできた兄の嫁・ルイーズ。
序盤から、謎めいた雰囲気でストーリーは進みます。
そんな中、萌えさせてくれるのが主従である二人の関係。
千里ですが、イギリス人でキングスレー家当主の父と、日本人でこちらも人狼である母の間に生まれています。
人狼が島を出るためには、人狼である記憶を封印して、更に薬で人狼の体質を抑えなければいけないんですね。
そのため、自分自身が人狼である事自体をすっかり忘れてたりします。
今回呼び戻され、記憶を戻されて自身が人狼だと思い出す-。
そして、ストーリーが進む中、徐々に過去の記憶を呼び戻してゆく千里。
キングスレーの人間にとって、侍従と言うのは特別な存在です。
自分自身で選び、伴侶よりも分かり合える深い絆を持つ存在。
千里にとってアキルは初恋の相手であり、侍従に選びたい相手でもあったのです。
しかし、兄である皇翔がアキルを選んだ為、彼を手に入れる事は叶わなかった・・・。
戻って来た千里がアキルに細々と面倒を見られながら、そんな過去を思い出してゆくのが前半になりますが、甘くもほろ苦い感じでしょうか。
まぁ、強気でツンデレ気味でもある千里に、飄々としていてつかみ所の無いアキルなので、二人のやりとりなんかが萌えるんですが!!
侍従にからかわれて、赤くなって怒る主人みたいな。
と、ここまでは因習に囚われつつも、どこかほのぼのさせてくれる島での生活。
で、ここからですね~、驚きの真実が分かって驚愕てトコでしょうか。
まさにどんでん返し!!
圧巻の展開で読ませてくれるようになってます。
アキルですが、飄々としていてどこかつかみ所の無い印象だったんですよね。
が、ここで彼の真実が分かると、もう鳥肌が立つと言うか、あまりの強烈な愛し方に衝撃を受けると言うか・・・。
彼はとんでも無く身勝手なんですよ。
身勝手なんだけど、その身勝手過ぎる行動は、全て千里の幸福の為に起こされている。
とんでもない男で、ある意味究極の執着攻めなのです。
でも、同時に健気なのです。
なんかね、こんなとんでもない男なのに、いじらしくて胸が締め付けられるんですよ・・・。
そして、真実を知った時、千里の見せる態度が良いんですよ~。
めっちゃ男前だから! めっちゃ男前だから!!
これぞ主従ものの醍醐味だよ!!!
あと、貧乏くじを引く事になったお兄ちゃん。
彼は彼で、ちゃんと幸せをつかめるのが素敵でした。
そう、幸せの形は人それぞれ。
その事に気付かず、勝手な思い込みで暴走気味のアキルには、今後しっかり千里が教育しないとね!!
個人的には、受け以外どうでもいいと言い切っちゃうような攻めは大変好きですけど。
この後、超甘々な短編が書かれています。
こっちではエッチでアキルが暴走気味。
ホント、どうしようも無い男だな!!
と、とても面白い作品でした。
作家買い。
綾さんはファンタジー要素の強い作品を書かれるイメージがありますが、この作品もそのイメージを損なうことのない作品でした。
もう、とにかく、
面白い…!
いつもネタバレ上等でレビューを書きますが、この作品はネタバレなしで読んでほしい。
という事で感想を書きたいと思います。
主人公は大学生の千里。
母亡きあと実家とは疎遠で、12歳の時に家を出たまま一度の実家に帰ったことがない、という青年。実家とはうまくいっていないけれど、朝が弱くなかなか起きられない彼のために毎朝起こしてくれる親友のハリーもいて、楽しい毎日を送っている。
大学を卒業したら亡き母の実家のある日本に行くのを楽しみにしているが、そんな彼のもとにずっと音信不通だった実家から使者(アキル)がやってきて、一度実家に帰ることになるが―。
さすが綾さんというべきか、とにかくストーリー展開が秀逸です。
読むほどに謎が深まり、けれど、読み進めるうちに少しずつ謎が解けてくる。
そして、読むほどに点が線になっていく。
あっと驚く結末で、読んでほしいとしか言いようがない。
謎解きの面を多く含む作品で、もちろんその展開も面白いのですが、それだけに非ず。
攻めが、超のつく、一途執着攻め、なんです。
受けさんのためだけに、彼の世界は存在しています。
なんだこれ…。
めっちゃ萌える―!
千里の実家の謎。
アキルが一途に尽くす「皇翔」の存在。
千里の親友、ハリー。
そして千里の身体の秘密。
様々なバックボーンがありつつ、でもそれらが非常にうまく絡み合い展開していくストーリーでめっちゃ面白かった。
そして、その謎を解く作品かと思わせてからのアキルの一途な恋心の見せ方。
やられた!
って感じのすごい作品でした。
そしてCielさんの挿絵がこれまた良い。
千里のケモ耳にも、褐色の肌を持つアキルのビジュアルにも、どちらも激しく萌えました。
人狼ものです。
不思議なお話、特に『理屈では説明ではない不思議さを納得させちゃうお話』がお得意な綾さんの書く『人狼もの』ですから、大変期待して読みました。
実はスルスル読んでいるうちに読み終わってしまっちゃったんです。
もっとガーッと盛り上がるんじゃないかと思ってたんですが……
誤解されると困りますが、つまらない訳じゃないんですよ。
あと、人狼ものは好きだし、執着攻めがダメというわけでもないのです。
ただ、どっか乗りきれない部分があるのですよね。何なんだろ?
……読み終わってからもう一度、お話を行きつ戻りついたしました。
多分ですね、主人公が上品すぎる所為なんじゃないかと思うのですよ。
私は『手にしたいものがあるなら、とことんあがく登場人物が好き』みたいです。言葉が悪いのですが「千里に起きた事って棚ぼたなんじゃないか」と思っちゃう。どうも私の腰の座りが悪いのはこれが原因の様です。
英国の貴族社会と(ゴシックロマン風味が一滴ほど入っている様な気もします)浅黒い肌の執着攻め(なんと、ロマの血を引いている模様)が好みの方には、たまらないお話だろうと思います。
もう少し融通がきく様だったら、もっと面白く読めたのにぃ!
幸せの取得に『等価交換』を振りかざす自分の不器用さが口惜しいです。
人狼ものということはオメガバース的な番とか妊娠とか一族のお話かなと勝手に想像して手に取りましたがだいぶ違いました。
消えゆく一族の終焉の悲しみと、しがらみからの解放を主軸に
意図的に強いられた滅亡への道が哀しく描かれていました。
従者からの主への狂気に近い執着でした。
一度は手放しておきながら諦めきれない想いが再燃してしまうわけです。
出生や過去の出来事の記憶を消され平穏な人生を送るのが幸せなのか、
好きな人と共に生きる道を行くのが幸せなのか
それぞれに思惑があり、だれもがみんなの幸せを思っての行動だったり企てだったりするから
何が正しいのか一概には言えないけれどやっぱり好きな人と一緒にいられるのが一番の幸せだと思います。
イギリスの離島を所有する男爵家当主の弟である千里(受け)は、12歳で故郷を離れパブリックスクールに進学して10年。
大学卒業後は亡くなった母の故郷である日本へと放浪の旅に出る予定でしたが、卒業を前に突然実家から迎えがきます。
迎えに来たのは千里の初恋の人で、当主である双子の兄・皇翔の侍従のアキル(攻め)でした。
実家に帰り、千里が自分を呼び戻した理由を尋ねると、もともとあまり仲の良くなかった兄は「大事なことを忘れた間抜けな顔が見たかった」と千里には意味の分からないことを言うのです。不信に思っていると、無理やり薬を飲まされ、千里は忘れていた自分の本性を思い出すのです。
千里の一族はウェアウルフで、同族がイギリス全土から集められ保護されているこの離島を治めている領主でした。
ウェアウルフはこの島から出るとき自分がウェアウルフである記憶を奪われることになっており、千里は自分が人間であると信じていたのでした。
自分のことを思い出した千里でしたが、島から出ていきたいという考えは変わらず、島を出る処方箋を出す医師が本土から戻ってくるまで屋敷に軟禁されることになるのです。
なかなか帰ってこない医師を待つ間に来た満月の夜、封印が解けた千里は初めての発情期が来てしまうのです。
理性が保てない千里は秘めていた想いを吐き出してしまいます。
この話はネタバレなしで読むことをお勧めします。
今作はとても謎が多く、千里と関わる人物たちがそれぞれ隠し事をしそれぞれの考えで動くので、それが何かわからないまま話が進みます。
親しいわけでもなく用事があるわけでもないのに千里を呼び戻す兄。
発情誘発剤を使って夜這いをかけてくる兄嫁。
皇翔に侍従に選ばれてから皇翔だけが大事なはずのアキルが甲斐甲斐しく千里の面倒を見、千里の侍従だったロイドが皇翔の面倒をみている不自然な状況。
心を病んでしまった父親。
など、彼らが何を考え動いているのかがなかなかわからないため、話に引き込まれます。
アキルの自分勝手さは清々しいほどでした。
千里の幸せの前に何物も邪魔をさせないという徹底した千里至上主義。
彼の行動原理はすべて千里のためにあるのです。
話の根底はアキルの千里のための行動ですが、その思惑の乗っかる形で他の人物も自分の思惑で動き、話が絡まっています。
国の思惑により遠からず絶滅してしまう種族ではありますが、絡まっていた糸が一本につながり、すべての登場人物がそれぞれの幸せを見つけたことはとても良かったと思いました。
ただ、これから先の二人の姿をもう少し読みたかったです。
島から出た二人は日本へと旅立つというところで終わっていますが、隠す必要のなくなったアキルの過保護ぶりでは、千里は何もさせてもらえないような気がします。
千里は外へ出たいという欲求を持ち、島から出るという選択をしましたが、それ以外はすべてアキルによってお膳立てされていたので、千里自身が行動する姿も見たかったです。
この超絶過保護な独占欲の強い男が傍にいる限り無理でしょうね。
毎日キツイ薬を飲まなければならないようで、早死しないかそれだけが心配です。