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tsuki wo tabete koi wo suru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
もともと表紙買いしがちなので、この本は出会ってすぐポチ。
お話も良かった。
届かない思いに悶えていたら、、えぇーそうなのーーー?!で更に悶絶しながら(途中イラッともしながら)読みました。
近親BLを求めて購入しました。沙野風結子先生の作品を読んだのは久しぶりでしたが、素敵な作家さんだなと本作で改めて感じました。
あとがきで本作が改稿作品であることを知りましたが、タイトルは今回の「月を食べて恋をする」の方がロマンチックで好きです。
ネタバレを見てから本編を読むのは本当にもったいないので、未読の方は読まない方がいいと思います。
本作の感想をひと言で表すなら、とにかく苦しかったです。
恵多に感情移入しすぎたのか、恵多と同様に章介の一挙一動に心を乱されたり、水面や性が引き金の発作の場面ではこちらまで頭痛や吐き気を催しそうになりました。
このお話で一番厄介なのは、恵多の記憶が一部欠如していることです。記憶があれば物語が成立しないのは分かっていますが、これのせいで煮え切らない態度の章介と胡散臭い須藤との板ばさみになっていく恵多にかなりハラハラさせられました。
第二に厄介だったのは章介です。章介は記憶や発作など恵多の不安定な心にしっかり寄り添えているようには見えないのに、そのわりには恵多のことを束縛して恋愛感情があるようにも見えたので、ただ単に恵多のことを好きだけど血縁関係だから叔父と甥としての距離を保っているのだと思っていましたが、恵多と須藤が接近してからは章介の不穏な話が出てくるわ本人がそれを否定しないわで、話が進むほどに章介の人物像が謎めいて混乱しました。
だからこそ須藤の狡猾さがふんだんに発揮されていたように思います。
本当は彼が悪者なんだろうなと分かっていながらも、章介と比べたら須藤の方が親身な対応だし恵多の恋人だったかもしれないし……とアパートから恵多を連れ出したあたりから金目当てなのが丸出しになるまで、須藤はヤンデレ気質の当て馬とばかり思っていました。
恵多早く逃げて! と思った時にはもう手遅れで、恵多が心身ともに弱っていくのが本当につらくて、私も須藤を殺す以外に解決策はないだろうなと思いながら事態を見守りました。
物語の終盤を迎えてようやく様々な重苦しい真相が明らかになるのですが、蓄積されたモヤモヤが晴れるとともに推理小説の謎が解明された時のような爽快感がありました。
とはいえ、章介の行動が不可解だった理由が分かると、理性的な行動も衝動的な行動も全て恵多を愛しているからこそだったんだなと合点がいくので切なくなります。次に本作を再読する時は絶対に章介に感情移入すると思うので、さらに苦しくなりそうです。
恵多と恋人で、兄(恵多の父)に関係が知られ、猛反対され、二人の今後を話しあうために密会している間に兄が事故にあって、そのことで恵多が自責の念にかられて、あげくの果てに階段から転落した恵多は章介のことだけを忘れて……。
これだけのことがあれば、章介が恵多にあいまいな態度をとってしまうのは当然だと思います。記憶がない方が恵多は罪悪感から解放されるし、叔父と愛しあう以外のまっとうな人生を生きられるかもしれないと思うと言えませんよね。でも、頭では理解しているのに、愛する恵多を手離せない章介が切なくて萌えました。
恵多は恵多で記憶がない代わりに発作に苦しめられていましたが、水面は父の事故死、性は章介との許されない恋といった形で封印された記憶と結びついた無意識の罪悪感が発作を引き起こしており、章介との性行為で恵多が禁忌に対する罪悪感以上の恐怖を感じていた場面は、章介への想いが父を死に追いやったという潜在意識がそうさせたのだと思うとかなりつらいです。
須藤に恋人だったと嘘をつかれようと、章介は悪者だとしつこく言われようと、それでも恵多は章介への恋愛感情を捨てられずに章介を守るために自分を犠牲にするところが、読後にふり返るとより感動します。
記憶を失ってからの恵多は他の男女と恋愛できる機会が何度もあったのに、それでも章介に惹かれていました。章介は自分のことを好きになってもらおうとしたと自虐していましたが、記憶がなくても恵多自身の意思で章介を好きになったということは、章介との恋人時代は決して恵多にとって若さゆえの過ちだったわけではないことの証明になるのではないでしょうか。
三年前だって、恵多も章介も恵多の父も誰も悪くなかったと思います。恵多の父の怒りは当然のことだし、むしろ章介を警察につき出さなかっただけ優しかったかもしれません。
強いて言えば、章介が大人として自制するべきだったのかもしれませんが、恵多が須藤とキスした時に見せた絶望していた姿から恵多への本気度がよく伝わったので、公にできない関係とはいえ好きな人から恋愛感情を向けられたら気持ちを抑えられなくなるのは時間の問題だったと思います。
恵多の父の死に対して恵多も章介も負い目を感じていますが、この三年間で二人は様々な苦しみを味わうという形で罰は充分受けたと思います。そして、それでも二人はこれからもずっと十字架を背負って生きていくのでしょう。
しかし、お互いにとって苦しみを理解しあえるのも、幸せになれるのも、この二人でしか成り立たないことです。周りから祝福されない関係だと分かっていながらもお互いしか求めあえない二人だからこそ、これから先もずっと支えあいながら幸せになってほしいと思います。
本作は官能的な場面以外に、性行為はしていなくても淫靡な空気をまとっている場面が多く、さらに小山田あみ先生の素晴らしい挿絵との相乗効果でドキドキしながら読みました。タイトルも表紙も物語の根幹を表現できていて素敵です。
写真が欠けたアルバムや、ショースケ・ケータ呼びの音引き、恵多の左頬のえくぼなどの伏線回収もお見事で、章介はあの時どんな気持ちだったのかな、とついつい思いを馳せてしまいます。あとがきを読むと、さらに章介の恵多への本気度を知ることができて萌えました。
苦しかったけれど、読んで損はない作品だと思います。
『君といたい明日もいたい』の新装版です。
上記の方も読んだのですがそれに比べてとても読みやすくなっていました。
真相は知っていたので、恵多の迷走と章介のだんまりにハラハラモヤモヤでした。
章介が恵多のそばを離れられない気持ち。
逃げる恵多を強引に守って。
騙された恵多が章介を守ろうとする気持ち。
なぜ須藤の正体をお互い伝え合わないの?
もうすれ違いが切なくて辛くて。
恵多!目を覚ませ!しっかりしろ!と言いたくて仕方ありませんでした。
でも許されない決して実らない想いから相手から逃げたかったんだよね。逃げても彼のことで頭がいっぱいなのに…。
解決はあっさりで。
はぁ、どんな気持ちで章介はこの3年間恵多と一緒に暮らしてたのかな。香水やポケットのピアス。これも恵多を守る方法だったのかな。
これで恵多の体調も治るのかな?
カバーイラスト&タイトルが素敵です。
近親ものでこんなにモラル面を横目に意識させながら萌えに繋げるのって、もはや今どきのBLじゃ珍しいし、主人公の恵多がラブむきだしなのも作者様の作風にしては新鮮。
冒頭から片思いのキュンキュンが止まらないなんて、近年の作者様の作品にしては怪しい…と訝しみながら読み進めていったんですけど、ふと既視感を覚えてリメイク作品だったと知り妙に納得しました、、
高校三年で父を亡くし、父の弟と同居している恵多。同居して3年経つが、恵多は叔父の章介に対して複雑な思いを抱いている。頭を強く打ったために記憶障害を発症し、溜められた水に対する恐怖症、セックスへの拒絶反応などの発作に悩ませられている恵多は、章介の目がないと一人で生活するのに困難を抱えています。恵多が大学生になって就活の時期に入る頃には、章介を意識し過ぎて苦しくて離れたくなってしまう。なのに章介は保護者だからと恵多を離そうとしません。恵多は辛いんだけれど嬉しいという矛盾した感情に振り回され続けて…もうそれ、恋ですね笑
それなりに無理矢理なシーンがあったり、エロも盛り込まれていて、全てが明らかになった後にボロアパートでの章介の思いを想像すると切ないです…。
ただ、二人が惹かれ合ってしまった宿命的な部分にもう一押し力を入れて欲しかったような、結末に向けてのラストスパートであわあわと泡食ってみたかったような気もしました。贅沢ですね笑
本作のプレイは意識があるのに体が動かせない状態での凌辱、でしょうか。
当時のBLらしさを作者が意図して残してくれているのか、ただわたしが一方的に汲み取っているだけなのかわからないけれど、全般的に少し前のBL感が拭えなかったかも…(記憶障害前の年齢設定が低めですし)。むしろ個人的にはそういうのが好きなんで、作者様のリメイク作品をもっと拝読してみたい欲望は滾っております。
旧作からの加筆修正版。前作は未読。
全体的にミステリアスで謎の漂うストーリー展開。
小さな謎を散りばめつつ、
惠多くんの日常と章介おじさんとの
多少ぎこちないながらも
穏やかな日常生活展開の前半。
それが、
弁護士須藤さんの登場から怪しくなってきます。
後半は切なくて苦しい。
不安と疑いにぐらぐらする惠多くんにも、
はっきりしない章介おじさんにも
すっきりしない嫌な感じで物語が進みます。
しかし不思議なことに
ページを捲る手は止まらないのです!
この辺は沙野さんの筆力と言いましょうか、
言葉選びが美しい!
二人が想いあっているのは分かるのに、
素直になれない原因はなに⁉︎と、
常に引っかかりつつ苦しい展開!
(心情的にも肉体的にも!)
途中、多少大袈裟ではありますが、
この小説を読みながら、
マインドコントロールって、
きっとこんな風に疑心や不安の隙間に、
上手くするすると潜り込んでやられるのだなと、
ちょっと怖くなりました。
多くのレビュアーさんも書かれていらっしゃいますが、
きっと初読みと再読では違う楽しみ方が出来ると思います。
そして小山田さんの表紙が素晴らしいv
この表紙が全てを表している気がするほどです!
今風に言うなら『キュンですv』
途中苦しくて嫌な感じもするのですが、
終始二人の深い繋がりを感じつつ、
沙野さんの綺麗な言葉選びにも助けられ、
評価は「神」で!
幻想的な表紙に不思議なタイトル。
日常の風景から絶妙に顔を出してくる謎。
ドキドキしながら一気に読みました。
地雷がなければネタバレなしをオススメします。
初読と2週目、倍の萌えが得られますよー!!!
途中胸クソ悪くて、私は胸を掻きむしっちゃいました;
人の悪意が気持ち悪かった…。
が。それを上回る勢いで胸が熱くなります。
終始受け視点で、初読は受けのお話として読んだんですが
2周目に入り攻めの心情を慮ると切なくてパタリと倒れる。
叔父と甥の禁断の恋。
この恋に鍵をかけなくては…と必死に否定する様が
重苦しく、やるせなく、グッときます…!!!
(以下ネタバレあり感想ご注意)
冒頭は過保護な叔父にウンザリする甥…といった雰囲気。
甥:恵多は過去の一部に記憶がないけれど生活するには支障が無い感じです。しかし記憶を失った前後、父親の死のトラウマもあり、時折発作を起こすようになっていました。
叔父:章介はそれが心配の種で過保護っぷりを発揮しているという風に見えます。少々異常にも見えるけれど、それも致し方ない…と思うほど恵多の症状は酷い。
『過保護な叔父にウンザリする甥』がごく自然に描かれていて、ここからミスリードが始まっていたのか…!と感嘆しました。個人的に裏を読むのが苦手なので目に入ったままの解釈しちゃうからホンッット欺されたwここからしてすごく面白い。
そこから少しずつあぶり出される恵多の恋心。"ウンザリする甥"を演じながら自分の心に湧き上がる想いを押し止める健気さにギュンギュンします…!女の香水が匂って嫉妬したり、意地を張ってみたり。必死で必死で否定してなんとか『叔父と甥』の関係を安定させようとする。
けれど『叔父と甥』にしては時折空気が濃密で淫靡なんですよッ!バスルームで発作を起こして倒れた恵多を章介が介抱するシーン。濡れた身体をバスタオルで拭く描写があるんですが、頭の先からつま先まで丁寧に丁寧に描かれていてめちゃくちゃエロい…。なんじゃこりゃ。すごい。エロい…////
恵太の密かな片想いの行方は痛々しくしんどかったです。否定すればするほど悪い方に転がっていくような…。泥沼に足を取られて動けなくなり、思考停止させてしまうんですね。さすがに思考停止は少々イラッとしました。「ちゃんと考えて!頭動かせばわかるよ!」と願いながら読んだ。
変な方向に落ちてる恵多を友人が軽く窘めるのにちょっとホッとしたかな。章介の立場がどんどん悪くなって嫌な風に書かれ出したので、私は胸クソ悪くてしんどかったんですよ。恵多ですら章介を悪く言い出すから余計許せなくて。けれど恵多の友人だけは章介を信じてくれてて、なんかね。泣きそうになった。
悪循環が止まらない状況でようやく全てが明らかになった時は萌えで指先がビリビリ痛いし、泣けるし、切なくてギュンギュンくるしで最高でしたね…(∩´///`∩)あーー!そうだったのね!となってから、あれ?じゃあ冒頭のアレは…?と章介視点で想像を巡らすとシンドくて切なさに萌えた…。すごい。読み終えた後に更なる萌えが襲ってくるってどういうこと?すごい…。沙野さんすごい…。(五体投地)
途中趣味じゃない部分もありました。(特に恵多が章介を信じなかったのは解せない…!あんなに愛情かけられてたのに…。でも記憶がないってそういうことか。しょうがないとも思えるので気持ちを落ち着かせる)けれど読み終えた後にすぐ2周目に入る面白さがあり、読後に襲ってくる萌えは神…!月並みなことしか言えませんがすごく良かったです(;///;)
叔父と甥の禁断の愛がテーマだが、特殊設定のない現代モノは沙野先生の作品にはちょっと珍しいかも。
3年間も自分との関係を忘れた恋人と同居しながら、攻めが悶々としてひたすら耐えている、というところがこのお話の切ないポイントだとは思うんだけど、そもそも肝心の、なぜ叔父さんが13歳も下の血の繋がった甥に恋したのか、という部分が書かれていない。
なので叔父さんの気持ちになかなか入り込めないし、甥っ子も、3年間も面倒を見てくれてる大好きな叔父さんより、クズ弁護士の言うことをなぜか信じて、まんまと騙されちゃう、というのがちょっと信じられないというか…おバカさんに思えてしまった。第三者に何を言われても、好きな人の方を信じたい、という方が私には自然に思えるんだけどな…。
中盤はひたすら受けが攻めを疑ってるし、攻めはクズにまんまと受けを取られてるし、なんかもういろいろずっと辛い。
ここまでこじれたら、もう真相を一から説明してあげればいいと思うんだけど、攻めは言葉足らずで。力づくでどうにかしようとするのも、半ばストーカー化しちゃうのも、苦手な展開だった。
ラストは受けの記憶が甦ってめでたし、なんだけど、攻めも本音ではまた受けに恋してほしかったのなら、よけいな小細工せずに、やっぱり最初から話せばよかったのになあと思っちゃう。まあ、そうなると全然違う話になっちゃうけど…。クズに社会的な制裁がないのも、微妙にモヤるしなあ…。
叔父と甥というカップリング自体は大好物だし、序盤の微妙な距離感には萌えた。介抱という名のタオルプレイはドキドキしたし。でも残念ながら、そこが萌えのピークだったかな。
特筆すべきはやはり表紙。神がかった美しさで、思わずじっと見入ってしまう。
最後まで読んでタイトルと表紙の意味がわかると、萌えが自然と沸いてくる仕様も素晴らしい。本編に萌え萌えだった方は、更に萌え萌えになりそう。攻めの透け乳首もたまらない…!
小山田先生の描く大人な年上攻めの、スパダリっぽい感じがすごく好きなので、挿絵が出てくる度にニヤニヤ見てしまう…。
途中で思いっ切りネタバレしています。ご注意下さい!
ーあの時キスしたの、覚えてる?ー
小山田あみさんの表紙イラストが素晴らしく美しい
この作品には、スルメみたいなところがありました。
初読み時には分からなかった・気づけなかった文章表現や描写の意味が
重みを持って心を打ってきたのは、再読している最中でした。
沙野さんらしさのある細やかで意味深な描写の数々に
ハッとさせられ、その巧さに唸らされたのは、再読している最中でした。
ただ、初読み時でも
最後の最後でやっと、章介の言動の意味するところが判明して
泣き笑いさせられましたが。
けれど、再読時には
章介の心中が手に取るように分かってしまうので
切なくて苦しい気持ちでいっぱいになり、涙腺は緩みっぱなしでした。
3年前までは自制心の利かなかった章介が
自制心を利かせまくって生殺し状態のまま
恵多を過保護なほどに見守り続けている姿は本当に切なくて苦しいです。
恵多が記憶の一部を喪った原因には納得がいきました。
父の事故死は当時18歳だった恵多には重すぎる罪です。
章介への想いと決して切り離すことができない父親への罪悪感。
痛みを伴う2人の関係がとても苦しいです。
でも、大人な章介の愛は深くて重くて前向きだから
恵多は激痛を伴う章介への愛を諦めることなく
2人で一緒に幸せになるのだろうと思います。
評価をつけるのは、是非、再読してからにして欲しい作品です。
ロマンティックなタイトルに魅かれて。
その月は、冷たいのだろうか。昼間に見上げた白い月なのか。輪郭が甘い朧なものなのか。
タイトルの意味はラスト周辺に明かされる。それは私の想像していた様な「白い月」でない事を知る。
父が事故死した時期周辺の記憶を失くした恵多は、時々発作に悩まされながら、何か「大切な」記憶を思い出そうとしている。
そして父亡き後、弱った自分の世話をしながら側にいてくれる叔父の章介に淡いけれども、躰の奥底から沸き上がるような熱情を伴って。
恋をしている。
全部読んでしまうと、シドニィ・シェルダンの何か著名な作品のようでもあり、フランソワーズ・サガンの「悲しみよこんにちは」のようでもある。不安定な記憶と共に、自分の心と、恋に向き合っていく。
父の死の真相や、恵多を取り巻く大人たちの思惑が、まだまだ子供である恵多を危険な局面に立たせてしまう、ミステリー仕立て。
ただ、途中で当て馬(?)として出て来る須藤さんがあざと過ぎて、読み手側には彼の思惑だけは分かり過ぎるほど分かってしまう。恵多はぼぅっとしてるので、ウカウカとしてその手管に落ちてしまうが。
表紙やイラストが指し示しているのに関わらず、章介の外見はちょっと違う人を想像していた。
髪はゆるいウェーブを描きながら、肩に掛からない程度に長く、真ん中で分けられ。肌は浅黒く、うっすらと髭を生やしている。というのが、私の想像で。恵多は、イラスト通りでいいかな。
抜ける様な白い肌の美少年なのだと思う。
記憶を失くしても、何度でも貴方と恋をする。というロマンティックな側面と、その綺麗さを生々しく覆うエロス‼︎ むちゃくちゃエロいです。まぁ、多くのミステリーがエチシーンを含める事を思えばフツーなのかもしれないけれど、何がエロいって、直接的な行為そのものよりも。
他の方も触れている様に、章介が風呂場で倒れた恵多を介抱してその躰を拭くシーン‼︎
恵多は、章介が介抱してくれているだけなのだと思いながら、その手に、触れる指に、タオル越しの温かさに。つい感じてしまい、後ろめたさを持つ。読み手側には章介の熱く濡れた想いが迸っていることが分かる。この男の確信犯的な劣情を感じるのだ。
13年も歳が離れているとはいえ、章介も恋に溺れるただの男だということを。
なので、実際に彼が行為に及ぶ悦びが、大人げなくて。(ちょっとだけ引きます!)
物語は常に恵多目線で語られますが、全部読んでしまってから、章介目線で読み返すとまた、熱いものを感じられるかと思うのです。それは是非。
先生&表紙買い。ほんわり甘いのかと思ったら違った・・ドキドキどうなる話でした。最後までドキドキ苦しくてちょっと重いなと思ってしまったので萌にしました。本編230P弱+あとがき。
平日の朝、洗面台で二人歯磨きなど身支度をするシーンから始まります。デザイン事務所勤務の叔父は寝起きはゆるいクマ状態ですが、ぱりっと身支度を整えるとイケメン。色んな女の残り香をまとってきますが、必ず帰宅し、甥っ子である恵多にも外泊禁止令を出す過保護さん。というのも恵多が記憶を一部欠落していて、水の匂いがトリガーとなって動けなくなる発作をたまに起こしてしまうからで・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
須藤(受け父の会社の顧問弁護士だったイケメン)、大学の友人少々といったところ。ほぼ二人+1で進む印象です。
**以下内容に触れる感想
叔父に焦がれる気持ち、父が亡くなった理由、自分が記憶を無くした理由、その記憶などを知りたくなる気持ちなどで受けさんが煮詰るので、読み進めていくうちに気持ちはぐあーーとなっていきます。なるんですけど、攻め受け共にあんまり好みドストライクという訳ではなかったからかな、萌方面ではあんまり盛り上がれず。攻めさんは甥っ子を思ういいイケメン(やや)おっさんで、受けさんは一生懸命自分と闘う子と真面目路線一色だったからかな。お仕事話があるわけでもなかったし。
攻め受けとも一生懸命!という真面目なシリアスお話がお好きな方には良いのかもと思いました。
大好きな沙野風結子さんなので、迷わず作者買いしましたが、う〰️ん。高い評価の中、評価を下げて申し訳ないのですが、私は今一つ萌えきれませんでした。
設定は本当にすごくいいんです!恋人と思われる男性に湯船で温かく抱き締められる記憶(夢)を持ちながらも、父親の死をきっかけにして、その相手のことだけでなく、記憶の一部を欠落してしまって、水や性的なことに拒絶反応するかのように発作が出てしまう甥の恵多と、それを生活面でも精神面でも支える叔父の章介。
叔父甥の関係や同性愛ということに悩みつつ、記憶の欠落に苦しみながら一方的な片思いを拗らせている恵多の恋心が切なく描かれているところや、想いを募らせる1つ1つの仕草にはとてもきゅんとさせられるし、章介の異常なまでの過干渉の様子から過去に何かがあると匂わされてはいるのですが、そこは明らかにされないまま、発作で動けない恵多の濡れた体をすみずみまで拭いていく章介の描写のイヤらしいところとか(ねちっこい分、絡みよりむしろエロくて…う〰️ん、悶絶)前半はホントめちゃくちゃいいんです。
なのに、見た目が過去の恋人に似ているからといって、疎遠だった弁護士の言うことの方をほいほい鵜呑みにしてしまって、3年も一緒に暮らしてきて自分を時に過剰とも思えるほど大事にしてくれて、恋心まで募らせてしまった章介と、そんなよくわかんない人間を比べて、どうしてそっちを信じちゃうかなぁ〰️、なんでよ〰️ってところで引っ掛かってしまって…。
一方、そんな恵多の変化にストーカーまがいの執着心をみせる章介にもちょっとなぁ…って引いてしまいました。外出中に冷蔵庫に肉とかお惣菜とかって…ありがたいし、心配なのはわかるけど、おかんかってツッコミいれたくなりました。
たしかに、記憶の欠落が恵多を不安定にさせていたり、章介の方にも言えずにいることがあって二人の関係を拗らせていたのはわかるのですが、渡辺くんの「俺はこの目で見た叔父さんのほうを信じるね」というセリフがなかったら途中で放棄してしまいそうでした。結局はお互いを大切に想うあまり…ってところでかなり浮上でき、スッキリとはしましたが。
二人の抱える罪悪感と、それさえも凌ぐ愛情で最後はいい終わりになりましたが、途中あちこち引っかかってしまって、どっぷりとははまりきれずちょっと残念でした。
作家買い。
『君といたい明日もいたい』を改稿しての新装版ですが、旧版は未読。沙野さんはがっつり痛い作品も書かれますが、これはなんていうんだろうな。切なく、そしてしっとり。大人の恋。そんな読後でした。
主人公は大学生の恵多。
父親を亡くしたショックで倒れ、その時に頭を打ったせいで記憶が一部欠落している。
そんな彼が時々見る夢。
お風呂に入り、リラックスした状態で、そして信頼できる相手に身を委ねている。
恵多は、父親の弟である章介を愛しているけれど、血の繋がった叔父、という事で自分の恋心に蓋をしている。だから、夢で見る相手は、叔父ではありえない。でも、じゃあ、彼は誰なのか。
「水」を見るとショックを起こしてしまう。
そして性行為にも。
何故、拒絶反応を起こすのか。
そして、夢の中に登場する「相手」は誰なのか―。
ミステリーの様相も盛り込みつつ、恵多が愛しているのは誰なのか、かつて恋人だったのは誰なのかを追うストーリーです。
とにかく伏線は盛りだくさん。
なのに、その一つ一つに意味があり、そしてそれが繋がってく展開はさすが沙野さんといったところか。
主人公は恵多で、視点も彼目線。
でも、この作品の主人公は紛れもなく恵多の叔父の章介だと思います。
恵多が起こす発作や、彼の父親の事故の真相、そして父亡きあと章介に引き継がれた会社の存在。それを恵多が追っていく展開ではあるのですが、そこに隠れた章介の健気な想いを描いた作品だったように思います。
どんなに拒絶されても、それでも恵多を一途に思う。
本当のことを恵多に言えずに苦しむ。
そして、恵多に恋人が出来たと知って苦しむ。
良い意味で、大人で、そして良い男なんです。彼に萌え心が掴まれて仕方なかった。
恵多が追う「謎」は二転三転しますが想像を超える結末ではなく、ある意味王道というか想定内の結末。でも、それらをはるかに上回る登場人物たちの魅力にどっぷりとはまってしまいました。
これ、章介視点で描けないという事は十分承知のうえで、でも、章介視点のストーリーも読みたかったな。
章介と恵多は、気持ち的に途中まですれ違ったままなので、甘々な濡れ場は少ないです。
なのですが、章介が恵多の身体を触るシーンが非常にエロティックです。
相手は自分を愛していない。それでも、体を触られば愛しているが故に反応してしまう。お互いに、そう思っている。
萌え…!
王道の両片想いですが、ここまで萌える作品もなかなかない。
で。
小山田さんの挿絵がめっちゃ素敵でした。
綺麗だし、カッコいいし、濡れ場はエロいし。
綺麗なだけではなく、大人ゆえの暴走。執着。そして深い愛情。
そういったものがしっとりと描かれた、非常に萌える神作品でした。
電子書籍。新装版より「君といたい明日もいたい」を電子化して、書き下ろしショートストーリー付きでお得な気がします。
本作はモヤモヤしたまま終わりました。実印はどこに隠したか、家と土地の書類は回収できたか、啓太の就活はどうなったか、須藤は恐喝罪で逮捕されないのか。須藤以外の疑問は既刊のエピローグに解説されました。
既刊を削って、サイドストーリーがなくて、本作を楽しめなかった。
小説のみの評価は中立ですが小山田あみのイラストに脱帽して萌えです。イラストを拡大して心癒されます。
深い水の青と、薄暗い月のオレンジ。
表紙のイメージをそのまま纏ったような、切なく美しい物語。
3年前に父親を事故で失った恵多は、父方の叔父である章介と暮らしている。
父親の死にショックを受けた恵多は、心因性なのか?中高生あたりの記憶がところどころ欠落している。
さらに溜まった水とセックスに対して何故か強い拒絶反応を覚え、ひどい頭痛と体の麻痺を伴う身体的発作を起こしてしまう。
そんな恵多は、いけないと思いつつも、日々の生活の中で章介に惹かれゆく自分が止められない。
ある日、とあるきっかけで突然章介から迫られ肉体関係を持ってしまった恵多は、章介の真意がわからぬまま苦悩を重ねていくことに。
空白の自分の記憶を探るため、章介への想いを断ち切るため、過去に恋人だった可能性のある父の会社の弁護士だった"須藤"に近づく恵多。
章介も須藤も何かを隠し、章介は重要なことは濁してばかりで決して口にしないため、好きという気持ちと疑心暗鬼に揺れる心の板挟みとなり、さらに追い詰められていく恵多…
ミステリー要素の強い作品なのでこの先詳しい内容には触れませんが、主人公と共に記憶を解き明かしていく展開に、ページをめくる手が止まりませんでした。
恵多の記憶にない空白の時間の存在がもたらす不安や、叔父に抱く恋情や叔父と交わることへの深い罪悪感。
そんな彼の心情を投影した物語は常に仄暗く、読者をも水の溜まりに引きずり込むような息苦しさがありました。
息苦しいけど、進むことを止められない…
そんな水の中でもがき喘ぐような、心的描写がとてもうまい。
近親系は本来苦手なのですが、2人の深い苦悩、記憶を失ってもなお再び恋をし求めてしまう本能、反対に恵多の幸せを願い自分の想いを封じ込めようと戦っていた章介の愛…すべてに熱く胸が震えました。
背徳的な関係や年の差があることも相まって、性描写が非常に官能的。
私は小説はほとんど読んできていないため、小説ならではの濃厚な描写には鳥肌ものというか、赤面ものというか…
絵がない分、頭の中で繰り広げられている2人の交わりは、それはまぁどエロいことになっています。
コミック派の方々にも、ぜひ一度この刺激を味わっていただきたいな〜と思いますね。
こちら、2009年刊行である『君といたい明日もいたい』を大幅に改稿されたものとのこと。
残念ながらそちらは未読なのですが、今回はその際にボツになったタイトルに戻されたようです。
大幅な改稿とのことで物語の雰囲気も旧作とは大きく違うものなのでしょうか?
この作品には『月を食べて恋をする』という、ミステリアスで美しいタイトルがとても合っていると思います。
新しく届けてくださった作者様、出版社の方々には感謝を申し上げたいです。
こちら、2009年に刊行された「君といたい明日もいたい」を大幅改稿、改題の上、新装版として出されたものです。
旧版は未読になります。
で、叔父と甥と言う許されない関係もですが、ここに記憶喪失と言う推理サスペンス要素も絡み、ストーリーとしてかなり面白いと言うか、好奇心を掻き立てられると言うか・・・。
いやもう、サスペンス映画を見てるように、手に汗握らせてもらえました。
あとですね、攻めの意外な健気さにも心を打たれるんですよね。
こうわりと、傲慢だったり酷いヤツだと思っていた攻めが、実は超健気でしたと言うパターンが多いと思うんですけど。沙野先生は。
これ、最初から健気なのに比べて、より意外性でグッと来たりするのでお上手ですよね。
実は沙野先生の既刊をまだ9冊しか読んでなくて、偉そうに語るなって感じなのですけど。
で、内容ですが、会社社長で超過保護な叔父・章介×記憶が一部欠損している大学生の甥・恵多による、推理サスペンス要素ありの両片思いものです。
過去に強く頭を打った経験から、記憶の一部が欠損している恵多。
夢で見る「過去の恋人」との記憶に安らぎを覚えるものの、それが誰かは思い出せないままです。
そんな彼が、現在恋してるのは、一緒に暮らす叔父の章介。
過保護過ぎる章介に憎まれ口を叩きながらも、幸せな日々を過ごしています。
そんな中、夢で見ていた過去の恋人と再会する恵多。
恋人の口から、章介の犯した酷い仕打ちを聞きー・・・と言うものです。
で、こちら、サスペンス要素がかなり面白いのです。
何故か、溜まった水やセックスに対して強い拒絶反応を示し、発作を起こして動けなくなってしまう恵多。
そんな彼の記憶から消えてしまった「同性の恋人」。
また、叔父として過保護な程に恵多を大切にしながらも、何か胸に隠している章介。
そして、自身が過去の恋人だと恵多に訴える、亡き父親の元顧問弁護士・須藤。
これらが複雑に絡み合い、もう誰が敵で誰が味方だかサッパリ分からん状態。
終始、恵多の視点で進みますが、彼と共に、読者も疑心暗鬼状態でストーリーを読み進める感じでしょうか。
と、サスペンス部分もとても面白いのですが、並行して進む恋愛部分がこれまた萌えるのです。
元々、普段は叔父と甥としての健全な距離を保ってるのに、何かの拍子で危うさを漂わせる二人の均衡なんかに、ゾクゾクすると言いますか・・・。
発作を起こして動けなくなっている恵多を、章介が介抱したりするのです。
これがもう、身体を拭いてるだけなのにエロいエロい。
こう、過保護な叔父と元気な甥から、なにかの拍子に、ふいに漂う性的な気配-。
この危うい気配の漂わせ方が大変お上手でして。
読みながら「来るぞ、来るぞ・・・!!」と読者がほくそ笑んじゃう感じがご理解頂けるでしょうか。
個人的にですね、こういう危うい関係がゾクゾクする程好きなのです。
そんな中、自身の恋人だったと主張する須藤から伝えられる、章介の意外な姿。
章介を信じられない気持ちと、彼への恋慕との間で追い詰められてゆく恵多。
そんな彼を甘やかし、自分で考えなくてもよいように取り計らってくれる須藤-。
と、ストーリーは更に混迷を極めて進んでゆきます。
こちら、結末は読んでのお楽しみで。
ただ一つ、とにかく章介が健気なんですよ。
彼がずっと胸に仕舞っていた真実ですが、恵多の事を心から大切に思ってるからこそ、黙ってるしか無かったんですよね。
いやもう、章介、かわいそう! 本当、ガチでかわいそう・・・!!
この三年間を思うと、何だか胸が締め付けられるよ( ノω-、)
まぁ、発作時の介抱なんかは、明らかにスケベ心を抑え切れてないと思うけど。
ところでこちら、もう10年近く前の作品ですが、全然古さを感じません。
大幅改稿されてるせいかもしれませんが。
強いて言えば、須藤のキャラが沙野先生にしては単純過ぎる気がしますけど。
あとですね、エロ濃厚です。
二人がくっつくまでも雰囲気だけでかなりエロいのですが、くっついた後のエッチが凄い事になってます。
恵多、エロ可愛いなぁて感じで。
表紙が美し過ぎて悶絶なんですけど、(エッチシーンの)挿絵もめっちゃ艶っぽいのでご堪能下さい。
『君といたい明日もいたい』(2009年刊行)を加筆修正した物語です。
私は前作を読んでいないので違いは解りませんが、社会情勢等は全て現在の状況に書き換えられていて、所謂『古さ由来の違和感』は一切感じませんでした。
大変痛いお話です。
「この様なことが起きたらこうなってしまうしかないだろうな」という現実感に溢れています。
よく「BLはファンタジーだから」と言われますが、この『ファンタジー』の部分をかなり大きく削ぎ取っていると感じました。
だからとても痛く感じるのだと思います。
ただ、突き放す様な痛さではないので、絶望的にはなりません。
ミステリ仕立てなので、どこまで紹介したら良いのやら……ちょっと困ります。
大学生の恵多はお風呂の中で男性に抱きしめられ幸福な気持ちで満たされている夢を何度も見ます。それが誰なのかは解らないのですが、欠けてしまった自分の記憶なのではないかと思っています。
デザイン会社の社長だった恵多の父は飲酒運転による自動車事故で亡くなっているのですが、それをきっかけにして恵多は記憶障害を起こし18歳以前の記憶が斑で消えています。同時に湯船とかプールなど、溜められた水を前にすると激しい頭痛に襲われることや、普段はそうではないのですが、いざという時になると強い罪悪感を感じセックスが出来ないという状況を抱えています。
離婚によって父子家庭だった恵多は、父亡き後、叔父の章介と一緒に暮らしていますが、章介に対して感じる反発を恋の所為だと気づきます。しかし、頻繁に女性の香りを纏って帰宅する章介を見る度に、このままではいけないと感じる様になります。
そんな折、章介への想いを断ち切りたいと参加した合コンでたまたま出会った高校時代の同級生に、自分が茶髪の年上男性とキスをしていたのを見たと聞かされます。恵多は、思い当たった父の会社の顧問弁護士だった須藤を訪ねますが、須藤から自分たちは恋人関係にあったが、章介が父の会社欲しさに自分を解任し、恵多と会うことを禁じたと聞かされて……
『ミステリ仕立て』と書きましたが、謎解きの部分は割と早い段階で解る様になっています。むしろ、父の会社を巡る陰謀に巻き込まれた恵多に訪れる危機がハラハラドキドキもので、ここの部分がとても読みどころがあったんですね。
だって、章介と恵多、須藤と恵多の関係が強烈にシビアなんですよ。
どちらの男も恵多を追い詰める事しかしないの。
それぞれの動機は全く対局のものなのなんですけれど、記憶障害を抱える恵多にとっては、どちらの行動も「良く理解出来ない」という点で、同質のものと受け取らざるを得ないんです。
ここもねー、辛くて痛かった。
ただ、この物語は『痛さ』を感じさせるものだけではないと思うのです。
理不尽に落ちてしまう『恋というもの』についてのお話なんじゃないかと。
恋は善悪でぶった切れるものではないですよね。
でも、生きていく上でのモラルはそれぞれが持っています。
そこに矛盾が生じたら?
メリバではありません。
でも、幸せを感じる度に、同時に哀しみと後悔を感じざるを得ない形でお話は終結します。
ここに、沙野さんの優しさを見ました。
モラルを大切にしつつも善悪だけで人を裁かない……素敵な大人です。
甘いけれど苦い、極上の物語でした。