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hirodenashi wa wakuaisuru
今回は神隠しの子と厭われる古書店店主と
古書店でバイトする大学生のお話です。
忌子として長く隔離されていた攻様への
受様の長い片恋が実るまでと
攻様の弟が訪ねてくる事で
受様の秘密が詳らかになる続編を収録。
大学生の受様は両親の離婚により
母に引き取られて育ちますが
母の再婚で家を出されて
1人暮らしを始めます。
実父からの養育費は学費と家賃に消え
生活費は飲食店でのバイトで稼ぎますが
その店が店主都合で閉店することになり
受様は新しいバイト先を探し始めます。
そんな時に見つけたのが攻様の古書店で
受様の事情を知った優しい攻様は
受様をバイトとして雇ってくれます。
受様が攻様と出会ったのは
多忙な両親が小学生だった受様を
夏休みの間中、父方の祖父に
預けた事がきっかけでした。
1人で探検していた受様が
偶然迷い込んだ家が
攻様の暮らす離れだったのです。
攻様は子供の頃に「神隠し」にあい
人ではなくなったと噂される
そのあたり一帯の地主の長男でした。
人ではないとされた攻様は
学校へも通えず本のみを与えられて
離れで隔離されて暮らしていたのです。
攻様自身も子供の頃に山の池で溺れて以来
夜目が利いて匂いに敏感になったり
瞳が青く光ったりする様になりして
異質とはじかれた事に納得していましたが
攻様がキラキラ見えてる攻様と
ともに過ごす時間は安らかで
受様にとって大事な時間となります。
その後も何年か休みのたびに
攻様の離れを訪れ続けますが
攻様の父親に付き合いを知られてしまい
入りびたる事が出来なくなった上に
受様が両親の離婚で母に引き取られた事で
父方の親戚筋とは関係が切れてしまいます。
会う手段がなくなったことで
攻様への恋を自覚した受様ですが
中学生ではどうすることもできません。
そんな攻様への恋心は消えることなく
大学生になった受様が偶然出会った時に
攻様は成人したからと独り立ちして
東京で古書店を経営して
昔と変わらず受様に優しくて
バイトに雇ってさえくれるのです。
バイトとして攻様と過ごす事で
受様は攻様への恋心は大きくなりますが
親友にも攻様は怪しい男に見えるらしく
たびたび駄目だしされていました。
それでも諦められない受様でしたが
うっかり恋心を口にしてしまい
攻様に好意を捨てない限りもう来るなと
激しく拒絶されてしまうのです。
受様の恋の行方は如何に!?
雑誌掲載作のタイトル作に
続編を書き下ろして文庫化です。
雑誌で読んだ時も思ったのですが
現代モノなら「ヒトデナシ」は
そのまま「酷い人」ですが
ファンタジーの「ヒトデナシ」って
やっぱり○○!?それとも××!?
すごく意味深ですよね!?
もう読む前からワクワクで
期待度MAXでした(笑)
神隠しに遭った事で
人ではなくなった攻様に
恋した受様のお話になります。
実際、攻様は神隠しにあったことで
人ではなくなっているのですが
実は受様もある特異体質の持ち主で
周りと違う、おかしいと
言われていた少年だったのです。
2人は肉親の愛情に恵まれず
他者に受け入れられずに育つのですが
考え方は正反対なのです。
攻様に距離を置かれても
受様の気持ちが揺らぐことはなく
ともにいたいと望み
攻様は受様を大切に思っていても
人ではない自分が共にいられないと
思っているのですよね。
こんな2人の関係が変わるのは
受様を好きだという友人が登場です。
受様の親友に嫌われていたこの友人が
受様に手を出した事から
攻様の独占欲に火がつくのですよ(笑)
その結果、2人は一線を越え
めでたくハッピーエンドに♡
受様の特異体質は最後に明らかになり
受様が実は…っていうのもびっくりですが
受様の親友が実は〇〇という設定には
かなりびっくりしました。
それを知ってから読み返してみると
そうだったのか!!的なところが
見えてきて二度美味しい♪
受様の特異体質はタイトル作では
攻様に告げられないのですが
それが攻様の弟がやってくる続編で
お話のミスリードを誘っていて
こちらもたいへん楽しく読めました。
火崎先生はあとがきでよく
本編後をちらっと妄想されているのですが
今回は弟君の恋バナ発展的な感じでして
すごくおもしろそうでした。
読める機会があると良いな (^O^)/
今回は火崎先生の既刊から
『慈しむ獣 愛す男』をお薦めしますね。
こちらも受様の片恋歴が長いファンタジーです。
表紙買い。
ヒトでないもののちょっとしっとりせつなめな恋物語、「雑誌掲載分140P超+その続き130P超+あとがき」です。人外ものがお好きな方にはよいかも。攻め受けとも良いなと思ったので萌にしました。
鴻巣書店というレトロな古本屋でアルバイトする希(のぞみ)。大学に入ってから一人暮らしで、潤沢でない生活資金を補うためにバイトをしているのですが、この古本屋の店主、縁(ゆかり)さんは希が小さい頃可愛がってくれていた人。小さい頃、ぼんやり抱いていた親しみは、小学生から大学までの離れていた時間に恋心に成長していて・・と話は続きます。
登場人物は前半、渡辺、西川という二人の受けの友人、後半は誠(攻めの弟)ぐらい。渡辺がめっちゃいい奴・・・
**攻め受けの好きだったところ
攻めさんは、ひたすら忍耐の方。一生懸命我慢しているのが本当にすごい。ヒトでないものになってしまっても人生を諦めずになんとか生きていってるのがすごい。そして許されると同時に執着しまくるところが、彼の思いの深さを伝えてきて、なんとも切ない気持ちになりました。
受けさんもこれまた忍耐強い方で、すごい。見えなくてもよいものが見えるというのは、受け入れがたいことが多いと思うのですが、よくまあメンタル壊さなかったこと・・・と本当に思います。
というように二人ともとにかくメンタル面が強くて尊敬してしまうレベルだったので萌にしました。
攻め受けもまあ好きだったけど、それよりなにより気になったのは、サブキャラの渡辺。
最初から?、??と読み進めていたのですが、なんとそういう事だったとは・・と驚き。
雑誌掲載時にも「わあ!」とびっくりしましたが、今回もやっぱり渡辺が一押しでした。
彼の続きがあっても良かったんじゃないの・・・?と思うんですが、どうなんでしょうね?
ヒトデナシっていうからどんなろくでなしかと思ったら「人ではない何か」という意味でした。
子供のころ神隠しにあった少年と人には視えないものが視えてしまう少年の話。
神隠しに会った少年は人から隔離されて育ち、なにものにも執着しないようにと自分を律してきたため浮世離れした感じの青年で、古書店が舞台というのもあって不思議な雰囲気の話でした。
〈あらすじ〉
共働きの両親により夏休みの間田舎の父方祖父母宅に預けられた希(受け)は、時間を持て余し村を探検をしていた際古い家屋に入り込んでしまいます。
そこには、想像に反して若い青年・縁(攻め)が大量の本に囲まれて暮らしていました。
元々本好きだった希は縁の傍の居心地の良さに毎日入り浸るようになります。
夏休みが終わって家に帰ることになっても、またつぎの長期休みにまた入り浸るということを何年か続けますが、ある日それを縁の父親に知られてしまうのです。
入り浸ることはできなくなってしまったけれど、それでも顔を見るために本借りていたのですが、希の両親が離婚してしまい母親に引き取られることがきまった希は二度と祖父母の家を訪ねることはありませんでした。
希はそうなって初めて縁が初恋だったと気が付いたのです。
大学生になり、母親の再婚により家を出された希は古書店の店主になっている縁と再会します。
バイト先が店じまいしてしまったことを話した希を縁は雇ってくれ、それから店主とバイトという新しい関係を築きます。縁への恋心がばれない様にしていたのですが、ある日とうとうバレてしまうのです。
希は小さい時から人には人には視えないものが視えました。小さい時はそれが人に視えないということがわからず親に話してしまったため両親から気味の悪い子供だと思われてしまいます。
静かな縁の側が居心地よかった理由は後に明かされていますが、縁の傍が一番落ち着ける場所だったのでしょう。
子供ながらずっとそばにいたいと言ったとき拒絶されており、再会してバイトさせてもらってからも自分の恋心がばれないように細心の注意を払っています。
縁は子供のころ山に入り神隠しにあっています。実際は沼に落ちてしまった縁を助けるために祀られていた竜神が縁の中に入り同化したというのが正しいのですが、ともかく竜神を身に宿してしまった縁は普通の人とは違ってしまいます。
心が荒ぶると思っても見なかったことが起きるので心を平穏に保つよう自分を律しています。幼い希にずっと一緒にいたいと言われた時もそのことでもっと希を好きになっしまうと執着してしまうのでダメだと拒絶するのです。
希と再会してからは、生活に困っている昔馴染みを助けるという口実でバイトとして傍におくことにしたのは本当はもうとっくに執着してしまっていたのでしょう。
表題作+「ヒトデナシは嫉妬する」の2編と電子書籍限定番外編「恋の病」
表題作ではなかなか受け入れてくれない縁を一途に思い続ける希が切ないです。二人ともが家族の愛情に飢えていて余計に引き合ったのではないでしょうか。
結局、縁の我慢も希が同級生に襲われたことで爆発してしまうのですが。
本筋とは直接関係ないけれど希の親友・渡辺君がすごく気になりました。
すごく不思議な登場の仕方を何回もしていたけど自分は人間だと言っていたので一体どういう人なのかと気になっていたのですが、最後彼のことが明かされた時はびっくりし、
切なくなり、なぜそうなったのかとか渡辺君と彼女のこととか知りたくなりました。できればもう少し詳しく語ってほしかったです。
おかげで、表題作読了後は希と縁の二人のことよりも印象に残ってしまいました。
「ヒトデナシは嫉妬する」
縁の弟・誠が登場します。
このことで、隔離されていたころの誠から見た縁の生活がわかります。
希は誠が敵か味方かわからないため、縁を守らなければと誠と接触するのですが、誠の言葉で自分が世間的には縁となんの関係でもないということを思い知らされるのです。
二人でひっそりと暮らしたいだけの希は血縁者である誠を味方に引き入れることで保証を得ようと思うのですが・・
誠にはなぜか靄のようなものが憑いており、それをなんとかしたい希。
傍にいるだけでいいと思っていたのに、恋人になれたら今度は嫌われたくないとどんどん欲が深くなることに怯え、自分が視える人間だとまだ打ち明けられない希。
縁を隔離した父親と同じ考えをしているのではと警戒するのですが、都会で長く暮らしていた誠は迷信だと老人たちの言うことを信じていないため、警戒する必要はないとわかります。
表題作ではただ忌み嫌われていたから隔離されていたのかと思ったのですが、両親は畏れていたといたとはいえ、縁を守ろうとしていたのではないかと思われたのは良かったです。
誠は必要以上に縁を畏れないし、二人のことも理解しようとしてくれるので希の不安はだいぶん解消されたのではないでしょうか。
電子特典「恋の病」
希がインフルエンザに感染してしまいます。
いままで看病してくれる人がいない希はずっと気を張っていたのですが、縁と暮らすようになってすぐに感染してしまったことで気が緩んだのではと反省します。
でも、人から隔離されていた縁は希の世話を嬉々として焼くのです。
開き直った希は縁の神通力で病気も治せればと提案すると、人に力を使おうと思ったことはないと言いながら、それなら二人の子供もできるかもと言い出し、焦った希が待ったー!・・・実は夢オチ。
目が覚め、先ほどと同じようなやり取りをやり始める縁に、会話を間違えて自分が子どもを産まないといけない方向にもっていかないようにしなければと心に決める希でした。
人と接することがなく生きてきて、病人の世話をするのが嬉しい縁と世話されるのが嬉しい希がお互いの欲求が満たされて幸せそうなのがとても良かったです。