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koiito wa hitori no hazudesuga
この本の結末については賛否あるのも頷けます。
私は東護の感情で読んでいたので、最後マサトを選んでくれて安心しました。優の苦悩も分かるけれど、東護にとってマサトがカッコよすぎます!
マサトと優の関係は早々に気付き、セオリー的には東護は優とくっつくのかな、と悔しく思っていたこともあって、東護がマサトを恋人に選んだときは嬉しかったです。
まぁ時間を置いて冷静になってた今、これで良かったのだろうか・・・という一抹の疑問は湧いているのですが。こういう設定のお話の場合、どう納まるのが一番いいんでしょうか。
機会があれば収録されていない同人誌のお話も読んでみようと思います。
それにしても作中マサトの書いた物語も、優の小説も面白そうで、こちらも読めるものなら読んでみたいですね。
タイトルからラブコメかな?と思いきや、サスペンスみが強い。
これはネタバレ無しで読むべき作品だと思います。
書ける範囲でざっと言ってみれば、「性格が正反対の双子との三角関係」的なストーリー。
ただ、よくある『2人ともそれぞれ魅力的で、受けはどちらかを選べずに悩む』という展開ではありません。
冒頭、いきなり小学生誘拐事件の衝撃的なシーンから始まり、甘い恋愛ものではないな…という事が示されます。
主人公は出版社の編集者・東護。
ある小説投稿サイトで心打たれる作品を読み、作者に連絡を取る…というところから物語が始まります。
双子の愛憎、自由を奪われている片方と、彼を潰そうとしている片方。
多分比較的すぐにそれがどういう意味で、どうしてそんな状態になってしまったのかはわかるとは思うけれど、それならこの後どういう解決になるのだろう?というのが次の読みどころになってくる。
私はこの結末はちょっと懐疑的…ほんとにこれでいいの?と感じてしまいました。
東護は「自由を奪われている方」と恋仲で、「潰そうとしている方」と対決するわけだけど、これを恋を貫く強さと取ってしまっていいのか、不自然な状態を相手に強いているだけなのではないか。
気持ちはわかるけれど東護のわがままを感じてしまった…
このテの題材は好みですので、結末はアレとしてもおおむね「萌」で。
すごく良かったんです。
マサトの気持ちを考えるととてもせつなかった。優が残ってマサトが消えたら悲しいって思いながらハラハラしてたんです。
でも途中から東護が余りにもマサト、マサトになってしまって違和感を感じてしまったんです。
あまりにも自己中だと思ってしまったんです。
そして2人の生活に満足してしまい、優が戻って来てるのかをフォローもしないで、他社編集者の電話で知るってどういう事だって、一気に覚めちゃたんです。
マサトが優に呼ばれて話し合ってくれたから良かったものの、あのままだったらどうしたんでしょう。
それに焦ってマサトを説得する様子も自己中のような感じがしました。
出来るならば、同人誌の内容までで一冊にして欲しかったです。
初読み作家さん。
試し読みをしたときに、冒頭(事件シーン)から作品世界に引き込まれたことと
麻々原絵里依さんファンということで購入。
頁数から予想していたよりもしっかりとした内容が良かった。
解離性人格障害をテーマにしたBL小説はいくつか読んだけれど
これはサスペンス的要素が薄めで話の先が直ぐに分かってしまう。
なのに、頁を繰る手は止まらないという読ませてくれる作品。
二次的人格であるマサトに焦点が当てられた内容展開は
途中からサスペンス色よりも心情描写に重きが置かれており
マサトの心情描写は切なくて何度もホロリとさせられる。
また、マサトと東護を応援する気持ちの果てに明らかとなる
基本人格である優の本音は意外なもので不意打ち食らって落涙。
優とマサトの人物像の対比には
彼らそれぞれの言動だけでなく、彼らが書いた作品をもってくるところが興味深い。
それらの作品タイトルがまた心惹かれるもので
特に優の作品のタイトルは秀逸で読書欲が刺激される。
物語の着地点は私的に好ましいものだったが
3人の関係性を考えるとスッキリした気持ちにはなれないため
先の方が書かれているように本編の続きとなっている同人誌の内容も収録して欲しかった。
今作を読んでいる途中で、何度も秀香穂里さん作品を思い出した。
こちらも二次的人格であるリョウは残る話なので、良ければ是非。
ちなみに、奈良千春さんの表紙イラストが全てを物語っていて
リョウが生きていることは秀さんご自身に確認済み。
ラヴァーズ文庫『ダークフェイス ~閉じ込められた素顔(上)~ 』
『ディープフェイス ~閉じ込められた素顔(下)~』
ミステリー要素が絡んだ展開で、お話がどこに向かうのか予想もつかない面白さに夢中になり、一気に読んでしまいました。
ぐいぐい読ませる展開や切ない描写などにジーンときて、これは間違いなく神だな!と思っていたのだけど、終わり方が私としては尻つぼみというか、えぇぇ……それでいいの??とモヤモヤが残ってしまったために萌萌どまりです。
主役カプにとってはハッピーエンドだけど、個人的にはメリバっぽく感じてしまったので……。
ネタバレしてます。
まず終わり方。
そんな仲良く共存って可能なのか?!という点がいまいち腑に落ちなかった。
そして何よりも、優が可哀想すぎて落ち込んでしまいました。
これがただの当て馬だったら「彼も素敵な人を見つけて幸せになって欲しいです♪」みたいな感想を抱けるけれど、優の幸せって何なんだろう……優が幸せになる方法ってあるんだろうか?って思ってしまって。
東護の痴態を見ることはできるけど、味わうことができない状態が、一生続くというわけですよね。
忘れようにもその状況じゃ忘れることはできないだろうし……
なにその生き地獄……。
だからといって、他の人に恋をすることを東護は許してくれるんだろうか?
私としては精神的3Pというのかな、どっちにも愛されちゃって欲しかった……と思ってたら、同人の「恋人が、二人になりました。」とレビューが目に入りました。
どうやらまさに私が考えていたような続きになっているようなので、良かったぁ!と思いつつも、どうせならここまで収録して欲しかったなぁと。
そしたら文句なしに神でした。
他の方も書いてらっしゃるようにネタバレ厳禁作品ですので、オブラートに包んだレビューになります。
ミステリー要素のある作品で最初から物語に引きこまれました。読み進めると、展開やオチに予想はつくのですが、 これも登場人物達ののっぴきならない諸事情や恋も大いに絡んできて、とてもユーモアのある展開になり、最後まで気が抜けずに楽しめました。
某ネタを扱う系統の小説では、かなり面白い部類に入ると思います。コミカルな部分とホロッとさせられる部分のバランスが非常に良かったです。プロット等も相当練られていると実感する内容でした。設定の活かし方も絶妙で作家さんの力量を感じました。個人的によく見かけるネタに関しては、どうしても厳しい目で見てしまいますが、この作品については「お見事です!」と言うしかありません。
文壇界のリアルな事情も知れて本好きとしては、なかなか興味深かったです。登場人物もキャラがたっていて、感情移入がしやすかったです。全体的に読みやすい文章でサラッと読めますが、最後までドキドキが持続されます。エンタメ作品としては、なかなか良く出来た作品だと思います。
BL部分は非常にライトでした。ストーリー重視の作品です。
電子書籍を購入。挿絵、おまけあり。
サスペンスっぽく、最後までどうなるかわからずどきどきしました。
私はネタバレ大歓迎派なのですが、それでもこの話はネタバレなしで読むほうが楽しめると思います。私はネタバレしたあと読みましたが、結構時間を開けたのですっかり忘れてネタバレなし状態に近い感覚で読みました。
とは言え、感想はネタバレしないと書けないので、以下盛大にネタバレします。
<あらすじ>
大手出版社の編集・森藤東護(受け)はネットの小説投稿サイトでとても感動した話を見つけます。
この作者・マサト(攻め)に才能を感じ、他の作品を読みたいと思うのですが見つけることができず、作者に作品の感想と他の作品を読みたいとコンタクトをとります。
返事は来るのですが、作品は一つだけで次の作品を書こうにも自由になる時間がないというマサトを不審に思う東護。
その後、上司が担当する人気小説家・柳瀬優から突然連絡がきて、困惑する東護にマサトに小説を書くように勧めないでほしいと自分が売れっ子だということを盾に脅してくるので、ますます訳が分からなくなります。
東護は二人の顔が一緒だったことから一卵性双生児ではないかと思い、マサトが優からDVを受けているのではないかと疑うのですが・・・
すごく面白かったです。一気に読みました。
タイトルから二重人格(解離性人格障害)の話だと予想していたのですが、二人の交代のタイミングやどういう展開になるのかわからなくて、ドキドキしました。
話の展開からどう見てもマサトは基本人格ではなさそうなのに、読んでいくうちに愛着がわいてきて、マサトの人格は消えてしまうのかと心配し、遺書のようなものを書いてよこした時には悲しくなりました。
解離したままだとよくないと思う反面、どちらが消えてしまうことも嫌だと思う相反する思いで読みました。
結局、東護の強い想いや消えたくないというマサトの想いもあり、二人とも残ることになり、主役カップルの恋は成就しますが、それはそれで基本人格の優がちょっと不憫に感じました。
そして彼にも恋人ができたらいいなと思う反面、身体を共有している限りそれはそれで嫌だと思うし複雑でした。
最後の方では感覚を共有出来るようになってるので、二人の人格を消すことなくうまく統合して、それを東護が受け入れ、恋人になることはできないものかと思ってしまいました。
電子限定おまけ「ベッドでは、二人だけのはずですが。」
優視点の切ない想いが描かれています。
本編最後に、優が主人格の時マサトの意識はあるがマサトが主人格の時の優は寝ていたという関係から、お互い自分が主人格でない時は中から外を見ることができるようになり、二人で意思疎通までできるようになっています。
なので、優はマサトと東護の二人を常に見守る状態となっているのです。
ある朝、前夜の情事の名残を残して寝ている自分に触ってくる手がマサトのものではないことに気が付いた東護は・・・
本編でも東護のことを気に入り、ラブレターと称した小説も発表した優ですが、情事をいつも中から見るだけで、自分が主人格の時は触れることができない東護に少しでも触れられないかとマサトのふりをする優がやっぱり気の毒でした。
東護がどんなにそれらしくフリをしても優とマサトを完璧に見分けられることに驚きました。
でも、この話で蚊帳の外におかれる優が余計に気の毒で、なんとかならないものかと思ってしまいました。
最後まで、どう着地するんだろう?とドキドキしながら一気読みでした。
表紙の2人の攻様。
読み進めるにつれ、2人の関係性はなんとなく予想ついてきて、もしかしてコレ、ハンカチが必要になるやつ!?と涙腺気にしてたのですが…。
そうかー、そうくるのかー。
今まで私が読んだことのない、予想してなかったラストに着地でした。
以下、私にしてはなるべくネタバレを明記しないようにはレビューさせて頂きます。
でも、それって難しいなぁ。
受様の東護は、とても一生懸命で時に情熱的であり男前の人でありました。
恋人になったマサトを大事に思いつつも、優の事もきちんと考えることができる大人の社会人。
攻様のマサトは、初めこそチャラい言動を見せていたけど、東護に接していくにつれどんどんかわいくて甘えん坊できらきらしている所が見れて、魅力的になっていきました。
自分の存在意義を理解してるから、と納得して受け入れようとしている姿には切なくてぎゅーってしたくなりました。
ラスト、大団円とまではいないまでも、ハッピーエンドに落ち着いてよかった。
しかし、何度も読んでこの先を想像しちゃうと、うーん、このままじゃいられないのでは?と思ってしまいました。
このままじゃいずれ優が不憫だし、だからといって優に別の恋人が出来ても、こちらの2人が既にらぶらぶになっている以上、なんだかもろ手を挙げて祝う気持ちにはなれないしなぁ。
と、自分で勝手に妄想してはちょっともやもやが心にひっかかりつつも、それでもやはりおもしろくて何度も読み返しています。
それに、じれじれする攻様って大好物ですから。
マサト、見つけてもらってよかったね。
電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。
読み始めて一番最初に思ったのは「先にレビューを読んじゃって失敗したあーーーーー!」ということ。
私は下手をすれば推理小説ラストも先に読んでしまう位の『ネタばれ全然平気というか、むしろ歓迎派』なのですが、このお話はやっぱり「仕掛けを知らずに読んだ方が断然面白かっただろうな」と思うのです。
楠田さんもそれを意識して書いているし、そこがとてもとてもいい感じなので。
読んだからといって読書の喜びが台無しになるわけではありませんが、少なくとも「あっちの本屋さんで買ったなら特典ペーパーがついていたのに……くそっ」という位の勿体ない感がありました。
あのことを知らずに読んだなら、もっと盛り上がったであろう、もっとドキドキしただろうと、やっぱり残念です。
私は、知っていたせいで『作家のテクニックを堪能する(「なるほど。上手いなぁ、上手いなぁ」と感心する)』面白さは随分感じさせていただいたのですが、この楽しみ方ってやっぱり邪道だと思う次第。
出版社さんはかなり気を使ってあらすじ紹介等をしているのに、この辺が読めなかった私の責任なのよね。あー、勿体ない。
ということで、出来るだけあらすじを回避した感想のみを。
自我についてのお話だと思うのです。『私とは何であるか』についての。
人は多面的で、相対する対象によって、自分の持っている『この部分』を出して触れ合っているんだと思います。だからこそ「こんな人じゃないと思っていたのに」っていう悲劇が起こるわけで。
ということは、東護とカップルになる人の性格というのは、東護の気持ちを反映したものになるんじゃないか、と思ったんですね。「あ、東護はこの人をこういう人と思っているからこうなるのね」みたいな。
同時に、ここにあるものは、他人が「ない」と言っても「ある」と主張しているお話ですよね。
これは私にとってなじみが深い考え方。
あの物語の彼や、あの物語の彼は、虚構の中にいるのではなく確実に存在していると言えますもの。
では「リアルって何なんだ」と。
「私がここにあると感じ、実際にやり取りをしているこの人の価値を、外野が決められるものなのか」と。
いやー、このお話で私の鈍い頭もフル稼働いたしました。
たいへんスリリングなお話、と同時に萌えもあるよ(ここ、ネタバレになっちゃうんで書けない。かなり胸が絞られるようなせつない萌えでございました)。
読後に『もう一人の方をもっと深く知る東護』について読みたいな、と。
純愛の成就エンディングを望んでいる姐さま方には怒られそうだけど、楠田さん、書いてくれないかな?
難しい。
本当にその一言に尽きる作品だったな、と。
ネタバレなしで読むことを本当にオススメしたいです。
受けさんの東護は、偶然がきっかけでペンネームがマサトという
作家と知り合うことに。
次回作を書いてほしいことの交換条件に抱かれることを提示され
2人は度々交流を取りながらも距離を縮めていく。
そんな時、柳瀬優という大人気若手実力作家に担当を指名され会いに行くも
マサトと瓜二つの同一人物で…
と、最初は双子ものかあ!3Pものかな?と、読み進めましたが
内容が深すぎて。切なすぎて。時には恐ろしくて。
こんなにたくさんの感情をもって読み込んだ作品は珍しく
読後感も不思議な感じですが、
楠田雅紀さんが本当に綺麗に最後纏めてくれていたので
すっきりと、そして救われた感じでいっぱいです。
リアルでこういう事に遭遇したら、実際は大変なんだろうな…と。
こんな風に綺麗に終われたらいいけど、難しいだろうな…と。
優にも素敵な人が現れる番外編などが読めたらいいけど、
それもそれで攻めが二股してるようにも見えて複雑だし…。
あ~!
本当に難しい話でした(´・×・`)
BL作品とは思えないような緊迫したプロローグが非常に印象的です。
編集者・森藤がいかに本が好きか、
日々様々な作品に触れる中で
心を打たれるものに出逢えるのはどれだけ稀な事か。
ネットで知った才能溢れる人物との接触、
大ベストセラー作家・柳瀬の
一見穏やかに見えて怖ささえ感じる冷たい目…。
読み始めたら止まらないとはまさにこのこと!!
先が気になってドキドキして
やっぱり小説は素晴らしいなと改めて思いました。
森藤の気の強さと情熱が好ましく、
久しぶりの恋に戸惑いながらも
腹を括るシーンや愛おしい男との交合シーンに興奮させられ
全体的に読み応えのある作品でした。
ラストはハピエンとは言えるものの
「そ、それでいいんですか…??」とちょっと複雑になってしまいました。
いえ、誰も悲しまずにいられるならそれに越したことはないんですが。
これは是非是非ネタバレ無しで読んでいただきたいので
珍しくレビューもネタバレ無しでww
神寄りの萌×2です!!
麻々原さんのイラストもめっちゃかっこよかった!!
今回はWEBサイトに投稿している謎の作家と
大手出版社の文芸誌の編集者のお話です。
謎多い攻様に関わる諸事情が詳らかになり
受様の恋人となるまで。
受様は大手出版社に就職して
文芸誌の編集者として6年目、
主に新人作家を受け持つ編集者です。
受様は仕事柄、本の売れ筋や
新刊の売れ行きを常に意識し
今日も仕事上がりに書店によりますが
そこで受様の上司である副編集が担当する
新人ながらも大人気作家「柳瀬優」の
デビュー作の文庫版に目を取めます。
「柳瀬優」はデビュー3年目の作家で
人の残虐性や異常性を前面に出しつつ
どこかもの悲しさを残すダークな作風で
コンスタンスに話題作を発表しています。
受様は「柳瀬優」は違った視点でも
良い作品もかけるのではと思っていますが
副編集長には一蹴されてしまいました。
そんな中、
受様は他部門の同期の話から
WEBの小説投稿サイトを覗きに行って
ある1つの作品に心を惹かれます。
それは抒情的な響きを持つ
男女の友情を描いたあたたかな小説でした。
受様は早速
その作家にコンタクトを取り始め
1作だけで次作は書けないという彼を
熱烈に口説いた結果
会いたいと呼び出される事になります。
約束の場で待っていたのは
少しやんちゃそうな若い男性で
彼こそが今回の攻様になります♪
攻様は次作を期待する受様に
書き上げたらご褒美に一晩つきあえと
交換時要件を突きつけてきて
攻様の勢いに呑まれた受様は
その提案をのむ羽目になります。
攻様は約束通り
次作の構想をメールで送ってきますが
気になる一文が添えられていました。
もし「柳瀬優」からコンタクトがあっても
無視して欲しい。
なぜ攻様から「柳瀬優」の名がでるのかと
訝しむ受様でしたが当の「柳瀬優」から
担当編集者にと指名を受けてしまいます。
「柳瀬優」の真意を聞くべく
担当の副編集長と向かった自宅で
受様をまちうけていた大型新人作家は
攻様と瓜二つでした。
攻様と「柳瀬優」の関係とは!?
また「柳瀬優」の思惑とは!?
WEB投稿作に惹かれた受様が
その書き手である攻様と知り合う事で
大型新人作家の秘密をあばいてしまうという
謎解き要素満載な恋物語です。
クールビューティで男前な受様が
大好物なので絶対ツボ作と思ったのですが
もう期待通りな1作でした (^_^)v
受様は攻様の投稿作から
攻様の作家として育てたいと望みますが
攻様は大型新人作家である柳瀬優の弟で
優は攻様の生活に束縛していて
小説を書くこともままならないのですが
優のほうでも奔放な攻様に手を焼いていて
受様に原稿を交渉材料にしてまで
攻様と関わらないように迫ります。
雰囲気こそ違えど瓜二つな2人の関係は
大体の予想はつくのですが
受様が好きになった相手が
存在しないはずの相手だとしたら
受様の恋は実らないの?
もしかして優と恋仲になるの?
まさかの新たな相手が現れるの?
徐々に明らかになる攻様達の事情で
かなりスリリングな展開になり
最後までドキドキ&ワクワクで
たいへん楽しく読めました♪
攻様達の状況を作った
過去の事件との関りも明らかになり
優が攻様を消したい理由も
リアリティが有って頷けるモノ
ではありましたが
そこで納得してしまうと
受様と攻様の恋は成就しないので
最後に攻様達が選んだ方法で
大団円になって良かったです (^O^)/
しかし、
この手合いの三角関係では
ほぼ優のポジションが勝利して
攻様のポジションが失恋ですよね。
優にはちょっと辛い決着点でしたが
それを作品のカテにしている彼は
なかなかの癖者なので
攻様と受様の今後も
オールオッケーとはいかないかもだし
攻様が活躍すると
色々と問題が発生しそうですが
こんなハッピーエンドがあっても
良いかなと思わせるところが
すごく楠田先生らしいと思います。
今回は同じモチーフを扱った作品から
安西リカさん『バースデー』を
おススメ作とします。
何を幸福とするかが難しいモチーフです。
麻々原先生の素敵な表紙で購入。どっちが攻なんだろ?3Pですか?と楽しみにしていました。予想とは違ったお話でしたが、重くなりすぎず、せつなさにきゅんとしたので萌よりですが萌2にしました。終わり方が難しい・・・良かったような良くなかったような。どうなっていれば嬉しかったのかも思いつかず。本編のみ240Pほど+先生のあとがきです。
お話は編集者の東護が久しぶりの休日に暇つぶしにと投稿サイトを覘くシーンから始まります。純文学ジャンルで、ある投稿の「あらすじ」に目を留め、本文を開いたところ、1行目から引き込まれ・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は、東護の同僚、先輩、上司、お医者様など。
大好きな麻々原先生の挿絵情報。カラー口絵の2枚目が超好き~柱の陰でチュしている二人なんですが、驚いて固まっている東護はかわいく、マサトはカッコよく♡中の挿絵も優、マサト、東護、3人とも本当に素敵で大満足です!
***以下は 悩んじゃった部分(めちゃネタバレなのでこれから読む方は避けた方がよろしいかと思います)
優とマサトが統合したらどうなったんだろうと思うのです。個人的な希望としては、今みたいなのではなく、片方がなくなるのでもなく、融合してほしかったなと。うまく折り合いをつけているようなのですが、負担があるんじゃないかとちょっと心配なので、新しい融合した後の二人を東護がきちんと受け入れていく未来が見たかったなーと思ったのです。もちろん、今の折り合いつけてるバージョンでもいいのですが、優が少し可哀想に思えて。
いつか二人が折り合いをつけて、どちらが出ているか分からなくなって、両方好きと東護が言ってくれると、自分で勝手に妄想することにします。
せつなかったー。こういうタイプのお話って弱い。
タイトルこそラブコメを予感させるけれども、
冒頭の誘拐事件のワンシーンが臭わせるように、取り上げている題材はシリアス。
楠田先生なので、安心して読みました。
売れっ子新人作家と、編集者のお話。
桃源社で編集者として勤務する森藤東護。他部門の同期から新人発掘企画を聞かされて興味を持ち、紹介してもらった投稿サイトで有望な作品を見つける。早速投稿者とコンタクトを取って何度かやりとりを続けるうちに、編集者としての熱意が伝わったのか、職場近くのカフェで実際に会うことになった。
同じ頃、桃源社からサイコ・サスペンスもので立て続けにヒット作を世に送り出している大型新人作家の柳瀬優から、東護について問い合わせの連絡が入った。柳瀬の弟とされる人物から情報を得たようで、柳瀬の担当を東護に変えて欲しいという。柳瀬と弟はどうやら不仲なようで…
ネタバレなしで読んだらドキドキな謎解きが楽しめると思います♡
でも、わかっちゃう人にはわかっちゃうと思います笑
柳瀬もゲイで弟もゲイ。東護もゲイで、特殊な三角関係です。とても切ないです。
混乱しそうだけど、攻めと受けはガッチリ相思相愛なので、ハッピーエンドだと信じています。
兄の思いがいつか報われるといいな…と願っちゃ、ダメなのかな?
表紙からして左右の二人が同一人物だってのは察しがつくだろうが、できることならネタバレなしで読むのをお薦めしたい。
ただ、序盤からして一人二役?あるいは…って想像が、中盤までには核心に変わっていくとは思うが。
勿論、そんな想像がつかない東護にとっては小説投稿サイトで見つけたマサトの小説に心打たれ、たちまちに彼の才能に惹かれていく訳だが、彼の真相を知っていく過程の中で人気作家・柳瀬との正反対の才能の対比が上手く描写されていた。
最初、編集者・東護については、過去に手痛い失恋を経験した真面目な美人受けって程度の認識だったが、マサトの才能を埋もれさせたくないと主張したり、意を決して彼を守ろうと行動する場面を通して、男らしい性格に好感が持てた。
読み進めていくうちに、もしかしたら東護がマサトの存在を強く願う事で、本来の解決策とはまた別の新たな可能性を得るきっかけになるのでは?…と期待が湧いてくるが果たして!?
表紙の件に戻るが、個人的には読む前の第一印象でいいなと思ったほうの彼と結ばれて良かったなと安堵できたし、最後まで読み終わった後に振り替えるとタイトルの意味合いにも気付く辺り、お見事だなと感じ入った。
こちら、タイトルやあらすじからラブコメっぽいのを想像してたんですが、シリアス寄りです。
推理サスペンスものであり、心理もの。
あと、私は誤解してましたが、表紙の二人は攻めですよー。受けはメガネ美人。
最後までどうなるか分からないと言う、ハラハラドキドキのストーリー運びがとても巧みでした。
これは前情報無しで読んだ方が面白いと思うので、核心部分のネタバレ無しでレビューいきたいと思います。
内容です。
新米編集者である東護。
小説投稿サイトで見つけた作家・マサトの才能に惚れ込み、1作しか書いていない彼に小説を書くことを提案します。
しかし、心温まる作風とは違い、やんちゃで失礼な態度のマサト。
彼を必死で口説き落としますが、その直後、大ベストセラー作家・柳瀬優から担当編集者の指名を受けます。
初めて会った柳瀬は、なぜかマサトそっくりでー・・・と言うものです。
これは私の勝手な見解ですが、この作家さんは作品の導入部がとても上手い!!
最初に読者が「どうゆう事?」と疑問を感じるエピソードや展開を持ってきて、そこからガラッと違うシーンに入る。
で、興味をそそられる「出来事」に続きと、そう集中力が無い私でもグイグイ引き入れてくれます。そう、「引き入れる」と言う言葉がピッタリ来る感じでしょうか。
今回は特にそれが顕著で、子供の誘拐事件とニュースの記事風な書き出しから始まり、次に強気な新米編集者・東護が小説投稿サイトで面白い作品を見つけとストーリーは運びます。
で、稀有な小説の才能を持ち、本人にも作品を書きたいと言う思いがあるのに、何故か2作目を書くことが出来ないマサト。
また、そんなマサトにそっくりな、紳士的で物静かな大ベストセラー作家・柳瀬優(マサル)。
夜中にしか会えないマサトに、そんな彼に対して異常な程に行動を制限しようとする双子の兄・マサルと、こう徐々に真実のピースが与えられ、読者が確信を持っていくようなストーリー運びがとっても巧みです。
で、マサトとマサルの真実を知る東護-。
ここまではサスペンス要素でグイグイ読ませてくれ、ここから心理ものでハラハラ切なくさせてくれてと言った所でしょうか。
この先はネタバレになっちゃうので詳しく書けませんが、ただ切り口が凄く斬新。
鋭い姐さんはあらすじを読んだ時点でピンと来てるでしょうし、このネタて昔からたくさん書かれてるのです。
が、こっち側から書かれてるのはあまりお目にかかった事が無い。
そして、めちゃくちゃ切なくもあるのです。
自分自身を始めて認めてくれて、受け入れてくれた東護。
マサトの不意に漏らす本音が切なくて切なくて・・・。
マサトはやんちゃと言った感じなのですが、その実凄く寂しがり屋な印象なのですよね・・・。そして健気。
そんな彼が、自身の存在した「証」を残したいと願うのが、何だか凄く胸に来る。
また、東護が男前なんですよ。線が細い美人ですが、超男前。
いざと言うときは殴り掛かりと、ホント男らしいよ!!
あと、マサト側だけでは無く、マサルの心情にもしんみりと。
彼は彼で、気の毒なんですよね・・・。
どうなるか分からないと、最後の最後まで引っ張った結末にもハラハラさせてもらえました。
大団円ではございますが、ちょい結末が軽い気はするのですが。
なんか凄い飛び道具みたいのが来るのを想像してたので。
しかし、これはこれで素敵な結末。
何のかんの言いつつ、幸せになって良かったです。
心理サスペンスものがお好きな方におすすめしたいです。