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soukaiou to unmei no omega futari no alpha ni aisarete
2018年刊。
真宮さん初のオメガバースだが、今回は今一つ面白味に欠けた。
今や大抵のオメガバース作品ではそれぞれのオメガキャラの性格や前向きさに共感できる部分も多いのだが、この話の主人公でオメガの那月がパッとしなかったのだ。
那月は辺境のアカツキ島で抑制剤を作るのに欠かせない材料の物流が滞って困っていて、陳情に向けた航海中に一人遭難してしまった。
そんな時に、
・運よく黒獅子団やアーロンに助けてもらったのはいいが、発情したオメガのフェロモンを船内に撒き散らしてしまう。
・マリアーノ王国のエミリオ王太子との謁見の段取りを付けてもらったはいいが、物流が滞っている薬の材料を告げても抑制剤を作るのに必要とは告げない。
・更に遭難した時に抑制剤を亡くした為に、発情を抑えられないでいるのを伝えていない。
…といった調子で当人が意図していない部分とは言え、どこかしら足を引っ張っているような感覚がある。
作中での「知性と慎ましさ、芯の強さを持つ」といった誉め言葉とそぐわないのだ。
那月に対しては、どうも『異国からやって来たマリアーノ国内のオメガ偏見を変える重要人物』と捉えきれずにもやっとした。
那月が何故エミリオ、アーロンのアルファに同時に惹かれるのかについては、早々に見当が付くと思う。
攻め二人、エミリオとアーロンの根っこを同じくする意気投合ぶりにはグッときたのだけどね。
マリアーノ王国内での陰謀の最中に、出生からの真相をぶちまけようと結束する流れで三人の濃厚な絡み、活躍の場もあるものの、残念ながら今回は乗り切れず。
しかし、オメガバースの運命の番は攻め×受け一人ではないといったアイディアには拍手を送りたい。
攻めさん(アルファ)2人×受けさん(オメガ)ものを読むのは初めてで。
3Pものが苦手な自分にとって、
最近ハマってるオメガバースだからと
苦手ジャンルがあっても構えて読んだ本でしたが、
面白かった~!!!
那月はオメガの発情をコントロールする薬を作れる島の出身。
運河の開放をお願いしにマリアーノ王国のエミリオ殿下に会いに
航海に出た船が難破し、『黒獅子船団』に拾われる事に。
その船に乗っていたアーロン卿と出会ったことで突如発情した那月は
アーロン卿に触るだけの慰めをしてもらう羽目に。
無事にマリアーノ王国に着きエミリオ殿下に会うことが出来たが
アーロン卿と同じ匂いを纏ったエミリオ殿下にまたしても発情し…
と、『え?どゆこと?』となかなか先が読めない展開でした。
いやもう、設定がすごい綿密で。
エミリオ殿下とアーロン卿に隠された関係。
隠された秘密を知らずにいた殿下と、
王族から捨てられる事になってしまったアーロンの闇。
運命の番が2人いた事に戸惑い、
どちらかを選ばなければいけないと分かっていても選べない那月。
もう何もかもが話を構築するのに大事な要素で、
気付いてみたら最後まで読み進めていました。
3Pシーンもありますが、純愛ものです。
なので苦手な方も読みやすいものではないかと思うので、
是非読まれることをオススメしたいです!!
強いて言うなら、最後の最後に子どもが出来た~で終わってしまうので
その後の子育てに翻弄する攻め2人を見たかった…(´;ω;`)
こちら、海洋冒険ファンタジー+3Pのオメガバースものになります。
真宮先生の作品は、エロエロな複数ものを何作か既読で、今回もエロ特化を想像しておりました。
が、これが冒険ファンタジーとしてもとても面白く、まるで映画を見たような読後感。
ドラマチックなストーリーに、数奇な運命に導かれた3人の邂逅、思わずニヤリとくる痛快な展開と、とても楽しく読めました。
内容ですが、オメガバースでは珍しい3Pものです。
オメガが平等に扱われる辺境の島国で、平和に暮らしていた那月。
陳情団の一員として航海に出るも、嵐に巻き込まれ、黒獅子船団のアーロンに助けられます。
彼の助力を得て王太子・エミリオとの謁見を果たしますが、共にアルファであるアーロンとエミリオ。
運命の番はたった一人のハズなのに、何故か二人同時に強烈な吸引力を感じてしまい-・・・と言うものです。
こちら、アルファ二人にオメガ一人の3Pものであり、三角関係ものになります。
運命が重なり合う二人と言うことで、タイトルからもアーロンとエミリオの正体は想像つく方が多いんじゃ無いでしょうか。
で、面白いのがファンタジーとして血湧き肉躍る痛快なストーリー。
王としての器の大きさを感じさせる明朗快活なエミリオに、やや強引で強気な、元海賊の船団を率いるアーロン。
数奇な運命を辿った二人が、これまた運命に導かれるようにして那月と出会う-。
王妃の陰謀に、海の上での激しい戦闘。
九死に一生を得たアーロンとエミリオが、那月を挟んで初めて邂逅し-・・・と言った感じで、次々と起こる面白い展開で読ませてくれるんですね。
また、オメガバースの設定がしっかり生かされており、王妃の陰謀の裏には、これまでの通念を揺るがす意外な事実が隠されていたり、オメガに対する根強い差別を変革してゆこうと言う那月の強い意志も、ストーリーのベースになっています。
那月がですね、本当に芯が強くて頑張り屋と、好感の持てるキャラなんですよ。
あとこちら、しつこいようですが、たった一人の「運命の番」がキモとなるオメガバースでは珍しく、3Pものです。
そんなワケでエロ多め。それぞれ1対1のエッチに、3Pが2回です。3Pではお約束(?)の二輪差しもしっかりございます。
なのですが、実のところ、エロより三角関係の部分がより面白いのですよ。
二人のアルファに同時に惹かれてしまい、混乱する那月。
が、この二人、先にも書いたように元々因縁があります。
実は深い部分で繋がっていて、恋仇ではあるのですが、男同士の熱い絆もまた感じさせる・・・。
那月を巡って剣を合わせたりもするのですが、その「絆」が前提にあるためか、妙に萌える。
ラブも大変よろしいのですが、男同士の熱い絆と言うのも、また大変よろしい!!と言う事で。
と、三角関係や、ファンタジーとしての面白いストーリーのみならず、男同士の熱い絆と言う部分でも萌えました。
あと、終盤のあわやと言うピンチでの、機転の効いた痛快なオチにも思わずニヤリと。こう来たか!!
評価を迷ったのですが、こちらファンタジーとしては凄く面白いのです。しかし、BL的萌えだったりキュンキュンと言う部分では少な目なんですよね・・・。そんなワケで「萌」です。
が、本当にストーリーとしてはとっても面白いので、ファンタジー好きの姐さんにおすすめです。