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gogo9ji kara wa koi no jikan
どうも好き嫌いが分かれる作風のようで、今作でも今の所、評価がイマイチです。
が、私は好き。めちゃくちゃ好き!
このしっとりと読ませる、深い所まで書き込まれた心理描写だったり、丁寧なストーリー運びだったりに、毎回すごく心を動かされます。
今回は主人公再生モノでして、物語としては王道。悪く言えば既視感溢れるものです。なのですが、やっぱり丁寧な心理描写や、引き込まれるエピソードで読ませてくれるんです。
また、主人公が再生する過程に、しっかり恋愛が作用しているのも良い!! 出会えた事により、一歩踏み出す勇気が与えられるのです。
内容です。
学生時代にはその才能を認められながら、就職時に受けた検査で色覚異常が分かり、インテリアデザイナーの夢を絶たれた佐倉。
デザイン事務所でアシスタントの仕事をしながらも、燻る日々を過ごしています。
そんな佐倉の唯一の息抜きが、姪の保育園のお迎えで会う、自分の好みそのままの男性・柊を眺める事。
そんなある日、ひょんなキッカケから柊が、息子・陸のお迎えで思うように働けない事を知り、陸をたまに預かる事になりますがー・・・。
まずこちら、先にも書いた通り主人公再生モノです。
デザイナーの夢を絶たれ、アシスタントとして働きながらも、夢を捨てきれず燻っている佐倉。
状況が結構辛くてですね、期待の新人として入っただけに、周囲からはお荷物扱いされ、自分の後輩には軽く扱われ、デザインのアイデアだけは搾取されると言った日々。
ここでの、色覚異常が分かった2年前からショックを引きずり、思考停止状態の佐倉が痛々しいです。
そんな中、偶然知り合う二人。
陸をシングルファーザーとして愛情深く育てている柊ですが、陸は実子では無く、従弟夫妻の忘れ形見と言う設定です。
実は彼が凄く包容力があり、大人の恋愛面でのスマートさみたいなものを持っておりまして。
佐倉をさり気なく上手に口説くと言うか、とても巧く距離を縮めてくるんですよね。そんな柊の言動に、佐倉がドギマギさせられてるのが大変萌えます。甘酸っぱい・・・!!
実の所、佐倉の「再生」がメインであり、恋愛と言う部分では、これと言って大きな事件だったりはありません。
ただ、それで退屈かと言うと、それが全然そうでも無いんですね。
最初はお迎え仲間でしか無かった二人が少しずつ距離を縮め、恋人になるまでの過程がすごく自然で、ほのぼのさせてくれたりキュンキュンさせてくれます。
また、柊と出会った事により、前を向き始める佐倉に心を動かされるんですね。やっぱりいきなり上手く行くはずは無く、辛い現実もあったりはするのですが・・・。
そんな、主人公が再生する過程に、しっかり柊が絡んでいる部分が、個人的にグッと来るのです(*´ー`*)
あとこちら、子育てものでもあります。が、子育てがメインでは無く、あくまで主役は二人の恋愛。そこに陸の存在が上手く生かされてるのも素敵でした。
そして、毎回思いますが、エロが濃厚。回数自体は最後に一回だけですが、なかなか珍しいプレイ(?)で楽しませてくれるんですね~。個人的に、受けが未知の領域で「こわい・・・っ!」と泣きを入れるのに萌えるのです。あと、「今、イッてるから・・・!」てヤツにも萌えまくります。
今回も、すごく作者さんらしさが出た作品です。この作風が好きな方は、私のように萌え転がるんじゃ無いかと思います。
色覚異常に悩む主人公。
学生時代から抜き出ていた才能の持ち主だったのに、
就職後に色覚異常に気付いて、デザイナーとして採用されなかった佐倉。
生活での支障は特に無い。
若干青と赤の識別が付きにくいので、ベージュ等の微妙な色が分からない。
姪の真心(まこ)ちゃんのお迎えを引き受けて知り合った柊に惹かれる。
柊も建築デザイナー。
両親を亡くした陸君を養子にしている。
陸君の母親の代わりになりたいけれど、それは無理。
仕事で、デザイナーとしての君は要らない、と言われて居場所を失う。
そんな佐倉が、柊の養子、陸君の言葉に癒される。
落ち込んだときに読むと、心が和むセリフが沢山登場する物語だった。
佐倉は、居場所を見つける。
柊の事務所で「カラーバリアフリー」に特化したデザイナーとなる。
凄く良い結末だった。
「あああ、萌えた…!」と満足感いっぱいでこちらを覗き、評価(星の数)を見てえっ、とびっくりしました(°_°)
評価が低いというより、割れているのかな…?
個人的には最高に萌えた作品でした✨
夕映月子先生の作品がとても肌に合うというか、大好きなんですが、その中でもかなり好きなお話。
最近はなんとなく年下攻めが流行っている(勝手な)印象がありますが、一回り年上のこの落ち着きと安心感、たまらないよね…!と。
恋人としてめちゃくちゃに甘やかしてくれるのに、セッッの時には言葉で苛めたりもするギャップと、メガネに萌えまくりました。
そしてストーリーももちろん素晴らしくて。
自分ではどうしようもない理由により、夢を諦めざるを得ない境遇の主人公の再生ストーリーに、涙が零れました。
賞を受賞するほど優秀で将来を期待された学生でありながら、就職時に先天性の色覚異常であることが発覚し、デザイナーとしての採用ではなく、アシスタント採用となった主人公、佐倉。
デザイン事務所では一つ年下の後輩に馬鹿にされ厄介者扱いされ、出したアイデアは事務所のものとして搾取され…と、辛い境遇の描写に佐倉と共に悔しさを噛み締めました。
特にコンペのくだりは辛かった……アシスタントのくせにデザイナーの領域に手を出してくるな、と、普段は搾取しているくせにこんな時だけ邪険に扱い、出した作品のアイデアもまた搾取され( ; ; )
攻めの柊の職業などが明かされ、今後の展開はうっすら読めてしまったりするのですが、それが全然退屈ではなく。夕映先生の”読ませる上手さ”が存分に味わえます。
柊の力には頼らず、自力でデザイナーとして踏み出そうと行動する姿が眩しいぐらい格好よくて、読みながらいつの間にか全力かつ本気で佐倉を応援していました。
新たな仕事は決して恋人からのお情けではなく、佐倉の才能と努力を認め、色覚異常を持つ佐倉だからこその特徴を存分に活かしてもらいたい、という柊の気持ちが伝わってくるもの。予想できた展開だけれど、じーんと胸を打たれました。
自分もちょっと勇気を出して、やりたかったことに挑戦してみようか。
そんな勇気がもらえる、切なく優しく温かい、再生ストーリーでした◎
受けの佐倉はデザイナー志望でずっと努力して美大生の時にコンペで賞ももらって
満を持して就職した先で受けた検査により色覚異常がみつかり、
アシスタントに降格されました。
初めての挫折。それも障害という自分でもどうしようもないことで。
それで、職場では複雑な心情を抱えてしまい、周囲に委縮しているような。
そこで降ってかかった姪の保育園送り迎え
そこで出会った攻め様、柊。最初は服装や持ち物がセンスがよくて自分好みだったから
二人の近づきかた、心情が寄り添っていき
恋になる過程が良かったです。
夕映先生の心情描写が好きなんです
私の琴線に触れます。
そしてエッチシーンは濃厚あまあまで
大変満足しました。
これから佐倉の才能が花開いていくことを祈ります!
持っているものが全てセンス良くて着こなしも絶妙で、目の保養として密かに楽しんでいた攻めが子供のお迎えと仕事との両立に四苦八苦していることを知り、受けは協力を申し出るんだけど、純粋に役に立ちたいという一心であわよくば感が一切無かったところがとても好き。
それが次第に恋に変化しちゃうのは、仕方ないよねと思います。
学生時代から抜きんでいて将来有望なデザイナーと目されていたのに、就職後発覚した色覚異常でデザイナーとしての将来や、自分のありかたまですっかり混迷しまくりで燻ってる受けの様子はなかなか辛かっただけに、再び人を好きだと思えた自分に気づいて、前向きな気持ちになれた事に自身が感動する気持ちを「綺麗な石を拾って〜」と表現した箇所がキラリと光ってていいなと思いました。
センスがぴったりってそれだけで特別感があるなぁと思いました。
アアルトとかARABIAなどが出てくるBLは初めて読んだので、ちょっと嬉しかったです。
ARABIAのAvecのプレートのグリーンとブラウンが同じように見えるというやつ、あれが同じに見えるのか!と驚いた。
だって全然違う色なんですよ。
色覚障害をマイナスなものではなく、プラスと捉えた攻めの提案はまさに発想の転換というやつで、お情けではなくその才能を買ってくれて欲しいと言ってもらえて本当に良かったなぁと思います。
そしてお情けで雇われているお荷物状態な受けが、久々に張り切って美容院の案を提出するも…‥というくだりの心が折れまくった感とかが可哀想だっただけに、前の職場にギャフンと言わせる展開希望!と思いながら読み進めていたんです。
でも、彼らに一矢報いてやりたいと思いながら新しい職場で仕事をするのではなく、もう彼らの事はすっかり過去の事として忘れて働くほうが健全だし、攻めと受けというコンビなら無敵だろうなと思えました。
色覚異常が発覚して以来、色褪せていた受けの世界が、少しずつ色を取り戻していく様子が本当に良かったです。
そして両親を亡くして以来、ワガママを言わなかった陸が言う「うちのこに なっちゃえばいいのに」は良かったなぁ。
ただしエロシーンに違和感が……特に初エッチ。
それまでセンス抜群な穏やか紳士だと思ってたのに、ちょいSっ気入った怒涛の攻めっぷりというか、この人どんだけ場数踏んできたんだろう??と思わずにはいられないネチっこいエロオヤジ化がなんか嫌だった……。
太さはフツーなんだけど長さに特化したものをお持ちということで、結腸責めとかね、激しいわ……。
手練れた攻めとか、蓋を開けてみたら実はちょいS…みたいなのも好きなんだけど、この攻めは変化しないほうが好みでした。
初めてのエッチが飲料ゼリープレイとかなんか嫌……。
ふつーでお願いしますと思いました。
攻めが受けに「かわいい」を連呼するパターンは甘すぎて胸焼けするのですが、この作品は佐倉の職場連中の意地が悪いので、甘すぎてもバランスが取れていました。
あとがきによると、元の作品を大幅加筆修正、柊さんの人なり以外は大幅改稿だそうですが、もとの佐倉がどんなだったのか気になります。
佐倉の転職直後、まだまだこれからというところで終わっているので、その後どんな成果を上げていくのか気になります。
もし続きが読めるなら、その時は是非、佐倉の後輩の杉にサドでおねえな恋人をあてがっていびり倒して欲しい。
あと、みずかねりょうさんのイラストが絶品。
佐倉の状況が切ないですね。色覚異常がわかりデザイナーになれず職場でアシスタントとして軽んじられ。
そんな佐倉の癒しが柊さん親子と保育園のお迎えで会うことで…。
佐倉が柊親子との交流でデザイナーとして奮起しようと前向きになったり、趣味がぴったりでたまらなかったり。
もしかして柊さんは…と思ってたら!
子育てと恋愛とお仕事と。結ばれてお終いじゃないんですね。
うちの子になればいいのにって、言い方が可愛いですね。陸くんまで言い出して。
エッチまでは神にするつもり満々でした。
ですがエッチがちょっと…。
いや、意地悪攻めもいいんですよ、需要も多いでしょう。
でもこれまでの柊さんとのギャップや、初エッチで痛いの好きなんだろって言ってきたり、高価なソファの上や吊り下がる不安定な椅子でエッチしたがったり。
あげくのはてにアソコの先にあんなものを!
いったいこれまでどんな経験積んできたの?
紳士であって欲しかったです。
今まで私が読んだ夕映先生の作品は、色っぽさ少な目、皆さん100%善人コースが多かったので、当作は「あら♡」という嬉しい気持ちが少しあります。2015年12月に他社さん雑誌に掲載されたものを全面改稿されたものとのことで、本編230P弱+あまあまショート20P弱+先生のあとがき でした。地雷ほどでもないですが、職場の嫌がらせの記載がちょっと嫌だなあと思う人はいるかもです。デザイン話や育児の余裕ない話、攻めさんが割合好きで、萌1.8という気分です。
先ほど心交社さんのHPを確認すると、2018/6/18までにアンケートはがきと返信用封筒を送ると書下ろしペーパーがプレゼントいただける模様。ふふ、送ってみよう~
お話は夜8時過ぎ、勤め先のデザインオフィスを七海が退社しようとするシーンから。七海が向かうのは姪っ子真心ちゃんがいる保育園で、お迎え時間ぎりぎりセーフでほっとした所に、同じくぎりぎりアウトなもう一人の親がお迎えに来て・・・ と始まります。
登場人物は、攻めさんの子である陸くん(可愛い!)、受けさんの勤務先の皆さん少々、受けさん姪っ子真心ちゃんぐらいです。真心ちゃんはあまりしゃべりませんが陸くんはご活躍。健気ないい子で、本当にぎゅうしてあげたくなる子でした。
挿絵情報:カラー口絵は1(二人のキスシーン)、モノクロ8.二人が息子と姪っ子を各々抱っこしながらダブルベッドに横向きあう図が1枚あり、なんかほのぼのして癒されるー♡でした。
****以下はより内容に触れる感想
むかつく話やお子様で色々身につまされる話があり、シンクロ度合は高かったです。
むかつく点:色覚異常でデザイナーになれない とされて色々下働き的立場に追いやってしまうのは、どうよ とむかついてしょうがなかったです。その人なりの良い所を伸ばそう伸ばそうと頑張ってなんぼでしょ!!!と怒り心頭。腕一本みたいなデザイン業界ではそういうのは甘えになるんですかね???でも才能あるのは分かってたんだからさー と残念でなりません。一つ年下の後輩の態度も、人間としてどうよ・・・と疑ってしまいます。こんなもんなんですかね、才能が全て?厳しいー(涙)
お子様話:保育園に預けて働くのって、すんごく忙しい+厳しい・・・ということが記載されていて、ああ、そうよねそうよね、と超シンクロ。子供を理由に逃げてはいけないけど、どうにもならないこともあるから、この二人の置かれている状況とその対処は、それでいいじゃん!と強く思いました。
最後の一押しが攻めさん。善人面してるんですけど、色っぽい方面では「おぬし、何人泣かせた」と問いただしたいです。好きだわ、猫かぶり。このかぶっていた猫をとっぱらったお話が、ショートもあるので、善人100%、清く正しい感じとはならずに、好きでした。
二人で頑張って仕事して、夜9時からは受けさんを可愛がり倒してねーと思った1冊でした。
受けの佐倉は順風満帆かと思った時に、デザイナーとして致命的な色彩異常が見つかったことにより一転してしまいます。学生時代からお世話になっている桂の事務所にてアシスタントとして働いています。
でもお荷物となっている事も感じていて、その中姪のお迎えで会う攻めの柊とのちょっとした時間が楽しみになっています。彼の身に着けているものが自分の好みと合っているというのがきっかけで息子の陸くんとも仲良くなり、事情により陸のお迎えも手伝い陸くんとも仲良くなります。
次第に好みが一緒から恋愛の意味での好意になります。人生の挫折もあるし、陸くんの父親という事もあるので、2人の関係はゆっくり進んでいきます。でも読者には両想いだろうなと思う部分が多々あるので面白いです。
想いが通じ合った時の柊のねちっこいエロも良かったです。紳士な柊の性格が変わるのは萌と共に面白さもありました。
佐倉の能力をきちんと分かっていて、適した場所へのデザインなど佐倉だからこそ役に立つ方法を見つけてくれる包容力のある攻めです。
最終的に柊の事務所へと行くことになりましたが、桂の事務所が佐倉を手放した事を後悔するシーンなどがなくて残念でした。アイデアだけはちゃっかり貰い、佐倉をフォローするのではなくただの下働きとしてしか見ていないのもどうかと思いました。ちょっとその辺がスッキリしなかったです。
佐倉にとても懐いているので、終盤の陸の「ななみくん、うちのこになっちゃえばいいのに」という言葉がとても可愛いです。
夕映さん、作家買い候補でしたがこればびっくりするくらい合いませんでした。
ストーリーについて、BLを多く読んでいる方ならあらすじからでも分かってしまうかもしれませんが、受けの置かれている環境と攻めの正体的な説明が終わった時点で話のオチというか終着点が見えます。実際そのとおりに進んでいくので安心感はあると思います。
こういった作品はキャラに萌えられるかで評価が変わってきそうなのですが、私はこの受けがどうしてもダメでした。
色覚異常や子供といった要素によって周囲に気を使わせていることに罪悪感を感じている描写はあるのですが、口先だけで心の底から納得はしていない…だけならまだしも自分の方が能力は上なのに、と周囲を下に見てもがいています。確かにそうであってもできないことがあるのは確かなことで、謙虚になりきれない受けは応援できないと思ってしまいました。
悪役というほどでもないですが、受けに優しくできない周囲の人も受けに対して気を使ったり戸惑いがあったりするはずですよね。そちらの気持ちをより強く考えてしまい、受けの自己中心的もだもだはストレスでした。とりあえず仕事してくれよ。
攻めさまは魅力的な要素もいろいろありましたが、この受けに惚れてしまう気持ちは分かりません。
読後感は最悪で、仕事のストレスが倍増されそうな勢いでした。
この受けに共感できれば恋も仕事もゲットで報われハッピーないいお話になるんじゃないでしょうか。
お話は完全に「しゅみじゃない」ですがみずかねさんが素晴らしいのでとりあえず中立。
【追記】
こちらの評価に過剰反応する方にレビューを消せとメールを頂きましたので補足。
この作品でまず思ったのは、子供を育てながら仕事をする方とそうでない方もしくはそういう方のしわ寄せをくらう立場になったことがある方では受け取り方が間逆になることもあるだろう主人公ということ。そしてこのレビューはあくまでも後者の意見です。
あるあるとして子供が熱を出して急に早退しなければならないとき、笑顔で送り出してもらえるか・ため息を吐かれるかは普段の人間関係の構築によるところが大きいのではないでしょうか。個人的には周囲の理解を得て仕事をするための働きかけは、迷惑をかける側の主人公から行動して欲しいと思ってしまいます。周囲も必死に仕事をしているのは同じなのに急なフォローが必要になるので。
この作品はそこらへんの描写が微妙なので主人公がプライドを捨てられない自己中心的な人物に見えてしまう、だから共感できないという感想です。
お気を悪くされた方には申し訳ありませんが、こういう意見もあるということでよろしくお願いします。