条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
kuroshishiou no dekiai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
溺愛物大好きだし、オメガバースだし、という事で購入です。
受け様は鎖国時代の日本を思わせる「大倭国」の海軍少佐である天神顕良。
大倭国ではΩは゛傾国゛と呼ばれ、大きな災いを呼ぶ忌み嫌われる存在であり、自分にその血が流れている、と診断され、より一層禁欲的に己を律してきた顕良。
攻め様のギルスは、獣人の国であるイシュメル王国国王であり、力の強い因子を持つ黒獅子の姿をしていて人間形にもなれるα。
゛運命のつがい゛を求めて、任務で航海中だった顕良の艦を拿捕し、顕良の親友を人質にして脅して無理やり自国に連れ帰ってきた。
そんな2人なので、もちろん顕良はギルスを毛嫌いしていて、ギルスは脅して無理やりカラダに快楽を覚えさせていくんですが、無理やりだけど大事に大事に行為に及んでいて、顕良の頑なな拒絶にひっそり傷ついてるギルスの姿にすでに私はきゅん。
顕良は抑制剤を定期的に飲んでいて未だ未成熟のΩであり、清廉潔白に生きてきてから性的には初心で全くのまっさらさん。
行為の最中、あまりの快楽に自分の身体が変わっていくようで怖がる顕良に「受け入れるまでゆっくり待つから」と辛抱強く接してて。
また、少なくなった抑制剤を親友に頼んで入手してもらった顕良に対してとったギルスの態度も、顕良への理解と愛情に満ちていてナイスダーリンぶり。
黒獅子の強すぎる因子は母体への負担が大きく、つがいは子供を出産すると亡くなってしまう、という事実とともに、それでも自分は運命を諾々と受け入れるΩではなく、顕良のように強い意思を持つΩと一緒に子供を抱きたい、とギルスに真摯に本音を告げられる顕良。
こうして少しずつギルスへの理解を深め、距離を縮めていってる時に顕良が発情してしまい、ようやく「運命のつがい」だと受け入れることができて、2人は濃密な発情期を過ごして顕良が妊娠。
ギルスを愛した証として、必ず元気なまま子供を産む、と誓う顕良が男前でした。
なんといっても、強気なオラオラ系ダーリンなのかと見せかけて、必死に真摯に顕良の愛を切望する攻め様のギルスがいい。
垣間見せる切なさや嫉妬、独占欲もまたいい。
妊娠した顕良の隣で、普段通りの顔をしていても内心不安で怖くてたまらなかっただろうと思うと、攻め様の焦燥ぶりを見るのが最大の萌である私にとって、たまらなかったです。
きっとこれからも強く大事に愛していくんだろうなー、とにまにまと楽しく妄想がふくらむ2人でした。
眉山さん作品で、「黒獅子王」と銘打たれたタイトル。前作『黒獅子王の隷妃』の続編かスピンオフかなと思って読み始めましたが、どうやらこの2作品にはそういったリンクはない模様。前作とは異なり、こちらの作品はオメガバースものでもあります。ただ、一国の国王になれるのは漆黒のたてがみを持つ黒獅子である、といった世界観は同じでした。
それではレビューを。すみません、ネタバレを含んでいます。
なんちゃってジパング・大倭国が舞台。
大倭国には、国を亡ぼすとされる「傾国」と呼ばれる邪悪な存在がごくまれに出現する。国を守るために「傾国」かどうかを調べるために国民が義務付けられている身体検査があり、そこで「傾国」だと診断されてしまった顕良、が主人公。
自分の特異な体質を誰に打ち明けることもできず、そんな劣等感に悩まされ続けてきた顕良が選んだ仕事は軍人。ストイックに鍛錬に励むことで「傾国」である本質を出さないよう努めている。
そんな彼が諸事情により国の国宝を他国へ届けるため海に出たところを、大倭国と大昔に因縁があり、それ以降国交を断絶しているイシュメル国に襲われ、顕良の親友を盾にさらわれてしまう―。
というお話。
イシュメル国の国王であるギルスに、「運命の番」と言われ、自分の子を産むよう命令される顕良ですが…。
軍人としての誇り、プライド。
そして「傾国」と呼ばれるΩであること。
男でありながら子を孕めるという屈辱。
そういった顕良の葛藤や苦しみを軸に、少しずつギルスに惹かれていく過程が丁寧な描写で綴られています。
序盤はギルスに脅かされる形でイシュメル国に連れてこられ、無垢な身体を少しずつ拓かされていく顕良、といった展開なのでややシリアスで痛い空気が流れていますが、眉山さんらしいというのか、本当に痛い展開にはなりません。
ギルスが顕良にべタ惚れなのが見えちゃってるから。
口では非道なセリフを言ったり、嫌がる顕良に強引に性的な接触を図るギルスですが、顕良に対してめちゃめちゃ甘いです。言ってることと、やってることとが違いますよ~、とか突っ込みつつ、そんなギルスが可愛いのなんのって…。
ギルスの顕良への執着ともとれる愛情はややご都合主義的なところはあれど、自分が忌み子だと刷り込まれ生きてきた顕良の劣等感を、ギルスの深い愛情で払しょくされていく過程には激萌えしました。
イケメンで、国王で、優しくて、そして強い。
ギルスはまごう事なきスパダリさんなので、スパダリさん萌えする方にはお勧めな作品かなと思います。
ギルス×顕良の、BL的な展開にも萌えましたが、終盤のどんでん返しが面白かったです。ネタバレしちゃうと面白さ半減だと思うので、ぜひとも読んでいただきたい。
この作品も「獅子」が重要なポイントになっていて、それゆえにモフモフがたくさん出てきます。
子たちがとにかく可愛い…。
この作品はΩが子を成す=女性的な器官がおなかにある、といったちょっと特殊な設定になっているので、もしかしたら好みが分かれるところかもしれないなとは思いました。
ただ、薄幸・トラウマ持ちの受けさんが、スパダリさんに愛され幸せを手に入れるといった王道のストーリーなので甘くて優しい、気持ちがほっこりするお話でした。