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fukigen na Cinderella
強力に押したい一冊なので、何とかこの面白さをお伝えしたい!
さわりだけ、がっつりネタバレします。苦手な方は回避してください。
ハイブランド「Roger Randolph」の販売部に勤める安西がピンチヒッターで入った新採用の面接で出会ったのが、とてつもなく野暮ったくぶっきらぼうの佐山。自社に似つかわしくないだけではなく、もう既に八社の大手一般企業から内定を受けているという。不思議に思い応募の理由を尋ねると佐山は小さな声で「出会ってしまったので」と答えます。
……たまらないとおもいません?この冒頭のシーン!
ここを読み終わった瞬間に、これからくり広げられるお話にものすごく期待が膨らみました。
佐山の中にRoger Randolphへの愛を感じた安西は、自分でも何故佐山にこれだけ入れ込むのか解らないままに佐山の採用をねじ込み、様々なことを教え込んでいきます。まずは見た目。この辺は「マイ・フェア・レディ」の様な運びだったので「あれあれ?シンデレラじゃなかったの?」と思っちゃう訳なのですが、この過程で、佐山が人前で食事が出来ないことが解ります。「僕のこと、変なやつだって、思っただろう」と言う佐山に、安西は「また食事に誘ってもいいかい?」と答えます。感極まった佐山は「安西に好かれたい」と告白しちゃうのですが……
このお話の面白い所は、安西から佐山に向けて一方的な『教え』がある訳ではないところだと思うのです。佐山の野暮ったさを「自分を知らないから(自分に自信が無いから)だ」と安西が話すシーンがあるのですが、安西も自分を知らない。知らないと言うよりは、知ろうとしない、見ようとしない所があります。それは、彼がRoger Randolphのモデルをしていた頃に起きたある事件が原因になっているのですが、佐山関わる過程で、安西もそのことに向き合わざるを得なくなります。
仕事を愛すること、人に教えること、自分に、そして周りの人に向き合うこと、そして、決めた目標に向かって努力することの素晴らしさが描かれたお話です。LOVEもたっぷり。
何と言っても、現代のシンデレラは王子様が迎えに来るのを待つだけではないのです。彼らがどうやって幸せを掴むのか、多くの姐様方に読んでいただき、佐山の努力に、そしてラストの安西の決断に「あああああああ、良かったねぇ~」と叫んでいただきたいです。
モデル話が好きで購入。モデルさんって美しいから・・・案の定、当作の安西、美しい。その上、人たらし能力を身につけた元モデル。すごく好きなタイプなんだけど、それに組み合わせてきたのが、とっても強い印象のある当作の佐山!強烈なその個性というか、身近にいそうで、可愛げのないその性格がとてもとても面白かったです。地雷というほどのものでもないですが、佐山と親の確執 というところが苦手な方がいるかもしれないです。書き下ろし240Pほど+先生のあとがき。
BL的要素より、二人の変わっていく過程と読後感がとっても良かったので萌2にしました。
人事部の同僚から代打を頼まれて臨時で面接官となった安西が面接したのが、仏頂面、ファッションセンス無しの佐山。難関大学法学部に在籍し、8社から内定もらっているのに、アパレル業界として唯一「Roger Randolph」の入社試験を受けている。不可解に感じていたところ、その日退社時に会社の前でその佐山に出会い、入社志望を再度聞くと「気に入った靴があった。こんな世界に行けるならと思った」と言い・・・
*********以下はより内容に触れる感想
二人がお互いの過去のしがらみを振り切って成長していくお話と感じました。
攻めはスパダリ系で納得な人物なのですが、受けがとにかく想定外(笑)
一途すぎて斜め上にいっている部分があるというか、不器用というか、私が今まで読んだ本の中ではあんまりいなかったタイプです。おばはんとなった今は可愛く感じますが、私が若くバカだった頃に(いや今でもバカですが)この佐山にあったら間違いなく喧嘩してたと思います(爆)
そんな二人が最後、成長して過去を振り切り幸せになっていくので、やや出来過ぎという気もしますが、とても読後感がよかったです。
初めましての先生でしたが、とても面白かったです。先生、素敵なお話、有難うございました!
皆様がレビューされてるように、このお話は攻めにも受けにもシンデレラ要素があります。最後の方でわかります。お互いがお互いのシンデレラであり王子でもあるなんてさすがBLはロマンチックです。
出会いも運命的でした。攻めはいつもは新人の面接なんてしないのにたまたま知人に頼まれ、面接に立ち会い受けと出会います。アパレルの会社なのに全然おしゃれじゃなく受け答えも全然駄目で…結局落とされるはずだった受けに引っかかる部分があり攻めの独断で受けはその会社に入社するのですが…高学歴のはずの受けが一回り上の先輩の攻めを呼び捨てってないだろう、とそこがずっと私は引っかかってしまいました。受けはかなりの変わり者設定とはいえ。
攻めの良かった所は受けと確執のあった受けの母親に1人で会いに行く所。本当に面倒見が良い世話好きで優しい。私だったら絶対あんな面倒くさそうな家族と関わりたくないな。母も姉も強烈な性格で受けが女性不信になり男に走るのも仕方ないと思いました。
受けの一人称の文章はちょっと苦手なのですが、これは珍しい攻めの一人称もので攻めが受けを愛でている様子がよくわかって良いなと思いました。
ブランドの元モデルで現在はそのブランドの店舗エリアマネージャーを務める安西(攻め)は代理で面接官をした際に気になることを言った野暮ったい学生・佐山(受け)を採用します。採用後、安西はダサいままちっとも成長せず心を閉ざしたままの佐山を気にかけるのですが、突然「好きになってほしい」と言われ心を開いてくれたことをうれしく思う反面これは気の迷いだろうとも思うのです。
安西は「ダサい人とは付き合わない」と自分を餌に佐山の成長を促します。
モデルを辞めたトラブルで大切なものを失う怖さを知っている安西は次に同じことが起きたら立ち直れないと思っており、何にも深入りしないように生きてきています。大人の余裕で佐山の告白を軽くいなし、成長したら自分から離れるだろうと思っていた安西が、佐山の一生懸命な様子にどんどん嵌っていくところはよかったです。
佐山はもともとの素養はあるのに、母親からの圧力により歪んでしまったものを安西への恋心を糧にどんどん成長していき、ちょっと成長しては「好きになったか?」と聞くのがかわいくて。普段が可愛げないだけにそのギャップがいいです。
安西が佐山にしてくれる様々なことを受け取りながらも、待っているだけでなく自分で考え動き自分と安西の未来のために力を尽くす姿は心を打たれました。
二人が未来を歩くために必要なガラスの靴を、お互いが履かせてあげる王子様であり履かせてもらうシンデレラで、こうなることが運命だと感じられてとても良かったです。
が、安西が自分を無くしてしまうきっかけになったトラブルの張本人・同僚の蓮谷が嫌な奴過ぎました。
同じ会社の同僚ながら嫉妬で嫌がらせをし、自社の不利益になる可能性があるにもかかわらず暴走し、後悔したとはいえその後も安西への態度は改めず、佐山に対する行為も無かったことにしたり、親が役員をしているのもあって誰にも咎められない蓮谷には本当にもやもやしました。
罪悪感でうなされる毎日だったということですが、それは自業自得だし謝って許されるという結末は納得できません。
蓮谷は罪悪感に苦しみ、会社のために尽力したとはいえ、当の女性とは恋仲となり出世街道をひた走り、何一つ失っていないのです。せめてなにか一つでも報いを受けてほしかったです。
それと、佐山の安西への言葉遣いには違和感を感じました。10歳ほども上のしかも上司に対して、タメ口呼び捨てってのは普通なんでしょうか。私はそんな話し方をする会社員を見たことがありません。佐山が丁寧語で話していたら何とも思わなかったと思うのですが、私が細かすぎるのでしょうか。
そして、もっと不思議に思ったのは、同僚に対して他人が見ても眉を顰めるような行為をしているのに、親が役員で本人の業務成績が良いからといって誰も何も言わないことです。これが、親族経営の会社とかならいざ知らず、親会社はイギリスのハイブランドなのに役員の息子にそんなに気を遣うものなのだろうか。
蓮谷が出てくるところが嫌すぎて地雷を踏んだ後のような後味の悪さを感じました。
二人の話だけなら神か神寄りの萌×2だったのですが、読んだ後は二人のことよりも何の咎も受けなかった蓮谷のことにもやもやする心が大半を占めてしまい萌えられませんでした。
二人がすごく良かっただけにとても残念です。
高評価の中、細かいことはに気が行ってしまって評価を下げてすみません。
カップル2人の話だけなら、先の2人の姐様たちの評価に全面同意しているので、是非読んでほしいです。
根暗で、服装もダサくて売り場に出せないレベルの佐山が、好きな安西に好かれるために、自分を変えようとがんばる姿がとてもかわいく、心の中で応援してしまいました。
安西もモデル時代のあるできごとを佐山のおかげで解決できて、お互いがお互いを良い方向に変えていけるのは素敵なことだなぁと。
話の始めの方では、どんなカップルになるのか想像ができにくかったのですが、きっとお互いを信頼しあって、長く一緒にいるのだろうなぁと感じます。
今回、ファッションにまつわる作品だったので、改めて外見って大事だなぁと気付かされる場面が多かったです。
佐山みたいな誠実で真面目な店員がいるお店なら、買い物も安心してできそうだなぁと感じました。
一年前くらいに途中で挫折したこの本。
なんで挫折したか忘れた状態で、再度手にしたんだけだけど、そうだった、受けの口調があまりにもなっちゃないのだった……。
コミュ障だっていい。
いつも不機嫌そうなキャラであっても構わない。
だけど、最低限の口の利き方は備えていてほしい。
自分を採用してくれた上司に向かって「あんた」はないし、「なぜ僕を採用した」と恨みがましく呟くなんてありえない。
とっととお前が辞めろ!と思いながら、読むのが苦痛で読むの辞めたんだっけ……
でも、今回は何とか目を瞑って読み進めた。
すると、お下がり服を貰ったあたりから、なんか必死な受けが可愛く思えてきたのも事実だし、アパレル業界のあれこれも楽しく読めた。
だけど途中出場してきた強烈な受け姉と毒親な受け母のイカれっぷりに、またしても撃沈しそうになった……。
なるほど、こんな母親と暮らしてきたから、受けは上司を「あんた」呼びしちゃうような人間になったのだなと理解は出来たけど。
そして頭おかしい受け母に向かって、ためいきをつきながらではあるものの「俺は、感謝している、あなたに」と感謝を伝えてしまう攻め。
精神不安定でヤバい母親をなだめる為とは言え、ここがどうにもやりきれなかった。
「佐山の人生が光と彩りに溢れていたなら(つまり真っ当に育てられていたら)、きっと彼はロジャーの靴の前を素通りしただろう。」
「そしてあの日、面接に現れた彼が、他の面接者と同様に笑顔&きらびやかな服装をしてたら、自分は佐山を見つけることができなかった」
「佐山は(毒母のせいで)闇に生きていたから光を見つけたのだ。佐山そのものが黒に塗れていたから、俺は光の中で彼を見つけることができたのだ」
とある。
だから毒母に感謝、というロジックなんだけど……。
これ、佐山自身が自分の生い立ちを省みた時に、自分の過去も無駄じゃなかったと気づいたりする分には全然いいんですよ。
もしくは、「君は苦労してきたけど、だからこそ俺たち出会えたし、あの日君をみつけることができた、だから闇とも思える過去にも辛かっただろけど意味があったんだよ」と受けを肯定してあげる分には全然いい。
でも、赤の他人でしかない攻めが、受けを22年間苦しめてきた本人に向かって、彼女のしてきた事を肯定するような言葉は言って欲しくなかった。
だいたい、ハイブランドの面接にボサボサ&ヨレヨレで登場して採用されるというのが、現実には100%ありえないので。
とどめは同僚の蓮谷。
こいつは何様なんだよ?
そんなに役員の息子は偉いのか?というくらいのさばってて、超〜イライラさせられた。
こいつは己のしでかした事にうなされている(自業自得)程度で、真実を知ってる恋人に見放されることもなく出世街道邁進…。
なんだそりゃ……。
社会的制裁はないんでしょうか……。
と、あまりにもイライラ&モヤモヤさせられる事が多くて、攻め&受けのラブに興味も集中力も失いがちになった挙句、ふと気づいたら攻めが「きみを愛してる」とか言いはじめてて、取り残された気持ち……。
なのでエッチシーンは飛ばし読み……。