一万年+3日

一万年+3日
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×20
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
9
得点
69
評価数
17
平均
4.2 / 5
神率
64.7%
著者
麻生玲子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
片岡ケイコ 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫
シリーズ
一万年+3日
発売日
価格
¥438(税抜)  
ISBN
9784086004886

あらすじ

一万年前の水みたいに、天然できれいなあいつ。出会いは飛行機雲だった。ひとりで好きなことをやり、だけど憎まれもしない不思議な存在の白川。しかも時々、行方知れず。西野はそんな彼のことが気にかかっていたが…。純情放浪ボーイズラブ。

表題作一万年+3日

大学2年生,20歳
大学2年生,20歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数9

コバルトの隠れた名作

大学生モノです。
作品の中を流れている、透明感のある文章がたまりません。

受けの白川は不思議なやつです。
何を考えているのかわかりません。
でも、すごく魅力的です。

そんな白川に普通の大学生・西野は惹かれていきます。
それはなんだかとても自然なことのように思えます。

このシリーズは4作あるのですが
不思議なほど派手な出来事は起こりません。
引き・・・みたいな終わり方もあるんですが、次の巻であっさり解決されたり。

エロもなかなかきません。かなりプラトニックです。
それが結構じれったくなると思うので4作一気読みを強く勧めます(安いし)

『一万年+3日』
『水の化石』
『彩度ゼロの奇跡』
『永遠に似た瞬き』

タイトルの意味を読んだあとに考えるとじんわりときます。

日常系が好きな人、じんわりとした話が好きな人
そしてゆったりとした時間が流れる話が好きな人には間違いなくオススメです。
片岡ケイコさんの絵も作品に合っていて、とても麗しいです。

読み終わった後、きっと空を見上げたくなるはずです。

12

不思議ちゃんの魅力にクラクラです

シリーズ物とは知らず、一番初めに二作目「水の化石」を読んだのですが。
それが予想外に面白く、今回シリーズ全てを購入し、一気読み。
こんな素敵な作品がコバルトにあったことに驚きました。
先にレビューを書かれた方も仰っていますが、
まさに「コバルトの隠れた名作」です。

独特の感性を持ち、美人だけど変わり者と大学で評判の白川。
この白川のキャラは不思議ちゃんになると思うのですが、
とても魅力的で可愛いのです。お土産のペットボトルには笑いました。
そんな白川が気になって仕方がなく、距離を詰めていく西野。

コミュニケーション能力のかなり低い白川が、
大らかで誠実な西野に心を開いていく過程が胸キュンでたまりません。
二人を取り巻く様々な人達も、明るく楽しく、気のよい面子が揃っています。
西野と白川のピュアな恋と並行して描かれる、
穏やかな青春キャンパスライフにほのぼのします。

挿絵と小説の相性もバッチリ(特に表紙が素敵)で、
穏やかで透明感のある世界が楽しめます。
ピュアでほのぼのとした、素敵な作品でした。

5

普通の大学生と変わり者な天然美人の日常

すごく良かったです!
大きな事件が起こらない上に、いい人しか出てこないので、人によっては退屈な話かもしれませんが、自分にはものすごく合っていました。

この本は全4巻の1巻目で「水の化石」「彩度ゼロの奇跡」「永遠に似た瞬き」の順番です。
2巻目まではエロ無しです。

基本的には攻めの西野視点で話が進みます。
大学の同級生の受け・白川との関係の進展が丁寧に描写されています。
西野は友人の多い普通の人で白川は変わり者で天然で美人です。
この二人は性格の相性がバッチリだと思いました。
だんだん心を開く白川が良かったです。

自分は攻め視点の為に西野に感情移入して西野の気持ちになっていまい、白川がものすごく可愛く思えました。
特にこの巻の終わりの酔っ払い白川が可愛すぎました。

脇キャラは多いですが、嫌な感じのキャラは全く出てきません。
女性キャラもいるので「嫌な女じゃなくてもBLに女性は要らない!」という方は要注意です。
あと全巻通して酒盛りのシーンがやけに多いです(笑)
個人的に「あるある!」と思ったのが「苗字が山本だからあだ名がジョージ」


ちるちるで何かを探していた時にこの本の存在を知り、数ヶ月間探していた本だったんです。
古本でしか手に入りませんが運良く全4巻を手に入れる事ができました。

BL初心者の方に是非4巻セットでお勧めしたい話なんですが、入手困難なのが本当に残念です…

5

心が洗われるストーリーの始まり

他のレビュアーさんがおっしゃる通り、まさしくコバルトの隠れた名作。
私が読んだコバルトのBL作品と言えば、内容なんてあってないか
のようなものばかり。(炎の蜃気楼は別格です!)
もうコバルトには手を出すまいと思ってた矢先、ふと見たレビューに
心惹かれ、再びコバルトに手を伸ばしてみました。

このシリーズ全4巻のシリーズものです。
必ず4冊揃えてからお読み下さいね♪
とても純粋な2人が真剣に向き合い、ゆっくりゆっくり距離を縮め
お互いがかけがえのない存在になっていく過程を
麻生さんの優しい文体で丁寧に書ききってくれています。
決して上位にランクインする作品のように激しく感動したり、
キュンキュン切なくなるような作品ではありません。
でも、4冊読み終わった時に感じるじんわり染み渡る幸せな気分が
いつまでもおさまらないんですよね。
コバルトだからと敬遠せず、ぜひみなさんに読んでもらいたい作品です。

『一万年+3日』はシリーズ1作目。
大学2年の西野と白川の出会いから、告白、そしてキスまでのお話。
キャンパスで飛行機雲を偶然一緒に見ていた白川に興味を持った西野。
白川と行動を共にするうちに、愛想がないとウワサされる彼は
実は人見知りで恥ずかしがり屋なだけだとわかる。
いちいち素直な彼の反応をいつの間にかどうしようもなくかわいく思い、
恋をしていることに気付きます。
でも、白川は一人旅に出る放浪癖があり、西野を不安にさせます。
ついに抑えきれない想いが爆発して白川にキスをするものの、
あっさりそれを受け入れた白川ですが...

西野と白川以外にも、アパートの隣人でゲイの小池、
友人の市原と春野、白川のいとこ...
重要な役回りの登場人物がいながら、彼らとは一切恋愛関係に
発展することがないんです。
彼らにはすでに恋人や夫がいて、あくまでもこの4冊で描かれるのは
西野と白川2人の恋愛なんです。
お約束な当て馬を登場させることなく、ただひたすらこの2人の恋愛に
のみ焦点を絞って丁寧に書かれています。
これがこのシリーズの最大の魅力だと思います。

3

透明感のあるお話

 皆さん、書いてらっしゃるように、とても透明感のある話で、素晴らしい名作だったと思います。
 二人の愛をゆっくり、ゆっくり愛を育てている感じがして、とてもいい話でした。
 焦ってないのがいいし。一生懸命、西野が白川をわかろうとして、甘やかしてるのがいいです。そして、それをまた、負担に感じてないのがいい。
 そういう状況だからこそ、この本、全体に流れている空気がゆったりしていて、読んでる側もなんだかほのぼのとした空気感に包んでくれます。

 ただ、それがじれったい! と思う方もいるかもしれませんが……。

 そして、これからちょっとずつそれが負担になってくるかもしれないから、早く白川君が大人になってくれることを、ひっそり願ってます(笑)

 本当に本当に、じんわりBLを味わいたい人にはお勧めな本なので、お勧めします!

2

忘れられない名作

私のBL小説との出会いは、麻生玲子先生が書かれたこちらの作品が初めてでした。
全4作出版されている西野&白川シリーズの1作目である今作が発売されたのは2004年。
麻生先生の透明感のある文章で綴られる、大学生・西野のごく普通の学生生活。その中で淡く色付いていく恋の描き方が心地良く、今でも忘れられない1冊のひとつです。
おそらく、この作品に出会っていなければBL小説を読むようにはなっていなかったかもしれません。
レーベル的にも、昨今の小説作品と比べると恋の進みは非常に緩やか。体の繋がりに関してはもっと緩やかです。
ですが、出逢いから少しずつ気持ちが育っていくまでの過程をじっくりと追いたい方はきっとお好きな方もいらっしゃるのではないかな。攻め視点がお好きな方もぜひ。
ごく普通の日常の中にある素朴で素敵な恋が読みたい方におすすめしたい良作です。

色素が薄くどこか儚げで、そこに居るだけで絵になる人。
突然大学から何日も姿を消したかと思いきや、出席日数が少ないにも関わらず成績は優秀。
私生活が謎な上に、特に親しげな友人もおらず、何を考えているのかも分からない…と、いわゆる近寄りがたい美人。
そんな印象を持たれている、大学同期の中でも有名人の白川を主人公である西野が強く認識したのは、雲ひとつない真っ青なキャンバスにすっと真横に引かれた真っ白な飛行機雲が浮かんだじわりと暑い夏の日。

同じ大学の謎めいた存在だった白川と出逢い、他人からの目を気にせずマイペースに生きる彼の面白さに興味を惹かれる西野。
この白川というのが、とっつきにくいのかと思いきや、ただ不器用で人付き合いが不得手なだけで、蓋を開けてみれば子供のような好奇心でいっぱいのなんともかわいい人なんです。
興味がわいた物事を追ってはふらりと旅に出てしまい、連絡がつかないなんてことは日常茶飯事。
超絶マイペースで独特な彼ですが、西野が根気強くトントンと扉をノックし続けると…1度扉を開いた人に対してはものすごくオープンで素直なのが本当にかわいらしくて、なんというか庇護欲のようなものがわいてきてしまう。
他の人には見せない笑顔を自分だけに見せる白川に、次第に西野の気持ちがざわついていくんですね。
西野の心情の動きも良いのですが、西野視点で見る白川のちょっとした変化がすごくかわいいんです。
無意識に攻めを振り回す受けの図を好きになった原点はここかもしれないなあと思いました。好きです。

近隣の学生が集まるアパート・西野の友人たちなど、個性豊かな面々もキャンパスライフを賑やかに彩ります。
当て馬はいません。ひどいことも起こりません。
今作だけではまだスタートラインに立つか立たないかな2人の恋ですが、とても静かで穏やかにゆっくりと育つ関係性が素敵な1作ですよ。

※電子版は片岡先生の挿絵無しでした

1

初めて読むのによいかも

一番初めに読んだBLがこういうのだったら、すごく良いかも、と思わせるような作品。

残念ながら(?)既にかなりの数を読んだ身ですので、ストーリーそのものに大きく胸を打たれることはなかったのですが、逆に穏やかでキスすらもない、友人から1歩すすんだという程度の淡い恋心の綺麗さを思い出させてくれます。そしてまだあまり数を読んだことがない、ハードなBLはニガテ、という方には是非是非おすすめしたい1冊です。
こういう本当に大きなことは起こらない、何気ない日常BLは希少な気がします。

4巻出ているシリーズものの一冊めですので、最初は何か4巻も費やすような壮大なお話なのかと思っていました。
でも内容はごくごく普通のキャンパスライフ。

西野は美人だけど変わり者で有名な同じ学部の白川と少しずつ話をするようになり、彼が本当は面白く引き出しの多い人間だと知ってどんどん彼にハマっていきます。
頭がよくて、放浪癖があり、人付き合いがわるく、何かに夢中のときは他の音はいっさいきこえない白川。

一万年前の水が見たいと突然富士山まで黙って行ってしまう白川を、西野は残された人の心配を考慮できないくらいには精神的に子供だといいます。ほんとに子供なんです。興味があればいてもたってもいられず、連絡もなしに飛び出していき、興味のないものには目もくれず、奔放で自分に正直です。

白川は自分と自分の興味の向く先しか見えていないのですが、西野のことを少しずつ受け入れ、自分のことしかなかった頭の中にちょっとだけ西野の引き出しを作っていきます。
それが西野にとっては嬉しくてたまらない。
劇的に何か起こるわけではありません。ごくありふれた日常の中のちょっとだけ変わったスローペースのラブストーリーです。

1巻だけ読むと本当にほどんど進展がないのでちょっと物足りない気もします。柔らかく安心するような当たり前の毎日が続き、西野は白川を大事にしていて手をだしません。白川は鈍感だし・・・。

ラフで適当で退屈だけど楽しい学校生活が書きたいと作者さんがあとがきにかかれていた正にその通りのお話だと思いました。

2

初心者さんにオススメ!

ストーリーがしっかりしていて、エロがない。
という点で、BL初心者さんが読むのや、
BLの道に引きずり込みたい友人(笑)に読ませるのにはもってこいです!
天然ボケが受け、ということで激しい心の葛藤などがあるわけではありませんが、ゆったり静かな物語の雰囲気につかりたい人にはいいと思います。

そして、この本の珍しいところなんですが・・・
これ、
攻め始点で物語が進むんですよね!
一人称のBL小説って、大体が受けの視点で進んでいくので、この本はとても珍しく、貴重な気がしましたww
普段受け視点の小説しか読まない私にとって、とても新鮮でした!!

1

日常の中にある特異さ加減が良い!

タイトルと絵と、淡々とした文章が好みでした。

話は、大学生の如才ない西野(攻め)と美貌と才能と家に恵まれているが人付き合いが不器用な白川(受け)の、一歩ずつのストーリー。

タイトルは最初「何の事?」って思ったけど、白川が興味を持ったミネラルウォーターに因んで付けられたのが、後で分かります。
人の関知しない長い年月を掛けて手にしているその水と、純粋で天然な白川が、実に合っていて、このドラマ背景にも清涼感が漂っています。
西野も、その白川の自然さを大切にしていこうと思うあたり、若気の至りなんてなくて安心恋愛路線ってところです。
最初は、美貌で才能のある不思議受けという事で、榎田先生の魚住を思い浮かべましたが、こちらの作品では痛いところは全くありませんでした。

ドキドキやお涙頂戴はないのに、ここまで何事もなく2人がお互いの日常を過ごしていくのに、4巻もあるっていうのがまずスゴイです。
そして、それなのに詰まらなくないってのがまたスゴイ!
穏やかに訥々と読めるBL枠、こういうの初めてだったかも!

1

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