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subete ai ni naru made
1冊すべて表題作です。
実輝(受け)の視点でストーリーは進みます。
裏表紙のあらすじでの予想と違った内容でした。
「幼なじみ」で同級生かと想像していたら、創馬(攻め)が年上でした。
ケダモノ…というセリフもあるのですが、身を引こうとする実輝に逆上して乱暴をすることはありませんでした。エッチがいつもよりちょっと強引なくらいです。
実輝の心情は切ないものの、あさと先生の可愛らしいイラストの効果もあり、淡々と甘い感じを受けました。健気受け、一途な攻めがお好きの方にお勧めだと思います。
羽鳥と西須賀については、スピンオフ作品として「この恋は君のもの」があります。私は知らずに順番を逆に読んでしまったので、当時はよく分からなかった部分が、この作品のここのことか!と腑に落ちてすっきりしました。当たり前ですが、順番って大事ですね…。この作品での羽鳥が気になった方にはお勧めだと思います。
2004年発表作品。
主人公は学習塾の事務職員・実輝(みき)。
年上の幼馴染で恋人の創馬と念願の同居をはじめて、ラブラブいっぱい幸せいっぱいの2人から始まります。
周囲に関係を隠してはいるけれどそれ以外になんのトラブルもなかった2人に一体どんな事件が?
…と感じるようなスタートなのですが。
それは、今は亡きシングルマザーの母からは「父親は死んだ」と聞かされていた創馬が、実はアメリカの大企業「ビガー」会長の隠し子だった…!
会長の方も今になってそれを知り、創馬にアメリカに来て欲しい、と日本支社の人間を使って申し出をしてくる。
しかし、創馬はそれを実輝に言わない。
日本ビガーの社長秘書・羽鳥から真実を知らされた実輝は…
…と突然のシリアス展開へ。
あれほどラブラブだった2人。なのに実輝は創馬に真意を問いただすこともなく、ひとりで身をひくことを決意します。
自分の存在が創馬の幸せ・輝かしい人生の妨げになる…そう考えて。
そして、自分はもう創馬が嫌いになった、新しく好きな人ができた、という痛々しい芝居を続けて。
なんともまあ…悲恋チックではあるけれど。ちゃんと話をしなさいよ、という感想しか出てこない。
また、こんな状況を作って実輝を別れさせた羽鳥らの方も、結局は創馬と実輝を応援する流れになったりして設定の甘さも感じた。
愛情あふれるゆえの…というストーリーなので読後感的には可もなく不可もなく。
中立的「萌」で。
念のため、↑レビュータイトルの『あらすじ』は本の裏に載せられてるものです(こちらのサイトのあらすじとは全っ然違います)。
とにかく、本文の半ば過ぎてようやく出て来る事実(とそこから生じるアレコレ)を書くのはどういうつもりなんだと訊きたくなりました。アレはもうすでに『あらすじ』じゃないと思うんだけど。しかも微妙に的外れな気も・・・(ついでに、受の職業も違ってる)
できれば、裏のあらすじ知らずに読んだ方がいいと思います。
火崎さんは、(もちろん極めて個人的に)ファーストコンタクトが非常に残念だったので、無意識に避けていた作家さんでした。こちらが確か2作目だったハズ(結局トータルで3作しか読んでないと思う)。
こちらは、ひとことで言えば『恋人同士で、攻のためを想って受が身を引く』系統かな。
ストーリーは、既に出来上がった(隣同士で幼馴染みでもある)2人が家庭の事情で同棲するところから始まります。
前半はほのぼの・ラブラブにちょっと暗雲が・・・?と仄めかす感じで進みます。
そして、創馬(攻)がアメリカの大富豪の隠し子で、突然転職した先はその父が会長を務める会社だったことが明かされます。
創馬と別れるよう、彼の同僚である社長秘書・羽鳥に説得された際に実輝(受)は初めてそのことを知るんです。
実輝は、考えた末に創馬のためを想って嘘をついても別れようと・・・
う~ん、もともと『身を引く』系統があまり好みじゃないんですよね。
どうも実輝が不幸なヒロイン思考とでもいうのか、何かに酔ってる・浸ってるような感じが鬱陶しい(『ヒロイン=女性的』という図式ではないし、そもそも私は受のメンタルが女性的でも一向に構わない。それとはまた別です)。
しかも、解決(創馬の誤解が解けるあたり~)があまりにもあっさり過ぎませんか?バランスとして、前半ののんびり具合に比べて後半が慌ただし過ぎる気がしました。
イヤ、まあそれほど悪くはないんですよ。
キャラクターも、もうスタート地点から恋が成就していて、お互い相手を思い遣って愛し合っているのがわかるし、(これはルビー文庫らしさなのか?)読みやすくてわかりやすい、気持ちのすれ違いストーリー。
あっさり読めて、あまあまとせつなさを味わうにはいいと思います。
個人的に『受一人称』がものすごく苦手なので、そこが大きくマイナスです。それだけで読むのがツラかった。
ただ、たとえ三人称だったとしても『萌』にはなりません。
関連作の『この恋は君のもの』は、創馬の同僚秘書2人(西須賀と羽鳥)のスピンオフのようですね。
申し訳ありませんが、こちらの2人にはまったく興味を惹かれませんでしたので未読です。
でも、あさとさんのイラストはとても素敵でした。 正直、イラストが何よりもよかった。
火崎さんは好きな作家さんなのですが、今回は萌と中立で悩み、ちょっと厳し目に中立にしました。
挿絵のあさとさんも好きなので、両方の作家さん目当てで読みました。
小説にしては本編210ページ程なので短めだと思います。
主人公の2人は隣同士に住む幼馴染なのですが、年は少し離れていて既に恋人同士です。
かなり甘々な状況から始まるので、恐らく何らかの困難が待ち受けているんだろうとは思ったのですが、どんな困難なのかという事は予想できませんでした。
年上の創馬は大人で落ち着いたタイプで良かったのですが、実輝が途中から独りよがりでなよっちくなってしまったのが気になりました。
いかにも悲劇のヒロインという感じで、自分だけが不幸を背負えばいいんだという表現がちょっとくどく感じられて、切ないはずの実輝の心境に共感出来なかったのが評価を中立にした理由です。
実輝はとても健気で創馬への愛情もとても深いのですが、もう少し控えめな表現だったら好きになってたかなと思いました。