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kizuato
1998年発売エクリプスロマンスの文庫版です。
1冊すべて表題作の長編で、書き下ろしショートはありません。
見沢(受け)の視点で進みます。
大学生の見沢は、中学からの幼馴染である志宮(攻め)が好きで、最後までしていないものの抱き合う関係です。しかし、ベタベタした付き合いを嫌うことから、志宮に冷めた態度をあえてとっています。しかし、自分をそのように偽ることと、志宮が女性を抱いていることに苦痛を感じて…という話です。
典型的な「すれ違い」で、切ないテイストの作品でした。
火崎先生はあとがきで「志宮に振り回される見沢が可哀想」と書かれていましたが、前半部分では志宮が好きだと伝えているのに見沢につれなくされていて、私には志宮が気の毒であり、読んでいて楽しい部分でした。とはいえ、「見沢が挿入させてくれないから」と志宮が女性を抱いているのは、抵抗がある方もいるだろうなと思いました。相手も遊びで、自分が避妊していたら良いのかというとそこはどうなのかと。嫉妬して見沢を無理やり抱く場面もありますので苦手な方はご注意ください。
夏目イサク先生は、私には明るいコミカルテイストな印象が強いので、あらすじにあるような切ない感じのイラストはどうかなとちょっと不安だったのですが、作品の雰囲気に合っていて素敵でした。作中の癒しである道下が私はお気に入りで、学祭で3人そろった挿し絵とか良いなと思いました。
正直、主役の二人もあぁカッコイイ!という風には思わなかったのですが、質実剛健という感じで見沢の友人・道下がなかなかの好青年で良かったです。彼女の春菜ちゃんとそろったイラストが見たかったです。