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攻・根津慎太郎(29) 清州組若頭補佐
受・綾木章吾(33) 個人経営の闇金業者
顧客に清洲組系列ローンで借りさせ、そのまま逃がしてしまった綾木。
若頭に「綾木の始末をつけて来い」と命じられて住所不定神出鬼没の綾木の居場所を突き止めた根津。
その日の宿だったビジネスホテルで綾木を目にした根津は、そのギャップに驚きます(でも無表情)。
個人闇金業を10年近く勤めていると聞いて想像した風体を裏切る綾木は、童顔でアイドル顔。
とてもエゲツナイ闇金業者には見えない。
しかも風呂上りの浴衣姿ときたら…無感動・無関心・無表情の根津も欲情するってモノですよ。
普通(?)強姦された受は歯をくいしばって耐えるか、涙を堪えるか…なんですが、守銭奴・綾木は違いますよ~。
抵抗しても無駄なら楽しまなきゃ損だと頭を切り替えるし、コトが終わったら根津の身元を確認して逆に恐喝して有り金を巻き上げる。
根津が帰った後は医者を呼んで強姦の証拠(診断書)を残して、根津に鈴をつけてしまう…すごい性格です。
強姦された方がそれをネタに金銭を要求されたり、関係を強要されることなら聞いたこともあるが、その真逆を実行する綾木に、根津は体以上の興味を持つんです。
根津もまた不思議な性格です。
何事にも無表情の鉄面皮だから、オツムの足りない若頭には目の敵にされていますし、古参の上層部には「今どき珍しい任侠の男」だと思われている。
実は全てがどうでもよいだけで、何かに強く執着しない根津が、綾木に振り回されているうちに少しずつ会話が増え表情が柔らかくなり。
強面ヤクザのなんだから、喜怒哀楽が豊かになってどうするんだか(笑)。
若頭が綾木をダシに根津を始末しようとしますが、根津はハンパじゃなく強かった。
そして金と情報を握っている綾木は最強ですね(苦笑)。
綾木の教えた情報で若頭は失脚し、根津が新しく若頭に。
根津は綾木に惚れていることを認めていますが、綾木はハッキリしません。
でも、付き合いの長い医者に言わせれば、
「損得以外は好きな事しかしない綾木が、根津と何度も会っているんだから惚れてるはずだ」ということだそうです。
ヤクザ×闇金のBLなのに、明るくて軽めテイスト。
受と攻の性格がどうしてこんななのか説明が一切無いので、その辺を気にしてしまうと萌が感じられなくなるかも。
軽く読み流せる方にはオススメかな。
あとがきを見たら、いおかさんのデビュー作なんですね。
デビュー作にはその作家の基本があるように思います…ヤクザで大阪で年下攻。
あらすじの「小悪魔な守銭奴」ってのは…いくら童顔とはいえ、33歳を小悪魔ってのはちょっとなぁ(汗)。
面白い事は面白いんですが、どうもヤクザである根津〔攻〕が最初から綾木〔受〕に甘過ぎるんですよね。
綾木は個人で闇金業をやっていて、それが目障りで所謂ヤキ入れで根津が綾木の元へと送られて、強姦しちゃうんですが強姦にしては割と温いんですよね。
綾木に軟膏使えと言われたら素直に出して使っちゃう辺りとかヤクザのヤキ入れの強姦にしてはかなり温いです。
そして強姦された綾木はしたたかにその証拠を写真に取り、診断書も取って反対に根津を脅しにかかるんですが……うーん、それって会社員とかならともかくヤクザにとって脅しになるのかなあ。
まあそんな風にツッコミどころはあるものの、2人のテンポいい会話は楽しいしサクサク読めます。
これがデビュー作として考えれば平均点はクリアしてるとは言えるかと。