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造園会社の2代目、父親と違うイギリス仕込みの庭園を得意とする森河竹流が主人公。
広い庭を造り直すという顧客との打ち合わせで出会ったその孫の美貌に惹きつけられ…と始まります。
森河は勿論ノンケで、女性には全く不自由のないモテ男。
なのに第一印象の良くなかった羽城にどんどんのめり込む自分を自覚。
しかし羽城は両親を事故で目の前で亡くしており、心に深い傷を負っていてどんなに森河が話しかけても心を開こうとしない…
森河が羽城に惹かれるのが早過ぎる感があります。
それに対して、羽城の方は延々心を開かない。スキンシップされてもキスされても抱かれても、その時はしどけないけど次の日には甘さゼロに戻ってしまう。
森河は売れっ子なので他の仕事も忙しく、羽城のそんな裏腹さに振り回される。
イケメンのモテ攻めがやる事をやった後でも関係性がままならない。
そういう展開はあまり見た事が無くて、そう言う意味で興味深く読みました。
羽城は気まぐれではなくてあまりにも臆病なだけ。それほど苦しみを心に抱いたまま生きていた切ないひと。
森河が根気強く羽城を理解しようと踏ん張ってくれて良かった。
雇われガーデナー(庭師)×依頼人の孫の話ですが、使用人×主人という力関係はないです。
森河(攻)の視点でストーリーは進みます。
軽い恋愛だけをしてきた森河が、造園を頼まれた家の孫息子である羽城(受)が気に入る庭を造ることになるというストーリーです。
人との別れに怯えて壁を作っている羽城の心を開こうと、森河が「ガーデナーの哲学」「ガ-デナーのカン」などと思いつきを言うのが面白いなと思いました。「発情した雄猫みたいにまとわりつく」とか、「幼い仕草にキスしないではいられなくなった」とか率直な下心アリが読んでいて楽しかったです。
羽城の祖母が倒れるとか、当て馬が登場するとか、お約束の展開なんでしょうが、私は好きな作品です。森河がきちんと仕事しているのも好感が持てましたし、表紙イラストの緑も良いなぁと思いました。